「無限論の教室」/野矢茂樹

無限論の教室 (講談社現代新書)

無限論の教室 (講談社現代新書)

読み終えるのがもったいなくなるくらい、面白かった。まずはこの本をすすめてくださったid:kissheeさんに感謝したいです。
最初、ちょっと数字がたくさん出てきて「どうしよう…」と思ったのですが、そのくらい、数字には及び腰な私にも、楽しめる内容だったということがまずすごい。もちろん、この本が扱っているのは「数学」ではなく「無限」を「考える」ことなんだと思うのですが、でもその無限は数字でも量でもないということを考えるのに数字や量の概念を使って説明している。なので、頭をひねって思い描きながら読んでたのですが、そのうちふと、あー数ってラベルなのかと思ったときにはちょっと頭がすっきりした気がした。もしかして数学というのも、もしかして考え方の一つの形で、自分も普段使ってたりもするアレもそうなのか。へえー! とか思った。(←これ大丈夫?)
まあ、そんな風にまだまだ理解できてないとこばかりなんだけど、一つの論を出して、それを俯瞰して、さらにそれも俯瞰して、最終的には矛盾するという展開が面白いと思った。というかその俯瞰をメタっていうのか。というか矛盾が無限なの?
うーん、自分の頭が穴だらけで嫌になりますが、もうちょっとしつこく考えたい。数字で考えるのは苦手ですが、憧れはあるんです。暇つぶしは素数を数えることとか言ってみたい。(たぶん言えないけど一生)
ところで、私がこの本を読んで最初に思い出したのが、「考える練習をしよう (子どものためのライフ・スタイル)」という本でした。大島弓子さんの「ロングロングケーキ (白泉社文庫)」に引用されてる、永遠のチョコバーの下りです。はんぶん、はんぶん、はんぶんとチョコを食べて行くなら、永遠にチョコはなくならないっていうお話。

これが彼の夢だと仮定すると
コタの眠っている側の世界には もう一人のぼくがいるはずだ
そしてそのぼくが夢をみたら もうひとつ別な世界で ぼくは生きてることになる
さらにまたぼくの知り合いが 勝手にぼくの夢を見るとすると そっちの世界でも ぼくは生きてることになる
いったい何人のぼくが いったいどれだけの人生を生きているのだろう
「ロング・ロング・ケーキ」大島弓子

こういう話が大好物です。わくわくする。次はお前がそれを読むのは100年早いと言われそうなのを読んでしまおうと思ってます。よ。