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山本大の日記 RSSフィード Twitter

株式会社レベルエンター(http://levelenter.com/)で、プログラミングを若手に教える仕事をメインにやっています。

2012-05-29

エンジニア人月0円セールと、ござ先輩に見た未来

今日id:gothedistanceと飲んだ。1年ぐらい前から飲もう飲もうといっていてようやく実現。

さすがはござ先輩。いろいろと教えてもらった。


その中で、SIおよびSEのこれからに暗い影を落とす話をした。

これはウチの関西側の営業担当が聞いてきた、あるSE派遣の企業の話。(とはいえ関西企業に限った話ではない)


何十人もの新人さんを集めて、無料でいろんなプロジェクトに派遣するビジネスモデルが台頭してきているらしい。

何十人の内、数名でも生き残って、その後定期的な売り上げになれば良いという、携帯の新規契約無料みたいなモデルだ。

経験者も言い値で出すという。


新人さんに経験を付けてもらうためにお試しで出向することは百歩譲って良いとしよう。

いくらなんでも新人ばかりで上手くいくと思っているような

受け入れ側もプロジェクトもさすがにないから、

こういう新人さんを受け入れるのも1つのプロジェクトで1人〜2人ぐらいなもんで、

プロジェクトが失敗する要因にまではならない。



でも、使い捨て前提で大量採用して、経験者も言い値で業界全体がデフレになることも無視、

ただただ人材ブローカーとして儲かればいい、という無責任な派遣側の経営に腹が立つ。


しかも、エンジニアというものは決して「安かろう悪かろう」というもんでもなく、

自分の単価を知らずに不遇にも耐えて頑張る経験者さん なんかもいるわけで、

頑張れば頑張るほどデフレを引き起こすという悲しい物語がある。



これによって、業界全体のSEの単価が暴落している。

少なくとも関西では平均10万は下がってる印象だ。


当然、エンジニアの平均的な給与も下がる。

話を聞くと、月勤務200時間オーバーのエンジニアで年収250万程度という

エンジニアもほんとうにザラに聞く。


蟹工船とまでは言わないが、耐えきれるぐらいの給与水準だからこそ、

純朴な地方の若者は素直に耐え忍ぶのだ。

業界は、湯でガエルとなりつつあるのか。


これは地方都市に限った話などではない。

地方と首都圏の両方の拠点を持つ会社さんは、

この手で地方から集めた若者を関東の各プロジェクトに派遣する。



そんなモデルはSEの使い捨てだ、と批判しても価格破壊には勝てないのだ。

他方で、僕らは新人をインターン時期含めると8ヶ月は教育して

手厚く手厚く教育してJava資格を2つ取ってから現場に出る。


手厚くやっても出先は埋め尽くされている。1人月という単位は変わらないのだ。

...なんと言う不条理。価格破壊が業界を悪くすると憂いても無意味

直面する現場では無料のエンジニアで席が埋まるのだ。


悪貨は良貨を駆逐するのか。


いずれにせよ、これからSIにいる者すべては、変革に直面している事は間違いない。


一つの答えは、id:gothedistanceではある。

彼と会って一番感じた事は、思っていた通りITビジネス組合わさったときの凄みだ。


ビジネスの武器としてのITは依然として意義深い。

ビジネスは成長を続けるものであり、企業や組織は常に変動する生き物だ。


一つの企業のビジネスに状況にぴったりフィットするITの提供や、

ビジネスの状況/環境に先手を打つようなITの提供は、やっぱり高い価値がある。


id:gothedistanceは、ユーザ企業のCTOとして働く事で、

ぴったりフィットのITサービスを提供している。


これほど意義深いエンジニアの姿はないだろう。



SIは大きな過渡期にあるのは間違いないし、先細りしているように見えるのは確かだ。



しかしながら、ソフトウェアの利用価値は増すばかりだし、

エンジニアのスキルに価値があるのは間違いない。


僕らはもう一つの答えを出したいと考えているが、出せるだろうか。


併せて読んでほしいござ先輩の所見。

ただ、これだけは分かって頂きたい。

IT業界を語る上で皆様にご認識頂きたいのは、「単純なIT技術者の派遣を生業にする企業」と、「正しく責任を持ってSIを展開している企業」が「IT企業」の一言で括るのは違うって事だ。この括りには強い憤りを感じている

クラウドがもたらしたSIの価格破壊の果て - GoTheDistance

まさに!
やばい鳥肌立った。


追記:
このエントリを見ている教え子らには希望を捨てないでほしいと切に願う。
プログラミングができるようになることや社会インフラであるITの現場にかかわることは、教えたとおりとてもエキサイティングでやりがいのある仕事だ。
ここまで価値を下げてしまったのは僕らを含めた先人たちの責任だが、若く希望のあるみんなと共に変えていきたいと思ってる。

松 2012/05/30 11:53 システムと同様に、Try & Errorを自分に課せずに現状維持を選択していることが、日本のIT業界の
悪しき風習醸成に加担している事を一人一人が自覚しないとさらに自分の首を締める結果になるでしょうね。

目の前には、会社のキャッシュフローも自分の生活もありますが、生き様を磨かないと自分の価値が
右肩下がりになると言い聞かせて、一歩ずつ前に進んでいます。

ぱいなっぷるぱいなっぷる 2012/05/30 14:06 日本国外と日本国内にそれぞれ理由があるとみています。

国外から言うと、ネットの発達によりグローバル化が進んでいて、国際分業ができる状態になっています。一般の製造業の場合と異なり、(スクラッチという意味での)ソフト業界の場合、ハード製造のような国をまたぐことによる輸出入の時間ロスがないのと、文化に依らない作り込みが求められるので、アウトソーシングに適した環境です。それが故に、一般のJavaプログラマを使う場合に、利用側から見ると日本の高額なエンジニアを雇う理由が見つかりません。私のいる中国沿岸部でさえ、ミドルクラスのエンジニアでも日本の60-100万/人月に対してせいぜい12〜15万円/人月です。

国内で言うと、日本の商習慣の悪習だと思います。上記の通り、人月単価は安いのですが、正直クオリティは高くありません。特に組み上げた後のテストやトラブル時の検証などが弱いです。そこを開発ベンダが強調して、それでもお客が首を縦に振らなければそこで打ち切ればいいのですが、日本は長く細くのような考え方があるので、次を考えて無理やり受けてしまう。すると、バーゲンプライスにお客が慣れてしまうために、単価が悪化。単価が悪化するので、業界の実入りも悪くなるのでますますバーゲンに走るという状況なんじゃないかと。

受けるベンダ側にも問題があって、単なる(と言うと殴られそうですが)コーディングのような代替性の効く内容の場合、どうしても上述のような価格競争に巻き込まれるので、体力があるうちにどこのなにからお金を稼げばいいのかを模索して実践してけばいいのに、弱電メーカーのような品質至上主義で顧客のハートを掴む的なスポコン思考が悪化に拍車をかけている気がします。

fofofofofofofofo 2012/06/02 20:05 なかなか関西情勢厳しいですよねー。(-_-;)

まあ、経験のあるエンジニアに関して言えば、最終的に自己責任だと思います。
月200時間オーバーで年収250万円って話は聞くと気の毒ですが、
どうにかしたいなら、自分を磨いて飛び出せばいいことだと思うし。
SI業界は確かにグダグダ感もありますが、適正なスキルのある人を適正に評価する仕組みもまたあると思いますよ。
そういう場所を自分から探しに行くか作ればいいだけかな、と。

ただ、新人さんに関して言えば…
もうちょっと企業側が考えてあげてほしいと思いますね。
ろくな教育も受けずにゲタはいて出向している1年目とか見ていると…
心の病にかかっても不思議じゃないと思います。

「入った現場で教育してもらえればもうけもの」
的な出向オンリーの会社はさっさと潰れてほしいもんです。

まあ、私が言うのもなんですけどねー。(^^;

ばしくしばしくし 2012/07/30 00:55 コーディングに代替性なんてあらしまへん。人によって、生産性・品質に数万倍の違いが表れます。まだ、調整事とか仕様検討の方が生産性・品質の差は小さいですな。
ちゃんと書いてあればいいんですが、グチャグチャにコード書く人かなりいますからね。オレオレスタイルは千差万別で苛烈を極めます。

とくにPHPとかPHPとかPHPとかだとヒドい件しか見たことない。なんでstrictのノーティスでまくってるのに放置?ログ肥大でサーバ終わるよ?とか、エラー処理書いてなくて画面真っ白とか(利用者側からしたらわけわかめ。アクセスダウンの素)、渾身の力作で超長編のSQL(作者本人もメンテできないレベル)とか、どのファイルからrequireした関数かがわからない(名前空間がない)とか、いろいろ問題ありますが…基本的にPerl4/CGIのデジャヴばっかりです。
その上で、DocumentRootにテキスト形式のスクリプトや設定ファイルを置いてしまうとか…正気の沙汰とは思えません。

実用性から見ると、コードの可読性は百歩譲るにしても、SQLインジェクションとか、ディレクトリトラバーサルとかのああいう実用上のセキュリティだけは最低限の常識としてキチンとしないとダメです。シャレにならんので。

それで性能がでなかったり、障害対応なんかした日にゃ目も当てられない。

こういう無駄な工数は、設計思想・哲学に基づくコーディングの仕方ひとつでガラッと変わります。全然違います。

でも、実質的な感覚値でそういうことをわかってる営業やマネージャって全然見ないし(みんな、表面上分かってるフリしたり人にパスするのだけは一流)
安いエンジニア、青いエンジニアではこういう基本すら知らなくても、とりあえず動くもの作っちゃえば、成果物として納品されちゃうんですよね。バグだらけの試作レベルで商用公開しちゃう…アジャイルを勘違いしてますよね。

こうやってプロジェクト品質とエンジニア単金は落ち続ける一方。エンジニアとしては、アホらしくてやってられませんがな。

ベテランやシルバー系エンジニアは、雇われることなく、案件受注でもなく
ひとり自力でC2Cにアプリ・サービスを作って金にすべき時期にきてますね。クラウドやスマホが出てきてますから、かなりやりやすくなったと思います。

経験豊富なのに単金上がらないエンジニアは、SIerなんかさっさと見切った方がいいと思います。

SIerは学校SIerは学校 2013/01/02 18:59 SIerというのは、ある意味教育機関というか、まさに「学校そのもの」ですよね。

学生(社員)は、お金をもらいながら技術(システムの作り方)やビジネス(お金の流れの作り方)を学ぶところ。
気象大学校や防衛大学校の民間版みたいなもんです。

で、社員が会社の仕事とは別にビジネススキーム思いついたら
彼は、会社とは無関係に個人でサイドビジネス始めればいいんですよ。

それがうまくビジネスとして回るようになれば、晴れて学校(SIer)を卒業し
一人前の社会人(ビジネスオーナー)になるんです。

ビジネスっても
家族養っていける程度に細々とするのが成功のケースもあれば
世界に名を馳せる大サービスを作るケースだってあるでしょうし
従業員数万人の大企業を作るのが成功って言う人もいるかもしれません。
理想としてのゴールは、人によって全く違いますけどね。

当然学校なんですから、卒業生集めて同窓会を開いたりとか、入社年次と退社年次で各々同期会というのがあってもよいと思うし。


SIerというのは、そういう未来のビジネスオーナー養成学校なのでありますから

SIerの経営者は、自らを「ビジネスマン」というより「教育者」としての認識を持って
真摯に業務に励んでいただきたいものですね。

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