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  □これまでの日記一覧

2006-04-19

[][] 夢みる宝石/シオドア・スタージョン

スタージョンは読むたびにべた褒めしてる気がしますが、これもまた。すごく面白かった。まだ数冊しか読んでいないのに、これまで読んできたもの全てで、既にスタージョンは私にとって特別な作家になってしまった。

夢みる宝石 (ハヤカワ文庫SF)

夢みる宝石 (ハヤカワ文庫SF)

この「夢みる宝石」は久々に、それこそ寸暇を惜しんで読んだ作品だったのだけど、それでいて、物語の内容はといえば、人に説明しても首を傾げられてしまうだろう、不思議なものだった。でも読んでいるあいだは、すっかり理解している気分でいる。解説には「難解」と書かれていたけれど、これまで読んだスタージョン作品の中では一番読みやすいと思った。ファンタジーでもあり、SFでもあり、でもスタージョンの物語としかいえない手触りがある。それがとても心地よい。

「寸暇を惜しんで読んだ」と書いたけれど、その読み方は、例えば面白い推理小説を読む時のそれで、たぶんスタージョンの「仕掛け」に乗せられたからなのだと思う。そこにはずっと、隠された「何か」があって、それを知りたいという気持ちに動かされてページを捲る。それは一番最後まで読んでしまってから、もう一度読み返すことで、知ることができるかもしれない。だからここにあらすじを書くのはやめておく。

でも、ここにある最大の謎、つまり「水晶の見る夢」のこと、そしてその「夢」から生み出されたものについては、読者自身が想像することでしか、物語は動き出さないだろう。物語の最後に、主人公のホーティが自分の行動を選ぶときのように。

だから、この小説は、読む人によってその魅力がまったく異なるだろうなとも思う。

そこには人間性が暗示されていた。それとともに、すばらしい倫理である「生存」の基本原理が浮かびあがってきた。”至上命令は種族という観点であり、そのつぎに重要なのは集団の生存、最後が個体の生存である”、あらゆる善と悪、あらゆる道徳、あらゆる進歩はこの基本的な命令の序列によって左右される。p282

この箇所を額面どおりに読むと、物語の流れから離れてしまうように感じたのだけど、スタージョンのこれまで読んだ作品を思い返してみると、彼にとっての「種族」はカテゴリーなんじゃないかと思える。そして「集団」とは『人間以上』でも描かれていたけれど「理解しあえる個体同士」のことだと思う。そして個体。スタージョンの視線は、いつもその個体の抱える欠落に向けられている。

しかし、この物語の中心となる個体「ホーティ」は、その欠落を(ある意味で)思わないという点で健全であり、わくわくするような魅力を持っている。そして彼を描くスタージョンの「巧みさ」については、ちょっとぞっとするくらい、すばらしいと思う。

[][] WEEKEND BLUES

監督:内田けんじ

WEEKEND BLUES [DVD]

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内田けんじ監督の「運命じゃない人」(id:ichinics:20050802:p1)は、個人的2005年ベストに選んだくらい気に入った映画だったのですけど、この「ウィークエンド・ブルース」はその前身となるPFFアワード入選作品。監督のインタビューに「地元の友人たちと作った」という話があったけれど、たぶん役者さんも素人中心(監督も出演してるし)だし、マイクはあんまり音拾ってないしで、少々見づらいところもあるのだけど、そこを脚本の上手さで乗り切って余りあるところは「運命じゃない人」にも繋がっている。カメラもたぶんプロの人ではないんだろうけど、構図もいいし編集もテンポあっていいなと思いました。役者さんもだんだんうまくなっていく感じがした。ただ惜しいのはやっぱりマイクで、台詞が聞き取りづらいとこが多かったのが残念。

そして脚本。「運命じゃない人」も拍手ものだったけどこの「ウィークエンド・ブルース」もやはりすごかったです。前半ちょっと緩い気もするけど、伏線を絡み合わせて全て映画という枠の中で処理仕切る才能はすごいと思う。そして若干後味が悪くなりそうだったエピソード(あゆみの元彼)についても、ちゃんと視聴者の共感に結び付けるとこがいい。誰も不幸にはならない。

「誰にも必要とされてないんだー」という絶望から、生きる活力をつかむに至る、という展開や、女がとことんしたたかであるところは、「運命じゃない人」にも通じるとこがある。のでたぶんこの作品をブラッシュアップさせたものが「運命じゃない人」だったのかなとも思いますが、ともかく見ていて楽しい気分になる映画です。

監督が、この次にどんな作品を撮るのかとても楽しみです。

[] ホスト部とハルヒ

共通点はといえばどちらも主人公の名前がハルヒということですね、ってそんなことはどうでもいいんですけど、今期はアニメが見やすい時間帯多くて嬉しいです。

涼宮ハルヒの憂鬱」は二回目から見始めたのですが、女の子がみんなかわいくて楽しい。主人公の語りが多いのでちょっと「立喰師列伝」思い出します。評判どおりEDが最高なのですけど、OPもすきです。今回見て「ハイペリオン」は必須らしいと思ったので読もう。

それから「桜蘭高校ホスト部」は、とにかく面白い。ベタな展開が楽しい。きちんと笑わせてくれる展開がこれでもかとくり出されるのがいいな。妹に漫画揃えてもらおうと思う。今日は花見と身体測定の話。

IMAOIMAO 2006/04/21 01:41 御陰さまで、やっと内田けんじの作品を観れました。
確かにこの脚本の構成力には脱帽です^^
『運命じゃない人』もまだ未見なので楽しみであります。

ichinicsichinics 2006/04/21 02:55 IMAOさんこんばんは。この監督の脚本は、ほんとすごい構成力ですよね。『運命じゃない人』のパンフレットに、パズルみたいにしてつくる、というようなエピソードが書いてあって、面白いなぁと思いました。『運命じゃない人』もぜひ。