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2017-07-24 亡国のメリーゴーランド

亡国のメリーゴーランド


「タイのナコンサワンから北東に50kmほど離れたボータムという小さな村、この村の住民が悪神ラフーを追い払う太鼓を打ち鳴らすと、やがて日食は終わりを告げる。この村に古くから伝わる太陽を取り戻す儀式である」
(参考: 日蝕観望記 )



NHKがNスペとして「AIに聞いてみた/どうすんのよ!?ニッポン」という番組を作ったそうだ。この番組のタイトルよりも、その中で取り上げられた「40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす」という「AI提言」なるものがキャッチーで、NHKが設定したツイッターハッシュタグ「#AIに聞いてみた」でも活発な議論が交わされている。

残念なのは、NHKから、具体的なデータやシステムの情報は出ていないようで、そうしたデータに沿った議論は出ていないようだ。いっそデータやシステムそのものをクラウドに置いて共有化してしまえば面白いのにとも思うけれども、NHKとしても商売なのでそれはできないのだろう。

この記事は削除されました |NHK_PR|NHKオンライン

番組中提示された提言は5つだった。

1.健康になりたければ病院を減らせ
2.少子化を食い止めるには結婚よりもクルマを買え
3.ラブホテルが多いと女性が活躍する
4.男の人生のカギは女子中学生の’ぽっちゃり度’
5.40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす

どれも虚を突かれるような表現で、テレビ番組として視聴者を惹きつけるのに十分な力を持っているだろう。


色々な情報を整理すると、どうも今回NHKが作成したシステムAIと言っていいか少々疑問が残る。AIであるかどうかの判断基準を私は「それ自身が目的を持っていること」と思っている。今回のNHKシステムでは具体的な解決課題は設定されていない。

医療分野では診療を助けるシステムも開発されている。これなども膨大な診療データからのパターンを検索*1するだけで、AIというよりはエキスパートシステムに近い。クルマに組み込もうとされているAIも、優れたセンサー技術と、信頼性の高い分析システムの結合なのだろうけれども、AIと呼ぶにはまだ足らないだろう。本当に目的解決を自力で行うAIを開発するためには、システム自体に「目的」を持たせる必要がある。将棋や囲碁であれば、この目的を定義するのは容易*2だ。また、その目的に係る要素は有限であって、明白な定義ができる。しかし医療自動車運転となると、目的設定自体はまだしも、係る要素の定義がしきれていないように思える。

今回のNHKAIについても、5000種類、700万件のデータを投入したとされているけれども、それでいて問題の対象は「どうすんのよ!?ニッポン」なわけで、日本という小さな島国といえども、1億人からが暮らす社会全体をこれだけのデータで「予測」することが無茶な事は容易に分かる。

番組HPでは次のように語っている。

風が吹けば桶屋が儲かる」といった具合に、複雑に、間接的に影響し合っているそれぞれのデータの関係性をAIが解析し、日本の社会構造を詳らかに分析した。

NHKスペシャル | AIに聞いてみたどうすんのよ!?ニッポン

しかし、これは上のタイにおける日食の事例で言えば、「悪神ラフーと太鼓の関係性」を、古代から伝わる前例から導き出しているようなものとは言えないだろうか。


ツイッターハッシュタグ「#AIに聞いてみた」の議論を追ってみると、次のような指摘も有った。

「1.健康になりたければ病院を減らせ」というが、病床数が減った地域の有病者率*3が減っているということではないのだろうか。これはその地域の人々が健康になったということではなくて、単に地域の有病者にとって、地域の病床(病院)が減って、病院が遠くなってしまい、不便なので引っ越したに過ぎない。つまりは地域から排除されたということであって、「病院が少ない地域は病気を持ったヒトにとっては住みにくい」という当たり前の事を逆に言ってみただけなのではないのか?

なので、どこかのバカ市長(今回の件では、名古屋市長は関係ありません)が、「わが町の住民をもっと健康にしよう!」と病院を閉鎖すれば、その地域の有病者は排除されてしまうというだけにすぎないだろう。公営病院というのは何かと風当たりが強い。名古屋でも民間移管されてしまった事例があるし、大阪維新もこれを行って問題を起こしている。今後誰かが、「住民を健康にするために、NHKAIが言うように、我が地域から病院を減らします」なんて言い出しかねない。非常に危険な政治的プロパガンダに使われそうな言葉だ。*4

 守山市民病院の民間譲渡について、問題点を把握していない河村市長 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
 ■住吉市民病院を充実させる市民の会です。大阪維新政治により、地域医療が崩壊の危機に... - 地域医療(住吉市民病院)を充実させる市民の会 | Facebook


2から4のそれぞれの提言に関しても、「悪神ラフーと太鼓の関係性」でしかなく、自分たちの立っている大地(地球)と月と太陽位置という本来の関係性に気がついていないのではないかと思える。

また、5については最も考慮すべき課題が多い。

確かに番組でも取り上げられているように、40代ひとり暮らしが増えることで、その影響を受けるであろう問題も多い。しかし、だからといってひとり暮らしをする40代の人間が原因とはいい難い。

社会の様々な事柄は全てに関連を持っている。ひとつの事柄だけ捉えて、それを原因とみなす考え方はまるでメリーゴーランドの先頭が何であるかと言っているような議論だ。

問題は「40代ひとり暮らし」を生み出した政策ではないのか。

番組でも取り上げられていたように、40代でも生活に余裕は持てず、更に不安定な人々は多い。それは結局雇用政策の、もっと具体的に言えば、ズバリ現下の非正規雇用のあまりの多さに原因を求められるのではないのか。非正規であれば将来的な生活の見通しもたたない。本来、社会や経済的予測不能性に対してリスクを背負うべきは企業ではないのだろうか。それをこうした個人に負わせているのが今の日本なのだ。

個人が将来の経済的条件に見通しを立てられなければ、結婚子どもを育てるというリスクを背負うこともできない。

「40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす」という言説が成立するのであれば、「雇用条件を悪化させ、非正規雇用を蔓延させた政策日本を滅ぼす」といえるだろう。そしてそれは「小泉竹中構造改革日本を滅ぼす」と言ってもいいだろう。40代ひとり暮らしにその責任を負わせ、引け目を感じさせるのであれば、同様の責を小泉竹中の両氏にも背負ってもらうべきだ。

そして、小泉氏や竹中氏もまた、この亡国のメリーゴーランドの一コマにしか過ぎないのだろう。小泉氏や竹中氏の振り回した「構造改革」に酔い、「抵抗勢力」を排除して攻撃した人々が、この亡国のメリーゴーランドの次のコマだ。そして、それは完全に誤りであり、失政であった。そしてそのツケは確実にこの国を蝕んでいる。

構造改革と言う名の「縮小均衡論」は全くの誤りである。政治経済の「目的」は経世済民である。人々が生きていく安寧を打ち立てることが優先課題であり、その為の国家財政なのである。国家財政のために国民があるのではない。

反省のないところに改善はない。小泉氏や竹中氏のこの明白な失政はまだ失政として認識されていない。(NHKは「日本を滅ぼす」と言っているのだが)そのために竹中氏はまだ政府の中心で政策を振り回している。(そして、それは利益相反ではないのかと疑われている。雇用条件の緩和とパソナという一私企業会長職は利益相反どころか我田引水政商そのものと言ってもいい。米国カーター大統領大統領に付く際、利益相反を回避するため自らのピーナツ農場を手放したそうだ。竹中平蔵というこの存在を後世の歴史家政治学者はどのように評価するのだろうか)

誤った縮小均衡論から脱却し、この亡国のメリーゴーランドを止めなくてはならない、または逆転させなければならない。



追記:
興味深い検討記事が出てきた。
 株式会社ロックオン | Impact on the worldの合い言葉のもと集まった仲間達と共に、大阪発で世界を目指すITベンチャー企業です。

*1:マッチング

*2:ゲームの勝利なのだから

*3:または有病者数

*4:そして、こうしたバカは「民間療法」に親和性が高い。現代医療はこうした民間療法まで含んで、その全てを検証し、有効なものを取り入れている。医療技術は貪欲なものだ。また、現代医療が信用できないとして、その民間医療が信用できる根拠はなんだろうか。不確かな民間療法を尊重し、現代医療を軽視するものは、人間の営々として築き上げてきた文明を否定するものであり、その考え方自体根底から再判定すべきだろう。

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