2.検索機能は必須。しかし、フツーの機能で必要十分。



前項で「賃貸不動産のWebサイトは物件情報に注力せよ」と述べた。そこで、ユーザーの利便性を考え物件情報に検索機能を盛り込むのは常識以前の必須事項となるのだが、ここに落とし穴がひとつある。


それは「検索機能の充実化を図るあまり、使い勝手が悪くなってしまう」という失敗だ。


ユーザーは賃貸不動産サイトに物件を探しに来る。しかし、実はまじめにはまだ探していない。インターネットでの情報収集は、部屋探しのごく初期におこなう行動だからだ。検索エンジンその他で見つけた類似サイトをぶらぶら見て回り、住みたい部屋・借りたい部屋のイメージを固めている段階でしかない。たまたま「良さげな物件を見つけて」「問い合わせ先(の会社)へ電話をかける」ところから、ようやく実際の部屋探しに意識が移っていく。


したがって、Webサイトで「ユーザーが求めている物件が探せるように細かな条件設定ができる検索機能」を用意しても無意味なのである。意味がないどころか、使い方がわからなくて、ユーザーはよそのサイトへ10秒で飛んでしまう。


「(使い方が)パッとわかって」「サクッと使えて」「ピッと物件リストが画面に出る」。この流れのスムーズさが重要である。Webサイトを使いこなすために新しく覚えなければならない事項があってはいけない。


<石川@アイタス