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2018-06-19 名古屋城についての事実確認と現状の推測(番外)

名古屋城についての事実確認と現状の推測(番外)

名古屋城の公式Webサイトに
名古屋城天守 復元事業について」というページがあり、
5月30日に「木造天守の昇降に関する付加設備の方針」を掲載したそうだ。

名古屋市はこの名古屋市政に燦然と輝く名文を、
樹脂にでも固めて玄関に長く掲載し、顕彰すべきだろう。

なんだこの代物は?
以下、逐次添削と批判を加える。

引用は同文書、地の文は私の「ツッコミ」である。

https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshukaku/03_fukugenjigyo/index.html#seven

木造天守の昇降に関する付加設備の方針
1. 基本的な考え方
・ 本事業は、歴史時代の建築物等の遺跡に基づき、当時の規模・構造等により再現する「歴史的建造物復元」を行うものである。


「歴史時代」という言葉は、いわゆる「有史以降」を表す。有史と先史の相違は、文字の存在とそれによる歴史の考証可能性であり、江戸時代という敢えて言えば「近世」の文化を表す遺構が名古屋城跡なのであって、「歴史時代の建築物等の遺跡に基づき」という言葉自体がこの筆者における歴史認識の程度を現している。

また、当時の規模や構造を再現する根拠は「昭和実測図」や「金城温故録」などの文献、および現存する写真から行われているものであり、「建築物等の遺跡に基づき」という表現は明白に誤っている。「遺跡」は移動不能の物に対して使われる言葉であり文書などはこれに当たらない。

名古屋城天守は、法隆寺のころから始まった日本の木造建築のひとつの到達点、究極の木造建築とも言われ、豊富な歴史資料をもとに外観の再現に留まらない史実に忠実な完全な復元を行うことの選択議会行政における検討や市長選挙での市民の信託を得て推し進めることとしたものである。


法隆寺に代表される飛鳥天平建築物は木造建築の一つのエポックを現している。それは逆に、それに先行する木造建築に対する技術、知見の蓄積を予想させるものであり、「法隆寺のころから始まった日本の木造建築」という見解に立つ日本研究者は居ないだろう。

焼失した名古屋城天守が木造建築のひとつの到達点であっただろうことはその通りであるが、それだけに焼失によって失われた技術手法が推測されるところであり、内部構造について明示される資料等もないことから、いわゆる「本物通りの復元」が困難であるとされるところである。一般に言われてきたように「史実に忠実な再現」ですら危うい中、上記のように「史実に忠実な完全な復元を行う」とするのであれば、その完全性を証明すべきであろう。

内部構造図を(示せるものであれば)示して頂きたい。


この文章は日付もなければ文責者も明記されていない。
誰がどの時点で語ったものなのか不明だ。次のセンテンスの主語は誰なのだろうか。

議会行政における検討や市長選挙での市民の信託を得て推し進めることとしたものである」

議会行政市長選挙での市民、それぞれの主語に対する言葉はそれぞれ「検討」であり「信託」だろう。
それらを得て「史実に忠実な完全な復元を」「推し進めることとした」のは誰か?

責任主体を曖昧にした非常に「ずるい」文章と言える。

市長選挙での市民」は中日新聞アンケートへの回答で、6割以上の市民が、市長選挙投票判断名古屋城問題を絡めないと回答していたそうだ。議会行政も「検討」し、「検討」の為の予算については議決しているが、それ以上の物ではない。それどころか議会は基本設計費への支出付帯決議を付けている。その条件は主に次の二つだ。

1.505億円と言われる事業費を独自に賄うとする収支計画を明示すること。
2.国、県の補助金を得るようにすること。

どちらも守られておらず、特に収支計画についてはこのままでは名古屋市民に多大な負担を求める事になる。
ここで「検討」を止めなければ、議会も市民の負託に応えているとは言えないだろう。

・ 市民の皆さまの中には、「一旦は焼失しているので復元しても本物の天守ではない」との意見もあるが、名古屋城天守城郭として国宝第一号であったものが、大戦中多くの市民の命とともに昭和20年5月14日に空襲で焼失してしまったものの、残された石垣には空襲による傷跡も残っており、焼失中の写真も残されている。
その上で、市民の精神的基柱であり、誇りである名古屋城天守を、悲しい歴史的史実を経て、昭和実測図や金城温古録等、豊富な歴史資料に基づき、戦災で焼失する前の本物の姿に復元すると世界に主張するものである。
したがって、過去の天守と今回の木造復元同一性について、歴史的な分断を感じさせない復元を成し遂げる事が、事業の価値を決定づける大きな要素となる。


細かいツッコミを最初に「歴史的史実」という表現は重複が重なっている。小学生の作文添削並みになってきた。

次に、この文章を書いている人物無能さが良く判る。
センテンスの書き出しの問いかけと、答えが噛み合っているだろうか?

復元建造物が「復元」や「レプリカ」でなく、「本物」として扱われている例でも示し、今事業もそれに列するものであると論証するのならわかる。しかるに回答部分は復元の真実性に帰着しているだけであって、復元である事自体は否定できていない。問いかけをもう一度見てみよう「復元しても本物の天守ではない」この疑問に答えていないのだ。

また、実はこの文章の中でこのセンテンスが最も悪質だ。
無能と言うだけでなく、決定的に駄目な歴史認識を現している。

小学校からやり直すか、今後は歴史について語る事は諦めた方がいい。
AKBやらSKEのアイドルでも追いかけまわしていた方が幸福な人生を送れるだろう。

何が問題か。この一文だ。

「戦災で焼失する前の本物の姿に復元すると世界に主張するものである。
したがって、過去の天守と今回の木造復元同一性について、歴史的な分断を感じさせない復元を成し遂げる事が、事業の価値を決定づける大きな要素となる」

過去の本物の天守と、今回の木造復元は「歴史的に分断している」
過去の本物の天守と、現在の鉄骨鉄筋コンクリート製の天守も「歴史的に分断している」

なぜ、こうした分断が起きたのか。それは第二次世界大戦における名古屋大空襲において、本物の天守が焼失してしまったからだ。第二次世界大戦も、名古屋大空襲も、名古屋城天守の焼失も、ともに歴史的事実であり、名古屋市民であれば深く心に刻むべき歴史的事柄だろう。

現在の鉄骨鉄筋コンクリート天守を訪れた人々は、確かに姫路城犬山城松本城のような城郭建築を期待していれば失望する事だろう。「なんだ、コンクリートのビルじゃん」という声も聞いた。しかしこの「分断」こそが、悲惨な戦争の惨禍を思い出させるのであり、その後の戦後復興期の名古屋市民の熱情を伝えるのである。

この文章には、こうした復興期、現天守復元した人々への敬意がみられない。触れられもしていない、それどころかこのように「歴史的な分断を感じさせない復元を成し遂げ」戦争の惨禍も、復興期の市民の再建に向けた熱情も隠ぺいしようとする「歴史修正主義」でしかない。

つまり、南京虐殺事件への電波的な妄言に連なる、無責任で、不勉強で、自分勝手で、議論から逃げ回る卑怯者、小心者の、低い低い、見識という以外ない。

よく恥ずかしくもなくこのような事を公言できるものだ。

・ 50〜100年で再度「国宝」になることを目指す。


その道筋を示して頂きたいものだ。
また、先行事例を示す責任があるだろう。

国宝であった京都金閣寺は、昭和25年焼失し、昭和30年(1955年)復元された。
復元から63年経っているが、国宝に再指定されるのだろうか?


実現不能の空論をもって募金でも行い、不特定多数の人々から金員を募るとすれば、それは何と呼ばれるのだろうか?


・ ゆえに、史実に忠実な復元を確保した上で、まず、2022年の完成時期に、その先においても世界の模範とされるべき改善を重ね、観覧、体験バリアフリー環境を整備するための付加設備とする。


日本語になっていない。
何を「付加設備とする」のだろうか?
タイトルにある「木造天守の昇降に関する付加設備」についてまとめているのだろうか。

しかし「ゆえに」と言われる条件を導く論拠は脆弱である。
なぜ設備として設置できず「付加設備」とするのか、その検討が見られない。
また、この文章では「バリアフリー環境を整備するための付加設備とする」と言っているにも関わらず、後の文章と整合していない。

2. 現天守の現状
・ 現天守は5階までエレベーターで上がれるが、内部は博物館施設であり、本来の木造天守の内観を観覧することはできない。また、展望については、1階の東側及び北側の一部と7階の展望室からに限られているが、7階へは階段でなければ行くことができないため、車いすの方は展望ができない状況である。


「本来の木造天守の内観」
「本来」とする根拠は無い。

ここで指摘しておくが、名古屋市の各文書に見られる「天守」という表現は正確ではない。
「閣」という言葉は居住施設に対して付けられる言葉であって、
名古屋城天守には誰かが居住したという史実は無い。
居住の為の建物でないのであれば、「天守」ではなく「天守」と表記すべきだ。

史実に忠実に名古屋城天守を扱うのであれば、そこで「本来の木造天守の内観を観覧する」(ここでも小学生並みの重複の重なりが見られる)とすれば、それは史実に忠実ではない。

本来は「木造天守」なのであって「木造天守」ではないのだから。


3. 内部エレベーター
・ 内部エレベーターについては、柱、梁を傷めないものとして、史実に忠実に復元する天守とするためには、乗員が4人程度、かご(乗用部分)の大きさが幅80cm、奥行き100cm 程度となり、乗ることができる車いすも小型なものに限定され、よく使用されている幅65cm、長さ100cm程度(電動車いすは幅65cm、長さ105cm 程度)のものは利用できない。したがって、バリアフリー法の建築物移動円滑化基準に対応するエレベーターは設置できない。


ここで筆者は内部エレベータなどの昇降機が設置されなければ、「バリアフリー法の建築物移動円滑化基準」(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令)に違反している事を自覚している。

4. 外部エレベーター
都市景観条例を定めて、すぐれた都市景観形成を進めている中で、景観計画により名古屋城の眺望景観保全を図ることとしている。・ その眺望の対象である天守歴史的な外観を損なうことから、外部エレベーターは設置しない。


おめでとうございます。
現在も不評で無粋な東側の外階段。あれを設置しないとするそうだ。
と、すれば事は「バリアフリー法」の枠を超えて、建築基準法の求める「2方向避難路」を確保しないという事になる。名古屋市消防局はあの外階段が無い状況で、大天守に滞留するであろう最大3000人の来場者をどのように安全避難させる事が出来るだろう。地震火災の際、人命を預かる公共建築物として、2方向避難路を確保しないという事は、来場者の命や、発災時に対応する職員安全を無視、軽視する、非人道的発言と言う以外にない。

もう一つの解がある。
外階段を設置せず、「本物復元」を目指すのであれば、ヒトの立ち入りを禁止して、原寸大木造模型として設置すればいい。

もう一つの解を思いついてしまった。O.C. を使えばこの矛盾は解決できるのかもしれない。まだ解決しなければならない問題は有るだろうけど、ヒトが死ぬよりはいい。

もし、O.C.の活用が可能であるのなら、木造化ではなく、現天守に展開してほしいものだ。
O.C.の展開はその他にもインパクトを与えられそうだ。竹中は内部防火壁についてガラスの壁を提案していたが、 O.C.が利用可能であれば、ガラスの壁以上に効果的だろう。
いや、O.C.を展開するのであれば、建造されているマテリアル自体意味を喪失する。
それが木造であろうとコンクリート製であろうと、O.C.によって見た目を改変してしまうのであれば、意味がないからだ。これで全て解決だ(笑)

5. 基本方針
史実に忠実に復元するためエレベーターを設置せず、新技術の開発などを通してバリアフリーに最善の努力をする。
・ 今回、木造復元に伴い、本来の天守の内部空間を観覧できるようにする。また、電動か否かによらず、車いすの方が見ることのできる眺望としては、現状1階フロアまでだが、様々な工夫により、可能な限り上層階まで昇ることができるよう目指し、現状よりも天守のすばらしさや眺望を楽しめることを保証する。



「保証」の担保がない。

・ 例えば、昇降装置を有する特殊車両を応用し、外部から直接出入りすることや、ロボット技術を活用し、内部階段を昇降することなどが挙げられる。併せてVR技術を活用した体感施設の設置を行う。


特殊車両については、それは「付加設備」でもないし、建築物計画でもない。また、その経費についての検討もない。

VR技術を活用とするのであれば、今日からでも可能であろうし、建物など何も要らない。
子どもじみた言い訳を列挙しているにすぎない。

・ 新技術の開発には、国内外から幅広く提案を募る。


VRまで持ち出すのであれば、505億円もかけて建て替える必要など最初からないだろう。

「本来の木造天守の内観を観覧する」VRについての技術提案を受けて、現建設計画は停止させればいい。

・ また、協議会を新たに設置し、障害者団体当事者の意見を丁寧に聞くことにより、誰もが利用できる付加設備の開発を行う。


だから、それが現状ではエレベーターであり、外階段なのだろうが、そうした物を上記のように根拠もなく否定していて、丁寧に聞いた意見が反映されるという保証がどこにあるのだろうか。

姫路城松本城など現存する木造天守にも転用可能な新技術の開発に努力する。


なぜ、姫路城松本城転用可能な技術の開発を名古屋市民が負担しなければならないのだろうか?
そのような議論が今までどこで行われたのだろうか?

こうした余計な「自説の正当性の主張」が自縄自縛を生み出し、発言がどんどん矛盾していく。
こうした文章にしてみると、矛盾はまだ一部であり、形式的には明確なんだろう。
しかし、筆者の頭の中ではこうした不確かで無意味な議論が渦を巻いているのであり、論点が定まらず、論考の生産性が非常に乏しいこととなっている。つまりは、自説に対する批判や、見直し、いわゆる「内省」の機会が健全に機能すれば、こうしたつまらない主張、論考の隘路を生み出さずに済むのだ。しかし、もう還暦も過ぎてこういった思考方法を修正するのはさぞや苦労な事だろう。

死ぬまで続けられればいい。

・ 再建後は元来の姿を見ることができるようになり、介助要員、補助具を配置することなどにより、今より、快適に観覧できるようにする。


上で「バリアフリー環境を整備するための付加設備とする」と述べていたが、結果として「付加設備」の話題ではなく、「介助要員、補助具を配置」という議論に帰着している。

つまり、「付加設備」については回答を持っておりません。と言っているにすぎない。
ゼロ回答以下だ。

「再建後は元来の姿を見ることができるようになり」と目の前に飴玉をぶら下げておいて、その実現方法については何も回答していない。これで納得を得られると思っているのであればよほどめでたい。

ちなみに、こうした「介助要員」の雇い入れ経費についての収支計画への影響は検討されていない。つまり、為政者として「介助要員」など準備するつもりは端からないのだ。こうやって期待だけを煽っておいて実際には何も実行しない態度は何と呼べばいいのだろうか。

無責任で、根拠に乏しく、不勉強で、自分勝手で、議論から逃げ回る卑怯な態度、小心者の、低い低い、見識。

人事院総裁に宛てた
人事院勧告が行う民間給与調査方法について」の要望

という文書を連想させた。

2015-03-05 名古屋市特別職・北角嘉幸市長特別秘書

主語や目的語が行方不明になってみたり、自己撞着が見られたり、文章のバカバカしさとしては同等のものだろう。名古屋市政に燦然と輝く電波文書だ。



「上のコンクリート

石垣部会と調査を協議」…河村市長が意向
木造復元巡り持論
 名古屋城天守の木造復元を巡り、名古屋市河村たかし市長は18日の定例記者会見で、有識者会議「石垣部会」の委員と直接話し合う場を持ちたいとの意向を示した。

 13日に文化庁を訪問した際に、文化庁から石垣調査保全のあり方について、石垣部会とよく協議した上で結論を出すよう要請されたとして、「上のコンクリートを取ったほうが石垣調査がきちんとできる」と持論を述べ、「人任せにはできない。どうすればいいのか、直接話す」と主張した。

 当初、5月から着手するとしていた天守地階にある「穴蔵石垣」の調査について、市はこれまで開かれた石垣部会の場に議題として提示しておらず、調査開始のめどはたっていない。特別史跡の石垣調査は、現天守の解体の前に必要な調査とされている。

 天守の入場は5月7日から禁止されており、「一般的には収入が減るし、そのまま放置するわけにはいかない。耐震強度が弱く、早く上のコンクリート部分を壊さないといけない」と主張した。2022年の完成予定のスケジュールへの影響について、「工期通りやりたいが、時間が延びているのは確か」と述べた。

2018年06月19日

「石垣部会と調査を協議」…河村市長が意向 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

ぶっ潰れたインチキ画廊のポンコツ経営者ならではの
すぐれた「文化財評」

登録有形文化財になり得る現天守を、
「上のコンクリート」?

名古屋市民が総工費6億円の内、2億円を負担した
戦後復興期のシンボルを「上のコンクリート」?

先人への敬意も無い者が、歴史の何を語るというのか。
金だわし持ってきて、その舌削ってやりたい。


2018-06-15 名古屋城についての事実確認と現状の推測(2)

名古屋城についての事実確認と現状の推測(2)



まず、河村市長にとっては「名古屋城天守を木造化できたらええねぇ」ぐらいの漠然とした「夢」だった。
    ↓
そこに、某ゼネコンが「2020年までに<木造化できる>」という提案を行い。
    ↓
「2020年、東京オリンピック開催に向けた、名古屋の観光の目玉に!」と、名古屋城天守木造化が本格的に騒がれ始めた。
    ↓
しかしこの時、提案された<木造化天守>は「ハイテクハイブリッド木造」であって、現代建築ノウハウによって建てられるものであり、鉄骨階段、ガラスの防火壁、エレベーター、外階段などが設置され、現代の建築基準法消防法バリアフリーなどに配慮したものであった。

ゼネコンとしては、現代の公共建築物を作るのであり、人命を預かる責任からも、耐震性や耐火性を備えたものでなければ作れないだろう。自分が作り上げた建築物が、火災地震において人的被害を生み出してしまっては、こんな寝ざめの悪い話もない。公共建築物を作るにあたって、標準的な自治体が、つまりは担当するお役人が、前例や法令に厳しく、コンサバに構えるのには、それなりの理由がある。火災が出ても避難路がないような建物、時折見聞きする、違法な内装工事が行われ、火災によって多大な被害、死亡者を生み出すようなネットカフェ風俗店避難設備の備えに対して無自覚な現在の名古屋市名古屋城天守の話を聞くと、こうした無責任な違法建築を連想する。こうした無責任な店舗などでは、仄聞すると無責任な経営者、それも非常に「ケチな」経営者が、当然なすべき設備投資を怠ったが為に被害を生み出している。こうしたケチな態度。ちょうど、学校の冷房施設設置に、家電量販店の安売り広告を持ちだして、設備費をケチろうとした「経営者」の姿がダブってみえる。

それはともかく、某ゼネコン提案は理解できる。そこにあるのは「2020年、東京オリンピックまでに木造復元」という公共建築としての課題の実現であり、そこに齟齬はない。

こうしたものを、名城公園やら名古屋港のイタリア村跡地にでも建てるのであれば造作もない事だろう。
金さえかければなんでもできる。

そしてそのようなものは「ノイシュヴァンシュタイン城」と同様、「愚者の城」でしかないだろう。文化的価値などない(ネガティブな意味でいえば、「笑える」という文化的価値は有る)

しかしここで迷走が始まる。
まず、「東京オリンピックに向けた観光の目玉」という当初の目標が消し飛ぶ。
2020年竣工は無理となり、完成予定は2022年とされた。

論理的に考えれば、当初の目的である「東京オリンピックに向けた観光の目玉」が破たんし、2020年完成が無理であるのなら、東京オリンピックまで着工は延期し、オリンピック以降、2020年以降に着工すれば良いように思えるが、なぜだかこうした結論には至らない。
名古屋市は無理にも早期着工して、結果として当初の目標である筈の「東京オリンピックに向けた観光」という観点では、天守のない石垣。無粋な仮設テントで観光客を迎える事になる。この仮設テント天守建物の絵姿を描くそうだが、いっそう哀れをさそう。(そして、笑える)


さらに迷走は迷走を重ねる。

名古屋市は、つまりは河村市長は(地方自治体において、意思決定権があるのは首長なのであって、名古屋市の決定権、決定責任は首長である河村市長一人にかかっている)平成27年12月の「業務要求水準書」において、名古屋城天守整備の為の条件を明記している。これは多分、提案者である某ゼネコンのプランと表裏一体の「仕様要件」であって、その姿は現代の法令に準じた「ハイテクハイブリッド木造」の姿だ。

名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザルを実施します。:名古屋城公式ウェブサイト

しかし、ご本人はこの「ハイテクハイブリッド木造」がお嫌いのようだ。
または、某大学のM教授にでもネジを巻かれたせいか、こうした現代の建築基準、公共建築としての条件を無視して、「本物復元」に固執し始めた。

ゼネコンとしても騙されたようなものだ。
業務要求水準書」に書かれたような法令や各官庁との整合性は無視され、一向に要件定義が確定しない。
法的にはこれで建築物の「基本設計」が成立するわけがない。

法令はともかく、各官庁との調整は某ゼネコンではなく名古屋市が責任を負って進めるとされている。
国交省に対しては、建築審査会の合意を、
文化庁に対しては、現状変更の許可を、
そして、名古屋市に対しても消防局との合意を得なければならない。
この内、建築審査会や消防局と言うのは、政令指定都市である名古屋においては、名古屋市自身の所管でもある。

そもそも建築物としては、住宅都市局。
その防災観点からは消防局、さらに文化庁への対応には教育委員会の全庁的対応が必要になるだろう。
しかし、名古屋市長河村たかしは観光文化交流局に丸投げのままである。


世間的には「日本城郭建築権威」と言われている某M教授
大洲城の再建をご自分の手柄のように語られるようだが、彼は城郭の研究家ではあっても建築については素人だ。
現に大洲城については安全評定がなされていないそうで、そうした意味では違法建築だ。
規模が規模だけにその違法性は厳しく追及はされていない。しかし、だからといってその違法な運用が何にでも通じるわけではない。

大洲城名古屋城ではその他にも大きく条件が異なる。
床面積、最上階高さを含めた規模の差。
大洲城では建物自体が失われていたが、名古屋においては文化的価値も評価されている天守建物が現存するという問題。
城郭建築専門家として、現在の名古屋城天守が鉄骨鉄筋コンクリートレプリカであるから、価値がないとするなら、ご自分が企図している木造はレプリカではないのだろうか?文化財の価値はオリジナルはオリジナルであるから価値が高い。この当たり前のことにはお気づきにならないのだろうか?そして、ご自分が企図される木造レプリカ新造によって、現在の昭和遺構としての天守を破壊するとすれば、その批判に耐えられるものだろうか?)
そして、大洲城においては建築費が公的負担を仰いでいないという事実だ。
学者として、そのコストについては知った事ではない。というのなら大いなる無責任だ。
名古屋市はこのバカげた事業で500億円(金利負担も含めたら1000億円近く)さらに、姫路城の例を見れば30年ほどで30億円から50億円程度の改修費となれば、今後も名古屋市に多大な財政負担を強いる事になる。
教授はこうした批判に耐えられるのだろうか?
名古屋市出身の筈だが、故郷名古屋市にこれほどの影響を残して、名を惜しまれないのだろうか。




付記:
ここで、ちょっと脇にずれる。
現在、名古屋城天守を木造化する一番の理由は「耐震性の確保」だそうだ。
つまり、名古屋市に「なぜ天守を木造化するのですか?」と聞いた際に、
文化的価値も観光的効果も、すでに脇に追いやられてしまっている。
つまり、名古屋市当局としても、文化的価値や観光的効果を訴えても説得力がない事を承知しているのだろう。
(一人を除いて)

名古屋市は「耐震改修を木造化によって確保する」としているのだが、
こんなアホな話をフンフンと聞いて記事を書いている記者は豆腐の角にでも頭をぶつけた方がいい。
なんでも、事業者が木造構造に対して耐震試験を行っていると、テレビカメラを担いで取材したようだ。
その模様もテレビニュースで取り上げられていたようだが、その際に掛けられた負荷は震度5だったそうだ。

また、「震度6から7といわれた濃尾地震においても、名古屋城の木造天守は耐えた」と報じた報道機関もあるという。
受信料を返せ、バカ者。
濃尾地震の頃は現在のような震度計など無い。被害の状況によって震度を著したのであって、
そういう意味では「震度6から7に耐えた木造建築」などという言葉は語義矛盾だ。
木造建築が耐えられた震度であるならば、せいぜい震度5程度であったと推測するのが正しいし、実情もその程度だっただろう。
震度6から7といわれた濃尾地震」という言葉と、「濃尾地震に耐えた名古屋城の木造天守」という言葉は安易につなげてはいけない、ここに政治的意図があればプロパガンダになり下がるし、無意識に報じているのであれば人命にかかわる事であるだけに無責任だ。

オリジナルの名古屋城震度7に耐えられたという証拠は無い。有るというのであれば提示して見せよ!
根拠もない流言飛語をもって市民、有権者ミスリードするのであれば、報道機関としてあまりにも無責任だ。

本当に、史実に忠実に再現したら、名古屋城天守震度7に耐えられるのか?
なぜ、江戸時代技術震度7に耐えられると言えるのだろうか。

伝統の賛歌、称揚は結構だろう。しかし、それが根拠のないものであれば単なる嘘でしかないし、
人命にかかわるものであれば犯罪だ。その責任の重さを自覚できないのであれば、筆を置くべきだ。

2018-06-13 名古屋城についての事実確認と現状の推測(1)

名古屋城についての事実確認と現状の推測(1)


事の起点を振り返ってみましょう。
名古屋市が「名古屋城天守木造化」について、具体的な動きをしたのは、2012年2月19日です。

この日 名古屋市公館のレセプションホールで「名古屋城の将来を語る市民大討論会」が開催されました。

名古屋城の将来を語る市民大討論会:名古屋城公式ウェブサイト


私もこのイベントにもぐりこんでいます。
2012-02-19 重層的な歴史の価値

河村市長は開催前に、他のパネラーに「今日は名古屋城の夢を語ってちょうだい」と言ったそうですが。名古屋市職員に言わせると「市当局としては名古屋城の木造化なんて全然考えていない。ただ、河村市長が言い出したことなので、市民ヒアリングと言う形を作っただけ。木造化事業に関して言えば、今日のこのイベント自体が最終目標ということでしょうね」ということだったようだ。


この段階では河村市長は本気で名古屋城天守を木造化できるとは思っていなかったようだ。
当然、当局もそんな「文化破壊」に手を貸すつもりはなかった。

この方針が変わったのはいつごろからだろう。
正確には判らないが、某ゼネコンが「2020年、東京オリンピック開催までに名古屋城天守を木造復元できる」と提案したからだろう。

この事業者の言葉には嘘は無かっただろう、しかし、慎重に検討する必要があった。

どういうことか。

この言葉には「どのような木造復元」であるかという条件は書かれていない。

この事業者は後に「提案書」という形で、名古屋城天守の木造化提案を具体的に示す事になる。
ここに描かれているのは柱と梁によって構成された木軸構造の「復元天守」ではなく、壁や床に耐震の為の補強材を配し、鉄骨の階段を設置し、ガラスの壁で防火壁を構築し、エレベーターを設置する。つまり、現代の建築基準、耐震基準、消防要請に応えうるハイブリット木造の姿であり、そこには二方向避難路が抜けている為、それを設置しようとすれば現在と同じように東側に外階段、外エレベーターを取りつけなければならないといった「復元」の姿であった。

こうした姿であれば、2020年の東京オリンピックまでに名古屋城を「木造化」し、観光客を誘致することができるという目的には叶う。


私は、あるいは河村市長は、自らの公約である「多選禁止」を守るため、市長を今期で降りる。その為に最後のモニュメントとして名古屋城を木造化したいのだろうか?と思っていた。

三流は金を残し、二流は物を残すと言うが、将にこの言葉通りの小人ぶりだ。

こういった観点であれば、私は河村城には強く反対する気は失せた。
ブログをご覧いただければ判ると思うが、名古屋城天守木造化には懐疑的であるし、例えば2万人アンケートやら天守木造化に伴う収益性評価など、あまりに怪しげな話には疑問を呈しているが、私は現天守と木造天守のどちらがどうという論点は控えていた。

なぜなら、500億円もかけて(更に、姫路城の例に倣うと、木造天守では40年に一回、大改修が必要であり、その費用は30億円程度であると言われている。維持メンテナンスの費用は、当然ながら鉄骨鉄筋コンクリートの建物よりも、木造建築物の方が高くつく。
大阪城や熊本城は鉄骨鉄筋コンクリートのまま登録有形文化財*1として国の保護を受け、地域に愛され続けるだろう。翻って名古屋城は木造に作り変えた為に、40年ほどの期間ごとに多額の改修費が必要とされる。その度に「河村城」という言葉が名古屋市民の口に上り、名古屋市民は反省とともに、民主主義の重要性に気が付くだろう。それはそれで貴重な事だ。)

あわてて建て替えた名古屋城天守は、さぞや酷い代物になろうと想像できるからだ。

特に居住空間として贅を極めた本丸御殿がある状態で、そうした居住性など元々乏しく登ることさえ困難な天守が歓迎されるとは思えない。十分な評価もなくあわてて造られた木造天守が、満足いくものであってもコストが重くのしかかる、その上満足いかないものであった場合、市民も気が付くだろう。

そして、最大の見せ場は、その外見だ。

現在も瓦屋根についてあれこれ議論があるようだが、そんなものは枝葉末節議論だ。
結果として出来上がるものは、外形的には現在の鉄骨鉄筋コンクリート天守と寸分違わぬものとなる。当然だろう。
(最上階の窓だけ小さくなるが、今でも問題視されていない。逆に苦労して最上階まで登った人々はその窓の少なさに不満を持たれるだろう)
そして、現在の天守でも不評の元である外階段は、木造天守でも設置せざるを得ない。
これ以外に大天守に二方向避難路を確保する方法はないのだから。この外階段を諦めるのであれば、同時に天守不特定多数の観光客を入場させることも諦めなければならないだろう。

つまり、これほど大騒ぎをして、多額の費用をかけ、今後も重いメンテナンス費用を払い続けなければならない名古屋城の新木造天守
これこそが「河村市政」の姿であって、その欺瞞性を名古屋市民の眼前に表すものとなるのだ。

こうした「ハコモノ」で「勝利」などない。
作った本人は出来上がればうれしいだろうが、それが十分な検討を経ていなければ必ず問題をはらむ。
完璧でやっと当たり前、瑕疵があれば批判を受ける。
制度や政策であればごまかしも効くし、政治的な「価値相対化」の議論で言い逃れもできるかもしれない。
しかし、「ハコモノ」は残酷だ。具体的に目の前に問題が提示されてしまう。

河村市長、最後の任期モニュメントとして、名古屋城天守を木造化するのであれば、してみれば良い。
私は本当にそう思っていた。

(続く)


*1:大阪城はすでに登録されている、現在改修がすすむ熊本城もやがて登録されるだろう