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  □これまでの日記一覧

2005-06-28

[][] 「逃亡くそたわけ」/絲山秋子

逃亡くそたわけ

逃亡くそたわけ

「袋小路の男」がすんごく良かったので心にはばっちり刻まれていたのにも関わらず、最新作(車のがあるのでぎりぎり最新ではなくなってしまいましたが)を読んでなかった。うっかりだ。ということに気付かせてくれたshionoさんに、感謝です。

  *****

主人公の花ちゃんはテトロピンという薬を飲むのが嫌になって、ふと思いたち精神病院からの脱走をする。その道連れとなるのが、東京コンプレックスがある名古屋人のなごやん。逃避行は福岡から始まって、南九州へ、つまりいき止まりへと向かう。九州を舞台にしたロードムービーのような小説。

知人に躁鬱病を煩っている人がいて、私もいくつか躁鬱病についての本を読んだことがあったおかげかもしれないけれど、花ちゃん(主に)の自らをもてあます感じはとてもよく伝わって来た。特に、躁のときの台詞で「ケータイあったら、片っ端から文句言ってやりたい人のいっぱいおるったい」というとことか知人も、同じことを言っていたなぁと思いだす。それでも、この小説にでてくる二人の主人公は自らの病とつきあいながら、あっけらかんとそれを「治したい」と思っていて、痛いのは嫌だと思っていて、都会の光を見てほっとする。それが私はうれしかった。

「俺、自分のものさしが全部おかしくなった気がするよ」p75

物語の中盤、阿蘇にいくシーンでのこの言葉を読んで、私もいつか阿蘇に行ってみたいなと思った。九州を舞台にしたロードムービーというと、まず「ユリイカ」を思いだすのだけど、確かユリイカでも阿蘇の神様の伝説の話がでてきたような気がする(小説版かもしれない)。

ともかく、この阿蘇を皮切りに、逃避行はどんどん現実味を帯びていく。いろんな出来事がおきて、それらはバラバラなようでいて、すべてが繋がっているような感じで流れる。

そしてラスト近くのTheピーズ。この不意打ちにはちょっと泣けた。物語の序盤から、時折背景にながれる音楽としてピーズの歌詞が挿入されるのだけど、近頃のピーズ開眼のおかげで、曲を思い浮かべることが出来て良かった。(まだ聞いたことがない曲が一曲だけあったけど)

きっと絲山さんはピーズの音楽をとても大事にしているんだと思うけれど、それは「なんとか生きてれば、生き延びれば」というところなのかもな、と思ったりする。

  *****

喫茶店で読み終えて、帰り道を歩きながらipodで「手遅れか」を聞いていたら、「ゆたー」に辿りつくシーンがぶわっとよみがえった。

ばっちり世界は幸せ溢れてんのな/「手遅れか」より

いつもそうじゃなくてもいいから、そうだといいなぁ、と思う。どこにも行けないような所まで行って、帰ってきたら、こんなふうに思うのかもしれない。それが手遅れじゃなければいいな、と思う。

[] ビッグコミックスピリッツ7/11

20世紀少年
最近20世紀少年を読んでるとどうしてもクレヨンしんちゃん(大人帝国)思いだしてしまう…。ところで浦沢先生ライブについての記事もあったのだけど、このセットリストがすごい。オリジナルに混ざって(浦沢先生って作曲も出来るんだなーすごいなー)ピンクフロイドの「あなたがここにいてほしい」もやってるよ!
ガンジョリ/いがらしみきお
後編。結局豚とはどういう関係だったのかよくわからない。でもたしかに怖かった。
たくなび
冒頭にでてくる映画「うたかた」はどこかで見たことあるようなお話。なんだったかなぁ?「蜂の旅人」? 違うな。アンゲロプロスっぽいのだけど。
SEKIDO
ずっとなんでセキドって題名なのかなと思ってたけどなんとなくわかった様な気がした。こういう話は痛いけど好き。
ゴーゴーヘブン
ああもうわからなくなってきた。前回でジュリアはアヤに怒ってた(直接ではないにしろ)んじゃなかったのか?それがなんでいきなりこうなるのかなぁ。もうすぐ終わりなのかな。

ところで広告ページにヤンサンではじまるらしい浅野いにおさんの新連載「ソラニン」のカットが載っていて、ちょっとそそられてます。もしかしたら、今週木曜からヤンサンを読みはじめるかもしれない。

[] レオノール・フィニ展

bunkamuraにて。(→ http://www.bunkamura.co.jp/museum/event/fini/

絵画を中心に、舞台や文章など様々な場で活躍したレオノール・フィニ(1907〜1996年)の展覧会にいってきました。といっても、私は特にフィニの世界に詳しいわけではなく、あの強烈な自画像(上のリンク先にある画です)が好きで、そのイメージでなんとなくパティ・スミスのような人なのかなというイメージを持っているだけでした。

しかしきちんと年代順に並べられた作品を見ると、フィニ自身がシュルレアリスム画家とされることを嫌っていた、という言葉が頷ける様な、瑞々しい色彩の絵がたくさんあって驚きました。特に、最も若い頃の作品とされるトリエステ時代のものなどは、山本容子さんの淡い色使いを思いだす様なものが多かった気がします。

シュルレアリスム時代のものとされる作品にはいくつかの肖像画もあったのですが、ここでの人物の描き方がとても不思議だった。私は美術にくわしく無いので適当な言葉が思い付かないのだけど、その表情は確かに実際の人間のもののようでいて、しかし写実的ではないというか。また、エロティシズムの時代とされるところではがらっと絵柄が変化し、トリエステの頃のような、やさしい色の作品が多くて、私がフィニに対して持っていたイメージとはずいぶん異なるものでした。

また、フィニのもう1つの側面として、実際に劇場で使われた衣装なども展示してあったのですが、ここまで見ると、フィニが女性を描く際に、よく構図の中に布を効果的に配置していることに繋がっているように思えました。

そして円熟期へ向かうにつれ、だんだんと絵につけられた題が物語を示唆するようなものに変わって行くような気がしたのですが、絵を見た時にはあまり納得できなくても、後で題名を見てぱっとその絵が思い浮かんぶのが不思議で、フィニの文章の才能の一端はそういう所にも現われているのかな、と思います。

  *****

全然違う、と言われてしまいそうですが、ちょっと佐野洋子さんを思いだしました。具体的に何がという訳ではないのですが、いつのまにか佐野洋子さんのことばかり考えている自分がいました。

[] こわい話

総務省は27日、自殺サイトなど「有害情報の温床」ともいわれるインターネットを健全に利用するために、ネットが持つ匿名性を排除し、実名でのネット利用を促す取り組みに着手する方針を固めた。匿名性が低いとされるブログ(日記風サイト)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)を小中学校の教育で活用するよう求め、文部科学省などと具体策を詰める。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050627-00000032-kyodo-bus_all

前にもちょっと触れた「子どもはみなブログを持て!」という記事からの流れなんだろうけど、ほんと、何を言ってるんだろうか。実名って。実名なら健全て。

まあ、確かにインターネットは幼いこどもでも「有害」とされる情報に簡単に辿りつくことができる場所ではある。けれど、それは匿名性だけが原因じゃないし、そんなのネット以外でも言えることで、ましてそれは実名での利用で解決できるようなことではないと思う。

実際はいくつかの小学校だけのローカルでやるということなのだろうけど、顔を知ってる相手だけに起こる喧嘩とかもあるだろう。というか現在既に起こっているだろう。そういうとき、つまりネットという公共の場と、現実の身の回りとの差をどう認識するのか、そこでどう対処するのかを教えないで突っ走っているような感じがして、とても心配。

子ども向けのサイトなら、こういうところは良いんじゃないかとおもうよ。

ルーニークラブ

http://www.looneyclub.jp/looney-town/index_l.html

shionoshiono 2005/06/28 00:44 もしわたしもピーズの曲を聴いたことがあったなら、きっとこの物語も違った読み方が出来たろうに・・・と残念です。いつかピーズを聴いたらまた読み返してみますね。

ichinicsichinics 2005/06/28 01:59 「逃亡くそたわけ」について教えてくださって、ほんとにありがとうございました。ピーズ好きの友人にもすすめようと思っています。
最後に流れる曲も入っている「とどめをハデにくれ」は、ほんとに良いアルバムだったので、いつか、機会があったらぜひ。