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無造作な雲 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2008-09-12

大江千里「塩屋」を読み解く

2009年1月17日 追記。

mixi大江千里さんコミュにてこのエントリが紹介されたようです。このエントリの内容は千里さんファンにとってはおそらく承服しがたい内容であると思うので、その旨冒頭に記しておきます。また、今はボク自身このエントリで示した歌詞解釈には、納得も賛同もしていません。言い訳がましいですが、その点も書き添えておきます。


大村雅朗に関するエトセトラ あるいは 二人の天才 大村雅朗佐野元春」(http://d.hatena.ne.jp/icchan0000/20080828/p1)を書いたことがきっかけで、大村雅朗さんがアレンジした大江千里さんの作品を引っ張り出して聴き返している。


びっくりしたのだけれど、大江さん今はミュージシャンとしての活動を停止してアメリカで音楽修行中だそうな。楽曲の提供などはされているようだけれど。

大江さんのアメリカ生活の様子が伺える本人のブログコチラ


『AVEC』『Olympic』『1234』の3枚は全曲大村さんアレンジ。本人が出演するCMのタイアップ曲となった「十人十色」でブレイクした大江千里のイメージ−おしゃれでポップでちょっと頼りなげでやさしい男の子−は、アルバム『未成年』『乳房』(清水信之アレンジ)により確立されていくが、それに続く大村三部作を作っていく過程で、大江千里というアーティストは大きく変貌を遂げていく。そのあたりはいつか、「大江千里に関するエトセトラ」としてエントリしたいと思っている。


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↑このCMで流れている「十人十色」のアレンジは小室哲哉。それが清水信之アレンジだとこうなる。↓やっぱ清水さんセンスいいな。

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ところで今回の主題は、アルバム『Olympic』に収録されているミディアムバラード「塩屋」の歌詞を詳しく読んでみるということ。


youtubeにはないようで、http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/ES/SenriOe/ESCB-1245/5/sound.asxでちょいとだけ視聴できます。


「塩屋」はけっこうファンの間では人気がある曲のようで、ネットを手繰ると多くのファンがこの曲について語っているページやブログが見つかるが、かく言うボクも、大江千里にどっぷりはまるきっかけになったのがこの曲だった。Wikipediaによれば、間奏の電車のSEは実際に山陽電鉄の塩屋駅で録音された音だとのこと。芸が細かいね。


塩屋という駅は小さな駅で、兵庫県南部に住んでいなければたぶん知らないんじゃないかな。

塩屋というと国道2号線を挟んですぐに大阪湾が広がる、とても景色の良い場所です。関東でいうと江ノ電鎌倉高校前とよく似た感じ。

塩屋: 戸越まごめの『人生、ハズレ馬券』

とのことなので、関東の人はなんとなくそんな感じを想像してください。


歌詞の概略は、元カノ(なんて言葉は当時なかったが)に呼び出された男が、昔のことを懐かしく思い出しながらも、新しい彼女との生活を大事にしていこうと思う、という感じ。末尾に詞を全文引用しておくので興味ある人は読んでみてください。

なんで「塩屋」っていうタイトルになってるかっていうと、最後元カノを見送るのが塩屋駅だってことらしい。


今回久々に聴き返してみてひっかかったのが「のりのきいた袖で始発の窓に/小さくきみは手をふる」という一節。塩屋駅発の電車なんてないだろうから、「始発」とは「塩屋駅が始発の電車」では当然なくって、朝一番の電車のことだろう。


それは「朝の光が包み込んだ全てに今日が始まる」というフレーズとも合致する。


つまり、主人公の男の子に会いに来た元カノの女の子は、始発電車で帰っていったということになる。それってつまり、別れた恋人同士が、久々に一夜をともにしたっていうこと??


「きみと違うタイプの人ともうじき/暮らし始めるぼくさ」「彼女のことを今は幸せにする」なんて言いながら、元カノと久々に同衾(ふるい言い回しだねぇ)してしまったんだろうか、この男の子は。


「のりのきいた袖」という表現も、気になる。無論これは、「くしゃくしゃのレコード包みとハンカチ/膝の上で重ねた」という表現と対になる部分で、「くしゃくしゃ」と「のりのきいた袖」の対比が主眼なんだろうけれど、恐らくはオールナイトで元恋人と過ごして始発電車で帰ろうという女の子の服の袖が、「のりのきいた」状態って、どうなんだろう。


ファミレスあたりでオールしたことのある人なら心当たりあるだろうけど、一晩着つづけた服って、とりわけ袖なんて、けっこうくたびれるよね?となると、この女の子のブラウス(かな?)は、一晩着続けられたわけじゃなくって、脱いでハンガーにかけられていたんじゃないか。

すなわち、主人公の男の子と、ラブホテルあたりで服を脱いだ状態で一晩過ごしたんじゃないか?という邪推をしてみるのだがどんなものだろう?



主人公は「この場所だけは彼氏と来るなよ」と「大人気ないこと」を元カノに言ってしまうのだけれど、それも、久々に肌を合わせた(これまた古臭いナ)昔の恋人に、情を掻き立てられての衝動的発言だったのではなかろうか。

(しかしすぐに、そんなことを言う「自分がいやだ」と自己嫌悪し「(今の)彼女のことを今は幸せにする」と宣言するのは、元カノとの一夜の情事を後悔している、と見えないか。)



だいたい、元カノに呼び出されて一晩グチに付き合うって、どんだけやさしい男なんだ(そもそもそれってやさしさか)?と思うんだけど、それも、やけぼっくりに火をつけた、というか、男のほうにも下心があったんじゃないか、ベッドの中で久々に体かさねながら、元カノのグチを聞いていたのかなと思うと、まぁ、男にも、元カノに一晩付き合いたいと思うだけの事情があったのかな?


だいたい、新しい彼女を幸せにする、って言いながら、元カノに「きみがひとりで悩んでいるときに/いちばんそばにいれるぼくでいるよ」って言うなんて、未練タラタラやんけ?まぁそもそも男ってのは、別れた恋人には未練たらたらなもんかもしれんけどさ。



とまぁ、初めて聴いた高校生の時にはとても思い至らなかった、こんな風な感じに歌詞が読めてしまったのだけれども、どうなんでしょうね。



大江さんらしいしっとりとしたメロディ、ピアノを中心とした大村さんのきれいなアレンジは、そんなただれた(´・ω・`)男と女の関係を、見事に美しいポップソングとして成立せしめている。ほんといい曲なんだけどね。


今回はちょっとヘンな難癖(?)みたいになったけど、大江千里さんの歌詞ってとても好きなので、それもいつかエントリあげられたらなーと思います。

Olympic

Olympic

くしゃくしゃのレコード包みとハンカチ

ひざの上に重ねた

今の彼のくちぶり言葉のはしに

漂わせているね

困ったときにすぐに電話で呼び出すくせも

昔のままさ

悲しいよとか 投げだしたいよとか

流されている日々はぼくも同じさ

きみがひとりで悩んでいるときに

いちばんそばにいれるぼくでいるよ

朝の光が包み込んだ全てに今日が始まる

のりのきいた袖で始発の窓に

小さくきみは手をふる

きみと違うタイプの人ともうじき

暮らし始めるぼくさ

どんな理由で昔きみと争ったか

それも思い出せなくなる

憎んでるとか 顔も見たくないとか

そうじゃないのになぜ人は別れるの

巡りあったら大切に生きたいよ

彼女のことを今は幸せにする

朝の光が包み込んだ全てに今日が始まる

渚に近いあの街道のスタンドも

もう今はさびれている

この場所だけは彼氏と来るなよと

大人気ないこと言うぼくが嫌だよ

自分で決めた道をもどりたくない

彼女のことを今は幸せにする

朝の光が包み込んだ全てに今日が始まる

icchan0000icchan0000 2008/09/12 15:05 おうっ!そうか「始発の窓に」手を振るってのは電車を見送ってるってことだよな!!わちゃー。まったく勘違いしてた(笑)うーむすべてが砂上の楼閣となる・・・かな?まぁいいや(^^

>今はもう別々に生きている二人の溝を象徴している感じがしたよ

なるほどな。「窓に手を振る」から二人の距離を感じ取るのか。それはそれでありだな。

とりあえず今回のおさむくんの指摘を受けて、またもいっかい考えなおしてみるわ〜。

satsat 2013/04/21 11:16 「なるほど!」と納得しました。
「塩屋」がその後「君じゃない」に展開する、というのは安直過ぎますかねぇ。

ぴいぴい 2015/08/11 01:18 塩屋は学生時代に何度か。美味しいチーズケーキのお店があります。聞きやすいメロディに騙されて炊けど、確かにそうだ、元カノと一夜過ごしてしまったのか?!遠ざかっていたのでまた聴いてみます。考察と動画、発見があって楽しみにみてます!

icchan0000icchan0000 2015/08/23 23:57 sat 様、ぴい 様、コメントありがとうございます。最近はすっかりこのブログは放置状態で気づくのが遅くなってしまい申し訳ありません。

大江千里さんの歌詞についてはいろいろと想像が膨らむもので、受け手がそれぞれの形で想像しながら聞いているんだろうなと思いますね。

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