どうもご無沙汰しております。
真面目に働いております。
本論の前に２点ほど。
まず、小牧市の図書館問題。
問題企業のツタヤ、CCCがまた「やらかして」います。
CCCはプライバシーマークの更新が遅れていたようなのですが、とうとう更新できずに取得を取りやめたようです。
この辺りが判りやすい記事でしょう。（独特の諧謔には気を付けなければなりませんが）
CCC（ツタヤ）がプライバシーマーク返上で日本中のプライバシーフリークが騒然の事態(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
個人情報保護法〜またはその関連法令を遵守することを大前提とした上で、日本工業規格のJIS Q 15001〜や JIS Q 27001〜などのセキュリティ基準を参考に自社基準を策定し、時代の変化や急速に発展するIT技術に対応できるセキュリティ環境を作ってまいります。
http://www.ccc.co.jp/news/2015/20151117_004849.html
あれほど武雄市図書館や海老名市図書館で「独自分類」について批判を受けているにも関わらず、ここでも「自社基準」ですからね。そして、その基準については公表はされそうにもありません。
コンビニや（なんと、一部ドラッグストアや銀行でも）「Tカード」は利用できるようですが、その利用履歴、購入履歴について、プライバシーマークに準拠した扱いは期待できそうにありません。
もちろん、Tカードは深く個人情報と繋がっているのですから、こういった基準の変更はTカード会員に広く告知されるべきだと思うのですが、店頭やCMなどでは見られませんね。CCCのHPにも「プライバシーマーク離脱」という表現では書かれていませんからね。
この問題は非常に大きくて、Tカード提携企業においても、同様にプライバシーマーク取得が困難になるのではと思います。つまり、店頭で購入履歴などをTカードを利用して取っている場合、取得行為自体は提携企業の行為であり、その先の個人情報の扱いについてプライバシーマークに定められた基準を期待できないのですから、提携企業においても業務上収集される個人情報はプライバシーマークで保護されているとは言えません。
こうした重要事項を、利用者に判りやすく開示しない企業というものを信用することができるのでしょうかね？
もう一つはフランスで起きたテロに関してです。
多分、ISISが介在したテロという事なんでしょう。
こうした事件が起きると、国内治安に対する不安を煽ったり、移民政策に対する狭量な発言を反射的にする人が居ます。・・・非常に日本人的ではない。
日本人とはもっと緩やかで寛容な民族であり、国家だと思っていたんですけどね。
こういった論考があります。
元人質が語る「ISが空爆より怖がるもの」(ブレイディみかこ) - 個人 - Yahoo!ニュース
無差別空爆もテロも同じ行為だ。
それは単にそれにかけられるコストの相違でしかない。
攻め込まれたから反撃する。反撃されたからさらにし返す。
こんな脊髄反射は単細胞動物でも行う事でしょう。
人間に脳みそがあり、知恵や理性があるのは何の為でしょうか。
恐怖の総和を乗り越えられるのは、冷静な理性の判断であり、それに立ち向かう本当の勇気です。いたずらに危機を煽り、それを何かに利用しようとする。例えば、自身への支持に利用しようとする政治家などには注意しなければならないでしょう。
さて、本論です。
減税日本の高橋市議死去に伴う中区補選は１１月２７日に公示されるそうですが、
この補選に対する立候補予定者が固まったようです。
前回、４月の中区市会議員選挙の結果をまず、おさらいしておきましょう。
投票率は２８．６９％でした。
中田ちずこ（自民）６，５３４
高橋圭三（減税）３，６３８
西山あさみ（共産）１，６２６
菱田聡一郎（民主）１，５９７（次点）
のりたけ勅仁（次世代）１，１９７
以下、割愛。
有効投票数は１７，５５６票でした。
立候補が見込まれる人物および党派
佐藤あつし（減税）
菱田聡一郎（民主）
椿野ちかし（共産）
この３人までは想定範囲内だったが、ここに思わぬ伏兵が現れた。
今枝潔美（自民推薦？）
愛知県名古屋市中区｜今枝潔美 オフィシャルホームページ
春の選挙、県議会議員選挙に無所属で中区から立った人物で、言わずと知れた故今枝敬雄衆議院議員のお嬢さんである。
選挙前の２連ポスターに亡くなっている今枝敬雄さんの名前が載って少々話題となった。
まさか、イタコでも呼んで今枝敬雄さんの言葉でも告げるのか？とか。
最近では、そういった霊言やらいうものがはやっているらしいから、それもまた一興かも知れませんが。
冗談はさておき、
高橋市議が亡くなったのであるから、その補欠選挙に同じ党派の候補者が出るのは順当な話だ。幸い（？）減税日本の中区選出県議であった佐藤候補が県議選に落選しているので、この佐藤元県議が減税日本の候補として中区に立候補するのは自然な流れだっただろう。
また、共産党の西山候補に敗れた次点の民主党候補、菱田氏も立候補されるだろうとは予想された。
この両者の立候補は順当な話で理解しやすい。
共産党は、前回、増員である中区の第３議席を獲得した。
民主党や他の第三極が政権党である自民党との差異を明確に提示できない中で、自民党政権に対して疑問を持つ層の支持を吸収しているのが共産党であり、そうした全国的な流れを有効に利用し、選挙戦略としても成功を収めた事例だろう。
また、西山候補は若いながらなかなかのものだ。単に見かけだけではないのかもしれない。
さて、ここで予想をしてみる。
各候補が各党派の得票をそのまま手堅く受け継ぐとみるとどうなるか。
減税の佐藤候補 ３５００
民主の菱田候補 １５００
共産の椿野候補 １６００
といったところになる。
このままでは６６００票にしかならない。
前回１７０００票、今回が投票率２０％近辺として１２０００票の争いになるとすると、残りは５４００票足らない。なぜこんな事になるか。
前回の中区選挙においては中田候補の得票が圧倒的だったのだ。全体の約３７％を中田候補が獲得している。
では、この中田票、自民党の票が今枝候補に流れるのだろうか？
私はまず無理だろうと考える。
中区の選挙事情に詳しい人物の見立てで行くと、前回中田候補が獲得した６５００票の内、自民党の票はおよそ２０００票程度ではないかということだ。つまり、この２０００人の方々は、自民党というレーベルが付けば誰にでも投票してくれるという事だ。しかし、残りの４５００票は中田候補自身が開拓した票で、これは中区の地付きの住人の票だろうということだ。中田候補の有効な名簿は得票と同程度の７０００弱だそうで、それは今回の今枝候補の選挙に活用されるということは無い。自民党自体が持つ名簿は２０００程度で、今枝候補を擁立した方々が、すでに地元回りもしているとの事だが、どうしたって上滑りの運動になりかねない。
今枝候補にこの自民党の基礎票が全部乗ったとして２０００票
残りは３４００票だ。
さて、ここで次のような力学が働く。
つまり、定数３人の選挙区に、現職の中田市議と今枝市議が同じ自民党から議席を獲得した場合、これは後々様々な混乱をもたらす。波風を立てたくない人々にしてみれば、ここは今枝候補を当選させるよりも、佐藤でも菱田でも誰でもいいから別の人を、自分たち自民党コミュニティとは関係のない人物が議席を獲得した方が良い。
幸い、そもそも減税の議席でもあり、民主党が一議席程度獲得しても市議会の会派バランスがどうこうなるものではない。
となると、どうなるだろうか。この中田票の残３４００票は佐藤候補に流れるのではないだろうか？６割流れたとするとこういった状態になる。
減税の佐藤候補 ３５００＋２０４０ ＝ ５０４０
民主の菱田候補 １５００
共産の椿野候補 １６００
自民の今枝候補 ２０００＋１３６０ ＝ ３３６０
総得票数 １１５００票
今回の補欠選挙は、前回の総得票の３７％、６５００票を獲得した中田票を獲得した者が有利になる。
中田票は共産や民主には流れない。
本来なら非自民の第三極、次世代やら維新といった保守色のある政党が獲得できた票だろう。次世代も維新もそういった観点からは見ていないようだ。まったく、情けない話だ。
そして中田票は自民党候補には流れにくい。それは単純な自民党票ではなく、その大部分は中田票なのであって、中田市議の足元を脅かすような動きにはつながらないからだ。
多分、中田市議自身が何も指示をしなくても、そして中田後援会が特別な動きをしなくても、以上のような情勢を考えると、各有権者が自然と減税の佐藤候補に投票しそうな気がする。（つまり、佐藤候補に対する支持ではなく、今枝候補に対する排除の動きになるということだ）
この今枝候補擁立はどうも、自民党の党内事情のように見える。
正直私には良く判らない。なぜこんな事になるのだろうか？
けれども仕方がない。事ここに至ってはどうしようもないだろう。
けれど、こういった中区の事情、党派の事情まで承知している人々は少ない。
１２月６日の投開票日に、減税日本の佐藤候補が、亡くなった高橋市議以上の得票数で議席を獲得すれば、減税日本の河村党首は得意満面だろう。「減税日本の政策が名古屋市民から信任された、やっぱり名古屋城は木造化せにゃならんし、１０００メータータワーも建てないかん」ぐらいな事は言いそうだ。
やれやれ。
