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無造作な雲 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009-06-23

「部落」という言葉

id:PledgeCrewさんのはてブで知ったエントリ。適宜はしょりつつご紹介。ぜひ元記事を読んでください。

かなり恥ずかしい話かもしれないが、僕が同和という言葉を初めて聞いたのは、大学1年、19歳のときだ。


僕が初めて、まともにその言葉を聞いたのは、なにかというと、母のおしゃべりを通してだった。

  

話の細部は、それほど詳しく憶えているわけじゃない。母は、その頃参加していた工芸教室で聞いた噂話を、僕に再現して聞かせていた。

ある家に大学生の息子がいて、まあ、勉強もせずチャラチャラ遊んでいるとかいう、ろくでもない奴らしかった(母は僕のことを考えていたのかもしれないが)。

ようするに、息子は自室で女の子と一緒に寝ていたところを、お祖母さんに見つかってしまったのであった。

お祖母さんのショックは並大抵じゃなかっただろうし、孫らの所業は極めつけに「ふしだら」な行為に映ったことは、想像に難くない。

と、母は、友人から聞いた話を続けた。


「でね、その女は、『どうわ』なんじゃないか、って言うのよ」

  

これが、僕が「同和」という言葉に接した、最初の経験だ。

排除のためにその名が使われるなら - Ry0TAの日記 - queeringmeグループ

このエントリに触発されてよみがえったボクの記憶を書く。ボクが住む地域は、今なお根強い部落差別が残るところだ。


これまでも触れてきたとおり、うちの父は熱心な共産党シンパで、母もその父に感化されたのか、在日韓国人の方を支援するボランティアに協力したり、日共系の女性団体の活動に参加したりしていた。それなりに“進歩的”な雰囲気の家庭だった。


ボクが大学のとき、そんな母が、何かの流れで、「あの人は“ヨツ”やからなー。税金もおさめんでいいし、働かんでも食べていけるんやろ」という発言をした。ご丁寧に親指をまげて数字の「4」を手で示しながら。


ご存じない人のために補足すれば「ヨツ」といのは、被差別部落の人を指し示す隠語で、「被差別部落の人間は指が一本足りない」という身体的欠陥(無論、それは完全なフィクションだ)に基づく隠喩である。今でも漫画などで、この「4」を表す手の形は、「自己規制」されてしまうことがあるのは、この「ヨツ」という差別表現に由来する。


典型的な差別表現を、まさか、母に見せ付けられるとは思わなかった。居合わせた父は「アホか。そんなん関係あるかい」と言いながらも、強くは母をたしなめなかった。


ボクも、母に「それは差別なんじゃないか」とは、言えなかった。20年近く母がそんな表現するところをを見たことがなかっただけに、ただただ、驚き衝撃を受けた。



差別意識というものの根深さと罪深さ、そしてそれに対する自分の無力さを痛感し、声高に差別反対なんてことを唱える資格は自分にはないんだなと思った。


もっとも身近な家族が、時に差別者としての相貌を剥き出す。それもまた差別というものの恐ろしさの1つなんじゃないかと思う。自分の無力さを言い訳するわけじゃないけれど。



ところでこのエントリに、PledgeCrewさんが

PledgeCrew 差別 「部落」という言葉はもとは単に田舎の集落を指す言葉。それが部落解放とか部落問題などの用例の結果、とくに被差別部落を指す言葉として残った。そこには彼らとの混同を忌避する側の意識もあった?id:K416さん

http://b.hatena.ne.jp/PledgeCrew/20090623#bookmark-14142349

はてブコメントをつけておられる。


「部落」が、単なる集落をではなく、被差別部落を指す語として残ったのは、「部落解放」とか「部落問題」など、差別撤廃を求める立場からの用例も大きな要因なのでしょうけれど、本質的には、明治政府による「特殊部落」という、差別を定着させるためのまさに語の本来の意味での「差別用語」に起因するところが大きいんじゃないかなと思うんですが。

政府は「解放令」を出したが,明治末まで,その解放を保障する実質施策をせず,ようやく明治末年になって対策に乗り出した。1907年(明治40)初めて全国の部落調査を行い,地方改善事業として取り上げた。このとき政府は,部落を「特殊部落」「細民部落」「後進部落」と命名した。このなかの「特殊部落」が差別用語として後に残った。

Nothing found for History Doc P P105L100 Htm

「部落」がとくに「被差別部落」を指すようになった原因は、「彼らとの混同を忌避する側の意識」に同伴・便乗した明治政府差別的政策が一番の原因だったと思うので、それに触れないのはちょっと違和感があります。

ぴいぴい 2015/08/11 01:27 学生時代関西に住んで、あぁ、本当にこんな話が日常的に出るのだなぁと、バイト先の喫茶店で驚いたものです。差別は良くないという認識でしかなかったのですが、そのために税金の免除や仕事の斡旋など有利なのだと聞いて、またまた驚いたものでした。

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