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  □これまでの日記一覧

2005-12-31 今年も終わり

[] 大晦日

今年一年がどんな年だったかっていうと、まず思いつくのはラーメンズとザゼンボーイズにのめりこんだなぁと、そんな感じです。

そして、そんな一年を象徴するかのように、今年の締めは小林賢太郎ソロコント「ポツネン」を見に行ってきました。

 *

朝からちょっと部屋の掃除などして、夕方池袋へ。DS版マリオカートを買って、お茶をして、芸術劇場へ行ってポツネンを見て、ビール飲んで帰って紅白みながら年越し蕎麦食べて。その後は毎年恒例の家族でトランプ大会して、1年を終えようと思います。

 *

そして、やっぱり今年はこの日記を書きはじめた年でもあって、なんかこんな長続きするとは自分でも思ってなかったんですが、読んで下さってる人がいるっていうのは、ほんと嬉しいことです。

来年が良い年になりますように! 乾杯!

2005-12-30

[]  Dream Brother The Songs Of Tim & Jeff Buckley

DreamBrother

asin:B000AMSRMG

父Tim Buckleyと息子Jeff Buckleyへのトリビュートアルバム。ちょっと珍しい企画です。レーベルはFull Time Hobby*1

私はジェフはもちろん、ティムも大好きなので、このアルバムはかなり楽しみにしていました。ビッグネームなので日本盤が出るのを期待してたのですが、堪えきれずUKアマゾンで購入。届くまでに一ヶ月かかった。

聴いてみると、こうして2人の曲が並んでるのがなんだか新鮮です。彼らの共通点といえば、その高音の美しいしなやかな声というイメージだったのですが、こうして聞いてみると作曲の感覚にも共通する部分があったんだろうなと気付かされます。特に未完成のままリリースされたJeffの2ndアルバムの作品群には、そのイメージをスケッチするようなアプローチの仕方に父親の面影を見る事が出来るような気がする。それにしても、2人とも…。『ランド・オブ・プレンティ』見てたら、突然ジェフの死について触れられたとこで泣きそうになったのを思いだした。

しかもこのトリビュートアルバムは面子も選曲もかなり良い感じです。

1. The Magic Numbers/Sing A Song For You

2. Micah P. Hinson/Yard Of Blonde Girls

3. Sufjan Stevens/She Is

4. King Creosote/Grace

5. The Earlies/I Must Have Been Blind

6. Bitmap/Dream Brother

7. Engineers/Song To The Siren

8. Adem/Mojo Pin

9. Tunng/No Man Can Find The War

10. Stephen Fretwell/Morning Theft

11. Kathryn Williams/Buzzin' Fly

12. Matthew Herbert & Dani Siciliano/Everybody Here Wants You

13. Clayhill/The River

トリビュートアルバムというのは原曲の良さを越えることを目指している訳ではない(ものが多いと思う)ので、得てして自己満足的なものになりがちではあるけれども、このアルバムではきちんとそれぞれの個性が出ているものが多くて良かったです。

特に#3#9#11あたりが良かったです。それから#10はこの曲を選んでくれたってことに感激。Stephen Fretwellはマンチェスター出身のバンドで昨年にデビューアルバムがでてるみたい。公式*2で試聴してみたらかなり好みのバンドだったので早速アルバム買ってみようと思います。

でも全体的にTimの曲はアレンジしやすいみたいだけど、Jeffの曲は難しいのかなと思った。歌い方とか結構そのまんまで「Mojo pin」とかは、ちょっといいのか? と思ったりした。確かに似てるけど。

[][] 古道具中野商店/川上弘美

古道具 中野商店

古道具 中野商店

なんでもないような、どこにでもあるような、ないようなお話。川上弘美さんのすごいところは、ほんとに何気ない日常のやりとりが、川上さんの言葉というフィルター越しに見ることで匂い立つような生生しさを伴うことだと思う。

これまでの多くの作品では、その生生しさがちょっとこわいような気もして、一冊読むと、お腹いっぱいになって、続けて川上さんの本を手に取ろうとは思えなかったのだけど、この「古道具中野商店」は丁度良い腹持ちというか、わりとのんびり読んで、もうちょっとこの空気の中にいたいような気持ちにさせてくれる本だった。

物語のあらすじなんてほとんどないような気がするけど、古道具中野商店で働くヒトミ、そして中野さん、中野さんの姉マサヨさん、ヒトミの恋人のような、アルバイト仲間のタケオ、それぞれの輪郭を描くようなお話だった気がする。そして彼らがいる、居心地の良い世界から、少しはみ出すまでの物語、と言えるだろうか。

中野さんが聖子について語るシーンが面白かった。

「俺の年で聖子のレコード買うってのは、意味がちょっと違うんだ」と言った。

(略)

「ヒトミちゃんだって、アユとか聞く時は異質な世界の娯楽として聞いたりするわけでしょ」中野さんは続けた。p139

この本からよりによってこの部分を抜き出さなくてもいいじゃんと思うけど、こういう定義にこだわるのって、面白いなぁと思う。好き、嫌い以外の話であって、これはつまらない言い方すれば時代とか世代とかによる感覚なんだろうか。

[] 忘年会三昧

昨日は仕事納め。なんとか納まったのと納まらないのがあって、なんだかなぁと思っていたのだけど、なんだかんだで片付けて少し遅れて会社の忘年会に参加。

その後、京都に越してしまってた友人Sが東京に来ていたので渋谷で待ち合わせて小さめ忘年会。初めて行く韓国料理屋だったのだけど、店員さんたちがとても感じの良い人ばかりで、しかも料理も美味しくて、しばらく通ってしまいそう。難を言えばお酒の種類が少なかったことだけども、まあいいや。久々の積もる話がたくさんできて楽しかった。

Sは私の大学時代の友人で、今年から京都の大学院に入学したのだけど、ちょっと頼りない感じの男の子だったこともあり、大学院受験は周囲からかなり反対されていた。でも今の彼を見ると、やはり好きなことを研究しているからなのか、生き生きとしているのが見ていても嬉しかった。しかも恋してるらしいし。酒もすすみます。

そんであんまりにも楽しかったので、一緒に飲んでたTが帰りたくないと言い張り、3人で朝までカラオケをすることになる。これも楽しかった。けど喉がからからになった。

そんで今日は夕方に池袋で待ち合わせてまた友達と忘年会のような飲み会。中華を食べようとしてたんだけど、混んでたので急遽ジンギスカンに変更。羊肉好きです。

昨夜飲み過ぎたせいか、今日はあんまり飲めなかった。でも初めてDSで通信できてうれしい。マリオカートで対戦した。DSマリオカート凄いね。楽しい。しかも見やすい。2画面が初めて有効利用出来てる気がした。

ジンギスカンの後にまた別の店でちょっと飲みなおして、帰宅。i-podに入れて聴いてるザゼンの日比谷公演が良過ぎて参る。寒い中暫く立ち止まって聴いてたら、通りかかったパトカーが減速してちょっとびっくり。

え、今年ってあと2日しかないの? あー大掃除しなきゃ。

2005-12-28

[] ZAZEN BOYS@SHIBUYA AX

MATURI SESSION今年の締めに行ってきました。

いやーもう、楽しかった! ザゼンのライブは毎回充実してるけど、今日みたいにちゃんとスタンディングのライブ向けの箱でワンマン見るのはそういえば初めて(私は)なので、テンションが違うなぁと思いました。だって一発目から「USODARAKE」だもん。でヒミツガールでハードリカーで。もういきなり熱気が充満して飛び跳ねるたんびに熱い。久々にもみくちゃになりながらライブ見た。

来月発売のニューアルバムからは「METAL FICTION」「Friday Night」「Water Front」の三曲をやりました。この三曲では基本的に向井さんはキーボード弾いてる。メタルフィクションでの酔っ払いトークは仕様みたいです。

とにかくAXみたいな箱だと「WHISKEY&UNUBORE」「Maboroshi In My Blood」とかめちゃめちゃ楽しい。コールドビートも冴えまくってた。そんで「自問自答」から「半透明少女関係」で会場は最高潮。ええじゃないかのお祭り音頭に展開して戻るあの感じ。アンコールでは「KIMOCHI」ですよ。「野に咲く/花のように/美しくなりたい」と会場に歌わせて「平井堅みたいに」とか無茶なことをおっしゃってました。

今日ははじめてザゼンのライブに行く友達が一緒だったんだけど、終わったあとに「感動しちゃった」と言われて私も感動しちゃった。「今日はマツリセッションへようこそおこし下さいました。またいらっしゃい、またお会いいたしましょう」という向井さんの言葉にいたく感銘をうけたそうです。もちろん行くよ。とりあえず2月のチケットもとったし!

とにかくもう、とにかくザゼンのライブは凄い。ライブで見てこその音だと思う。もちろんCDで聴いても格好良いし、初めて「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」のシングル聴いた時の衝撃は今も忘れられないくらいだけど、何回も書いてるけど音の真剣勝負を見せつけられてる感じ。ひとつとして同じ演奏はないし、一つのリフがいろんな形に生まれ変わる。それが凄いぎりぎりのとこで、でも開放感があるあの圧倒的な音。

ライブ後には日比谷野音でのライブCDを買って、ライブ行ったみんなで酒飲んでかえってきました。あー楽しかった!

それから日比谷野外音楽堂*1の「KIMOCHI」を今聴いてるんですけど、これは、もう、ほんと名曲。

「貴様に伝えたい、俺のこの気持ちを」とくり返されるだけで、ちょっと込み上げるものがある。うーん。そしてあのカシオさんのギターが、気持ちのもやもやとか、衝動とか、切なさとか、変化し続ける感情そのもののように聞こえる。今日の「KIMOCHI」はまた違う印象で、もっとお祭りの終演ぽい感じだったんですが、日比谷のは、ちょっとさみしげで感動的だ。最後までステージの上でギター弾いてたカシオメンの姿を思いだした。乾杯。

[] 人志松本のすべらない話

などをさっきまで見てました。この番組はじめてみた。面白いといえば面白いんだけど、すべってるのかすべってないのかが微妙。というかむしろすべったことが面白いみたいな。

板尾のホテルのキーの話と千原兄のジャンプの話が被ってるんだけど両方面白かった。キャラクターの勝利なのかなーどうかなー。

*1日比谷行った時の感想 → id:ichinics:20050829:p2

2005-12-27

[] ことしの漫画を振り返る

年末ということで、今年面白かった漫画とかを振り返ってみようかと思います。今年発売、もしくは連載していたもの限定。でも読んでるものがかなり限定されてるので、あくまでも個人的ベスト。もっと漫画読みたい。

個人的に面白かったの10点(順番に特に意味はなし)

その他

  • 失踪日記吾妻ひでおid:ichinics:20050711:p1
    • たぶん今年の前半で一番話題になった漫画はこれだろうなと思う。面白かったし、何度読んでも面白い。吾妻さんの漫画を読むのはこれがはじめてだったことだけが残念。
  • NANA矢沢あいid:ichinics:20050926:p2
    • たぶん今年の後半で一番話題になった漫画はこれだろうなと思う。(思う?)漫画読むのは早い方なのにやたら時間がかかったのを覚えてます。このマンガが好きな人は登場人物の誰に感情移入するんだろうなぁ。続きを読むかは微妙。

[] 焼き肉

忘年会で、焼き肉たべてきました。

仕事でまったくもって予想外の出来事が起きて朝から参ってたのですが、そういえば先日からDSの『どうぶつの森』をはじめて、今日はじめてすれちがい通信というやつに成功したんですけど、その内容にも凹んで(森での生活が俺のリアルです、というお手紙を頂いた。)、でもまあそんなことはどうでもよくて、その予想外の事態におろおろしてたんですが、もう今さら足掻いても仕方ないので来年頑張ります。でも別件は明日中に終わらせることがなんとか出来そうなので一安心。という複雑な心境で忘年会に行き焼き肉を食べました。肉は美味しいね…とか思いました。ユッケ

IMAOIMAO 2005/12/27 04:58 漫画は単行本でしか読まないので、結構参考になります^^
あさのいにお といい、最近の若い作家は構成力ありますよね。
僕はあと安永知澄が面白かったです。

ichinicsichinics 2005/12/28 02:28 漫画は面白いですよねー。大好きです漫画。安永知澄さんは気になってたんですけど、面白いんですね。読んでみます。最近あんまり新しい漫画家さんを開拓できてないので、おすすめ嬉しいです。

2005-12-26

[][] 白いはなびら/愛しのタチアナ

白い花びら/愛しのタチアナ [DVD]

白い花びら/愛しのタチアナ [DVD]

監督:アキ・カウリスマキ

引き続きカウリスマキ週間。

白いはなびら

これは初めて見ます。1998年に製作された無声映画。時折黒地に台詞だけのカットが入るくらいで、ほとんど何を言っているのかはわかりません。物語はただ、音楽の展開(しかもほぼ同じ旋律のアレンジの変化)によって解説されていくのだけど、これがまた雄弁な画面にぴったりとあった演奏でした。例えば扉を叩くシーンで、突然画面の通りに扉を叩く音が入ったりすることで、すごく生々しい印象が残るのが面白い。

この「白いはなびら」の原作はフィンランドでは古典的名作として有名なものらしく、このカウリすマキ版以前にもニルキ・タピオヴァーラ監督の『ユハ』という作品で映画化されているそうです。そちらは未見(DVDとかにもなってないらしい…)なのですが、ストーリーはかなり違っているようで、あらすじを見比べると、カウリスマキ版は、よりシンプルにディフォルメされているみたいです。

おしどり夫婦が妻の不貞&逃避行によって不幸へと転げ落ちて行くお話なのですが、とにかく上手いなぁと思ったのが湖畔でのデートシーン。

都会から来た男が何気なく踏みにじる白いはなびらが、物語の行く末を暗示していて、その画面で語る感じが「映画」です。カウリスマキ監督らしいなぁ、なんて思いました。

愛しのタチアナ

1994年。カウリスマキ映画の中でも、かなり好きな作品です、見ている間中にやにやしてしまう、不器用な男のロードムービー

物語の冒頭に、ミシンを踏んでいるヴァルト、そしてその奥で葉巻を吸っている母親という構図なのだけど、もうそれだけでヴァルトという人物のおかれている状況が透けて見える。鬱憤の溜まっていた彼はそのまま母親を納戸にとじ込め、友人と2人でドライブに出かけてしまう。そして、その道中で2人のロシア人に「故郷に帰る船に乗るから港まで送ってくれ」と言われるのだけど、ヴァルトはただ珈琲を飲んでばかり、友人のレイノもウォッカを飲みっぱなし、女性2人がまるでそこに居ないかのように振る舞うのがおかしい。

結局2人は金魚のフンみたいにしてロシアに着いて行ってしまうのだけど、ロシアの変わり果てた様に驚き(ということは説明されないけど表情を見ればそうだと伺える)2人は別々の路を歩むことになる。そして膝を抱えて座り込むヴァルト。あの包みを開けるシーンが好きです。

おかしくて切ない。フィンランド版「さらば青春の光」みたいな感じ。いや違うか。

[] クリスマス近辺のあんまクリスマスと関係ない話

昨晩は友達がやってる飲み屋のクリスマスパーティで明け方まで飲んでしまった。プレゼント交換やるってしらなくて、鞄の中から適当なものだしたら皆気合いの入ったもの持ってきてて、「何もあたらないでくれ…当たるなら自分のを…」という願いが通じたのか最下位だったけど、でもなんかこじゃれた残念賞もらってしまった。ほんとすみません。帰ってきたときの猛烈な眠気はちょっとあれ久しぶりです。半分意識失ってた。

そんで今日は喫茶店行って持って帰ってきてた仕事をやってました。家じゃ勉強できないタイプなので、そういうときはいつもマックとか喫茶店。結構はかどったので今日は気持ち良く眠れそうです。

今日、喫茶店にいて面白かったのが隣に座ってたおばちゃんのトーク。

「そんでさ、あの忙しい時間帯に**さんたらなんか口に入れてモグモグしてるわけ!そんでもうアタシ頭きちゃってね、「私は手伝いませんからね」って言ってやったのよ。そうそう。「これ今食べなきゃなくなっちゃうから〜」ってね、いくらなんでも言って良いことと悪い事があるわよね。そう。私が入ってったらモグモグしてるの。「食べなきゃ〜」って言ってね。だいたいからして言葉遣いがおかしいのよ。店長のこともさ、「おじいちゃん」はないでしょうよ、いくら若いからって言ってもね。そりゃ私もさ、いつもは手伝ってあげるわよ。でもカチンときちゃってさ、「私は手伝いませんからね」って言ってやったのよ。そしたらニコニコしちゃって「はぁーい」ってさ、モグモグしてんの。私がなんで怒ってるのかなんてわかんないのよね。まったく「食べなきゃ〜」じゃないわよねぇ。そうそう。いくら先輩だからってさ、やっぱ若い子はだめね!社長もデレっとしちゃってさぁ!」

おばちゃん同じ事何回も言い過ぎ。そして相手は年下にしろ、一応先輩なのに…っていうのと、怒ってるおばちゃんに対して「はぁーい」って答えるなんて**さんていい人じゃね? なんて思った。というか社長に可愛がられている先輩にむかついてるだけに聞こえるので、社長さんがもうちょっと気を使ってあげれば全て解決するような気がします。なんて盗み聞きしてる私も下品です。でも面白かったです。めりーくりすます。

[][] ヴィンランド・サガ 2巻/幸村誠

ヴィンランド・サガ(2) (講談社コミックス)

ヴィンランド・サガ(2) (講談社コミックス)

1巻の感想とか → id:ichinics:20050724:p1

面白いです。うーん。面白い。どきどきします。

2巻では、デンマーク対イングランドの戦争に巻き込まれ、出撃を余儀なくされたトールズを中心に描かれ、1巻の冒頭にあったアシェラッドとトルフィンの出会いが明かされることになります。

これが、もう。トールズ父さんが格好良過ぎる。

「よく聞けトルフィン。お前に敵などいない。誰にも、敵などいないんだ。傷つけてよい者など、どこにもいない」

そしてこの言葉の意味を、まだ理解していないトルフィンが、それを悟るまでの物語になっていくんだと思います。

ちなみに『ヴィンランド・サガ』は少年マガジンからアフタヌーンに移籍です。今月でたアフタヌーンからかな。うん、そのほうがしっくりくる。けど最近マガジン面白いし、その余裕もあるのかな。

2005-12-24

[][] SWEET SIXTEEN

監督:ケン・ローチ

ケン・ローチ監督の映画は『マイ・ネーム・イズ・ジョー』くらいまでしか見ていない。個人的には最初に見た『リフ・ラフ』の印象が強烈で、思えばあれが私にとってリアルな(というかドキュメンタリー出身の監督の)映画を好むようになった切欠だった気もする。でも当時の私にはかなりキツかった。

この「SEWWT SIXTEEN」も劇場にかかっているときに見ようと思っていたんだけど、どうも気分がのらなくて、それはたぶん、簡単に救いのようなものを見せてくれる監督ではないんだよなぁ、と思っていたからなんですが、でもなんか見てみたら、すごく良い映画でした。

SWEET SIXTEEN [DVD]

SWEET SIXTEEN [DVD]

主人公の少年リアムは15歳。母親は恋人である麻薬密売人の身代わりとなって服役中だ。物語は母親との面会へ向かうシーンからはじまる。相変わらず母親を利用しようとしている男にしびれを切らしたリアムは家を出て姉の家に避難する。そしていつか、母親と姉とその子供と「家族」の家を持ちたいと願うのだけれど、そんなリアムにとって選ぶことのできる路は限られている。

母親に麻薬密売の片棒を担がせることを拒んでいたリアムだが、その母親と暮らす家を買うという名目のために、いとも簡単に麻薬の密売をはじめる。彼には罪悪感のようなものが殆ど感じられない。すごく賢く優しい少年であると同時に、望遠鏡を覗かせて子供たちから金をとる冒頭のシーンで彼の倫理観が歪んでいることが伺える。そして、踏み越えてしまった一線はいとも簡単にリアムを引きずり込んでゆく。

縄張りを荒したことでヤクザに目をつけられるのだけど、結局ボスに認められることになるシーンでは複雑な心境にさせられた。確かに、生活は前よりずっと良くなったようにも思える。しかしリアム自身は何も見えていない。酒場で酒を飲むシーンで、幼い表情を見せる彼を見て、彼が立ち止まってくれればいいのにと思った。しかし周囲の状況は彼にそれを許さない。そして、リアムがほんとうに望んでいたものは、結局その手をすり抜けていってしまう。

ラストには期待通り(?)重い気分になったけど、あの姉の電話が希望に思える。保護者になる気はない、と言われて、リアムはカルムをうらやんだのだろうか。

 *

テーマは『イゴールの約束』にとても近い。イゴールもリアムも、行き止まりにいるという意味では似ているのだけど、その一歩を踏み出すには、やはり「気付く」ことが必要なのだと思った。せめてあの「子供が居る人に麻薬を売るなんて」という台詞がリアムに向けられたものだったなら、なんて考えたけど、そうしたら物語の結末が変化したかどうかはわからない。

[][] アフタヌーン四季賞CHRONICLE/冬の巻&まとめ

ラストです。

1997年

林田球/「ソファーちゃん」
ドロヘドロ」が面白すぎる林田さんのデビュー作。まだコミックスなどには収録されていない作品で、今回のお目当ての一つ。ソファーに宿る妖怪のお話。ストーリーはファンタジーなんだけど、やはり絵柄が独特です。身体感覚に訴えかける漫画。インタビューで「「女の子の目の回りに何も描くな」といわれた」とあってちょっとおかしかった。いっぱいかいてあります。これはこれで良い。
木村紺/「神戸在住
今とそのまんま繋がっている「神戸在住」第1話。でもインタビュー読むとコミックスには収録されてないっぽい?コミックで読んでないからちょっとわからないです。辰木さんは『ジョナサンと宇宙クジラ』ロバート・F・ヤングを読んだりしてます。私の好きなキャラクター和歌子ちゃんとリンハオもでてきます。

1998年

篠房六郎/「やさしいこどものつくりかた」
篠房六郎短編集〜こども生物兵器〜」という短編集に収録されてます。今とかわらず猛烈に上手い。けど今よりはもうちょっと、遠藤浩輝さんぽい表情。でも何より1997年の時点でメイド漫画というのがすごい。しかも戦うメイド。ここで出てくるジュペレン公はスタージョンの「人間以上」に出てくるキュー氏(エヴェリンとアリシアの父親)に似ている。
ひぐちアサ/「ゆくところ」
「家族のそれから」に収録されています。ひぐちアーサー名義。ひぐちアサさんが一貫して劣等感とそこからの解放を目指してもがく様を描こうとしていることはよくわかる。感情の浮き沈みが感触としてリアルに伝わってくる。もーう。似てるわけじゃないけど、吉田修一さんの「最後の息子」を思いだしたりした。
真鍋昌平/「憂鬱滑り台」
面白い。強盗が失敗して追いつめられて行く、相棒もの、と言っていいのかな?よくある話といえばそうなんだけど、明暗のつけかたがうまくて、陰鬱な画と開放感を感じさせるシーンとの落差が印象に残る。パク・チャヌクっぽいです。たぶんコミックスにはまだ入っていないけどそのうち短編集とか出たらちゃんと収録されそう。
漆原友紀/「蟲師
第1巻に「瞼の光」と改題されて収録されています。蟲師の中でも好きな話のひとつであり、ギンコの過去を伺わせるお話。あの光の河のことは今でも時々考える。

1999年

熊倉隆敏/「グラデ」
義肢愛好家が増えた世の中を舞台に親から愛されることを願う女の子のお話。「もっけ」とは随分雰囲気が違うような気もするけど、話が丁寧なのと女の子の描き方に良心を感じるところが熊倉さんぽい。でも本誌にも掲載されてないっぽいので初公開なのかな?インタビューをよむとそれっぽいことが書いてあるんだけど。

2002年

とよ田みのる/「ラブロマ
第1話と第2話。これ最初読んだ時に新人賞だって気付かなかったのを覚えてます。ふつうに新連載かと思った。

アフタヌーン四季賞CHRONICLEまとめ

結構高い買い物だったんですが、買ってよかったなと思います。まあ、こんなにしつこく感想書いたのは半分もととるような気持ちですけど。

これまでの感想はコチラ↓

とりあえず四季賞はレベルが高いなーと実感した。それでも上の1999年から2002年までの空白は寂しいです。個人的には1993年と1995年と1998年の大豊作っぷりが印象に残りました。

それからインタビュー集も面白かったです。でも掲載号と単行本に収録されてるものはその旨もちゃんと明記してほしかった。あとその後連載になったとかそういうこともインタビューの中だけじゃなくて、ちゃんとリストにしてほしかったなぁ。

IMAOIMAO 2005/12/24 11:43 『SWEET SIXTEEN』はケン・ローチ版『大人は判ってくれない』
ですよね。でもケン・ローチもダルデンヌ兄弟もスタイルも似て
いますが、テーマも似ているあたり、ヨーロッパ社会の閉塞感を感じます。
ともあれ、今年の『やさしいキスをして』もあまり話題になりま
せんでしたが、良い映画でした。

IMAOIMAO 2005/12/24 11:46 失礼!『やさしくキスをして』でした^^

ichinicsichinics 2005/12/26 01:39 『やさしくキスをして』は公開してるときに行けなかったんですよね…。なかなかDVDにならないですが、来年1月にリリースされるらしいので、見てみます。
ケン・ローチ作品は見ると落ち込む、という思い込みがあって少し避けてたんですが、『SWEET SIXTEEN』を見て、もう一度昔のも見てみようかなぁと思えました。良かったです。

2005-12-23

[] 2005年の映画をふりかえる

「空中キャンプ」さんの企画*1にのっかって今年の映画をふりかえってみたいと思います。と思ってこの一週間近く考え続けてたんですけど、3本に絞るのが難しかった!!

1:名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別

id:ichinics(イチコ)/女

2:2005年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください

  • 運命じゃない人
    • 1本だけ、と言われたらこれを選びます。他と比べてどうとかでなく、とにかく面白かった。そして見た後にちょっと幸せな気分になる映画。
  • ライフ・イズ・ミラクル
  • オペレッタ狸御殿
    • かなり迷ったけど最後はこれ。とにかくインパクトがあった。「あちら側」に連れ去られる映画。

3:2で選んだ映画の中で、印象に残っている場面をひとつ教えてください

4:今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか

シン・シティ」でのミッキー・ローク。原型をとどめていないですが、あの格闘ゲームのような動きとハードボイルドさにしびれた。「ボブ・ディランの頭の中」にもうさんくさい役でちょっと出てて、それもよかった。

次点として「シン・シティ」のイライジャ・ウッド。「エタ―ナル・サンシャイン」でのイライジャもだけど、新境地開拓だなと思った。

5:ひとことコメント

今年は好きな監督の新作が多かったのが嬉しかったです。でも実際選んでみると、自分でも予想外な3本になりました。特に「エタ−ナル・サンシャイン」と「ベルヴィル・ランデブー」は上のに入れるかどうかで相当悩んだ。(ちなみに「エタ−ナル・サンシャイン」と下のベスト10に入れた「親切なクムジャさん」は「空中キャンプ」さんの文章を読んで見に行こうと思いました。感謝。)

結果が楽しみ。

[] 2005年の映画をふりかえる(ベスト10)

上のに書けなかった分として、往生際悪くベスト10を選んでみた。

今年公開された映画の中で、劇場で見たのは41本。週に1本見てるかみてないかくらいですね。ニュートラルな感じ。どこで見たかを思いだすと、圧倒的に会社帰りに行ける範囲に限られてるので、単館公開系は見逃したのが多いかも。

以下、今年印象に残った映画10本(見た日付け順)です。

なんだか節操のないリストです。とにかく今年は見てつまらなかった映画がほとんどなかった。むしろ気に入らなかった映画を挙げた方が早いくらい。

来年も節操なく映画を楽しみたいと思います。

[] 健康診断

健康診断に行ってきた。

結果的には、概ね健康。ただ、相変わらずひどい低血圧なのとかいろいろあって、再検査することになってしまった。えー。でもまあ健康なだけありがたいと思わなくちゃなと思います。

今日はすごく風が強くて、あちこちで看板が倒れていた。1人で残業してたら、どこかがかたかた揺れてるような音がして怖かった。そんで突然カレンダーが落ちてきたりしてびびった。

IMAOIMAO 2005/12/23 09:04 あー、観れてない映画多すぎですー。
結局『運命じゃない人』も観逃してるし、『オペレッタ狸御殿』
も行けなかったし、『シン・シティ』は映画館で観たいし・・・
でも、とりあえず大晦日まで頑張って僕もベストを探しまーす!

ichinicsichinics 2005/12/24 00:39 私も他の方のベストとか見てて、見れてないの多いな〜と痛感しました。でもこういう企画って、そういうこと思いださせてくれるので好きです。IMAOさんのベストも楽しみにしてますねー!

2005-12-22

[][] ディア・ウェンディ

dear wendy

監督:トマス・ヴィンターベア

脚本:ラース・フォン・トリアー

予告編が格好良くて、ラース・フォン・トリアーが脚本だけど監督はしてないというのにも興味をそそられたので、見に行ってきました。素晴らしく好みの作品だった。

アメリカの小さな炭坑町に育った主人公ディックはある日おもちゃの拳銃に出会う。やがてその拳銃が本物の銃であることを知った時から、それは「ウェンディ」という名をもつ最愛の存在となる。それは彼にとって精神的な支えであるとともに「本当の自分」であるために必要不可欠なものなのだ。やがて、そのような支えを必要とする者たちで「ダンディーズ」が結成される。

彼らが組織する「ダンディーズ」は地下のアジトに籠り、射撃の練習をして、西部劇風の衣装を身にまとい、それを持つことで自分を律し銃を兵器として使用しないという誇りのもとに平和主義を主張する。町では「負け犬」と看做されていた彼らも、それぞれのパートナーとして銃を身に付けることで次第に自信を持つようになる。

ただ、そんな彼らの様子は、その切実さとは裏腹に芝居じみた、子供っぽいものに感じられる。私自身も、どうしても冷めた目線で見てしまうな、と思っていたのに、物語が終盤に進むにつれ、彼らのパートナーに対する信仰心のようなものが理解出来るようになっていた。物語は、ディックがウェンディに対する別れの手紙を綴っているところから、回想のような形ではじまるのだけど、実際にそのシーンに辿り着く頃には、ダンディーズの中の異物であるセバスチャンと同じように「お前らイカれてる」と感じつつも、ウェンディを一つの人格として捉えてしまう。

「親愛なるウェンディ。永遠に君に忠実なディック“ダンディライオン”」

その言葉はもう、まるでメロドラマだ。そしてラストシーン、それまでただの小さな広場に見えていた場所が、突如として別の風景として目の前に立ち上がる。*1しかし、ダンディーズ以外の人々にとっては、相変わらずの、ただの広場だったんだろう。ウェンディがただの拳銃であるのと同じように。

そして私は、どちらが当たり前とか正しいとかそういうことではなくて、それが非常に危ういことだと解っていても、ディックの美意識が達成されて欲しいと思った。

この映画はアメリカの銃社会に対する皮肉ととられているようだけど、銃をもつことで強くなるなんて錯覚だとかそういう教訓めいたお話ではない。それよりはウェンディ原理主義者とウェンディを拳銃としかとらえられない他者との齟齬が引き起こした悲劇という方が、私は好みだ。そういう意味で、プラトニック・ラブって原理主義と似てるよなとかそんなことも思う。

好きな映画です。

 *

主演のは「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル。このディックという役柄は「青の炎」の主人公にちょっと雰囲気が近いかも。それから挿入歌がゾンビーズというのも良いです。主題は「ふたりのシーズン」なんだけど「インディケーション」とか「エミリーにバラを」とか、久々に聞いた。エンドロールは「this will be our year」かなと思ったけどそれはなかった。

[] 印象バトン

id:michiakiさんからバトンをいただきました。「印象バトン」。アンケート好きなので早速…と思ったんですけど、これは真面目に考えると結構こわいバトンのような気もしないでもない。ですが、出来るだけ気軽に答えてみます。

回してくれた方の印象をどうぞ

michiakiさんは、自分の考えと価値観に対して真摯な人という印象です。それから意志が強くて外からの意見には流されない感じだけど、時として流されることも出来る柔軟性もあるような。実は(?)ロマンチストなんじゃないかと思ったりすることもあります。あくまでも印象ですよ!

周りから見た自分はどんな子だと思われてますか?5つ述べて下さい

姉タイプ(実際そうなんですが)

考え事ばかりしている

頑固

心配性

ロマンチスト

自分の好きな人間について5つ述べて下さい

大事にしている物事があって

自分の意見があって

他人の意見にも耳を傾けることができて

楽しい時に楽しめて

自分と似ているところが多少ある人

では反対に嫌いなタイプは?

嫌いなタイプ…。

他人に対して嫌いっていう積極的な感情を持つ事はあんまりなくて、「もうこいつ嫌いだ」って思う時は割と好きだったりする。でもそれは苦手なタイプにあんまり興味を持ってないだけなんだと思います。喧嘩したくないし。

たぶん、人の話をきかないとか、思考停止している感じとか、うまくコミュニケーションとれない相手が苦手で、だから嫌いになるまで知らないで終わっちゃうのかも。でも知るとこまでいくと、おのずと好きな部分も見えてきたりすることが殆どだと思います。とりあえずこれまでの経験では。

自分がこうなりたいと思う理想像はありますか?

あんまり感傷的にならずに物事を考えられるようになりたいとか思う事もあるし、もっと気軽に自分の感情を口に出来る人になりたいとか思うこともある。その辺りは毎日の気分次第です。成長したいとはいつも思う。

自分の事を慕ってくれる人に叫んで下さい!

お世話になってます。よろしくお願いします。(好きです!)

3人にバトンタッチ!(印象付き)

聞いてみたい人はすぐに思いつくんですけど、1番の質問の答えが怖いのでパスさせてください(笑)こういうところがへたれというか弱腰なんです。

[] 空腹

仕事が相変わらずどう転ぶかわからない状況なのですが、今日は社内がバタバタしてて落ち着いて仕事できない感じだったので(言い訳)残業もはやめに切り上げてレイトの映画を見に行く。

延期し続けていた健康診断がいよいよ明日に迫っていて、現在絶食中なんですが、夜8時以降は食べちゃだめって言われてたのに、昼ご飯以降何も食べてないまま映画見に行ってしまって、今猛烈に後悔しながら水を飲んでます。水以外の飲み物もダメらしい。ひもじい。ので早めに眠ります。

 *

言葉がすぐでてこない自分が悔しい。

*1:『ドックヴィル』は見ていないんだけど、たぶん似たアプローチなのではないかと思う。

2005-12-21

[] イタリア料理食べた

今日は友達とクリスマス会のような忘年会のような、とりあえず美味しいものを食べに行く会ということで、中野にあるイルプリモというお店に行ってきました。よしながふみさんの「愛がなくても喰ってゆけます」で紹介されてるらしいです。紹介されてるらしいお店に行くのはこれで3軒めなくせに、まだ読んでないです。読みたい気持ちはあります。ただ忘れてた。

待ち合わせよりちょっと早めに着いてしまったので、まんだらけ行ってこの前から読みなおしたかった新井英樹の単行本をまとめ買いしたり、DS買おうと思ったら欲しいソフトが一本もなくてやめたりして、友達と無事合流してからイルプリモへ。

途中ハンバーガー屋さんがあって、なんだろうと思ったら噂の「佐世保バーガー」らしく、なんで佐世保のが中野にあるんだかはよくわかんなかったけど、あれは美味しいんだろうか。ちょっと興味をひかれつつ、そこから5分くらいのとこにお店はありました。

ビール飲みつつ最初は「魚介のサラダ」。これ美味しかった。ボリュームあって、バジリコソースが食欲をそそる。パスタは3人で行ったので3品を分け合う。エビクリームニョッキが美味しい。ウニのスパゲティはウニどっさりですごいんだけど、ウニに火が通ってるので生ウニ派な私にはちょっと辛かった。あとポルチーニフェットチーネだったかな?これもポルチーニ茸がどん、と入っていて豪快。でもたぶんクリームソースが美味しい店だと思うので、次の機会にはカニクリームのリゾットとか食べたいなと思いました。

この辺りでかなり満腹だったんだけど、ピザも頼んでしまう。ゴルゴンゾーラのピザを頼んだんだけど、これはゴルゴンゾーラ風味といった感じ。よくある蜂蜜つけてたべるゴルゴンだけが乗ってるピザではないです。満腹すぎて一切れしか食べれなかったので、ちょっと記憶がない。

デザートは友達が食べてたリコッタチーズのとかチョコのムースみたいなやつのが美味しかった。私は例によって大好きなアップルパイ頼んだんだけど、これはいまいち。あっためてもらえばよかったのかも。

とにかくエビクリームソースとバジリコソースが美味しかった。全体的にボリュームある割に、値段的にも良心的。ランチもやってるらしいので、ぜひまた行ってみたいです。満腹。

[] カテゴリーの先と手前を想像すること

長年自分という人間と付きあってみても、どうもこううまく自分を扱えないところがあって、そういう時にふと、RPGを現実でやっているような不自由さを感じたりすることがある。(この喩えは誤解を招くかもしれないけど、自分に対して客観的な目線があるという意味で)

年齢とともに経験を積み重ねていけば、自分なりの美学のようなものが出来上がって、こういう場合にはどう行動するべきだとか、何かを言いたいと思っても、それを言われた場合の自分を想定して躊躇ったりすることが、ほぼ無意識のうちにおこなわれるようになったりするのだけど、それでも自分自身に染み付いた「癖」のようなものは抜けなくて、私の場合のそれが何かといえば、こんな風に自分の考えたことを吐き出したがるということなんだと思う。「考えたこと」なんていうと漠然としているけれど、それは大抵の場合価値観についてのことだったりする。私は何かを断言することが苦手で、何にでも例外はあるのだろうと考えているし、全くもって理解できないことというのも世の中には溢れかえっているのだけど、そういうものをただ「理解できない」と言うことで結論したくない。価値観の齟齬を目の当たりにすると、つい触れてみたくなる。

でもそれが、大概においてうっとうしいものだということもよくわかっているのだ。そして、日常生活でいちいち立ち止まっていたら、それはもう疲れるし手間がかかるし厄介なので、人はいろんなものをカテゴライズするのではないかと思う。

 *

以前にカテゴライズすることについてちょっと考えたことを書いたことがあって(id:ichinics:20051013:p3)、その時に考えていたことはまたちょっと別の話(多分サブカルとかそういうことについて考えてたんだと思う)だったんだけど、そこで「自分から近い人から与えられたカテゴライズよりも遠いところからのカテゴライズのほうが受け入れられやすい」というようなことを書いた。

その時は、自分から近い人にはそれだけ『自分の本質』を見てもらえるだろうという期待をしているからなんじゃないかと書いたのだけど、その自分が捉えている『自分の本質』的なものこそが最初に書いたRPGをはじめるにあたって育ててしまったキャラクターに感じる不自由さ(自分自身との齟齬)のようなものなんじゃないかと思う。もしくは居心地のよいカテゴリーを与えられた時に、それを維持するために、自らの振る舞いに不自由さが生じるということもあるだろう。

しかしカテゴリーに分けるという作業は決して永続的なものではない。喩え一般化されているカテゴリーだとしても、分類された個々のもの自体の本質は別にあるのだということを忘れてはいけない。

例えば先生と生徒がいたとして、「明るいクラス」にその生徒が属しているからといって「明るい子」である訳ではないとか、amazonで買い物をして、おすすめされる商品が欲しいと思えるものばかりではない、なんて身近なところから、自分の国と敵対している国民だからといって、自分の敵であるということではないという大きな単位まで、私達は様々な場面で無意識に分類されたものを扱い、分類されることに慣れていて、そしてたまに混同する。でも「こうありたい」と思う自分自身は、別にいる。たぶん。

分類することは便利だ。そんでそういう話を、たとえば「こういうの好き」とか「ああいうの嫌い」とか、いろいろ言ったりするのは、楽しい。

ただ、忘れてはいけないなと思うのが、やはりその分類が、個々の本質を決定づけるものではなくて、自分は、自分が分類して見ているのと同じように見られている存在でもあるのだということだと思う。

「自分」と「他者」がいるという分類に慣れているけれど、それはつまり他者もまた「自分」であるということなんだって、思いだしていたい。

なんて至極当たり前のことなんだけど、改めて考えたりした。

 *

んーなんだか曖昧な話になってしまったけれど、結局何が言いたいかというと、想像力って大切だよな、とか、そういうことです。

2005-12-20

[][] 砂浜/佐藤雅彦

砂浜

砂浜

この本が出た時に、新聞かなにかでインタビューを読んだけれど、そこで印象的だったのが「小説というのは無限の時間を封じ込めることのできる、とても面白くて可能性のあるメディア」というような言葉だった。

その言葉の印象から、なんとなく実験的な小説を思い描いていたのだけど、いざ手に取ってみれば、とてもやわらかい、私小説的な、お話が並んでいた。

佐藤さん自身が育ったという静岡県戸田村の御浜(みはま)を舞台に描かれていることから、たぶん佐藤さん自身の思い出も多く含まれているのだと思う。板の隙間と交差するように顔を動かすと、向こう側の景色がスローモーションに見える、なとどいうエピソード(遊びの発明)には現在の佐藤さんの姿を重ねたりもするけれど、この本の主題となっているのはむしろ、少年時代の思い出を文章の中に封じ込めるという、シンプルな目的によるものなのかもしれない。都会で育った私には、まぶしいくらいの憧れを感じさせる風景だ。

児童文学のような文体ながら、児童向けというには回想録としての色合いが濃いので佐藤雅彦さんのファン及び、同じような海辺での思い出を持つ人以外には薦めにくい作品ではあると思う。

しかし、一つ一つの文章の構成、そして情景描写の的確さは、佐藤さんの非凡な才能を感じさせるものでもあり、つくづくすごい人だなぁとおもう。不思議なバランスを持った作品集だ。

マックという名前の犬がでてくるお話が好きです。

「とりあえずマックでいくか。もっといい名前がでたら、そうしよう」と、絶対そんなことにはならない納得のしかたで「マック」に決まった。マックには「マック」という名がぴったりだった。

[][] ビッグコミックスピリッツ 2006/3.4号

Cherry
窪之内英策さん新連載。絵は相変わらずとても上手いんだけど、あれかな。方言の女の子に読者をときめかせる漫画なんだろうか。
20世紀少年
クライマックス、だけど、うーん。。コミックスで読んでみないとわからないけど、ここであの歌をそこまで大事なものにするなら、CDつけない方が良かったんじゃないかと思う…。具体的な歌をイメージしてしまうとどうもな。
電波の城
第三回。鯨岡社長のキャラがいまいちつかめない。はるか17の社長とかぶってるからかな。
バンビ〜ノ!
羽の寸前のコマがよくわからなかった。
中退アフロ田中
ミカとロボの巻再び。酒乱の岡本が面白かった。
テレキネシス
「三十四丁目の奇跡」。フライトプランの試写なんてタイムリーな描写もあったけど、私もそういや試写いったんだった…。感想書くの忘れてました。
ハクバノ王子サマ
この展開いつまで焦らすんでしょうか。来週こそは。
ボーイズ・オン・ザ・ラン
ちはるとは良い感じ。でも地雷を踏みそうな予感もあり。ここで引っかかったらルサンチマンと似た構図になってしまいそうだけど。
闇金ウシジマくん
怖い。豚塚ってのと肉蝮って別人だっけ?どっちにしろこわい。恐ろしい絵をかくなぁ。

[][] グランド・セフト・オート3とか

年末進行中で残業。5/3が2/1くらいにはなった気がする。

家に帰ってからは、妹が友達に借りてきた「グランド・セフト・オート3」をほんのちょっとだけやる。でもなんかもう人がたくさん死ぬのが怖い。ミッションクリア型のゲームなのだけど、マップがよくわからず、ミッション与えられても遂行できないへたれっぷり。最終的にはただドライブだけしてた。うーん。マリオカートがやりたい。という訳で今週DS買うつもりです。どうぶつもやりたいけど、そっちは思案中。

2005-12-19

[][] 浮き雲

監督:アキ・カウリスマキ

カウリスマキの映画で1番最初に見たのがこの「浮き雲」で、その後レニングラードカウボーイズの人だと知ったりしたのですけど、まあとにかく今でも大好きな映画の1つです。ちなみに、この前ユーロのLEAVING HOME最終日に見に行こうと思ってていけなかったのが、今回まとめてどっぷり見てみようと思いたった切欠だったりします。

真夜中の虹/浮き雲 [DVD]

真夜中の虹/浮き雲 [DVD]

この物語はある夫婦が失業するところからはじまる。仕事はなかなか見つからず、生活は逼迫していくが、2人ともそれぞれのプライドになかなか折り合いをつけられないでいる。まるで出口のない不幸の中に沈んで行くような2人は、しかし決してお互いのプライドを軽んじたりはしない。ただだまって支えあっている。

登場人物たちは無表情で寡黙だというのはカウリスマキによる殆どの映画に共通する要素だけれど、そこにある空気はくっきりと伝わってくる。そんな描き方は、映画だからこそ出来る表現なのかもしれない。

それから、初めて見た時に印象的だったのが、その編集方法が殆どフェイドイン/アウトで繋げられているという大雑把なところだったのだけど、その無骨なところが、カウリスマキの味でもあるのだろう。

台詞のやり取りもまた、発する言葉の手前にある沈黙で語るようなところがある。決してうまく転がってはいかない登場人物たちの人生のように、立ち止まりながらでも確実に変化していく。

元支配人と酒を飲むシーンの「これまだ飲んでないわ」「でも、もう4杯目ですよ?」「人生は一度きりよ」というやりとりが好き。(あの支配人の人は草村礼子さんに似てるなぁと思います。というか「shall we dance?」のたま子先生に似ている。)

不況というのは本当に恐ろしいものだと痛感させられるとともに、不幸を嘆くばかりでなく、少しでも良い未来を見ようとすることの希望を感じさせてくれる作品です。生活するぞ、という気持ちになれる。

[] なんでもない1日

今日は1日部屋の掃除をするつもりが、ほぼ脱線したまま夕方になってしまった。

日が落ちた頃に、慌てて本を売りにオフへ行き、売ったお金で本を買う。今日買ったのは「10ミニッツオールダー」のDVD(安かったので衝動買い)と単行本数冊。探してたものは見つからず。

給料日にアマゾンに注文したものがまだ届いてないんだけど、たぶんそのとき注文しただろうものを見つけて、迷って、やめた。でも家帰ってきてからアマゾンの方をキャンセルすれば良かったんじゃん…と気付いたけどまあいいや。

今日はじめてスターバックスがコンビニ用に出してるラテを飲んだんだけど、友達が「あんまり」って言ってたから全然期待しないで飲んだら美味しかった。さっぱりしてる。高いけど。

夜はスケートとか見る。

2005-12-18

[][] 真夜中の虹

真夜中の虹/浮き雲 [DVD]

真夜中の虹/浮き雲 [DVD]

監督:アキ・カウリスマキ

主人公のカスリネンはとにかくツイてない。鉱山が閉鎖され、仕事を失ったことに絶望した男(父親?)がくれた車に乗って、とりあえず南へ向かうことにするのだけど、途中で有り金全てを盗まれてしまうし、その強盗を見つけたと思ったら無実の罪で投獄されてしまう。

しかしそれは主人公だけのツイてなさではなくて、冒頭のシーンが印象づけているように、社会全体を覆っている「行き止まり」の感覚なのだろう。そんな中で、カスリネンの飄々とした雰囲気には救いがある。無口なんだけど、ちょっと間の抜けたハードボイルドさが愛おしい。

イルメリと出会う場面で「子供がいるのよ」といわれて「作る手間が省ける」と言ったり、刑務所の中でミッコネンと出会い、煙草やマッチを無造作に投げ合う場面が特に良い。思わず笑ってしまうような無骨なやりとりなんだけど、信頼するというのはそういうことかもしれないと思ったりする。例えば川べりでピクニックをしているシーンなんて、もう突っ込み所が満載なのだけど、家族ってそういうものだよなぁと思ったりして。

そしてラストシーンには、「いつか虹の向こうに」が流れるのだけど、それを絵空事として聞かせるのではないところが良い。どんなに悲惨な状況になっても、それを改善させることが出来ると信じることを選ぶのは、強さだと思う。

 *

1988年に製作された「真夜中の虹」は続く「コントラクト・キラー」、「マッチ工場の少女」とあわせて監督自ら「敗者3部作」と称しているようです。だからといってただ敗者を描く話ではないところがこの監督を好きな理由だったりする。

なんとなく、今年の年末はカウリスマキスペシャルにしようかなと思ってて、明日は同じDVDに収録されている「浮き雲」。

[] 忘年会

金曜は学生時代の友達との忘年会で、久々に朝まで飲んだ。

それぞれ仕事の後に来ているので、疲れた顔はしてるけど、他愛も無い話がいろいろ出来て楽しかった。特に、忙しくて滅多に会えないCが今日は来ていて、喋りたかったこといろいろ話出来て満足。今年の一押し映画などについて延々と話する。

最後は、確かこの日記を書きはじめた日と、同じ面子で同じ場所だったんだけど、1年経って、全然かわっていないことと、明らかに変わったことはやっぱりあるなぁと思った。変わってないことは、その顔ぶれと話題にする内容が相変わらずなこと。そして変わったことのは皆の酒の量が増えたことと、それぞれ絵空事のようなことは口にしなくなったということ。

うーん。

ichinics2005-12-18

始発電車を降りて、駅からの路を歩きながら、ほんのり色が付いた朝焼けの空を眺める。耳に突っ込んだイヤホンから流れる音楽も、相変わらずだけど、どこかに行かなきゃいけないような気もする。

でもまだ年末って感じはしないもんだなぁ。

kissheekisshee 2005/12/18 03:46 『真夜中の虹』、いいですよね。アキ・カウリスマキの作品は、最後そこはかとない希望がもてるところが、大好きです。『浮き雲』もそんな作品です。たぶん、観るひとによっては、なんてことない作品なんだと思うんですが、ぼくにとっては、とても大事な一作です。

ichinicsichinics 2005/12/19 01:41 kissheeさん、こんばんは。『真夜中の虹』は今回はじめてみたんですが、かなり良かったです。その、ラストのそこはかとなさがカウリスマキを好きな理由かもしれません。『浮き雲』は私も大好きな作品です。

2005-12-17

[][][] クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ

横山秀夫さんの小説はこの「クライマーズ・ハイ」と「半落ち」しか読んだ事がないのだけれど、「クライマーズ・ハイ」は所謂ミステリともエンタテインメント小説とも違う感触があり、著者のこれまでの作品とは、たぶん色合いが異なるのだろうなと思う。

この小説は日航機墜落事故当時の群馬県にある地方新聞社を舞台として、悠木という1人の記者の人生を描いたものだ。そして悠木が勤める「北関東新聞」はたぶん、横山秀夫さん本人が12年間勤めた「上毛新聞」をモデルに描かれたのだろう。編集部の雰囲気、会社での人間関係の駆け引きなどは非常に迫力があり、読みごたえがある。

ただ、記者として、父として、息子として、などと描かれるテーマが多く、それが悠木の個人的な視点からしか描かれない上に回収される前に次の出来事が起こる、というような展開が多いような気もした。まるで、「事実」を書こうとしているからこそ、その場を見ていないものはその「外」にしかいられず、結局その中で語られていたことを理解できないというような、もどかしさが残る。

作品自体が「現在」の悠木の回想のような形で描かれていることから、著者自身も意図していることなのだろうけれど、もしかしたら、著者自身の「過去への総決算」という非常にプライヴェートな内容なのではないかと思えてしまった。

それでも、ラスト寸前の、最後の降版のシーンには泣けてしまう。それだけの圧倒的な熱をもった作品であることは確かです。

そして、今回のNHKによるドラマ版では、小説で語られる熱は残しながらも、少々詰め込み過ぎにも感じられたテーマを、報道への情熱とモラルの挟間にある葛藤をメインに、父と子、「会社」という組織の理不尽さに絞って焦点を定めることに成功していたように思う。

そしてその結果、「抜きネタ」を目の前にした高揚をクライマーズハイに例えるという構図が明確になっていた。

本音をいえば、小説では何故「山」を描かなければならないのかがよくわからないでいた。多くの「山」をその守備範囲に持ち「もらい事故」の多い地方で記者をしていた著者だからこその発想だったのかもしれない、ということは想像できても、山に登るということと、悠木の抱えている問題との関連に必然性を感じなかったのだけれど、鈍感な私は、ドラマを見てようやく腑に落ちた気がした。小説版にはない台詞だが、「佐山、お前とアンザイレンだ」という悠木の台詞がそれを象徴していた。

あの「事故原因」についての抜きネタを打とうとしていた夜の出来事も、物語のハイライトとしてとてもよく出来ていた。あの輪転機の間を走り回る、等々力の必死さには泣ける。小説でも一番印象に残ったキャラクターが等々力だっただけに、あの割れた眼鏡をかけているシーンは沁みた。

しかし、何といっても一番うまくまとまっていたのは望月彩子に関するエピソードだと思う。悠木の感情を動かす重要なエピーソードだが、小説版での触れ方が自己欺瞞を反省する言葉に繋がっているのに比べて、より明確に悠木の個人的な決心へ結びついている。

「言葉はそこに居続ける。感情とは違う。だから書き続ける」

悠木のその言葉と表情で、「下りるために登る」という安西の言葉も同時に腑に落ちる。この言葉は、ドラマ制作者の的確な解釈を経ているからこその台詞であり、この原作にはない言葉が、このドラマをまた一つの作品として完成させているような気がした。

そして、たとえ被害者の気持ちを実感として理解できなくても、1人の人間として共有できる感情はあるはずだ、という自戒としての希望にも思える。

新聞を作るってことの大変さは嫌ってほど伝わってくるのに、あの熱にうかされてみたい気分にもさせる小説、そしてドラマだった。それでまた山に登ってしまうってことなのかもしれない。

 *

前編を見た時に少し書いたけれど、キャスティングはほんと豪華でしかもはまっていた。特に岸(松重豊)田沢(光石研)等々力(岸辺一徳)社長(杉浦直樹)それから記者の佐山(大森南朋)は小説のイメージそのまま。佐藤浩市さんの悠木も現在のシーンで少々老けたことを強調しすぎな気もしたけれど、悠木のキャラクターにぴったりだったと思う。神沢役の新井浩文さんはちょっと新しい役柄。そして安西の息子役の高橋一生さんも良かった。あ、と整理部の吉井役に「運命じゃない人」に出演していた山中聡さんもいた。この人とのやり取りはかなり興奮するシーンが多くて、たぶん自分の仕事とも一番近い部分だったので印象に残っている。

大友良英さんによる音楽もドラマを煽るのではなく寄り添っているような感じがして良かった。

2005-12-16

[] ベストテンとか見たい映画とか

「今年の映画ベストテン」(選者:スティーブン・キングロジャー・エバート/ピーター・トラヴァース)

が、「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記」さんで紹介されてました。こちら→(http://d.hatena.ne.jp/./TomoMachi/20051213

アメリカ情報だけあってまだ公開されてないのが多くて、参考になります。とりあえず「カポーティ」がめちゃめちゃ楽しみ。あと「コンスタント・ガーデナー」「イカとクジラ」「ミュンヘン」。

でももうそんな季節なんですね。今年のベストかー。私も年末に考えよう。

見たい映画

秘密のかけら
アトム・エゴヤン新作。12/23公開。公式サイト → http://www.himitsu-kakera.jp/
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
21グラム」のギジェルモ・アリアガが脚本だと聞いてみたくなった。監督/主演はトミー・リー・ジョーンズ。2006春公開。公式サイト → http://3maisou.com/
ホテル・ルワンダ
日本での公開が決まってなによりです。1/14旧ユーロスペースのシアターNにて公開。公式サイト → http://www.hotelrwanda.jp/
エリ・エリ・レマ・サバクタニ
青山真治監督の新作。2006年春公開。公式サイト → http://www.elieli.jp/top.htm

それから前「木葉功一さんの漫画「ルビー・ザ・キッド」っぽい映画が…」と書いていた(id:ichinics:20051116:p1)のは、ディア・ウェンディ(http://www.wisepolicy.com/dear_wendy/)だった。モノローグでうまくまとまっている予告編がやたら格好良いです。シネカノンで公開中(アミューズCQNもだ)。あとテアトル新宿でやってる「狼少女」も見たいんだけどレイトとモーニングだけってのが辛い。

[][] FEEL YOUNG 2006年1月号

RUSH/西村しのぶ
久々の登場。この漫画初めて読む人は2人の関係にとまどうだろーなーといつも思う。うそ。たまに。すき焼き食べたくなるお話。
サプリ/おかざき真里
田中さんの駆け引きがリアル。なんかうーん、この先も一筋縄ではいかなそう。いつかは恋か、仕事か、って展開になるんだろうなと思ってたけど、そうかぁー。
ピース・オブ・ケイク/ジョージ朝倉
連載再開。ジョージ朝倉さんの漫画って今までちょっと苦手だったんだけど、これは結構楽しみにしてる。
パジャマで海へ/かわかみじゅんこ
久々の読み切り。かわかみさんの近況を伺わせるような、マタニティー・ブルーなお話。しんとしてるけどほんのりあったかいお話。「パリパリ伝説」のほうは日本への里帰りの話だったんだけど、シャルルドゴール空港に住んでる人ってまだ住んでるんだね!びっくり。それからかわかみさんが高口里純さんのアシスタントしてたというエピソードもびっくり。
たましいのふたご/三原ミツカズ
新連載。あの回想シーンはあの教授の回想なのかが不明。あと最後なんで泣くのかもわからない。うーん。
ゆびのわものがたり/小野塚カホリ
最終回。ラストで現在にまで続くのかと思った。
ボーダー/たまきちひろ
新連載。29歳であせる話。どうオチつけるのかとか考えちゃうとこがやらしいです自分。
貝殻たち/やまじえびね
最終回。感覚がないということは自分もないということなのかという話なんだけど、もうちょっと読みたかったなぁ。
まくら泥棒/ねむようこ
読み切り。惜しい。ような。お父さんよりむしろお母さんに対してなんかあるように感じるとこが。

そろそろコミック誌の感想はカテゴリに分けたい。

[] 似てる

ichinics2005-12-16

「僕のニューヨークライフ」というウッディの新作予告編を見てて、なーんかこの人(ジェイソン・ビッグスさん)誰かに似ている……

と思ったら佐藤隆太さんに似てるんだった。常識? そっくりだ。

2005-12-15

[][] ある子供

ichinics2005-12-15

監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ

先月くらいから「イゴールの約束」「ロゼッタ」「息子のまなざし」を続けて見返しながら、ダルデンヌ兄弟が映画で描こうとしているのは「何かがはじまる」までの物語なんだろうな、なんて考えていたのだけど、その感覚は今回も鮮烈な印象を残す。そして「ある子供」において描かれる「何か」は「父性」なんじゃないかなと思います。

女である私にはその「父性」というものを実感として感じることは(たぶん)出来ないのだけど、母性というものがよく「母性本能」という熟語で使用されるのに対し、父性というものはそのような文脈て使用される例があまりない。とりあえず母性よりは圧倒的に少ない。それはたぶん、「父性」というものが、本能として持ち合わせているものというよりは、何かの切欠によって生み出されるものだからなんじゃないだろうか。

 *

この映画の主人公はブリュノという若い青年だ。物語は彼の恋人ソニアが彼の子とともに、ブリュノを探しているところから始まる。そして彼が恋人にかける言葉は「退院したのか」だった。生まれたのか、ではなくて退院したのか、だ。

盗みを繰り返し、その日暮らしを続けるブリュノをソニアが責めないことからも、これまでの2人は現状に甘んじて、それなりに楽しんで生きてきたのだということがわかる。ただ、子供を抱えたソニアが既に母性を獲得しつつあるのに対し、ブリュノにはまったくその自覚がない。

そして彼が赤ん坊を「売り払って」しまうところから、ソニアは「母」になり、物語はブリュノを追いかけるようになる。いつものダルデンヌ監督のスタイルで、カメラはただ、ブリュノを見つめている。

その場の状況を切り抜けることしか考えていないブリュノは、ソニアに見放されてもなお、彼女に頼ろうとする。その様子は、まるで母親を奪われた子供のようだ。しかしソニアに突き放されることで、ブリュノは最悪の状況に自ら巻き込まれていく。

ブリュノは決して悪人ではない。ただ、知らないものを想像出来ないだけなのだろう。手下のように使っている少年を待ちながら、棒切れで川面を引っ掻いているブリュノの背中を見て、そんなことを思った。

そして、そのような描写の敷き方が、物語のリアルな質感を際立たせる、ダルデンヌ兄弟ならではの手腕なのだと思う。限りなくシンプルな映画でありながら、観客に考えさせ、感じさせ、しかも納得させる。

彼らはまだ、一歩を踏み出したばかりだ。その一歩はたぶん、ブリュノに芽生えた父性であり、この映画では、それが生まれるまでの道のりが描かれている。

物語の先にこれからの重みを感じる、素晴らしいラストシーンだったと思います。

 *

「イゴールの約束」では「息子」を演じていたジェレミー・レニエが、今回父親になる役を演じてるっていうのも面白い。

【過去の感想】

ところで

今回主人公のブリュノは「子供ができた」ということで状況が変化し、自らも変化せざるを得ない状況へ「追いつめられて」いくのだけど、その過程でふと、この前読んだ「ソラニン」を思いだした。

そういえば、ソラニンのラストシーンの元ネタじゃないかと思われる映画「ひかりのまち」でも、奥さんに子供が出来て、その寸前で逃げ出してしまう夫が描かれていたけれど、もしかして、父性とかそういう「男の決心」のようなものは、一度思いっきり逃げ出して、でもどこかで引き返す、という作業を経て生まれるものだったりするのかもしれない、なんて漠然としたことを考えたりしました。

[][] コーラス 2006/1月号

ヤングユーから移行して、未だにコーラスに馴染めないでいます…。

巻頭ハチクロ映画情報に修ちゃん役が堺雅人さんだと知る。いい!蒼井優ちゃんのはぐも写真でみるとはまってます。たのしみ…。

それから、誌面で紹介されてた「デザートビネガー」というフルーツから作ったお酢が美味しそう。

キャリアこぎつねぎんのもり
この漫画のタイトルにある「キャリア」はなんなんだろうなぁ。童子に反抗期の巻。
ハピネス
吉住渉って懐かしいなx。編集者とデザイナーの恋話かと思えばいきなり非現実的なお話に。こういう感じが馴染めないのかも。女性誌っぽいな。
サムライカアサン
板羽皆さんて初めて知ったけど、一瞬、一色まことさんかと思った。絵の雰囲気が似てる。
たまちゃんハウス
落語家の1人娘が主人公のお話。逢坂みえこさんの漫画は割と好きだけど、手が似てるってシーンが2回もあるのはもったいないと思った。最初の吉田くんに似てる、の方が吉田君の絵になってたらちゃんと対比に感じたかもしれないけど。
ひとつぶ
宮川匡代さん読み切り。この人の漫画を読むのはたぶん初めて、なんだけど…いまいち腑に落ちない。た玉の輿を蹴るって状況を書きたかっただけに思える。

う〜ん。来週からハチクロが始まるけど、ハチクロ終了したら続けてコーラス買うかどうかはわかんないなぁ。あ、でも来週はくらもちふさこ岩館真理子/○野なな恵と豪華面子の読み切りがあるみたいなので楽しみ。

IMAOIMAO 2005/12/15 05:35 多分、男は父親になるのがすごーく怖いんですよ。
そこが良く描けてるなー、と思いました。
最近、ショーン・ペンの『インディアン・ランナー』を
観直したのですが、この映画でも似た様な事が描かれて
いて、なんか非常に納得してしまったのですが・・・

ichinicsichinics 2005/12/15 23:47 なるほどー。そう考えるとやっぱり「ある子供」は一見ニ人が主人公の物語のように見えて、実はブリュノについての映画なんでしょうね。『インディアン・ランナー』見た事無いので、冬休みにでも見てみます。情報ありがとうございます!

2005-12-13

[] ジブリの新作はゲド戦記!!!

スタジオジブリが、宮崎駿監督(64)の長男吾郎さん(38)を監督に起用し、米ファンタジーの名作「ゲド戦記」を長編アニメ化する。すでに製作に入っていて、公開は来年7月予定。

http://www.asahi.com/culture/update/1213/014.html

うわー! 以前id:yAmさんのダイアリで「ジブリの新作はゲド戦記って噂があるらしい」と聞いて楽しみにしてたんですが、ほんとだったんですねー。嬉しい! 「宮崎駿さんは「ゲド戦記」が好きで〜」という話は、確かハウルの時のインタビューで読んだんだったと思いますが、きっと当時から計画はあったんでしょうね。監督は息子さんとのこと。初監督&アニメ制作に携わること自体はじめてだそうです。ちょっと意外な抜てき。来年7月予定ってことは再来年くらいになるのかなぁ。

全部で6巻ある「ゲド戦記」のうち3巻が映画の原作になるそうです。読み返さないと!

[] いじわるな100の質問

畳みます

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[][] ビッグコミックスピリッツ 2006/02号

中退アフロ田中
久々の井上&ロボ登場。そういえば田中は仕事してんだなぁ。
QUOJUZコジューツ
今のとこは妹とかえでさんが一番かわいいけど、きっと残りの姉2人も実は強がってたの、みたいな展開があるんだろうな。
ボーイズ・オン・ザ・ラン
この雰囲気は何かに似てる、と思ったら「宮本から君へ」に似てるんだとやっと気付いた。
ハクバノ王子サマ
タカコサマ言った!酔っぱらってない!
CAとお呼びっ!
怪我の功名なお話。…ハクバノ王子サマと続けて読むとスピリッツだってことを忘れるな。
バンビ〜ノ!
伴VSあすかさんの彼氏羽山の料理対決が次号に。ベタな展開だけど楽しみ。
SEKIDO
セキドの故郷のエピソードで「DIVE!」の飛沫を思いだした。
じみへん
砂を噛むような味気なさというけれども、実際砂を噛む時ってアサリのみそ汁だよね、という話なんだけど、アサリのみそ汁で砂を噛んでしまったときってけっこうびっくりするよね。

[] だめみたい

だめだーとか凹んだーとか、そういうネガティブな言葉って本気なほどなかなか口にしにくくって、それが言霊ってというの同じかはわかんないけど、とにかく口にしたら重くなりそうでためらわれる。だからだめだーとか言ってるときは結構大丈夫だったりするんだけど、ところで私が「だめみたい」と思ったりするといつも思いだすのがspeedの、確か熱帯夜という曲で「だめみたいあいわなびーうぃずゆー」という歌詞がある曲がいっつもだめみたいという言葉に繋がって出る。そんなに好きか、スピードが、と思うけど、あの曲は好きだ。聞いてる方が照れくさくなるようなラップ調の語りが入ってるとこもいい。

mikkmikk 2005/12/14 00:02 こんばんは。
今日帰りの電車の中で「ゲド戦記/映画化決定」という紙袋を持った人がいて驚いたのです。で、そこに描かれた絵柄に友達と「宮崎アニメっぽいねえ?」と言ってたのですが、ホントにそうだったのですね!私は高校のとき恩師に読むのを勧められて、号泣したのです。2巻目が特に好きです。

ichinicsichinics 2005/12/14 01:14 mikkさんこんにちは。ナルニアといいゲド戦記といい、嬉しい映画化が続いて楽しみすぎます(笑)特に宮崎アニメでゲド戦記というのは夢のようですね。
昨日mikkさんが紹介されていた青山監督の新作もとても楽しみです。

toukatouka 2005/12/14 10:45 こんにちは、はじめまして。
そうなんですよ、宮本なんですよ。だけど、いろんな人物を配置して、そのマトリックスをつぶさに明らかにすることに血道を上げる「学者タイプ」の新井英樹と、
それに対して、(宮本のor新井の)模倣から始まり、自分にとっての理想の漫画を描き上げようとする「職人タイプ」の花沢健吾。
雰囲気は似ているというか花沢健吾の目指すものは「2000年代の宮本から君へ」だったんだろうけれど、最初の設定(宮本≠新井、田西=花沢)から食い違いがあるので、今後暗礁に乗り上げる可能性は大だと思います。
でもそれを乗りこえられることができたら大作家だ。

ichinicsichinics 2005/12/14 23:31 はじめまして。コメントありがとうございます。呟きのような一言に反応していただけて嬉しいです。
私が気付くの遅いのかもしれないですが、ほんと気付いてみれば人物関係の構図からして、これはまさに「2000年代の(もしくは21世紀の)宮本から君へ」ですよね。ただ、今のところ物語の中に今としての必然性を感じられないのがちょっと「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の弱いところかなとも思いますが…。「宮本〜」での新井さんと「ボーイズ〜」での花沢さんの視点の位置の違いには全く同感です。が、その熱の向う方向が花沢さんと新井さんでは違うような気もします。求めてる花沢さんと怒ってる新井さんというか。とりあえず「宮本から君へ」を読み返したいのですが、手もとにないのが痛いです。もう一回愛蔵版出版しなおして欲しいですね。
toukaさんももしどこかで感想など書いてらっしゃるなら、教えていただけたりすると嬉しいです。

toukatouka 2005/12/15 12:27 http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Ink/2087/
ここの掲示板に読んだ漫画とかの感想を書いています(年末一杯は休んでますが)。ヤングユーの感想とか、かなり好き嫌いが激しいので注意……

ichinicsichinics 2005/12/15 23:43 ありがとうございます!早速行かせていただいたのですが、くらもちふさこさんや漫画50作のラインナップなど、個人的にかなりぐっときて嬉しいです。これからも覗かせていただきますね。

2005-12-12

[] pixies@STUDIO COAST 12月11日

ichinics2005-12-12

楽しかった!すごく!楽しかったです!

今となってはなんで迷ってたんだかわからないんですが、来日ツアー行くかどうか迷って、でも追加でて、よし行くか!と思って行ってきたんですが、これはほんと、行ってよかった。

ピクシーズの活動時期は1987〜1992ととても短く、私がpixiesを聞きはじめてはまって大好きと言いまくっていた時期にはもう活動していませんでした。なので再結成は嬉しい反面、ピクシーズをよく聞いていた頃からも随分時間が経ってしまったので、今回のライブで当時の記憶が更新されちゃうのが恐いような気もしてた。でも実際ライブに行ってみたら、そんな心配もばかばかしく思えるくらい、私の知っているピクシーズがそのまんまいた。それで、やっぱりピクシーズが大好きだなと思った。

特に、大好きなアルバム『Surfer Rosa』と『Doolittle』 の曲はほとんどやってくれたのが嬉しくて、好きな曲、といってぱっと思いつく「Debaser」「Here Comes Your Man」「Caribou」「Bone Machine」「Ggantie」「Velouria」「Broken Face」(他にももっとある気がするけど)全部やった。「La La Love You」で全員がボーカルとるのも良かった。フランシスとジョーイが一本のマイクでささやく「アイラブユー」やドラムのデヴィッドの甘い声。それから相変わらずかわいいキム・ディールの声! ボーカルといえば、相変わらずの巨体で現われたブラック・フランシスは、声、というか歌い方がちっとも変わってなくて驚いた。レコーディング当時のテンションが未だに保たれているのではと思えるくらい。

ただ、ライブ自体はとてもなごやかで、どの曲でも皆が大合唱になってしまう、その雰囲気だけが時間を感じさせるものだった気がする。

ほんと楽しかった。知ってる曲ばっかなんだけど、ライブで聞くと、あれこんなに良い曲だったっけってのもたくさんあった。

 *

ところで、この再結成でニューアルバムを出す予定はあるんだろうか? フランシスさんの歌い方とかが、先日でたフランク・ブラックのソロアルバムでの雰囲気とは全く違っていたので、その辺りが少し気になる。

[][] ライブの前と後

今日の会場STUDIO COASTにははじめて行ったのですが、ロッカーが外にしかないということをのぞけば、とてもいい会場だったと思う。横に広いステージに対して、扇状のフロアの後方がひな壇のようなテラスになっていて、見やすい。

外で半そでになって、入場したらすぐビール。物販も見たけど、荷物になるので後回しにして会場内に入る。でも前座が始まる前に飲み終わっちゃって、慌ててもう一杯買いに行って真ん中のテラスにてスタートを待つ。

一発目はBEAT CRUSADERS。なんかもう、単純に楽しかったなぁ。ライブっていいなと思いました。7曲くらいやってくれて、会場も良い感じに暖まる。ビール追加するか迷ったけどやめて、そのまんまモーサムさんを待ちました。

MO’SOME TONEBENDERは、朝霧で初めて見た、というかまともに聞いたのも朝霧がはじめてだったんですが、やっぱ格好良いですね。個人的には新しいっぽい「ロッキンルーラー」という曲より、中盤でやってた曲が良かったです。あれ、なんていう曲なんだろうな…。朝霧の時もあれが一番いいと思ったんだけど…。それから「ペチカ」という曲は、やっぱブランキーっぽい。編成とか雰囲気が近いのかな。ブランキーっぽいバンドってなんかいそうでなかなかいない。

そしてピクシーズ。はぁ…。楽しかった…。ほとんど全部の曲で始まった瞬間に「ぎゃぁ!」と叫びたくなりました。(詳しくは上のほうで)

ライブの後は腹ぺこだったので、友達とご飯食べながら忘年会のうちあわせ。店をでるとちらちらと雪が降っていて、またちょっとテンションが上がる。

家に帰ってきてから、これ書いたりしてライブを反芻してるのですが、今聞いているのはNUMBER GIRLの「Wave Of Mutilation」だったりする。ってまんまですが。

[][] ビッグコミックスピリッツ 2006/01号

メモするの忘れてた。もういいか、と思ったけど一応

電波の城
細野不二彦さん新連載.テレビ局を舞台にした話になるみたい。取材対象への思い入れが強過ぎる社会部の記者(だと思う)谷口が気になるキャラクター。
中退アフロ
田中爆笑した。
QUOJUZコジューツ
今度は義理の妹が2人と義理の母ができる。
ハクバノ王子サマ
もどかしい。
ボーイズ・オン・ザ・ラン
病気の彼女のお見舞いに、行ってしまうのか?

2005-12-11

[][] 殺人の追憶 MEMORIES OF MURDER

監督: ポン・ジュノ

ここのとこ韓国映画づいてますが、特に他意はなく、復讐3部作を見たという話をしたらこの映画をおすすめされたので早速見てみました。趣味のあう友人のおすすめには素直に従うタイプなんですが、それはたぶん素直に従って後悔することがあんまないからなんですよね。面白かった。

殺人の追憶 [DVD]

殺人の追憶 [DVD]

1986〜1991年の6年間に10人の女性が犠牲となった実際の連続殺人事件を元にしたフィクション。田舎町の刑事が連続殺人事件に手を焼いてさっさと犯人を特定してしまおうとしているところに、ソウルからスマートな刑事が援軍としてやってくるところから物語がはじまります。この2人の刑事の対立が、やがて有力な容疑者にたどりつくまでのアクセントになっていて、お互いを見ていた刑事の表情が、いつしか犯人に向かって憎しみを注ぐようになっていく様には迫力があった。

脚本もとてもよく出来ていたと思う。実際の事件にどの程度沿った内容なのかはわからないけど、事件の陰惨さを直接描くというよりは、捜査にあたる刑事の葛藤と挫折に焦点が当たっているところが良かった。無駄がなく、テンポも良い。重厚な刑事ものの小説を読んだような感覚だけど、例えば小説を映画化した作品では、こんな風に焦点の絞られた作品にはなりにくい気がする。(だからこの映画の脚本をもとに薄井ゆうじさんが小説化しているというのをDVDのエンドロールか何かで知って驚いた。薄井さんの作風からはちょっと想像つかないけど…読んでみたい)

それから、この映画の結末について、私は特に前情報を知らずに見たのでとても驚いた。もちろん韓国では、この事件がどういう経路をたどったのが知った上で見る人がほとんどだったのだし、その上で作られてるんだとは思うけど、知らないで見るほうがより刑事たちに感情移入できるかもしれない。

刑事役のソン・ガンホさんと、容疑者役のパク・ヘイルさんの顔がとにかく印象に残る。

[][] DEATH NOTE 9巻

DEATH NOTE (9) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE (9) (ジャンプ・コミックス)

話が混沌としてきた。けど、今の構図としてはほぼ無敵頭脳に思えるニアの弱点がメロのような感じになっている気がする。もうキラの頭脳だけでは逃げ切れない、キラとしては背水の陣のような状況じゃないのかな。だってリュークに裏切られちゃったらおしまいだし。(死神は裏切らないルールとかないよね?)

未だに南空ナオミの赤ちゃんが…という設定が捨てきれません(id:ichinics:20050228:p2からずっと言ってるわけですが)。いやもうないのは分かってるけど。

[] クライマーズ・ハイ

横山秀夫さんの「クライマーズ・ハイ」をNHKがドラマ化したもの。主人公の悠木役の佐藤浩市さんはじめ、キャストがかなり豪華です。

原作は1985年の日航機墜落事故当時の、地方地元新聞社を舞台にした人間ドラマで、非常に読みごたえのある作品。ドラマ版はかなり原作に忠実に作られているような気がします。特に、悠木の上司や同期のデスクのキャスティングが良かった。

来週後半が放送されるそうなので、それまでにもう一回原作読もうかな。

[] 終わり方

久々にアンテナチェックしてみたら、なくなっているサイトがあって驚いた、という話を昨日の夕方、遅めの昼ご飯食べながら書いたんですけど、それに対してmichiakiさんから反応をいただいたので、もうちょっと書いてみたくなった。

私にとって定期的に見てるサイト(ブログもHPもごっちゃにして書きますが)というのは、アンテナに入れさせてもらってるところとRSSとあとブラウザのブクマと、全部あわせたらかなりの量になるわけで、もちろん全ての更新を追えていないサイトもあるんですが、どこもなくなってしまったらさみしいことに変わりはないです。

ただ、そのサイトがなくなってしまった時の驚きというのには幾つか種類があって、私にとって、それは終わり方というよりも、そこがどんなところだったかによる。例えば、サイトによって、それを書いているのがどんな人か、見えるようなとこと見えにくいとこと全然見えないとこというのがあって、人柄が見えてる(ような気がする)場所ほど、ショックは大きいように感じる。

そして何故ショックなのかと言うと、それは、そのサイトでの文章を人格として捉えていて、その人にもう会えないんだー、ということがさみしいからなんだと思います。うん。これはもちろんリアルで対面したこともなく、職業として文章を書いてる方でもない人に限る話ですけど。もう、その人の文章にたどりつく道が断たれたというのが、単純にさみしい。特に更新停止ではなくて全記事削除のような場合には。

そんなにショックなら、閲覧できてる間に伝えとくべきことがあるのではというmichiakiさんの言葉もよくわかる気がするし、無くなってしまった後にだらだらとこんな文章を書いてる自分も鬱陶しいんですけど、

私は、もともと自分でこんな日記とか書くよりもただ見てた期間の方がながいので、なかなかそんな発想が湧きにくいというのと、コメントとかメールとかってなんとなくその「中の人」に向けてるような感覚なので、なんというか、そのサイトに人柄が見えている(ような気がする)サイトでも、その文章と「中の人」の間には意図的に距離を置いているだろうなと思われるところもあって(ネタ的な更新が多いところとか)、そういう場合には、自分から何かを訴えかけようという発想が(ほぼ)湧きません。

その感じは、映画の登場人物が好きでも、その俳優さんとは別人だと分かっている感じに似てるかもしれない。エッセイと小説の違いというか。

そして、そういうサイトに対しては、アンテナ入れたりブクマしたりするくらいが精一杯です。自分がプライベートなことばかり書いているので、温度差を感じるというのもあります。

でも、こうして終わってしまった後に、しみじみと中の人の存在を思い知って、またどこかで何か書いてくれたらいいなぁ、と思ったりしてるのも事実なんですよね。

 *

ただ、そこが無くなってしまうこということで、やっぱり一番ショックなのは、自分となんらかの関わりがあったサイトであって、blogみたいに簡単に何かを伝えられる手段がある場所では、特に、それを利用しなかったことに後悔するような気もします。なので利用できるうちにしておいたほうがいいなとも思いました。

最後に本題に戻って、私がここを終わらせるときのことを考えてみると、やっぱり「終わります」と書くだろうなと思います。対外的にということじゃなく、個人的な場所だからこそ、最後には「ちゃんちゃん」でも「どっとはらい」でもいいけど、何らかの言葉で自分と切り離して終わりたいような気がする。

それは以前更新停止するつもりもなくフェイドアウトして終わらせてしまった場所があって、それがちょっと後味悪かったからなのですが、とりあえずこの日記についてはまだ書くのが楽しい状態なので、当分続けると思います。

IMAOIMAO 2005/12/11 06:38 『殺人の追憶』で一番ビックリしたのはソン・ガンホが飛び蹴り
した所です^^あそこはもの凄く「映画」っぽい瞬間だと思いま
した。ポン・ジュノはまだ若いですが、10年後には巨匠になって
いると僕は思っています。

ichinicsichinics 2005/12/12 01:48 いやー、ほんと面白かったです。ポン・ジュノ監督の映画を見たのはこれがはじめてだったのですが、「ほえる犬は噛まない」も見てみようかなと思いました。

2005-12-10

[] ポップジャム

ザゼンが出るというので録画。帰宅してすぐビデオを見た。

まず冒頭はグループ魂。実は私、魂がまだ3人のころにクリップの撮影をお手伝いしたことがあるというのがちょっぴり自慢だったりするんですが、その頃は大人計画の人ってことくらいしかわかってなかった。もったいない。

それからZAZEN BOYS。ナレーションが「むかいひでとく」と言っててびっくりしたけどMCのTMの人がちゃんとしゅうとくさんと言ってて安心した。トークはまったりと。演奏したのはヒミツガール。皆そこはかとなく正装。向井さんはちょっと歌いにくそうだったけど、演奏はソリッドでやっぱ格好良いです。27日のAXが楽しみだ。

それからちょっと飛ばしてPOLYSICSモーサムを見る。ポリは2曲。一曲が短いからかな。モ−サムさんは朝霧が初体験だったんだけど、初めてボーカルの人の顔をまともに見た。明後日(日曜)のピクシーズの前座にもくるらしいので楽しみです。

グループ魂以外は皆生音だったっぽい。(見てないのはわかんないけど)

[] ソラニン1巻/浅野いにお

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

すごく楽しみにしてて、発売日に買ってすぐ読んだんだけど、いろいろ思うところがありつつも、やっぱりなんだか馴染めない、という気持ちが残る1巻だった。

連載開始時に1、2話を読んで、この「ソラニン」はきっと今まで浅野いにおさんが描いてきたことの、総決算のような話になるんだろうなと思いつつ、仕事をしながらバンド活動を続ける彼と、衝動的に仕事を辞めてしまう彼女との同棲生活がやたらとのんびりしていることに違和感を感じたのだけど、その印象は1巻を読み終えても続いていた。

このキビしい時代なんだもの、下を向いて歩こう精神で切り抜けようじゃない

という先輩の言葉を肯定も否定も出来ず、しかし時間とともに選択肢が狭まっていくことへの恐怖を感じる。その種田君の気持ちは痛いくらい分かる。でも、種田君とその彼女にのしかかるあまりにも典型的な「現実」の形と、それに対する彼らの反応には、物語的な嘘くささを感じてしまう。

それはたぶん、これまでの「素晴らしい世界」や「ひかりのまち」にあった、切実さというか、葛藤することにさえも葛藤してしまうような泥臭い不器用さが、この「ソラニン」の主人公たちには感じられないような気がしたからだと思う。

でもたぶん一番居心地が悪いのは、種田君の葛藤を共有するでもなく、傍にいて寄りかかることに自らの「ずるさ」を感じつつ、それでも動こうとしない芽衣子の存在なんだと思う。彼女が彼を支えるでもなく利用するでもなく嫉妬するでもなくただ彼を見ているだけのように感じる、そのことに、私は「やたらとのんびりしている」と感じ、苛立ってしまうのかもしれない。

なんだかいろいろと勝手なことを書いてしまったけれど、このお話の行く末を楽しみにしているのもほんとです。むしろこれからだろうし。

あと、この1巻のラストシーンを読んで、やっぱり浅野いにおさんは映画「ひかりのまち」が相当好きなんだなぁと思った。

IMAOIMAO 2005/12/11 06:40 お、『ソラニン』買わないと!

IMAOIMAO 2005/12/11 19:38 先程買ってきて読了。
これは『同棲時代』ですね^^
『南瓜とマヨネーズ』も好きですが、こういう話に弱くって・・・
昔、多摩川に近い場所に彼女と半同棲していた時代を
思い出しました。のんびり、まったりとしていたけれど
変な切迫感があったのも事実。今となっては懐かしくも
楽しい時期でもあったかと・・・幸せって難しいですね。

2005-12-09

 さみしい

暫くアンテナとか見てなかったんだけど、今さっき久々にあちこちのぞいたりしてたら、いつの間にかなくなっているサイトがある。

そのうちのいっこははてなの方なんだけど、一体どうしたんだろう…。アンテナにかろうじて残ってる最後の文章(と思われる)には、全然閉鎖のことなんて書いてない。ただ、そのリンクを踏んでも<ご指定のページが見つかりません>になってしまう。

さみしいな。あの人の文章大好きだったのに。

[] 宗教と共存の話

ishmaelさんのところ(http://d.hatena.ne.jp/./ishmael/20051206/1133887896)で興味深い記事を見つけた。以下の引用にリンクするけれど、「日本人の宗教嫌い」と題した文章で、日本人の多くが、普遍的な考え方として身に付けているものの多くが、実は宗教によって語られているものだったりする、という話。

でも、その話よりもむしろ、最後のまとめ(以下の引用部分)における主張に共感した。

現代まで生き残ったまっとうな宗教はそれなりにいい事を言っている。だから 宗教の言うことに耳を傾けてほしい。少なくとも、何を言っているのか知らな いままで否定してほしくはない。

http://iwatam-server.dyndns.org/column/47/index.html

それがオウム以降なのかどうかは分からないけれど、現代の日本で「宗教」というものに対し嫌悪感を示す人が多いのは事実だと思う。

しかしそれがカルトと同一視されているから嫌悪される、とは一概に言えない気がする。例えばキリスト教にしても、あの玄関先までやってきて冊子を配っていくタイプのものと、カトリックプロテスタントを同一視している人は多いのではないだろうか。イスラム教にしても、あのテロ事件以降、盲目的に毛嫌いしはじめた人は多いだろう。日本人に割と受け入れられている宗教といえば仏教かもしれないけれど、宗派ごとの教えの違いを把握している人が多いとは思えない。(私もよくわからない)

要は、馴染みがあるかどうかということと、とらえどころのないものを信仰するという行動への反発と宗教の集団性への嫌悪感とか、そういう漠然とした印象から「日本人の宗教嫌い」が生まれているんじゃないかなと感じる。さらに言えば、現代の日本における熱心な宗教の「信者」という存在が、マイノリティに属するがゆえに差別的な感情が生まれるのではないかな、とも思うのだ。

でも、何かを信仰するということは、基本的には悪いことではないはずだ。特に、その宗教を生活の基盤として多くの人が信仰しているような宗教には、それぞれ学ぶべきところがあると思う。

私は、幼い頃日曜学校に通っていたのと、親戚に牧師さんがいるので、どうしてもキリスト教に偏った意見になってしまうけれど、その上で極論を言うと、殆どの宗教が教えているのは「神を畏れる」ということなんじゃないかと思う。簡単に言えば、悪いことをすれば神からの罰があるはずだ、だから良いことをしよう。功徳を詰め、汝の隣人を愛せ。ということなんじゃないか。そして、その成り立ちに説得性を持たせるものが宗教なのではないかと思うのだけど、やはりこれはあまりにも極端な意見かもしれない。ちょっと自信が無い。

ただ、そのような社会生活における規範ともいえるようなものが宗教の一端でもあるわけで、目に見えないものや人外の力を畏れる、という意識は罪を犯すことへの抑制としては非常に有効だと思う。日本の昔話にあるような「山を汚せば山の神様が怒る」というのもそれとおんなじことなんじゃないかなぁ。

それと同時に、そのような規範や成り立ちについての争いから、宗教というものが戦争の原因になってしまうこともある。信仰の由縁とはそれぞれの個人的な「宗教的体験」に拠るところが大きく、だからこそ他の宗教の信者と一朝一夕に相容れることが困難なのだろう。特に、宗教への熱情そのものを理解できない、例えば特定の宗教を信仰していない多くの日本人などは、ただ宗教というものをひとくくりに恐ろしく感じてしまうのかもしれない。

ただ、これだけ多くの人と出会う機会のある現代では相容れない人とも共存していかなければならない場面は多々ある。そこらへんは、もうちょっと寛容に、他者が信仰するものに対しても理解を示すべきじゃないの、と思うけど、なかなかそんな甘い意見は通用しない。

しかしだからこそ、その理解の素地として宗教を学ぶことには意義があると思う。

 *

そして、上記のサイトでもう1つ興味深いコラムがあって、そこにはカルトとされる宗教についてこのように書かれていた。

カル トとは、ある教えを自分なりに解釈せず、人が言ったことをそっくりそのまま正 しいものと受け取ってしまうことだ。

http://iwatam-server.dyndns.org/column/50/index.html

私はカルト宗教の定義については不勉強なので把握していないのだけど、これに付け加えて、個人的に信用すべきでない宗教というのは特定の「個人」を信仰するようなものだと思う。生きている人間と言っても良い。

例えばキング牧師が素晴らしい人だからといって、キング牧師を信仰するのはおかしい、ということだ。そして宗教が生きている人間の利害を伴って利用されることで様々な争いが起きるのではないかとも思う。

 *

でも結局、何故私がそう思うのかと言えば、人類は平等であるべきだという、どこで身に付けたかわからない言葉を信仰しているとも言えるのだけど。

[] 6年前

昨日Fiona Appleの新譜について書いた時に、6年前に「真実」が発売された時のことをまざまざと思いだしたと書いたけれど、思いだしついでにちょっとその頃のことを書いてみたくなった。ので書く。

その頃、私はある町のレコード屋さんで働いていた。レコード屋といっても、中古レコードから新譜CDまで扱っている店だ(といえばだいたい限られてしまうけど)。

「真実」が入荷された日の朝、友人の1人がふらりと店にやってきた。東京のアパートを引き払ってこれから実家に帰るということで、最後の挨拶に顔を見せてくれたのだった。文明の利器を毛嫌いしていた人で、携帯もパソコンも持っていなかったから、住所を聞こうとメモを取り出したら、島の名前と名字を書いて送れば届くから、と言う。

「ほんとに?」「ほんとに」「じゃあ手紙書くよ」「うん」「最後に何か買ってけば?」「おすすめある?」「じゃあこれは」そんな感じの会話をかわして、結局私が無理矢理プレゼントする形で渡したのがあの赤いジャケットの「真実」だった。

そしてそれきり、その人はどこかへ行ってしまった。実家には帰らなかったらしい。別の町で見かけた、という話を聞いたことがあるけれど、それも本人かどうかわからない。

誰にも行き先を告げないで、人がいなくなるということが、どのくらい起こりうることなのかはよく分からないけれど、何かトラブルがあった訳ではなさそうなので、無事でいるならいいなと思う。

しかしあれからもう6年も経ったんだ。あの人も今頃は文明の利器に抵抗もなくなり、パソコンや携帯を使ってるかもしれない。そしたら、何かを検索したついでに、私の書いた文章を目にすることもあるかもしれない。6年ぶりの新譜を聞きながらそんなことを考えてたら、なんか不思議だけど、面白いなと思った。

[] 近所の椿が白かった

ichinics2005-12-09

健康診断は延期させてもらえた。相変わらず風邪気味だけど、今日はまあまあ、仕事もはかどった、ような気がする。でも仕事を頼みたい相手が音信不通で、それがかなり気がかりで落ち着かない。電話もメールもファックスも応答なしってかなり心配だけど、こういうのって通信手段が豊富だからこその不安なんだろうか。いや違うよな。頭が朦朧としてる。

上の文を書くので付け焼き刃に仏教について検索してたら、なんだか面白かったので、もうちょっと調べたい。これは来年の目標にしようかな。

2005-12-08

[] Fiona Apple/Extraordinary Machine

Extraordinary Machine

Extraordinary Machine

フィオナ・アップルの6年ぶりとなる新譜。

このブランクは何故だろうと思っていたのですが、どうやらアルバム完成後に音源を盗まれる等のトラブルがあったようです。詳細は分からず*1。ただ、そのリークされた版に、1曲新曲を追加し9曲は新録したものが今回のアルバムのようです。

それで、これがもう素晴らしい佳曲揃いのアルバム。1st、2ndの流れをきっちり受け継いだ、エモーショナルかつ物語性のある楽曲たちが並んでいて、フィオナのピアノも相変わらず、その声と同じくらいに雄弁。なんだか6年前の「真実」が出た頃の事をまざまざと思いだした。

何故か今回輸入盤しかないと思い込んでいて輸入盤買っちゃったんですが、国内盤もちゃんと出てるんですね。歌詞の意味が分からないのがもったいない。ずっと流していると、フィオナは韻を踏むのがうまいなーと思うんですが、歌詞カードみて訳そうと思っても、歌詞って略されてる部分が多くて難しい。レンタルして歌詞だけコピーしようかな。

ミディアムテンポな1曲目はミュージカルナンバーのような、情感溢れる歌い方がたまらないです。6曲目「Parting Gift」はピアノとともにで歌い上げられる名曲。今回のリリース用の新曲らしいです。10曲目「Red Red Red」は、歌詞を見る限り、かなり切羽詰まった状況の歌のようなんだけど、言葉を重ねるごとに深いところに潜っていきながら、力強さを感じさせるところが、フィオナの魅力だったりすると思う。11曲目は逆に言葉とともに舞い上がって行くようなラストがいいです。ラストは「Waltz」。

[][] 復讐者に憐れみを

監督:パク・チャヌク

親切なクムジャさん」「オールド・ボーイ」へと続く復讐3部作の第1弾。3部作の中でもっとも陰鬱で救いが無い作品ですが、最も監督のメッセージを感じる作品でもあります。

耳が聞こえず、言葉を喋れない主人公の青年は、病気の姉の為に臓器移植をしようとするのだが自分の腎臓は適合せず、臓器密売人に連絡をとる。しかし結局金を騙しとられてしまい、そんな折にタイミング悪くドナーが見つかったため、誘拐の身代金を手に入れようと試みる、というのがストーリーの導入部です。

まるで倒れて行くドミノのように事態は悪化していくのだけど、それが一体どこから始まったのかがわからない。あの誘拐からだろうか、それとも仕事を首になったことか、臓器密売人と出会ってしまったことか。全てのピースが指し示す方向の先にあるものを、誰も想像していないように見えるのが悲しい。

この映画の登場人物たちは、それぞれ、もとは悪人では無いはずだ。それなのに彼らは殆ど葛藤せずに衝動で行動する。誰かが立ち止まれば、終わったかもしれない。でも、その憎しみの矛先をどこに向ければ良いのかもわからない。

見た後にはかなり暗い気持ちになります。

一番印象に残ったシーンは、ラストでの、自分が死につつある状況でなお自分が殺される理由を知ろうとする男の姿でした。そう考えると、やはり人間は言葉の上に生きてるんだろうか、なんて考えた。

3部作を通して1番気になったのは、この監督の傾向なのかもしれないけど、テーマを描く為に少々ストーリーが強引になるところ。それから画面での暗喩が多過ぎて、少し鼻につくような気もする。でもそういった監督の美学が迸っているところが良いなとも思います。次回作はどんな作品になるのか楽しみ。

[] 体調

今年は本当に嫌になるくらい風邪を引きまくった年だったけど、またしても風邪をひいてしまった。

今週末には身体検査があるというのに、このまんまだと受けても良い結果が出る訳がない。延期って出来るのかな。出来ても自腹と言われそうだな。

いい加減仕事も詰まってるのに、体調崩してる自分に自己嫌悪してしまいます。なんでもう12月なんだろう。なんて考えても仕方ないことばかり考えてしまう。脳内最適化したい。

*1:この記事などを読んでなんとなく知ったくらいです→ http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=9542

2005-12-06

[][] シティ・オブ・ゴッド

監督:フェルナンド・メイレレス

やっと見る。すごい映画でした。

60年代のブラジル、リオデジャネイロ近郊にあるスラム街「シティ・オブ・ゴッド」でのストリート・チルドレンの物語。

まず、これが実話をもとにした作品であるということに驚かされるし、日々殺人が行われる環境の凄まじさと少年たちの陽気さとの対比が鮮烈過ぎてくらくらする。

現実は圧倒的なもので、その環境の中にいて、外の世界の倫理を実践することはとても困難だ。しかし写真家を夢見てそこを出て行くブスカベも、その中で起きた事すべてを否定している訳ではないことが、映画を見ていればわかる。

一番印象に残ったのはやはりリトル・ゼとベネの最後のやりとりだ。予言者からの忠告を破ったリトル・ゼの行く末を見て思うのは、人に認められたいと願うなら人を受け入れなければいけないという当たり前のことだった。そして、誰かを恨むことを復讐という形にしてしまえば、自分もまた復讐される側になるという摂理。聖者であったはずのマネのように。

そういう当たり前のことを見る為には、ブスカベがカメラを構えるように、立ち止まって見ることが必要なんだろう。立ち止まったら殺されてしまうかもしれないけど。

様々な相反するものが渾然一体となった映画の中で、冒頭での逃げて行く鶏のように、はっきりと生きることを目指して走る彼らは美しいとも思った。

なんとなくガルシア・マルケスの文章を思いだした。特にあの干上がったカラカスについてのルポ。

[] ポツネン 12月4日@本多劇場

2度目の小林賢太郎SOLO CONTE LIVEへ行ってきました。

10日ぶりなので、結構変わってるかなと思ったけど、意外に大幅な変化はなくて、より分かりやすくする為の細かい修正があるなというくらいに感じました。

2回見て思ったのは、やっぱりすごくよく出来ている舞台なのだけど、1人だからこそ、不確定要素のような遊びはなくなっていくのかなと思った。

11/24日公演の感想→ id:ichinics:20051125:p1

【以下ネタバレになるので畳みます。】

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ishmaelishmael 2005/12/06 03:34  僕もシティ・オブ・ゴッド、一番好きな映画の一つです。何よりもあの冒頭とラストのシーンの鮮烈な印象が気に入っています。不安と高揚と焦燥と期待とが綯い交ぜになって、今にも鳥は殺されようとしている。そこから、一匹が逃げ出す。途端に町全体が動き出す。あのネコ科の肉食獣の様な繊細な動性溢れる冒頭のシーンが、まさに僕が勝手に思う「南米」に対するイメージで、それをものの見事に活写されていて、何べんみたかわかりません。凄い映画ですよね。どうやら、続きが作られるようで、今から楽しみです。

ichinicsichinics 2005/12/06 16:44 ishmaelさん、こんにちは。ほんと、すごい映画でした。あの強烈なコントラストというか、様々な相反するものが同時に走っているような躍動感は、見事という他にないです。続編の計画もあるんですね。とても楽しみです。この監督の新作「The Constant Gardener」(ナイロビの蜂)も日本での公開を待っているのですが、まだ発表されないですね。

2005-12-04

[][] キーチ!1巻〜7巻/新井英樹

キーチ!! (1) (ビッグコミックス)

キーチ!! (1) (ビッグコミックス)

新刊が出るのと、昨日のクムジャさんの感想を書いていてちょっと気になったのでまとめて再読。まとめて読んだら凄かった。

善と悪に割り切れないものが詰まっている。怒り狂って暴力を振るう圧倒的なものの前に突き出されたとき、自分が何を思うのか、試されている気分だ。首根っこ掴まれた状態で。

【以下内容に触れています】

「その子を定められた日に産み落とすならば、またとない男らしい男に育つだろう」という言葉と共に生まれた少年、キーチは殆ど言葉らしい言葉を話さず、なにを考えているかわからないところも多い。毎日様々な問題を起こすキーチに両親は苦労しながらも、たくさんの愛情とともにキーチを育てている。

ただ、そんな幸せな日々は突然に終わりを告げる。第1巻のラストから、2巻の幕開けはまるで悪夢のようだった。

通り魔に殺害された両親の前に取り残されたキーチを映し続ける、父親のビデオカメラ。幼いキーチの目の前に落ちてきた不幸を余所に、世界はより大きな不幸へと群がる。世界が遠くなっていくのを感じる。ここは作者の明確な怒りが伝わってくるシーンで、とても印象に残っている。

この唐突な暗転ののち、キーチはホームレスのモモと共に暮らすようになる。何かを失った者同士という共有を求めるモモに対してキーチはほぼ応えることすらしないのだけれど、そんなキーチを再び不幸が襲い、モモとキーチはモモの旧友「秋ポン」のところへ身を寄せる。

この秋ポンという人物が、キーチに生きる指針となる言葉を与え、彼を窮地から救い出すのだけれど、ここまでが第1部といっていいだろう。ここまではまだこの作品がどこを目指しているのか掴めていなかったのだけど、第5巻から小学生編が始まって、ようやく焦点がみえてきたような気がする。

 *

小学生編は、長い放浪生活の末に、祖父母の元へひきとられたキーチは転校先の小学校で甲斐という少年に出会うところからはじまる。そして「みさと」といういじめられっこの少女の問題に2人が関わって行くことになるのだけど、その動機となるのは同情ではなくキーチ自身の怒りだ。

俺は…俺が見えるとこに醜いもんがいたりあったりすることが我慢できねえ

キーチは「ひとり」だ。でも彼を慕う人がその周りにいる。甲斐がキーチをカリスマと称するシーンがあったけれど、カリスマというのはキーチのように他者の共感を求めず、物事の均衡を目指す事もなくただ、その信念と美意識を貫く人のことを言うのかもしれない。時折、読んでいるこちらが喧嘩を売られているみたいな気がする。

対する甲斐はとても人間的な「ずるい」ところを持った少年だ。人前でうまくやることが出来る、つまり自分を取り繕うことができる。ただ、そんな彼が父親を捨てて「ひとり」になるシーンには、鳥肌がたった。

悪もあり善もある。しかし善があるからといって悪を許す事は出来ない。

お前ら空っぽなくせに腐ってる

と切ってすてる世間に、これからキーチは立ち向かっていくのだろう。

なんだかあらすじのような感想になってしまったけど、この作品は新井英樹さんにおける「ワールド・イズ・マイン」と並ぶ代表作になると思うし、もっと評価されるべきだと思う。

伊坂幸太郎さんの「魔王」を読んだ時と抱く感想が少し似ていて、作者の抱く明確なメッセージの威力を感じる作品。自分で考えろ、と言われている気分。そして考えて行動するには、やはり力がいるのだ。

キーチ!! 7 (ビッグコミックス)

キーチ!! 7 (ビッグコミックス)

[][] オールド・ボーイ

監督:パク・チャヌク 主演:チェ・ミンシク

2004年の(タランティーノによる)カンヌ映画祭グランプリを受賞した作品。クムジャさんの勢いでちょっと感想を書いときたくなった。

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

平凡なサラリーマンであるオ・デスはある日突然わけもわからぬまま監禁され、そのまま15年を過ごすことになる。そして解放された彼は、「何故」という謎と戦うことになるというストーリー。

韓国での伝統的な儒教の教えは確か性善説を元にしていたのだと記憶しているけれど、だからこそ、彼は監禁されている間に自らの犯した罪を書き綴ることでそれを悔い改め、救われようとするのかもしれない。これは、クムジャさんが刑務所の中でキリスト教(性悪説)を信仰していたのと重なっている。

解放後の復讐心に突き動かされるオ・デスは、自らの正義を信じているからこそ強い。しかし、その復讐とは別に自らのおかした過ちを知った後のオ・デスは見る影もないほどに弱い。

「私は獣にも劣る人間ですが、それでも生きる権利はあるんじゃないでしょうか」

冒頭にも出てくるこの台詞とともに、オ・デスは最後まで救われようともがく。反対に、自らの罪を復讐に変えてしまう弱さを持ったもう1人の主人公は、生への欲望すら失しなってしまう。

自分の中に悪があることを知ることは恐ろしい。ただ、それを償いたいという気持ちは、決して美徳のみから生まれるものではない。だからこそ、クムジャさんで描かれたラストシーンには救いがあると思った。

公開当時、日本の漫画が原作ということで話題になっていたけれど、私は未読です。だからどのくらい原作に沿った内容なのかはわからないけれど、核心部分の設定には少々無理があって、エンタテインメントとしてのサスペンスと、監督が描こうとしているテーマとの間にも隔たりを感じる。なんとなく映画というよりは演劇に向いている脚本のような気もするけど、それはまあおいておくとして、それでもとても面白い作品だと思う。生理的に受け付けないシーンや目を開けてられないシーンもあったけど、ラストまで引っ張られていく力を感じる。

2005-12-03

[][] 親切なクムジャさん

ichinics2005-12-03

監督:パク・チャヌク/主演:イ・ヨンエ

とにかく面白い映画でした。残酷なシーンも多いので万人におすすめできる作品ではないと思いますが、その題材はとても興味深く、なおかつエンタテインメントとして楽しめる。

冒頭から驚かされるのが刑務所の中での「親切なクムジャさん」と外に出た後の「赤いアイシャドウのクムジャさん」の豹変ぶり。天使と悪魔を行ったり来たりするクムジャさんの表情とその奥に垣間見える感情の雄弁さだけでも飽きないと思えるくらい。チャングムしか見た事無かったけどイ・ヨンエさんは素晴らしい俳優さんだと思います。

この作品は「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続く復讐3部作の完結編なのですが、ストーリー自体に繋がりはありません。(でもところどころに共通する俳優さんが出てくるのもまた面白い)ただ、復讐という目的に突き動かされて行動する人の悲しさ、そしてそれがなされた後の喪失感というのが共通するテーマだと思います。(ただ、クムジャさんの場合は少しその復讐の質が違う)

とても悲しくて恐ろしい話なのに、自然とコミカルな場面が差し込まれるのも、この監督ならではの演出で、かなり複雑な構成のはずなのに、無駄がなく、どのシーンを見ていても引き込まれる。簡単に結論は与えられず、その後に考えさせられるところが多いのも、良いです。

最も印象に残ったのは、クムジャさんが雪の中でそりを引いている空想のシーン。狂気とおかしみと悲しさと怒りがぎゅうぎゅうに詰まっていて、なおかつ美しい。

すごい監督さんだと思います。

【以下内容に触れているので畳みます】

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[][] 「ニート」/絲山秋子

ニート

ニート

絲山秋子さんの最近出た短編集。朝会社に行くまでの電車の中で読みはじめて、帰りの電車であとちょっとになったので喫茶店にて読了。

表題作の「ニート」は語り手の職業が「物書き」で、彼女の私信のような形で描かれている物語。これと「2+1」という短編が前後編のように繋がっているのだけど、「キミにはニートのほうが向いている」と言われてしまう「キミ」と主人公の関係が、近づこうとするほど離れて行くように感じる。ギブアンドテイクが成立しないもどかしさと、それを求めるごう慢さ。「ベル・エポック」で描かれている、夫を亡くした友人と、主人公とのやりとりもまた寄り添えない感じがして、ひどく切ない。

この本の中で最も印象に残ったのは「へたれ」でした。とにかく構成がいい。それから引用されている草野心平さんの詩も。

みんなの孤独が通じあふたしかな存在をほのぼの意識し。

うつらうつらの日を過ごすことは幸福である。

「ごびらっふの独白」の日本語訳/草野心平

絲山さんの書く物語には、この感覚を目指しているものが多いような気がするのだけど、それが通じるときと通じないときはやっぱりあって、この短編集では「通じない」ほうのお話ばかりが集められていたように感じる。

[][] イッツ・オンリー・トーク映画化

絲山秋子さんといえば、「イッツ・オンリー・トーク」が映画化されたんですね。タイトルは「やわらかい生活」となっていて、あの「ヴァイブレータ」の廣木隆一さんが監督されたそうです。フィルメックスで上映されたらしいけど、終わってから知った。2006年公開予定というだけで、まだ公開日は決まっていないみたい。見たいなぁ。

フィルメックスでの舞台挨拶の記事

http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=1705

ichinicsichinics 2005/12/04 00:52 IMAOさんこんばんは。コメントありがとうございます。
確かに、この監督の扱う「復讐」というテーマの取り扱い方は、極端なところもあり、物語としては少々作られ過ぎている感じもしますね。ただ、私は物語で扱われる、その復讐が、動機の正当性だとか、なにか教訓めいたものだとかを目指すのではなく、罪を犯してもなお自分は救われようとする人間の愚かともいえる姿を浮き彫りにしている点に潔さを感じました。そしてその感覚は「息子のまなざし」における、あの少年の姿にも重なるような気がします。描写の仕方は全く違う方向を向いているんですけどね。
もちろん、人によってかなり受け取り方の違う映画だと思うので、これはあくまでも私の感想にすぎないので、いろんな方の感想を読むのはとても興味深いです。

2005-12-02

[][] 哲学の謎/野矢茂樹

哲学の謎 (講談社現代新書)

哲学の謎 (講談社現代新書)

永井均さんの「〈子ども〉のための哲学」を手に取った時に、隣に並べられていたのがこの本だったので、そのうち読もうと思っていて、読みました。とっても面白かったです。

「〈子ども〉のための哲学」を読んだ時に、今まで漠然と哲学史的なもののように捉えていた哲学というものが、実はとても個人的な「考える経過」にあるものなんだと知り、それはほんとうに目から鱗な感覚でした。ただ、そういう書かれ方とは別に、最近仕事で読んでいる哲学書みたいに、ある程度の知識を前提として書かれているものも多く、そうすると全てが推察のようなとても疲れる読書になってしまう。また、100年以上前の文章になるとどうしても納得できないところが目についたりしてしまうのだけど、そこは仕事だから客観的に見なくてはいけなくて、ちょっともやもやしてたんですが、そんな折に、この「哲学の謎」を読むことで、ちょっと頭をすっきりさせたれたような気がします。

そう、何も私は結論を知りたい訳ではないんだった。ただ、感情にまかせて好悪を判断するのではなくて、なんでそう感じるのかとか、そういうところでちょっと立ち止まって考えたかったんだった。

そんなことを前書きの「哲学とは、なによりもまず、この眼前の謎たちを可視化する技術のほかならない」という一文を読んで確認し、この自問自答のような「思考のドキュメント」としてある本を楽しく読み終えたんでした。それで、でも、あれ、なんて思ってるうちについもう一回読んでしまった。同じ本を連続で2回読むなんて久しぶりだけど、会話文で書いてあるせいか、それが苦にならない。

この本には答えのない謎(そしてそれはたぶん多くの哲学者たちが散々考えてきたこと)がそのまんまに謎として残されている。折に触れて読み返しながら、自分の固まった考えに油をさしてくれる存在になるだろう本だと思いました。

というか哲学書ってみんなそうなのかもしれないけど。

[] ひとびとのそれぞれ

最近よく考えていたことの一つに、人は他の人の考えを正確に理解することは出来ないんじゃないかという疑問があったのだけど、それはきっと「哲学の謎 (講談社現代新書)」に出てくる言葉を借りると「私たちは皆同じ世界に住んでいながら、別々の意識をもって生きている」から、と言えるんだろう。私の見ているそれは、また別の人が見ているそれとは重ならない。ましてやその意識の内部については、いくら想像してみたところで、それは自分の内部に投影された自分の意識でしかない。

私の知覚世界と他人の知覚世界とは比較不可能なのだ。それは、完全に断絶している。(p86)

にもかかわらず、お互いの心についてある程度分かりあえ、しかも実在の世界についてもある程度確実に知りうる(p31)

野矢茂樹/「哲学の謎」より

そんな「意思の疎通」をおこすことが出来るようになった最大の要因は言語の発明だろう。言語という規律が発明され、それに同調し習慣化していくことで、一つの共同体が生まれ、思想が生まれ、行動が一般化される。

でもAの言葉がBに受け継がれる際には、当然B個人の意識や体験が影響している訳で、するとそれはもうAの言葉と正確に同じではあり得ないんじゃないだろうか。だからこそ、生きて行く上で似たような体験を重ねて行ったとしても、その周囲から与えられる影響によって、全く異なる考え方が生まれたりする。だから良い/悪いの判断だって、その背景によって異なってくるし、個人の中でだって変化していくだろう。

例えば今読んでいる本には三木清さんによる「全体主義」についての記述が出てくるのだけど、今現在の私はそれをちょっと気持ち悪い、と感じる。でもそれを、また別の側面から見れば(当時の社会情勢とかを鑑みたりしてみれば)そのような力が必要な状況もあるのだろうことは想像できる。もちろん言葉だって多くの人の間で使用されるにつれその意味は更新されていく。

だから、私は断言したり、批判したりすることが苦手というかあんまり好きじゃなくて、それよりはその考えが何故起こるのかのほうに興味がある。もちろんそれに対して好悪の感情は持っているのだけど、自分の感情に流されるだけじゃなくて、なんで私はそう思うのかというところをいつも、だと疲れるかもしれないから、まあそれなりに考えていたい。つまり、こうやって本を読んだり人の話を聴いたりするのは、比較不可能かもしれない他者の意識を自分自身の中で想像することなんだろうなと思います。理解できないとしても、理解しようとはしてたい。

その感じはあの、6人の盲人が一匹の象を触ってみて、語りだす象の全体像が全く異なっているということわざに似てるかもしれない*1。解釈がちょっとずれるけど、言っていることは全然違っていても、触ってる象は同じ象だっていうのが、やたら面白くて、嬉しかったりするときがあるんですよね。いろんな言葉で、じつは同じものをあらわそうとしてたら、いつか交差するときもあるかもしれないし。

 *

あーと、どんどん最初に言いたかったこととずれてしまったけど、じゃあ、仮に自分の意識を完璧に理解できる存在がいたとしたらどんなだろう。

たとえば私のコピーロボットがいたとしても、それはもう別々の知覚世界を持って行動を始めた時点で私の意識のコピーではあり得ない気がする。じゃあ、私の死後にクローンで再生された私がいたとして、私の記憶を全部もっていたとしたら? それはあり得るかもしれない。でもそれは一つの意識の中に綴じ込められてる感じがする。じゃあ私の頭の中にもう一つの人格が住んでいたら?「たったひとつの冴えたやりかた」を読んだ時にそれを考えてたんだけど*2これはかなりいい気がする(大雑把な言い方ですが)。これまでが違っても、これからの知覚の世界は共有できる存在がいたとしたら、どんなことになるのかちょっと想像つかないけど、面白いのになと思う。でもやっぱり意識は共有してないわけで、この感じって、この「哲学の謎」に書かれているやりとりにちょっと似ているかもしれないなと思う。

 *

あと「哲学の謎」に出てきた話で、もう一つ気になってることがある。それはあの世界が5分前に出来たとしたら、って仮定の話なんだけど、そうすると、いまここから様々な条件とか意識が複雑に絡みあって世界が出来上がってくってことなんだろうけど、それっていつ終わるんだろうか。5分前の前は? というかそれってそもそも人類創世とかと条件的には同じ? もう一回ゼロから世界が始まって、全く同じ条件でスタートしたら、そこにやっぱり私はいるんだろうか。

なんて考えてたら「銀河ヒッチハイクガイド」のラストシーンを思いだした。ほんと、世の中には面白い本がたくさんある。

*1:このことわざについてはここで解説されてる → http://jiten.com/dicmi/docs/k2/14173s.htm 日本にも同じようなことわざがあるけど、意味はかなり異なってるのが不思議。元は同じなんだろうか?

*2id:ichinics:20051005:p2

kissheekisshee 2005/12/02 01:22 野矢さんの『無限論の教室』も、『哲学の謎』に負けずおとらず、非常におもしろい本ですよ。
ちなみに、大学時代、野矢先生の授業を受けていたのですが、授業もすごくおもしろいかたでした。

ichinicsichinics 2005/12/02 01:41 ありがとうございます!丁度次はどれを読もうかなぁと思ってアマゾン覗いてたところでした(笑)早速読んでみますね。柴田先生もですが、この野矢先生(私が先生というのもへんな気もしますが)の授業も受けられてたなんて、ほんとうらやましいです。この一冊しか読んでいないですが、説明の仕方がとても親切だなと感じました。きっとすてきな先生なんだろうなと思います。

2005-12-01

[] 「宇宙 日本 世田谷」/Fishmans

宇宙 日本 世田谷

宇宙 日本 世田谷

フィッシュマンズの音楽は自分の記憶と切り離すことの出来ない存在として、もうずっと長いこと傍にあるので、どの曲が好きとかどのアルバムがいいとかはもう選べないのだけど、でも、最もアルバムという単位で記憶と結びついているアルバムは、この「宇宙 日本 世田谷」かもしれない。

個人的なことですが、私は生まれも育ちも世田谷で、だからかより一層このアルバムタイトルはそのまんま、顕微鏡で宇宙から覗き込まれた自分自身の部屋の中のような映像を思い起こさせるものだったりします。

「POKKA POKKA」

そんな風にして自分自身を外側から覗き込んで、そこにあるのが夜だ、ということに気付かされるような曲。少しづつ、少しづつ眠ってる人に近づいていくような感じ。そんでもって「ぼんやりしてればいいことありそうな/気もするし気もしないしわからないけど」と不器用な慰め方をしているような気分になる。この一曲で、もう私はその部屋の中にちゃんと取り込まれてしまうような、素晴らしい1曲目。

「WEATHER REPORT」

一転して、この曲では「水槽の中」から宇宙を眺めているような気分になる。どんどん移り変わって行くものの中に、自分だけ立ち止まっているような。プラネタリウムで、空がどんどん動いて季節が変わって行くのを見るのに似てるかもしれないな。音としては、このアルバムから先のフィッシュマンズに繋がる一歩に思える。

「うしろ姿」

メトロノームのような音が気持ち良い。けどちょっと不安になる。フィッシュマンズ「らしい」曲ではないと思うけど、フィッシュマンズと比較されることも多い(多かった?)キセルはこの音階の感じに近いなぁと思う。マイナーなのに暗くない感じ。

「IN THE FLIGHT」

この曲は私にとってとても大事で大好きな曲なのだけど、そのことを言うたびに(しつこいくらい言っているけど)少しだけ後ろめたい気持ちになる。ドアをあけるところから始まる曲なのに、同時にドアの外で、その部屋の中がからっぽであることを思っている曲で、私はそこに、どうしても諦めへの憧れみたいなものを感じとってしまう。ぜーんぶ、おしまい。そんで飛んで行っちゃう何か。そんな寂しさを感じながらも、この曲は笑っているなぁと思うのだ。泣いてない。その笑顔の中に、何か救いのようなものを探しちゃったりする。そしてそれは、この曲の中にあるほんとの気持ちを理解できなくても、同じ一枚のドアを隔てているだけだということを、悲しいと思うか嬉しいと思うか、じゃないかなと思う。

「MAGIC LOVE」

そうやって、最終的には1人でも「つながりはいつもそこさ/心ふるわす瞬間さ」という言葉に、頷いてしまったりするのが、この曲。夜中に嬉しかったこと何度も何度も思いだすのに似てる。大好きな曲。

「バックビートにのっかって」

この曲を聞いていると、深夜の散歩に行きたくなる。いろんなことを思いだして、不安はたくさんあるけど、その不安ばかり見ててもダメなのはわかっていて、ちょっと空を見上げると「世田谷の空はとても狭くて/弾け出すにはなにか足りない」。それでも、音楽に乗って、いつのまにか明日の前に帰ってくる。そんな風景。聞き終えた後も音楽が耳のなかで波打っているような気がする。

「WALKING IN THE RHYTHM」

この曲もまた、深夜の街を歩いている感じなのだけど、そこは自分の場所でなくて、どこか新しい場所のような感じがする。そこには自分以外の誰かがいて、それは「いつかの君」かもしれないし「いつかの自分」かもしれない。そしてそれは全部、夢の中のことかもしれない。街を抜けて、真っ暗な路をまだひたすら歩く。そんで朝になった。

「DAY DREAM」

フィッシュマンズには夕暮れをおもわせる曲がいくつかあるけれど、その中でもこれは一番暗い、夜に近い夕暮れのような気がする。外側から見てたもう1人の自分に対しての曲のようにも思えるし、その自分に寄り添って、一緒に膝を抱えて座っているような気もするし、でもどうしても一つにはなれなかったってことを、遠くから思いだしているようにも感じる。

死ぬほど楽しい/毎日なんて/まっぴらゴメンだよ

暗い顔して/2人でいっしょに/雲でもみていたい

 *

なんだか過剰に感傷的な文章ばかりになってしまったけど、やっぱりフィッシュマンズの曲たちは、自分の中の、ほんとに扱いづらい部分と一緒にある音楽なんだと思う。「小さな思いがかけまわって/ひとりでそうかとうなづくんだ」というMAGIC LOVEの歌詞そのまんまの状態みたいに。

[][][] あらしのよるに

監督:杉井ギサブロー 作画監督:江口摩吏介 原作:きむらゆういち

映画「あらしのよるに」の試写会に招待していただいたので、見に行ってきました。

あらしのよるに」は絵本の方も読んだことがあるのですが、最近出た最新巻(完結編?)はまだ読んでないです。でも前日譚のような形なのかなと思っていたので(それも「しろいやみのはてで」という本になっているみたいです)、人から後日譚だよと聞いてびっくりしてます。

映画での原作とはかけ離れた画像を見て、まず思ったのはこの映画のターゲットはどこらへんを意識しているんだろう、ということでした。でも実際見てみて、子ども向けの絵柄で、親の世代を含めた女性向けなストーリーはそのまま、という感じだったので、たぶんこの作品の映画化としては正しい形なのかもしれないです。

原作が7巻(新巻含め)に分かれていることもあり、脚本は山場の連続で少々早足にも感じましたが、これも子どもが集中してみるには丁度良いのかもしれません。実際会場にきていた子どもたちは笑ったりないたり疑問を叫んだりしてたし。

ただ、新刊「まんげつのよるに」でのエピソードだと思われる部分はちょっとあっさりし過ぎていてもったいないかなと思いました。

 *

で、ですね、たぶんこれは原作を読んだ人の半分くらいは感じていることかもしれませんが、あのガブとメイの関係性のなんというか過剰なピュアさというのが、映画ではより一層強調されていたような気もします。

チラシに石田衣良さんのコメントとして「世界のあちこちでテロが頻発する現在、地球にも「あらし」が必要だと思ったのはぼくだけだろうか」とあるのですが、その言葉の意図するところのように、このオオカミとヤギの間に友情が生まれるというストーリーを「敵味方が手を取り合う」という構図に見るのはちょっと無理がある気がする。この話で描かれるオオカミは圧倒的強者であり、その食欲を我慢するということで友情の証とするのに対して、ヤギのほうでは、オオカミに対する憎しみみたいなものが、ほとんど感じられない。それがまず不思議。たぶんそこを補強するためにあの冒頭のエピソードを持ってきたのだとは思うけど、その感情はどうやって克服されたんでしょうか。なんて、まあ敵味方でもお互いに似てるところがあるはずってことなのかもしれないけどそこはこの話のメインには思えないし…。(そのそも映画の煽り文句って、大概においてその映画の本質を言ってないことがおおくて、だったらいいのになな感じなのはなんでなんだろう。なぜならそれは宣伝文句だから。そうか)

そして、「友情に命をかける」というところまでは理解できても「二人が一緒にいるために命をかける」というのはちょっと別物な気もします。中盤の山場でもある「どしゃぶりのひに」のエピソードはまるでロミオとジュリエットみたいだし、あー韓国ドラマとか好きな人が好きそうなメロドラマだなぁと思ってみてしまうのですが、これはあれですよね、恋愛ものではなくて友情ものであるというところであのピュア炸裂なわけですよね。でも友達って「ずっと一緒にいられるんですね。うふふ」「どきどきするぜ」みたいなやりとりするだろうか、いや、しない。というような自問自答が頭の中を渦巻いていて、自分がよっぽど淀んだ人間のようにも思えたのですが、その辺はきっと意図的な演出なんだと思います。

だって、ガブ役の中村獅童さんはともかく、メイの成宮さんは、所謂女性的な声の出し方をしているし…、というのはおいといて、かなりうまかったです。個人的にはメイのおばあちゃん役の市原悦子さんが話しだして「ぼうやー」と思ったのが条件反射だなと思いました。

 *

たぶん、この話を男女で設定したのが同じ作者の「うさぎのおいしい食べ方」(ISBN:4062118432)なんじゃないかと思います。こっちは結構ブラックユーモアだったような。

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