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  □これまでの日記一覧

2006-08-31

[][] ユナイテッド93

監督:ポール・グリーングラス

2001年9月11日、ハイジャックされた4機のうち、唯一目標へ達することなく墜落したユナイテッド航空93便を中心に、あの数時間の出来事をほぼ時系列にそって描いた映画。

この映画には、主人公がいない。それはつまり、制作者側の意図のようなものを、なるべく見せないように、あたかもそれがドキュメントであるかのように、作られているということだ。見覚えのある俳優は一人も登場しないということも、その演出のあらわれだろう。監督はこれを「ドキュドラマ」と称している。

それに近い言葉として思い浮かべた「ノンフィクション・ノヴェル」と称されるカポーティの「冷血」では、登場する多くの人に筆が割かれているけれど、そこには作者のペリー(加害者の一人)への感情移入が垣間見える。一方、この映画では制作者側の感情移入のようなものは、極力排除されているように感じる。

どちらが正しいとか良いとかは一概には言えないけれど、現実に起きた事件を映画化する手法として、最も危ういと思われるのは、それがあたかも現実であるかのように見せることだと私は思う。そしてこの映画はそれに近い。

ではなぜ私はこの映画を見て、危うさよりも、この手法をとったことで成功している、と感じたのか。

この映画を見ていて、特に印象に残ったのは、管制センターや航空指令センターでの混乱だった。誰も経験したことがない事態を前に、誰が決断をするのかをまず決めなければならず、情報が錯綜し、その間に新たな犠牲が生まれる。

この圧倒的な緊張感と無力感は、映画の全編を覆っている。

もちろん、2006年にいる観客には、これから起きる事態が何であるかわかっているし、全ての場所での出来事を俯瞰的に見せられる映画だからこそ、その混乱の中から、一本の情報を汲み取ることができる。

ただ、この視線こそが、現実においては常に欠けている視線であり、現実に生きるものには永遠に届かないところにあるものなのだ。そして、それはとても当たり前なことであると同時に、すべての人の上に平等にある不自由さでもある。アメリカ大統領もハイジャック犯も、その不自由さからは逃れられないという意味で等しい。

歴史に何か有用性があるとしたら、まずその不自由さを思い知らせることにあるのではないのか。それから、管制官と乗客とテロリストの呟く「神」もまた、現実に欠けた存在として等しいということ。

その、現実には存在し得ない視線こそが、この映画で描かれていたことだったのではないかと思う。

最後に、この映画は「ココヴォコ図書館」さんのレビューを、最初の数段落読んで見ようと決めたのでした。感謝。ただ、見終わってから読もうと思っていたレビューが、もう読めないのが残念で仕方ないです。

 okama展についての追記

michiakiさんのところのコメント欄で手書きがCGかの話があって、私は「たぶん手書きだと思う」と書いたのですが、kanoseさんのところでCGであるとのお話がでてました。

そうだったのか……。はずかしい。失礼しました。まあ、アナログでもCGでもイラストの魅力にはかわりないんですが、okamaさんの場合は、私のような素人だと手書きに見える作品もありますよってことだと思っていただきたいです。そしてやっぱ大きい絵で見ると全然迫力が違うので興味のある方はぜひ。

私ももう一回見にいきたくなってきました。いけるかなぁ。

そういえば、前に何かの雑誌*1okamaさんの彩色過程について解説の記事があって、それがすごかったのを覚えております。立ち読みだけど。

[] 男女とか友情とか

「男女間の友情」で盛り上がるはてな界隈

http://d.hatena.ne.jp/./michiaki/20060831#1156951471

たぶん、友情が「ある」か「ない」かでは結論はでないと思うけど、その定義っていうのが人によってすごく違うってのがおもしろいです。

まずは対象がいなきゃ友情も愛情もないわけですが、それが変化したらないことになるか「あった」という過去形になるかも微妙だし、とか言いはじめると、それこそ中学生みたいな話になってしまう。

私にとって、この好意が友情なのか恋愛感情なのかの境目っていうのは、性欲っていうよりも、相手に及ぼしたい、及ぼされたい影響の度合いな気がします。ただ、その度合いも多いとか少ないとかでははかれない感じでややこしい。ひとりひとりの相手に対して感じてることってずいぶん違う。

それから同じ相手に対しても、ある時期密接に関わっていた存在が、いったん離れてしまえば、すっかり他人みたいに、つまりこの先、何の影響も及ぼすことがない(だろう)存在にかわってしまったりもするし。思わず「こころーとこーころがーいまは、もう、かよわーなーい」なんて歌を思い出すけど、そういうことは、友情にも愛情にもありうるだろう。

ただ、相手に関わりたいという気持ちが少なからずあるときに、それを「抑えること」と「解放すること」のどちらにストレスを感じるかっていうところに、その人の傾向はあるように思う。

性差というものも、相手を知り、相手に対して何らかの感情を抱いた後では、数ある属性のひとつに近いんじゃないか。ただ、その関係性を維持できないことの理由として、性別が問題になることは実際多くて、だからこそ「男女間の友情は成立するか」なんて話が繰り返し考えられるんだろうな。

関連

「恋愛は面倒」http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060618/p1

「山村美紗と西村京太郎」http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060125/p3

2006-08-30

[] あこがれと感謝

毎日日記を書き続けていても、私の文章はちっとも上達しない。そしてそれは私の言葉が増えていないということでもある。

こんな文章が書きたい、と憧れる人はたくさんいるのだけど、そういった人の文章に触れるたび、何かを学び取るより先に、そこにある言葉や話法やその内容は、私にはまだ遠い、たどり着けないところにあるんだと感じてしまう。

しかし不思議なことに、その無力感は、決して私の意欲を削ぐものではない。同じ言葉で、同じ話し方で、同じことばかり書いている自分に対して、あきれるような気持ちもないわけではないのだけど、まだまだ私には考えることがあって、覚えるべき言葉があるというあこがれの方が勝っているのだ。

たぶん、私が日記を書きつづけているのは、そういう楽観的な気持ちに由来していた。

でも、最近、私の文章が上達しないわけは、もしかしたら読まれることをあまり意識していないからなのかもしれないと思うようになった。

もちろん、公開している以上は、読まれることを前提に書いているわけだけれど、読まれることについてストレスを感じたことはほとんどなく、それはどういうことなのか……というところに、自分が逃げている部分があるのかもしれないと思う。

例えば、誤解や非難をおそれずに書くということを、私はしてきただろうか。常に何か、いいわけがましいことばかり書いてはいないだろうか。そんなことを考えてはみるけれど、それも表層的なことだ。

そういうことじゃなくって、もっともっと、私は考えなきゃいけないんだと思う。そして自分でも疲れ果ててしまうくらい、その考えが深く沈み込んだ先には、それを伝える相手、ここでは読み手への期待というものを、伴うのかもしれない。私がこわいのはきっとそれだ。

でも、私が憧れているひとというのは、それをしてきたひとたちなのだろうし、だからこそ、読み手としても、あれほどに真摯であれるのだろうなと思う。

憧れにきちんと向き合うと、沈黙してしまいたくなる。その方が賢明なのかもしれないのに、私はやっぱり何かを言いたくなって、もっと言葉を、覚えたいと思うのだった。そのこらえ性のなさを、笑ってもらえればいいなと思う。

[] デキシード・ザ・エモンズ解散

月光ワルツさんにて知りました。さびしい。

大好きなバンドでした。新宿JAMにはよくライブ見にいった。メジャーデビュー決まったときのライブにも行ったな。「デキシードッザッエモンズ!」ってかけ声のテーマ曲が楽しかった。60年代の音楽について、デキシに教えてもらったことがたくさんあります。久々に7インチ聞いてみようと思ったら、ターンテーブルが壊れていた…。

ロックで愉快なひとたち。ハッチとジュリーのこれからの活躍を楽しみにしてます。

http://www.dozaemon.net/

[] 冥王星

京都旅行をしていたときのこと。冥王星が太陽系惑星じゃなくなると決定したニュース*1を見ながら「惑星じゃなくなったからっていって、何がかわるわけでもないのに、なんでこんなに大ニュース扱いなんだろうね」と言ったら、友達は真剣に、なんというか、宇宙の磁場的なもの(が何かは知らない)が変わると信じていて、かたくなにそれを主張するので私が間違ってるんじゃないかと思って少し不安になった。

「でも、東京23区が22区になるようなもんでしょ?」と言ったら、それまで沈黙していたもう一人が「それはおおごとじゃね?」と言ったので、ああまあじゃあおおごとなんだなということで結論したんだけど、よく考えたら冥王星に地球の決定事項が影響するわけではないので、私のたとえが間違ってたんだった。

[][] IKKI 10月号

今回は表紙からしてすごい。相原さんはまあいいとして、たけくまさん、ゆうきあるなぁ。じーっとみてると、スポーツ選手に見えなくもない。ん?

サルでも描けるまんが教室21
これは、確かに、アマゾンで発売即完売(http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_5a5a.html)になるかもなぁーと思った。
ディエンビエンフー
早速概刊とは違う展開に。
まほおつかいミミッチ
最終回。神の仕事は「ぐるぐる回る洗濯機見つめたりくるくる回る電子レンジ見つめたりみたいなもんで」らしいです。ドモホルンリンクル
ワイルド・マウンテン
バド・パウエルの「虹の彼方へ」は私も好きだ。ってそういう話じゃないけど。
チナミの風景
野本明照さん読み切り。悪魔的誕生日の祝い方。
フライングガール
最終回。磯辺さんのド変態が面白かったけど、最終回は全て磯貝さんおちだったな。しかしこんな最終回はじめてみた。面白い漫画でした。次回作にも期待。
金魚屋古書店
「絶対安全剃刀」から「田辺のつる」。
ナツノクモ
表紙のクロエがいい。あー、鷹野はクロエにちょっとにてる、かも? で、クランクが入江せんせい。あ、こんなにたくましくないか。とすると、ガウルが沙都子、とか考えたところで何というわけではない。
いずみの秘密/大森哲
第21回イキマン受賞作。好きな絵です。最初の会話で、二人が姉妹ということが分かりづらくて少し混乱した。お姉ちゃんと呼びかけてはいるんだけど。

2006-08-29

[] 球体の奏でる音楽/小沢健二

フリッパーズ・ギターについては甘酸っぱい/というか照れくさい思い出がたくさんあるのですが、紙ジャケ再発盤発売に備えて(もうでたけど)、ここんとこずっと「球体の音楽」を聴いていた。一人でお祭りするタイプです。

球体の奏でる音楽

球体の奏でる音楽

フリッパーズ解散後も相変わらず彼等の音楽が好きで、1993年の『犬は吠えるがキャラバンは進む』と『LIFE』リリース後はライブにも行ったんだった。あの頃の彼は王子様なんて呼ばれていて、タワーの特典が生写真だったりして、どうしたもんかと思ったのを覚えている。

しかしその後急速に洋楽ばかり聴くようになり、しかも「カローラ2」後の小沢健二周辺はなんだかちょっと近寄りがたくなってしまって、1996年『球体の音楽』が出た当時にはすっかり遠くなってしまっていた。反射的に買いはしたもの、あまり聞き込んだ記憶はない。

でもやっぱり、これは名盤です。何をいまさら、だけど。あれからずいぶん、いろんな種類の音楽を聴くようになって、やっと種類ということを考えなくてもいいかなと思うようになって、今はただ単純に、この音楽の楽しさを受け入れることができる。

一曲め、「ブルーの構図のブルース」の、渋谷穀さんによる素晴らしいピアノと、そこに乗る水のイメージと、そこを潜って太陽に近付いていくドラマチックな展開にのっけからひきこまれて、二曲めの「大人になれば」でうきうきして、うきうきってやっぱり小沢健二の代名詞だよね、なんて思って。

ブルーの夜から始まった旅は、出会いがあって、楽しくなって、感謝になって、辿り着く「旅人たち」は、まるで小沢健二版「この素晴らしき世界」だ。そして振り出しに戻る。

紙ジャケとあわせて、昨年結局買わないでいた「毎日の環境学」も聴こう、と思った。

[][] 冷血/トルーマン・カポーティ

冷血

冷血

カポーティは私の一番好きな作家のひとりだ。出会いは「アンファン・テリブル」というスキャンダラスな代名詞でも映画版の「ティファニーで朝食を」でもなく、言葉の隅々にまで神経の行き届いた、美しい短編小説集『夜の樹』だった。

初めて『冷血』を読んだのは、そのすぐ後、カポーティの作品を読みあさっていた(といってもそれほど多くの作品が邦訳刊行されているわけではないけれど)中学生から高校生にかけてのことだ。しかしあの繊細な文章の魅力を求めて手に取った「冷血」は、少々期待外れの作品でもあった。その後に「カメレオンのための音楽」に収録された「手彫りの棺」を読んでからは、その期待の仕方が間違っていたのだと思うようになったのだけど、あれからずいぶん経って、久しぶりに読み返してみた「冷血」は、やはりカポーティの小説らしく、しなやかで、危うい魅力があった。

この印象の違いは、たぶん翻訳によるところが大きいのだと思う。旧訳では文字使いなども古く、読む時に煩わしさを感じることも多かったのだけど、今回のすっきりした読みやすい文体(とフォント)によって磨かれた「冷血」は、作品そのものに集中しやすく、これがミステリーでもサスペンスでもノンフィクションでもなく、小説であるということを思い起こさせてくれた。*1

「冷血」はカンザス州で起きた実際の事件を題材に描かれたノンフィクション・ノベルだ。実際の事件をモチーフに描く、ということはつまり、物語の結末は最初からわかっているということである。しかし何故それがおこったのかということは、現実同様、永遠にわからない。そこがフィクションと違うところだ。ただし、カポーティは入念な取材(三年を費やして6000ページにおよぶ資料を収集し、さらに三年近くをかけてそれを整理したという)によって、事件にまつわる人々の輪郭を描き、想像し、彼がこの事件に対して、何を思ったのかを示している。そしてそれは、殺人者ペリーへのシンパシーにほかならない。

陽の光の中に描かれる家族と、彼らを殺す理由などないのに、ただ殺したのだと語る殺人犯との明暗が印象に残る。そしてその殺人犯もまた、正邪の判別のつきにくい、魅力的な人物なのだった。人間は不思議で、興味深い。そんなことを思う。

*1:新訳の佐々田雅子さんは、読み終えてから調べてみたら、エルロイの「ホワイト・ジャズ」を訳した方だった。

2006-08-28

[] あったことのない人と、食事する夢

茶色っぽい内装のお店。彼がソファ側、私が通路側に座っているという位置関係は、ソファ側に座る方がなんとなく偉いという潜在意識のようなものがちゃんと私にもあったということだろう。実際に夢の中での私はやけにかしこまっていて、緊張している。あれは誰なのだろう。眼鏡と、黒い髪と、常に笑っているように見える口元の印象だけが残っていて、目が思い出せない。あったこともない人なのだから、それは知らないのか、それとも夢で見たのに覚えてないのか、どちらなのかはわからないけれど、白い半そでシャツからのびる腕ばかり見ていたような気がする。

食事のあと、同じビルの中でやっている冥王星の展示を見にいく。エアスプレーで描かれた、とてもとてもうさんくさい内装。私の前を歩くその人は、楽しそうでもなく、つまらなそうでもなく、私の感想を伺うなんてこともせずに、ただそれを見るということをしている。それって珍しいことだと私は思う。この人に対しては、楽しませなければと思わなくてもいいのだと、そう考えてとても楽な気持ちになる。

[][] ビッグコミックスピリッツ 39号

信じられないことに、なんと、一週買い逃してしまったみたいだ…。ショックがでかい。けど、浅野いにおの新刊がでるときに未読の話があるってのを楽しみにすればいいか…。あー。

バンビ〜ノ!
巻頭カラー。とうとう自分だけの接客のきっかけを掴んだ伴の巻。そうきたかーと思って、ここまでひっぱった訳がわかったような気がした。やっぱり面白い漫画です。「うまそうだね!」
竹光侍
さすがだ。大人の子供と子供の大人のお話。
中退アフロ田中
噂がかけめぐる。先週読み逃したんだろうなぁこれ。
日曜、午後、六時半
最終話。父の巻。娘の巻は見逃してしまったのだけど、息子の回と今回だけで、けっこうぐっとくるところがあった。オズの魔法使いだな。それから、あしのうらのコマと同じ構図の朝のコマ、うまいなぁと思う。トーンの使い方が山本直樹さんぽい。
もふ
新キャラの女の人の登場コマ、そりゃないよと思う…。作画女の人なのに、女性キャラ苦手なのかなぁ。
ボーイズ・オン・ザ・ラン
前回見逃したのが悔やまれる。こんなあやしい男がどうやって社内に忍び込んだ(?)んだろうなー。で、青山の「指長い」のコマみて、あー、オダギリジョーさんがモデルなのかしらと思った。「ゆれる」での、やな感じに近いとこがある。田西はー、新井浩文さんかな。あくまでもイメージ。
団地ともお
いろいろ吹いた。おもしろいなーともお。「7に5かけて35なわけねーだろ!!」

[] 夏の終わりの終わり

蝉の声がどしゃぶりのように響いている。こういうの何ていうんだっけ? と訪ねられて「断末魔?」と答えてしまったのはクラウザーさんのことを考えていたからだ。今だったら「バケツを引っくり返したような」と答えるかもしれないけれど、改めて見ると、定型になるには具体的すぎる比喩だなと思う。まあいいや。

夕食はてきとう料理。「バンビ〜ノ!」を読んでパスタを食べたくなったので、パスタにすると決めたのはいいのだけど、野菜がない。ゴーヤしかない。ので、チャンプルー・スパゲッティにした。なんて、チャンプルーって何かわからないので、イメージだけどね。

油にニンニクで香りをつけ、しおこしょうした豚肉を炒める。火が通ってから薄くスライスして水にさらしておいたゴーヤを投入。だし、しょうゆ、水で少し煮込むようにして、最後にポン酢とゴマ油で香り付けしてパスタとあえる。削りたてのかつお節(いただきもの)をどっさりかけて食す。出来上がりがまったく想像できないままに作ったけど案外うまかった。評判良かったので満足。ポン酢だな。

2006-08-27

[] ナツ100結果発表

楽しみにしていたマンガナツ100の集計結果が発表されていました。最終的に150サイト参加で3100作品、総票12000になったそうです。すごい。まずはdangerous1192さんお疲れ様でした。

20位〜1位

http://d.hatena.ne.jp/./dangerous1192/20060824

100〜20位

http://d.hatena.ne.jp/./dangerous1192/20060823

上位20作品の中で自分が選んでたのは11作品*1。当てにいった訳でもないけど、ちょっとうれしい。20位以内では読んだことないのが2作品あって(「GS美神極楽大作戦!!」と「るろうに剣心」)100位以内だとかなりあった。特にサンデーは自分も家族も友達も買ってたことがないのでタイトルすら知らないのがいくつかありました。

しかし何といっても驚きは2位です。自分も選んだけど、2位にくるとは思わなかったなー。

回答者は男性が多そうだし、全体的に少年漫画が優勢になるだろうなとは思ってたんだけど、それにしても少女漫画が少ないのはさびしい。大御所なのに竹宮恵子山岸涼子も入ってないんだな。あ、安野モヨコも入ってない。それから、水木しげるつげ義春黒田硫黄などが入らなかったのも意外でした。

100位に入っていない作品でも気になるのけっこうあったので、これから当分楽しめそうです。この企画に感謝。

ちなみに私が選んだのはこちら → http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060805/p1 

[] 向井秀徳アコースティック&エレクトリック@音霊SEA STUDIO

逗子へ行ってきました。海の家なのかな、ほんとに海岸にあるライブハウス。床は砂です。

足さばきもよく見える前の方で鑑賞。今日は「YOUNG GIRL 17 SEXUALLY KNOWING」をやってくれたのがうれしかった。あれの「おれだった」の下りにはいつもいつもぐっとくる。

それから「オンザビーチ」というフレーズが今日の場所にぴったりな「Telecaster Summer」。これは「歌い方が気もちわるくてやらなくなった」と向井さんが説明してらっしゃいましたが私はかなり好きな曲です。「Water Front」で大合唱も楽しかったなぁ。

突然に長○剛さんの「激愛」を歌ってお客さんの語りコーナー。壇上にあげられた女の子はとまどいつつも、すてきな思い出を話してくれました。さすがに激愛な人はあんまりいないらしく、体験談はひとりで終了。

休憩をはさんで、今度はお宝鑑定コーナー。向井さんにまつわるお宝を鑑定するコーナーだったのですが、みなさんいろいろ持っているのねと思った。花村萬月さんの「愛の風俗街道」(向井さんの読了本を何かのイベントの景品でもらった)が出ていたけど、いわれてみれば花村萬月さんの作品て、雰囲気は向井さんのそれと近いとこあるのかもなぁと思う。それほど読んでいるわけではないんだけど、そういえば烏丸の読み方を知ったのも花村さんの小説でだった。

それからNUMBER5時代の音源もちらっとだけ聞かせてもらった。宅録をやりはじめた時代のものということだったけど、さすがというか、ちょっとびっくりするくらいよくできていて、その頃の雰囲気もあって、できれば最後まで聞きたかった。「この頃はマシュー・スウィートが大好きで、そういうのやりたかったんですね」と話していた。ジャケットは「天然少女萬」から(だったと思う。よく見えなかった)。

暑くて立ちっぱなしですごい疲れたけど、楽しかった。でも、もっとライブを見たかったなー。あと、そろそろザゼンも見たい頃合い。

*1:ただしワンピは連載中ってことで外しちゃったんだけど、完結してたら入れたかも

2006-08-26

[] 京都日記/2日め

10時起床。のんびり準備をして、電車で一乗寺へ。

まずは腹ごしらえということで、ご飯やさんでカレーを食べる。茄子がおいしい。

そのあとあこがれの恵文社で散財。欲しいものがあり過ぎて困る。もちろん、東京でもアマゾンでも買える本は買えるのだけど、品揃えが良い本屋さんていうのは、やっぱりうれしいし楽しい。それから、奥のギャラリーでは井上恵子さんと太谷有紀さんによるデザインユニット「2e」*1の展覧会をやっていて、どうしよう、かわいすぎる、なんて言い合いながらTと興奮する。そんな中、Sは店員の女の子にひとめぼれしていた。

狩りを終えてから、坂道を上って詩仙堂へ。竹林の中をくぐってお堂の前へでると、建物に縁取られたうつくしい緑にはっとさせられる。小さな庭に面した縁側に座ると、空気の流れが砂にしみ込む水のように感じられて、とてもきもちがいい。ここで本を読んだり話をしたり、お茶を飲んだりうたた寝したり、そんな風に暮らせたら幸せだろうなと思う。紅葉がたくさんあったので、いつか紅葉の季節にも来てみたい。きっと、すごく混雑するんだろうけど。ちなみにここは以前kissheeさんのダイアリで「京都で一番好きな場所のひとつ」と書かれているのを読んでから、ずっと行ってみたいと思っていた場所です。ほんとうにすてきなところで、観光シーズンを外れていたからか、人も少なく、ずいぶんとゆっくりしてしまった。

近くのお茶やさんで休憩してから、今度は清水寺へ向かう。バスで移動していると、京都の地理がだんだんとわかるようになってきて、楽しい。その後、八坂神社でおみくじを引いたら凶だったのでさっさと結んで忘れることにする。いつわりの心が良くないらしい。

祇園をぶらぶらして、夕食。うなぎを食べたら、食べなれたふっくらしたあれと違って、香ばしく焼いてあるうなぎで、とても美味しかった。

満腹になって外へ出ると、かみなりがなっている。友人宅の傍までかえって、久しぶりにカラオケへ。Sのナガブチの物まねに大笑いして、帰宅。

f:id:ichinics:20060828012424j:image:h150

京都に行ったのは、これで4回目なのだけど、今までさっぱりわからなかった地理が、初めてのバス利用で漠然と頭に思い描けるようになった。そして一度その地名の構造を理解すると、とてもわかりやすくていい。

高いビルが少ないせいか、見晴しがよく、遠くに山が見えて、川がおおくて、なんていいところなんだろうって何度も思った。おまけに家賃も安い。京都にいる間中、こちらで仕事が見つかるなら、引っ越したいなあ、なんて話ばかりしていた。まあ、それが難しいとしても、夜行バスを使えばそうお金もかからずに行けることがわかったし、日本の中に好きな場所ができただけで、今回はとても幸せな旅行だったと思う。

最後に、今回の旅行では、詩仙堂をはじめとしてid:kissheeさんの日記の[kyoto]シリーズをかなり活用させていただきました。ありがとうございます。

kissheekisshee 2006/08/29 19:10 こんばんは。トラックバックどうもありがとうございます。最近ブログを更新できずにいてすみません。実は、つい最近、仕事の関係もあり、念願の京都へ引っ越しました。まだインターネットがつながっていないので、ブログなどが更新できずにいます。もうすぐつながる予定ですが。
ぼくも、この間の日曜日、詩仙堂へ行っていましたよ。一乗寺に住んでいるので、わりと近所です。恵文社のすぐそばに住んでいます。
今度京都へ来ることがあったら、ぜひ連絡くださいね。

ichinicsichinics 2006/08/30 00:34 kissheeさんこんばんは。そうだったんですかー! おめでとうございます。今回の旅行では、kissheeさんの丁寧な記事のおかげで、迷いもせず、いろいろな場所に行くことができました。ありがとうございます。詩仙堂はほんとに気に入って、秋か、春にでもまた行ってみたいと思いました。あの近所に住んでいるなんて、ほんとうらやましい。かえってきてからもずっと、京都でのことばかり考えています。

2006-08-25

[] 京都日記/前日夜〜一日目

喫茶店で、向かいの席の男の子たちが「太陽」の話をしていた。なかなか白熱した議論になっていて、ちょっと混ざりたいなと思いながら「冷血」を読了。21時頃に地元の駅を出て、新宿で友達と落ち合う。

腹ごしらえをして、23時。薄暗いビル街にたくさんの人がたむろしている様子は、日本というよりはアジアという雰囲気で、Tとタイをバスで横断した時のことを話しあう。あのときと負けず劣らずの狭いバス。流れるオレンジ色の光の中で、いつの間にか眠る。

f:id:ichinics:20060828012422j:image:h150

朝7時、京都駅に着く。京都タワーがまぶしい。地元ではあんまり評判がよろしくないという話を聞いたことがあるようなきがするけど、なんだか昭和っぽい感じがして好きだ。マクドナルドで少し時間を潰してから、京都に住んでいる友人宅へ向かう。バス停まで迎えにきてくれた友人Sは、何もかわっていない。東京でも、京都でも、ずうっと名古屋弁だ。暑いね、でも思ったほどでもないね、なんて話をしながら、S宅へ。きれいなマンションの、広い部屋。これで家賃が五万円なんて信じられない、東京なら8万は下らない、都心なら12万くらいしそう、なんてお金の話をしつつ、ネットで地図を見たりして今日明日のプランをざっとたてる。

10時、出発。市バスの一日乗車券(均一料金区間内なら乗り放題の切符、500円という安さ)を買ったので、今日はバスに乗りまくる予定。まずは腹ごしらえということで、Sお気に入りのラーメン屋にいく。美味しい。すぐそばにSが昨年まで通っていた大学があるので、学生がたくさんいる。ラーメンを食べてから、近くにあった本屋さんへ。古本も新品もある、なかなか品揃えの良い本屋さんだった。福山庸治さんの見たことない本が200円だったので購入。

そこからTが行ってみたいといっていた今宮神社へ、というより、その傍で売っている「あぶり餅」というお菓子を食べにいく。小さくちぎった餅を細いくしにさしてあぶったものに、あまいたれがかかっているもの。15本くらいが一人前として出てくるのだけど、ぺろりと食べられてしまう。ごちそうさまでした。

そこからまたバスにのって、今度は細見美術館へ。Sは日本美術を研究しているひとで、先日も若沖を見るために東京へ来ていたらしい。この細見美術館で今やっている展示は、館蔵品の中から人気投票で選ばれたものを集めたリクエスト展で、ランキングも面白かったし、初めて行く私にはおあつらえ向きの展示だったんではないかと思う。不思議な構造の建物も雰囲気が良くて、椅子を出して好きな作品の前に座ったりなんかもできて、すてきな美術館でした。個人的には、やっぱり若沖の鶏に、ぐっときた。見れて良かった。

美術館を出てからはぶらぶらと散歩。喫茶店でお茶をしたあと、四条へ。

20時、晩ご飯は京都に住むTの友人と一緒に。居酒屋で水菜と油揚げの鍋やら、漬け物やら、Sの恋話やらをつまみに飲む。最終的には、私の(異性の)趣味が悪いと散々非難されたのはたしかうるるんの石坂さんが好きだといったからで、別にそんなに大好きなわけでもないのに、この先ずっといわれそうだなと思う。

23時、友達が以前働いていた、おしゃれカフェ(?)で飲みなおす。屋上のテラスでだらだらと飲みつつ、話をする。楽しかった。おしゃれすぎて敷居が高そうな店なんだけど、緑がたくさんで、見晴しもよく、バラも咲いている。

帰宅してすぐにTが寝てしまったのでSと私はだらだらとネットを見つつ(一人暮らしなのにネットにつながったPCが二台もあった)話をして、就寝。

2006-08-23

[] 動物と感情

動物には感情がないのだろうか。

馬鹿か、と笑われるかもしれないけれど、単純に知らない。

擬人化という言葉があるくらいだから、人間のような感情の動きが全ての動物にあるわけではないのだろうなと思うけれど、とりあえずほ乳類には、喜怒哀楽くらいはあるんだと思っていた。

仮に感情がないとしても(あったとしても、人間のそれとは質が違うことは確かだろうし)、感情移入するのは人間の勝手であり、「こう感じているだろう」と考えることは、ただ「こう感じている」と私が感じたことにしかならない。

私は動物を食べる。牛豚鳥魚のみならず馬も鹿も猪も食べる。チャンスがあれば他の動物だって食べるだろう。

しかし犬や猫、もちろんヒトだって、食べる気にならない。ましてや殺す気にもなれない。それはたぶん、私は彼等と暮らしたことがあるからだ。(ただ、魚だけは別だ。飼ったこともあるし、魚は大好きなのだけど、魚を釣って、さばいて、食べたことがある)

それはいったい、どういうことなんだろう。

どういうことだと思う? と訊いてみたところで、うちの猫が答えてくれるわけもないのだけど。

「道で出会って知り合いになった生き物が、ふと見ると死んでいた。そんな時なんで悲しくなるんだろう」

「そりゃ人間がそれだけヒマな動物だからさ/だがな、それこそが人間の最大の取柄なんだ/心に余裕(ヒマ)がある生物…なんと素晴らしい!!」

寄生獣』/岩明均

素晴らしい、と思っていいのかな。ただ、自分の価値観で差別しているだけなのに?

わからないけど、ともかく、そんな時に悲しくなる気持ちは私の中にもあって、それは大事にしておきたいと思う。

[] 京都に行きます

明日の夜、夜行バスに乗って、京都に行きます。主な目的は向こうに越した友人にあうことだったので、気付いたら何の計画もしてない。なので、今日になっていろいろと、京都に詳しい方、住んでる方の日記をあさったりしてます。すみませんあさって。まだ明日もあさると思う。

でも京都って、住所見てもそれがどこなんだかよくわかんなくて困るなぁ。

とりあえず、ずっと行ってみたかった恵文社にはいってみようと思ってるんだけど、あとは何もだ。

[] 祭囃し編終了

終わっちゃった。まだとりあえず、だけど、終わっちゃいました。

ほんとうに楽しかった。最初は怖いとしか思ってなかったのにねぇってのが(id:ichinics:20060105:p2)、物語と重なってるような気がして、感慨深い。

ちゃんと最後まで終わらせたら、改めて振り返ってみようと思うけれど、とりあえずね、「祭囃し編」は、すごい難しかったです!

なんども失敗した。最初、全部壊して抜けれなくなった。とりあえず今ざっといろんな人の感想見てみたけど、そういうケースにはまったひとは少ないのかなぁ。とにかく行き詰まって、やり直して、でも最後でセーブとロード間違えて大変な目にあったので、百年の人と千年の人の苦労が、ちょっとだけだけど、わかったような気がしました。

今回は、大石と葛西にときめきっぱなしです。

続きは週末かな。とりあえず、作者に感謝です。楽しかった。

2006-08-22

[] 眠るということ/下田の海/夏

ちょっと前に下田に行ったときのこと。

下田の海はほんとうにきれいだ。砂が白いというだけで、なんでこんなにも海が輝くんだろう。遠浅の海は、泳ぎが得意じゃない人にも優しいし。日本の海で二番目くらいに好きだ。

f:id:ichinics:20060823015003j:image:h150

あんまりにもきれいな海におおはしゃぎしたのもつかの間、パラソルの下で寝転んでいたら、大きくてゆったりした眠気に体が浮かび上がってしまう。それに抵抗して流れる沈み込むような血液の感じもくすぐったくて、私はすぐに降参する。あの感じこそが、幸せなんだと思う。

f:id:ichinics:20060823015005j:image:h150

夜には数年ぶりの花火花火はやる前が一番楽しくて、実際にやりはじめると、あとはやりつくすのを待っているだけのように思う。なにしろ太陽の光を浴び過ぎた日は、とにかく眠いのだ。

f:id:ichinics:20060823015004j:image:h150

そして暑い眠いと言っている間に、きっと夏も終わる。ことしの夏は、ほんとうに暑くて眠かった。

[] ten places to die

以前編集したMDがでてきたので、それをかけてみたら、全部で5枚くらいあった全てにこの「ten places to die」が入っていた。よっぽど気に入っていたんだろう。

確かに、今聞いてもかっこいいと思うのだけど、その歌詞はなんだかちょっとつまらない。

1 ON A T.V. SCREEN

2 IN A MAGAZINE

3 IN A CRAZY GAME

4 IN COMPLETE AND UTTER VAIN

5 FOR THE INDUSTRY

6 FOR THE FAMILY

7 IN A EUROPEAN FIELD

8 PICKIN' APPLES FROM A TREE

9 IN AN AEROPLANE-ESCAPING FROM THE RAIN

10 LYING NEXT TO YOU IN THE QUIET OF THE NIGHT

「ten places to die」/six by seven

だってこれじゃあ、最初から10が定められてたみたいな展開だ。

こんな思わせぶりなタイトルをつけるんだったら、もっと面白い場所を選んでくれればいいのに。8はちょっとすてきだけど、それなら落下した林檎のがずっといい。ヨーロピアンフィールドってよくわからないけど、井戸に落ちるのは嫌だ。だったら食物連鎖に組み込まれる方がよっぽどいい。でも痛いのは嫌だ。

なんて、いろいろ考えていたら、自分の理想は浜辺で眠りながらなのかもしれないと思った。

[] 猫

昨日は猫について、とくに飼い猫の避妊手術についてのニュースをあちこちで見た。と、曖昧に書いているといつか何のことやらわからなくなりそうだが、ならないだろうと思う。

私にとっては結論の出ない問題だ。

私はこれまで4匹の猫を飼ってきた。3匹は捨て猫/野良猫で一匹は友達の家で生まれたのをもらってきて、3匹は雌だったので全て避妊手術をした。その子たちの子までは育てるつもりがなかったからだ。今うちにいるもう20歳を越えている猫も雌で、もとは野良猫だったが、一度も子猫を産んだことはない。

私は猫たちに、ひどいことをしたのだろうか ―― したのだろうなと思う。20年以上も同じ屋根の下に暮らしてきた同居猫の眠る姿を見ながら、その子にまで責任を持てないならば、このこを拾わないという選択肢もあったのだとは思うけれど、私は既に自分の人生のほとんどをこの猫と過ごしてきたので、そんな「もしも」はうまく想像できない。

ただ、新しく生まれる存在よりも、既に生まれている存在を特別扱いしたくなるという基準は確かに私の中にあって、それは猫でなくたってそうなのだ。

2006-08-21

[][] ライチ☆光クラブ古屋兎丸

最近買いはじめたエロティクスFで連載終了後のインタビュー(?)を読んで気になったので購入しました。面白かった。

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

廃墟の工場に秘密基地をつくり、結成された「光クラブ」と、そのクラブに属する少年たちが生み出した「ライチ」。秘密を共有することで繋がっていた少年たちは、いつしか疑心暗鬼に捕われるようになっていく。やがて内部崩壊へ至る少年たちの姿と反転して、ライチと少女の間には関係が築かれていく様は、切なく印象に残る。でも、やっぱりこの漫画の面白さは少年たちのキャラクターにあると思う。詰め襟、学制帽、コードネーム、秘密結社。耽美で残酷で怪しげ、というのが適切な表現に思える世界観。そしてそこに笑いを含ませるところが古屋さんらしい。あと廃墟の工場を描く美術はすばらしいです。巻末に基地3Dデザインとして神風動画の方がクレジットされていて、おーと思った。

この「ライチ光クラブ」は、80年代に飴屋法水氏によって主宰された劇団「東京グランギニョル」の舞台を漫画化したもの(巻末には劇団の写真やポスターも紹介されています)。そしてその劇団のメンバーに丸尾末広がいたことを知って、なるほどと思いました。あと「帝都物語」前の嶋田久作さんがライチを演じられたらしく、そこには面影が残っているように思います。

私は残念ながら劇場版を見たことはないのですが(そしてそれは今見れるものなんだろうか?)漫画は、その媒体の違いもあって、脚本にはかなりのアレンジが加えられているとのことです。そのせいか、演劇的なテンポの良さを残しつつ漫画だからこそできる演出が生きていたように思う。特にラスト数ページの美しさは圧巻だった。

もっと光クラブの日常が読みたいなぁ。あたらしいFに載ってた「常川君の日常」連載しないかなー。

2006-08-20

[][] ヴァンデミエールの翼 全二巻/鬼頭莫宏

ヴァンデミエールの翼(1) (アフタヌーンKC)

ヴァンデミエールの翼(1) (アフタヌーンKC)

四季賞クロニクルで一話を読んでから、ずっと探してたのをやっと入手。

「魂を宿した自動人形」ヴァンデミエールを巡る連作短編集。前に、第一話「ヴェンデミエールの右手」の感想で、鬼頭さんの描く少女像を決定付ける作品だ、と書いたことがあったけれど、その印象は今もかわらない。ただ、この作品でのヴァンデミエールは全て同じ人物ではなく、特に黒いヴァンデミエールと白いヴェンデミエールでかなりイメージが違って見える。

しかし、改めてこの無垢と強さを兼ね備えたキャラクター像に触れてみると、宮崎駿作品のヒロインを彷佛とさせるところがとても多い。そして、このヴァンデミエールには翼が生えている。それは飛べない翼であるからこそ、物語の中では繰り返し「飛ぶこと」へのあこがれが描かれるってところもおあつらえ向きなので。宮崎駿監督はこの作品を映画化すれば良いのにと思います。

彼女たちのたどる、童話のような物語が重ねられていく様は、一つのシナリオを重ねていく「やりなおし」の物語のようにも思えてきて、それは今やっているあれのせいなのかもしれないけれど、そう考えるとよけいにせつない。でも、二巻の閉じ方で少しすくわれた気分にもなった。

[][] okama展@Gofa

スパイラルに行きたくて表参道へ行ったら、なんと改装中だったので、折角だし、michiakiさんとこで紹介されていたokama*1に行ってきました。9/2にはサイン会があるそうです。

Gofaは小さなギャラリーなので(といっても一度しか行ったことないけど)、そんなに期待はしていなかったんですが、展示されてる絵は思ったより多かった。設定を手掛けていたキャラクターものから、オリジナルまで幅広く。私には残念ながら何のキャラだかわからなかったんだけど、俯瞰で描かれてた学校(?)の絵とか、よかったなー。らぶひなっぽいやつ。

とにかく塗りがきれいで、女の子がかわいい。それだけでもう大満足です。あと展覧会ポスターで使われてる代表キャラ集合イラストみたいなのも、ちゃんと大きな絵で見れて、その細かさにも感動。みんなかわいいなー(そればっか)。

あと、会場でマイブラが流れてたのが印象的でした。久々に聞いたけどやっぱいいな、と思う。チケットの半券で1Fにあるカフェでお茶を飲めるので、絵を見た後はそこでしばらくぼんやりした。

8/31追記

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060831/p2

[][][] アフタヌーン 9月号/FEEL YOUNG 9月号

ichinics2006-08-20

アフタヌーン

あたらしい朝
待ってた黒田硫黄新連載!! 幕開けは大戦前夜の北ドイツ地方都市。せこい色男のエリックと気は優しくて力持ちなマックス(あくまでも第一印象です)のコンビがある日偶然大金を拾ったところから物語がはじまります。ともかく表紙からしてすてきなんだけど、すばらしいのは「ドイツは勝って勝って勝ちまくった」という大コマ。この1コマで伝えるニュアンスの雄弁さったらない。*2
しおんの王
いいとこです。ところで男歩と女歩が同一人物ってのがいまだに納得いかない(見た目が)。
ヴァムピール
樹なつみさん読み切り。読み切りってことが理解できません。主人公はなんだったんだ?
ヒストリエ
エウメネスの作戦はいつも面白いなぁ。ダイマコス…。
ブリギットの晩餐
沙村広明さん読み切り。エロティクスFで連載している「ブラッドハーレーの馬車」と雰囲気の似ている、少女受難の物語かと思ったけれども、これは受難というよりは、幸福な死のお話だと思った。「ああ お腹いっぱいで 眠い――」。でもこれが「妹(脳内でも可)に思うところある皆様の激励の声をお待ちしております」になるところがアフタヌーンクオリティだなと思った。
アキバ署!
この漫画でデジタルな話になると、それがどんなものなのか(フィクションぽいのかリアルなのかそれはすごいのかすごくないのか)わからなくて戸惑います。

フィールヤング

サプリ
「10年後だけ見てればいいよ/今は/今目の前にあるものは/10年後には確実にないからさ」うーーん。だんだん、なのか、もとから、なのか、共感できない漫画だなぁ。恋愛描写ふくめ。いや、共感できるとこももちろんあるけれど。ドラマの方はどうなんだろうな。
モテかわ☆ハピネス
そういえば先月からはじまっていた青木光恵さんの新連載。すごいタイトルだ。で、主人公のモデルが漫画家志望ってのは面白いなと思ったんだけど、こういうことだったのか。漫画家にはならないってことか。
うさぎドロップ
ついにりんの母親が見つかる。どんな人なのか、気になるなぁー。
にきび
いきなりサスペンスに。
AC刑事 日笠媛乃
内田春菊新連載。刑事ものですが、今回はとくに「事件」についてはあっさりした触れ方で、むしろ主人公の母親の描き方が恐いです。
雪月花
松田奈緒子さん前後編の後編。とても面白い作品だったけど、ラストがよくわからなくて、どういうお話だったのか曖昧な印象。

*1http://dp13023597.lolipop.jp/cgi-bin/newsnow/html/20060814.html

*2:画像のコマです。スキャナーないわけじゃないのだけど横着で

IMAOIMAO 2006/08/22 07:42 おっとー、黒田硫黄の新作がー!?

2006-08-19

[][] 村上かつら短編集1

村上かつら短編集 1 (ビッグコミックス)

村上かつら短編集 1 (ビッグコミックス)

村上かつらの漫画は、たぶんきっと、性別によって大きく感想がかわる。性差という、深くて暗くて下らない溝のようなものを改めて確認するのは、なんとなくうしろめたいような楽しさがあって、でも最後にはなんとなく悲しいような気分になるんだった。

天使の噛み傷

「据え膳、食い損ねて本望なり」と思っていた主人公が、鳶に油揚さらわれて逆切れするお話。なんて説明するのは少々悪趣味だけど、これは愛か欲望かで逡巡する主人公の見る夢の中での台詞が良い。

飯田君が「愛」って呼んでるもの、その中身になら、あたしは喜んで応じてあげる。/たとえそれがエゴでも、恥ずかしい欲望でも傲慢でも、容れものの陳腐さに比べればずっといとおしい。……ムキ出しでおいでよ。

かさぶた

うまいなぁ、と思う。そしてこの話はきっと、女性向けだろうなとも思う。「好きじゃなくなってはじめてできることがある」こわいねー。でも逆にいえば、好きだからできないことがあるってことなんだよな。

99夏あたし15歳

少女漫画だ! これは雑誌掲載時にもちょっと泣いたのを覚えてる。友情からは報われないですよ。

さよなら奇跡

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」と似た構図の、町で一番の美人のお話なのだけど、これはハッピーエンド版かもしれない。

はるの/よるの/ようだ

これも雑誌掲載時を覚えていた。

ちょっとだけ優しい目にあいたい、と思って、自分のことを好きだったという女の子に再会する主人公は、しかし彼女が相変わらずちっとも美しくないことに失望し、食事中もずっと別のことを考えている。そんな残酷な状況で、最初から「枠外」の絶望的な恋に決着をつける彼女は確かに格好良いんだけども、たぶんラストシーン、主人公と女の子のどちらに感情移入しているかによってまったく感想はかわるだろうと思う。私は「お前にいわれたってうれしくねー!」と思いましたよ。

よのなかには、どうにもならないことは確かにあって/僕たちのリアルはいつもどこか残酷なのだ

[] 誕生日会

夏生まれの友達4人で、誕生日会をする。新大久保で待ち合わせて、行ってみたかった韓国料理屋さんでご飯。夜の新大久保は、日本というよりアジアのようで、ああそういえば九月には台湾に行くんだったなと、思い出す。べつに忘れていたわけではないのだけど、心構えが足りなかった。別に中国語圏がすきなわけでもないのに、一昨年の中国、昨年の香港、今年の台湾、と続いているので何となくインパクトが薄いのだった。台湾ははじめてなので、行きたいといったのは自分なのだけど。

ともかく、今日は誕生日会だ。

誕生日は「どうでもいい」から「楽しみ」になり、やがて「特にうれしくもない」日になって今にいたる。そしていつかまた「どうでもいい」になるんだろう。というかもうなりつつあるのかもしれなくて、今年も誕生日を忘れかけていたんだよね、なんてことを話ながら、辛い料理を食べる。私は韓国に行ったことがない。

現地に行ったこともないのに比べるのは難しいけれど、アジアの料理で一番おいしいと思うのは、生まれ育った日本を抜かせばベトナムで、その次がタイかもなと思う。中華もたまにはいいけれど、あんかけが苦手なので、敬遠しがちなのだった。ベトナム料理はおいしいと思う。ベトナムに行ったとき、何を食べてもおいしくて驚いた。わりと高級な店で食べるものから、市場のデザートや町かどで売っている香ばしいフランスパンのサンドイッチまで、何を食べてもはずれはなかったように思う。ベトナムにもう一度行きたい。前に行ったときは、連れと喧嘩ばかりしていたのでつまらなかった。あの人の夢を久しぶりに見た。

夢の中でも、相変わらず自信のない顔で笑っていて、私はもっとあの人に優しくできたはずなのにと思って悲しくなった。そういえばあの人も夏生まれだったんだ。今いくつになったのか、もうわからないけれど、元気でいればいいのになと思う。

[] ひぐらしがなく頃までやる

ひぐらしっていうのは、夕暮れ時にもなきますけれども、実は明け方にもないてるんですよね、ということに気付いてしまうような時間までやってた、ということがあってもなかなか進まないんですが、今やっと「祭」の区切りまで進みました。

というわけで終わってしまう前に「皆殺し編」の感想をメモしとこうと思う。

皆殺し編は、面白かった。楽しかった。解としては、これまでである程度予想がついてた展開だったけど、全く予想外の(主にビジュアル面で)ことがひとつあって、それも良かった。「罪滅し編」でちょっとけーいちがうっとうしいかも…と思ってしまったのだけれど、一応主人公という刷り込みがあるので、活躍すると素直にうれしかったりもして。

あともう立ち絵でフォローされなくても、その口調だけで誰が喋ってるのかわかるのがすごいなと思う。特に魅音と詩音の口調の違いが個人的に好きです。

そして「皆殺し編」は今までで一番エンディングがかっこよかったと思う。ドーンってやつがいい。ドーンって効果音でるたんびに楽しい。

たぶん明日か明後日には終わっちゃうんだろうな。なんかさみしくなってきた。

個人的な願望としては、レナの三段活用がもっと見たいです。

IMAOIMAO 2006/08/19 05:25 村上かつらは、読んだ中ではこの短編集が一番面白かった様な気がするのですが、最近何か新しく描かれてますかね?

toukatouka 2006/08/19 21:27 村上かつら短編集1は全体的にうまい短編集ですが、デビュー作の「はるの/よるの/ようだ」が一番味があったなあ。お前らはそうやって一生大学生やってろってな男の子ばかりが主人公なのがちょっとなあと思う私は、多分女の子側に感情移入して読んでると思う

ichinicsichinics 2006/08/20 18:30 >>IMAOさん
たぶん、「CUE」以降特に連載はしていなかったような気がします(たぶん、ですが)。短編もうまい人なので、短編連作のようなシリーズをやってほしいなぁ、なんて思っています。
>>toukaさん
デビュー作、よかったですよね。これはもう、女性誌では描けないリアルだなと思います。私もほぼ女の子側に感情移入して読んでるんですけど、媒体が男性誌なので、男性がどんなふうに読んでいるのか、気になるところでもあります。

2006-08-18

[] 雨の後/ピエロギ

空を見てると飽きない、なんて話を聞くと、そんなことはないだろーと思うのだけど、やっぱり飽きないのかもしれない。雨は嫌いだけど、雨のいいところはその前後の夕焼けがとってもきれいに見えるってことで、ぼんやり見てるだけでも、あ、あのへんがいい感じだとか、あっちの色がすごいとか、そんなことだけでわりと夢中になってみていられる。暇だからね。

今日の夜は、前に美味しんぼに出ていた「ピエロギ」(id:ichinics:20060726:p2)という料理を作ってみた。洋風の餃子みたいなものなんだけど、これが……期待した割に美味しくなかった。作り方がまずいんだろうけど、とにかく具がマッシュルームとタマネギだけってのがさみしい。やっぱり肉が欲しくなる。これとアンチョビのパスタで夕食にしたんだけど、むしろ餃子のほうにアンチョビを入れたら良かったかもしれない。

f:id:ichinics:20060818012620j:image:h150

[] 自動的に泣く

わりと涙もろいタイプなので、映画を見たり、音楽を聞いたり、本や漫画を読んで泣く、ということはよくある。泣きたいわけじゃないし、むしろ「泣ける!」という宣伝文句のものにはできるだけ近付かないようにしている。(だからそういうものがほんとうに/私にとっても/泣けるのかはわからない)

つまり私にとっての涙は8割方、自己コントロール外だ。早く走りたくても走れないのと同じ。早く! 急がないと泣くぞ! と思っても捕まれば泣く。

その涙が感情移入によるものであれば、感情移入しないようにつとめるという方法もあるのだろうけれど、それをわざわざ心掛けるのも本末転倒に思えるので、泣くリスクの方を選ぶ。でも、感情移入というのも、別に主人公になった気分になるというわけではない気がする。

涙はほとんど自動的だ。スイッチが入れば涙が出る。「え! あんた関係ないのに!」*1というツッコミがあっても、その関係のなさにすら泣けるような気がする。

とはいえ、日常生活の中で泣く、ということはそんなに多くない。ざっと思い付く限りでも、卵を買ってきて、転んで、全部割ってしまったとき。蟻の巣観察をしようと思って楽しみにしていたはちみつの瓶を、割ってしまったとき、など両方子供の頃だけど、何かが「おじゃん」になったとき、覆水盆にかえらないときに、泣いてたような気がする。

つまり、言葉が追い付かないところに達すると、涙がでるということなのだろうか。感情移入するのも、こればどのような物語なのかということを考えながら見ていた冷静な視点とは別に、言語化できないものが出てくると泣くのに近い気がする。いくら言葉を継いでも取り返しがつかない、手が届かないということが、一つの臨界点なのかもしれない。

たとえば主人公の心情が見ているこちらにはわかっても、主人公がそれを伝えたいだろう相手には伝わっていないということがわかるときに泣ける、というのも、それは私が主人公の気持ちになっているわけではなく、後でそれが伝わってハッピーエンドになったとしても、あの伝わらなさこそが現実であり、現実にいる自分は伝わらないということすらわかっていないという恐ろしさを改めて目の当たりにするからこそ、泣くのかもしれない。

なんてごちゃごちゃ考えてみても結局わからないんだけど、とにかく人間の体って不思議だな。

「笑う」ということの方が、もうちょっと意図的かもしれない。もちろん押さえきれない笑いもあるけれど、そうでない場合は「笑う」ことを自分に許してから笑っているような気がする。

泣くときも、せめてそんなふうに、少しはコントロールできればいいのにな(と思うこともある)。

2006-08-17

[][] 太陽 The SUN

監督:アレクサンドル・ソクーロフ

1945年、第二次世界大戦集結間近の昭和天皇を、歴史としてではなく、「神」として生きた一人の人間の日常として描いた作品。

とても美しい画面だった。すべてのカット、その構図と、カメラのとらえるひとつひとつの仕草まで、味わい深い色をしていた。そしてそのほとんどの場面に、イッセー尾形演じる昭和天皇がいるのだけれど、彼の立ち居振る舞い、特にその表情、か細い声、言葉が重なりあう様には目を奪われた。その空間において圧倒的であるということと、慎ましく上品であるということが、同居している。

しかし「現人神」として生きるということは、どういうことなのだろうか。

冒頭の場面ですでに、彼は自らが人間であることを自明のことととらえている。「私の体も同じだ、君のとね」と侍従長に言ったあとで「怒るな、まあいわば…冗談だ」と笑ってみせる。

私の記憶する昭和天皇は、崩御のニュースだけのような気がするので、恥ずかしながら戦時中における天皇の存在が、どのようなものだったのか、想像することすら難しい。映画の中に、天皇を尊敬する日系の米軍兵がでてくるのだけれど、彼もまた天皇を「神の子孫だ、政治家ではない」と言う。私にはその感覚が、理解できない。

しかし、海洋生物の研究をしている場面のうれしそうな表情や、写真撮影に応じる際に見せる彼のチャーミングさと、米国大使館へと向かう車に乗り込む天皇の心細げな表情とのコントラストには、心をうつものがある。窓の外に広がる焼け野が原は、まさしく「神のために」戦ったものたちが犠牲となった証なのだ。そしてその神とは自分のことなのだ。

ラストシーンでもう一度、その逡巡の構図が再現される。しかし、そこでの彼は、すでに運命を拒絶した後なのだった。ここでのやりとりは、この映画のなかでも特に素晴らしい。

映画館は大入り満員だった。銀座シネパトスの、二つのスクリーンで上映されているにもかかわらず、行列ができていた。しかし、残念ながらシネパトスはこの映画の上映に向いていないと思う。とても静かな映画なので、近くを走る電車の音がうるさく響いてしまうのだ。もし別の映画館でも上映されることになったら、もう一度見なおしたい。

それから、見にきている人もいろいろだった。とにかく、とても静かな映画なので、映画中におしゃべりしている人がいる回にあたると、残念としかいいようがない。似てるわねぇ、とか、そんなことは映画が終わってから話し合ってくれればいいのにね、と思う。それから、歴史について語り合っていた若者もいたけれど、これも、映画が終わってから、やってくれと思った。

それも全て、今なお天皇という存在が、日本人にとって興味深いものであるということなのだろう。森達也さんが今上天皇についてのドキュメンタリーを撮る、といっていたのも、楽しみにしているのだけど、もちろん、そういうものとも、この「太陽」は違う。

これは芸術作品ですから、資料や歴史的事実に依拠してはいても、ここに現れた天皇の人間像というのは私が考えたものなんです。もしかしたら実際の人間とは違うかもしれない。

http://www.cinematopics.com/cinema/topics/topics.php?number=877

[] 喫茶店、ちょっとした買い物

いくら暑い日ても、喫茶店ではホットコーヒーを頼むことが多かったのだけど、今年はとにかくバテているので、冷たいものばかり飲んでいる。氷まで食べる。今日は珍しくスムージーなんて飲んだ。いつもはそういう凍ってるものって、飲みきれないんだけど、タリーズの、桃のやつは飲みやすくておいしかった。

桃スムージーうまい、と思いながら本を読んでいたら、向かいの席に座っていたおばさまたちが、新聞の話をしていた。

「朝日は堅いわよ、読むとこないもの」「そうそう、日経のがよっぽど」「朝日なんて読むのは、なんていうか上昇志向のある人だけよね」「そうなのよね」「私たちみたいなさ、なんていうの、普通の人はさ、楽しめないわよねぇ」

何が言いたいのかよくわからない。とりわけ、ひきあいに出されているのが日経ってのが不思議だ。

ichinics2006-08-17

帰り道に、アイスを買う。ピノのミント味がお気に入りです。チョコミント。そういえば、新しく買ったVANSのスリッポンも、チョコミント色だ。いつもは(VANSを買うときは)限定色買わないんだけど、今回はなんか一目惚れした。それから、あたらしくでていたブライスベルを一箱。食玩買うなんて久々だけど、今回のは全部かわいくて、つい。マーマレードハートが出る。

2006-08-15

[] 停電/名簿

昨日の大停電*1、とは直接関係がないのだけど、人が集まっているところでは、パニックが起きやすい。それが起きないだろうという前提のもとで世の中は進んでいても、可能性はいつでもそこにあるわけで、フェスティバル会場なんてところでも、容易にそれは起こりうるのだという恐さがある。対策というのは結局、起こった後のことを考えることしかできないんだなと思う。

あと今日のニュース。名簿を祀る、ということで何らかの宗教的効力が発生すると信じている人というのは今、どのくらいいるんだろう。たぶん、そこに何か意図が、仕組まれた思惑が、現実的利害が、発生していると考えるからこそ、それは問題として扱われているのだけど、数十年前にはもっとちゃんと/もうちょっと効力があったのかもしれない。

そして、実は、その効力というものの方が、最終的には人を捉え続けるものなのかもしれない。現実的利害なんてものは、後から伴うものであり、そこにある何かの効力が信じられた瞬間に、人は動かされる側になる。それは別に宗教の話だけじゃない。というか宗教もそれいがいの私が想定しているものも、きっとその何かは同じなんだろう。

ただ、それが良いとされるか悪いとされるか、という部分については、現実的な利害やら何やらを基準に語ることしかできないのだけれど(たぶん、とりあえず日本では)、重要なのは、その効力の方向を、より良い方向に、向けていくことなのだろう。ではその「より良さ」とは何か。考えなくちゃいけないのはそれだよね、というところで、振り出しに戻る。

[] ギュンター・グラスの告白

ichinics2006-08-15

Bさんのところで、ギュンター・グラスの告白についてのニュースを知ったので(http://anotherorphan.com/2006/08/post_360.html)、本棚で埃をかぶっていた彼の詩集を取り出した。詩を読むなんて、ずいぶん久しぶりだ。

さて、ここでR・A・シュレーダー氏にお尋ねする。どのようにしてあなたはこのぼくを、つまり過去の時代にあなたの言葉通りに幾度となく「ドイツの誓い」を唱えてきたこのぼくを、そして今もまるで不似合いな折に「聖なる心」に対するその誓いがびっこを引きふらふらとよぎっていくこのぼくを、どうやってまさしくその「誓い」から解き放ってくれますか、と。

「わが非愛好詩」

この文章はグラスが33歳の頃に、自分が愛好「しない」詩についてというテーマで、「ドイツの誓い」という詩を取り上げて書かれものだ。その詩の一節にはこうある。「わたしたちのこの誓いは、星に向かって立てられる。/星をめぐらせている神がこの誓いを聞こう―― /外(と)つ国人が、あなたの王冠を奪う以前に、/ドイツよ、わたしたちは、枕を並べて討死していよう。」なんだかどこかで聞いたことのあるような言葉だ。

この詩に対するグラスの思いは、最初読んだときには、ある種普遍的な、戦争を経験した人の、その後のもののように感じられた。そしてそれにしては少し、堅いもののようにも思えたのだけれど、彼の告白を知った今、より、深く感じるところがある。

この詩集には、H・W・リヒターによる「ギュンター・グラスの思い出」という文章も併せて収録されている。しかしこの文章は、単なる思いでというよりは、グラスが政治に傾倒していくことへの困惑と警鐘が目立つ。

数年後、ギュンター・グラス自身から進んで選挙演説をして回るようになった。その真意が何であったのか、私には今もって判然としない。本物の政治的確信に基づいてなのか ―― たぶんそうだったのだろうが ―― それとも、この方面での自分がどこまで伸びるかを自分自身確かめようとしてか、つまり、自分の素質と才能がこの方面でどの範囲まで及ぶかを確かめようとしてか?

「ギュンターグラスの思い出」

この疑問についても、ある程度、想像がつきやすくなったのではないだろうか?

例えば ――グラスの政治への関わりは、その「誓い」に深く身を沈めてしまったからこそ、そこから解き放たれるための個人的な思いに端を発していたのではないか。もちろん、これは少々感傷的な見方に過ぎるかもしれないが、ともかく私はこのニュースを読んで、そんなことを考えた。

ノーベル文学賞返還? その言葉の馬鹿馬鹿しさは、遠くの国にいるからこそ見えることなのだろうか。それとも、時間か、それとももともと見えないものなのか。フィクションである作品に対する評価が、作者の個人的な告白によって損なわれることなどあるのだろうか? 社会的に抹殺される可能性はあったとしても、それは作品に対する評価とは別ものだろう。

そういうこととともに、罪や過失というものは、永遠に消えないものなのだろうか、というのが気になる。いつまでたっても反省しない人のことはとりあえずどうでもいい。もちろん、そういう人にも興味はあるけれど、罪の大小を問わず、それはどうやってもうめることができないものなのだろうか? 赦すことができるのは、やっぱり神的なものだけなのだろうか。

同じ人でも、いつでも同じ判断を下すわけではないのだ。十年前の自分と、今の自分は他人だと感じる自分にとっては、十年前の自分が、大きな罪を犯さないでいてくれたことに感謝するべきなのかもしれない。

自分は死ぬまで自分であるとともに、常に変わっていくものだ。そして、たまに、大きく変わる。スモモの実にあたったりして。

それもすべて、日々の小さなステップが引き起こすことなのだけど。

思いもかけずサクランボがみのった。

ぼくはサクランボなどというものが

あることを忘れていて、

「サクランボなんて見たこともありません」と公言していたのに、

その見たこともないサクランボがみのった、思いもかけず、ありがたいことに。

 ―

スモモの実が落下してぼくに命中した。

誰が思うだろう、スモモの実が落下してぼくに命中したために、

ぼくの人間が変わったと。

ぼくはそれまで落ちてくるスモモの実に一度もあたったことがなかった。

wandlung(部分)

この詩集、はまぞう見たら、アマゾンであつかってないみたいだ。BK1でも在庫ないみたいだし(http://www.bk1.co.jp/product/1178215)絶版なのかもしれない。残念。

 マイクロソフトのCMの

teacher編の、先生がすてきです。まだ一回しかCM見てないけど、いいなぁスーツにカーディガン。

http://www.microsoft.com/japan/mscorp/campaign/tvcf.mspx

[] ひぐらし購入/テトリス

ウタダさんがテトリス強い、というニュースを見てスイッチが入り、テトリスをやり続けている。本を読んでいても段落の先頭に凸形のブロックをはめたくなるなんて、あたらしいPC買ったときにつきもののソリティア病みたいだ。

でも弱いんだよなぁ。弱すぎる。VS COMでレベル3までは余裕なんだけど4になるといきなり勝てない。でもはやくWi-Fiコネクタ買って誰かと対戦したいです。

それから、秋葉原にも行って、無事「祭囃し編」買ってきました。予約できなかったので心配してたんだけど、ちゃんとキャンペーン中みたいになってたのですぐ売り場もわかったし、意外と待たずにあっさり買えた。でもなんかすごい混雑してて、お祭りみたいだった。町自体が。ここはどこのライブ会場ですかと思った。しかし、ぐるっと見ても、周囲に女性の客がいないのね。まあ一応男性向けだしな、と思いつつ若干申し訳ない気分になる(なんで?)。で、あまりの混雑っぷりに、ほかの買い物はしないでかえってきてしまいました。いろいろほかにも買いたいものあったんだけど、次回に見送り。

しばらくやってます。

ichinicsichinics 2006/08/20 18:26 健さん、はじめまして。健さんのコメントも拝見しました。同感です。ただ、それをドイツ自体が「別に良いじゃないか」と公言できないところがあるのも、なんとなくわかるような気がするのですが、本音はどちらにあるのでしょうね。

2006-08-14 このエントリーを含むブックマーク

2006-08-13

[][] SUMMER SONIC 2006 8/12@千葉

行ってきました。実はちょっと風邪気味で、行けなかったらどうしようと思ったんだけど、今日はよく頑張った。

会場まで

8時頃家を出る。ながれに身を任せていたらりんかい線に乗りそうになる。切符売り場並び直しでなんだかやたら時間をくう。

入場列もすごく混雑していて、びっくり。いつかのフジ東京でやったときの)のような光景だ。そして、マリンで入場するつもりだったのに気付いたらメッセにいた。

AMUSEMENT PARKS ON FIRE

JOHNNY BOYをちらっと見て、AMUSEMENT PARKS ON FIREへ。AMUSEMENT PARKS ON FIRE は、予備知識なしで見たのですが、これがなかなか良かったです。初々しく勢いのある感じは、1stでたばかりの頃のMewを彷佛とさせるところがあるけれど、それよりシューゲイザー直系のナイーブさを感じさせる音に期待が高まる。アルバム買ってみよう。

65DAYSOFSTATIC

今日の目当ての半分は彼等です。これがもう期待以上に良かった。CDも良かったけど、彼等は完全にライブバンドだった。CDの数倍迫力があった。やっぱりライブで見るならこういうバンドが良い。張りつめて、振払って、なぎ倒していくような、暴力的なのに美しい音。演奏しながら暴れまくるメンバーの姿も、一見微笑ましいんだけど、冷静に考えると、あれだけ動いてこの演奏力ってすごい。でもキーボードがいるのかと思ったらあれはラップトップなのね。そこが少し惜しい。ともかく、ステージとこことの距離を超えて、直接肌に触れるような音だった。すばらしい。

ぶらぶらする

お昼ご飯食べつつ、マリンアーバン、ビーチ、アイランドなどいろんなステージを巡る。"NO SURF NO LIFE TIME"でDUBSENSEMANIAなどを見て、私は連れより一足先に戻りPHOENIXへ。

PHOENIXTHE RAPTURE

良かったです。私の愛聴していた1stの曲もいろいろやってくれて、「IF I EVER FEEL BETTER」で思わず前へ走る。MC聴いて「そういえばフランスの人だった」と思い出すような始末でしたが、楽しめました。

そしてそのままTHE RAPTUREへ。ここでいきなり疲れてしまって、途中からはしっこに座り込んでしまう。うん。THE RAPTURE見るのは二回目ですが、相変わらず楽しいんだけど、テンポが緩いような気がするんだよなぁ、とか思ってるうちに、まさかの寝落ち

くるり

ばったりあった人と立ち話などしていたら、いつの間にかくるりの時間。ほんとはくるりの間はマリン行こうかと思ってたんだけど(実はメッセ嫌いです。暗いし。できればフェスらしく屋外かマリンで見たい)寝ちゃったせいか、だるくてそのまんまくるりに。でも見て良かったです。「東京」「ばらの花」「ワンダーフォーゲル」「赤い電車」「ロックンロール」などヒット曲満載のコンパクトフェス仕様になっていて、楽しめた。くるりは、やっぱりギターのリフ作りが独特でうまいなと思う。岸田さんの声は、正直なところ、ライブよりも録音の方がはえる声だと思ってたのだけど、こうしてライブで聴くと、生々しさがあっていい。

それでも、驚いたのはくるりのファンの若さと熱心さだった。くるりデビュー当時から聴いてたので、なんとなく未だに若手バンドな気がしていたんだけど、もう十分ベテランで、ここにいる人たちにとっては大御所なのだろう。私はいつまでもくるり感情移入できないのだけど(でも好きだけど)くるりベース音楽を聴きはじめたような人もここにはきっといるはずで、あー遠いなぁ、と思った。なんだか、突然。

メタリカ

くるり終演後に、KEANEの出演キャンセルの知らせがあった。とっっっても残念。こんな直前にお知らせってどうよと思う。でもいい感じに間があいたので、SCRITTI POLITTIをのぞいた後(元気そうでした)決心してメタリカへ。友達に「まじで?」と驚かれる。

会場に来てから、ずっと気になっていたのが、ラストはどこに人があつまるのだろうということだった。メタリカファン(らしき人)の姿をあまり見ない。通りすがる人から、ちらほら聞こえてくるのはメタリカはないよねみたいな発言ばかりで、よけい混乱する。でも個人的にメタル映画を見てから*1メタルライブを見てみたいと思っていたところなので、こんな良いチャンスを逃す手はない。

f:id:ichinics:20060813025437j:image:h150 メタリカ前の静けさ

結論からいうと、メタリカは相当格好よかったです。いざマリンスタジアムに行ってみたら、場内大入りで三階席までぎっしりだし、オープニングムービーの後、バーンと照明がついて、曲がはじまって、地鳴りのような歓声が沸いて。これは鳥肌立つ。しかも曲が、もう完璧コントロールされていて、ビシッときまって、しなやかで、ベテランバンドの貫禄がこれでもかってほどに伝わってきた。曲を全く知らないにもかかわらず楽しめた。すげぇ。あのベースと一緒に基本音と対になる音階をあがってくやつなんていうのかな。スラッシュ? あれ楽しい。かっこいい。あと、ボーカルの人が、歌い終わった後に顔をクッと背けるのがいい。ねえ、かっこいいよメタリカアルバム買ってみるか。(追記→id:ichinics:20070315:p3

The FLAMING LIPS

しかし突如リップスに戻る決断をする。メタリカには後ろ髪引かれたけど、ミディアムテンポな曲になった隙に振り切ってメッセへ走る。ここが今日一番頑張った。なんかリップスは見なきゃいけない気がした。シャーラタンズのあまりにも懐かしい曲(題名忘れた)を小耳にはさんでそっちにもひかれつつ、初志貫徹してリップスへ。

場内へ入って、まず目に入ったのは宙を舞う風船。ステージ上には宇宙服アシモ?)やらサンタクロースやらの着ぐるみと、踊り子と、紙吹雪とウェインさんが操る巨大クラッカーと。ハレ全開の多幸感に笑ってしまう。SFだなぁ。リップスのライブを見ると、ウェインの目に世界はどのようにうつっているのか知りたくなる。

後から友人に聴いた話では、出演キャンセルになったキーンのかわりにかなり前倒しでライブをはじめていたらしい。そして私が着いてもしばらくやっていたから、ほんとうに長い間ライブし続けていたわけだ。メタリカと同じくらいはやってたんだろう。風船が割れたり、頭にぶつかるのをみんなではじきあったりしながら、なんだか愉快な気分になる。終演後には「what a wonderful world」が流れる。あーもう「Over the Rainbow」じゃないんだね。

帰り道

リップス後、ダフトパンクを見にいっていた友達と合流したら、入場制限に怒った人たちの波に巻き込まれたらしく、落ち込んでいた。みんな柵を乗り越えて入ろうとしていて、警備員と乱闘めいたことになっていたらしい。昨年のザゼンにしろ、サマソニにはそういう仕切りの悪さが目立つ。野外じゃないブースの場合、入場制限かけるタイミングは難しいと思うけど、全体的に、ちょっと人を入れ過ぎなんじゃないかと思う。レディオヘッドが出た年も売り切れてたけど、あんなに人いなかったよ。

次のフェス、予定では朝霧も行くつもり(チケットとれてない)だけど、やっぱゆったりのんびり見れる方が、いいなぁと思う。客層も、会場にあわせてかわる気がする。サマソニメッセ会場以外はまあ良いんだけど。でも私は出てる人次第で行きたくなってしまうから、まあ、来年もメンツ次第だな。

帰りは疲労困ぱいして電車の中で寝てしまう。お疲れ様でした。

f:id:ichinics:20060812181532j:image:h200

途中で雨が降ったらしく、虹がでていた。

2006-08-12

[][] ドラマ映画化アニメ化

スピリッツ巻末に、「めぞん一刻ドラマ情報が載っていた。来春ってことでまだまだ先だけど、響子さん役は伊藤美咲さんらしい。そうか。五代はオーディションで選ぶらしいです。おー。でも面堂のが気になる。ミッチーかな。

そしてさらに「鉄コン筋クリート」の声優も発表。これはもうポスターにも書いてあるので知ってたけど、シロは蒼井優ちゃん、クロは二宮さんらしいです。配役がセンスいい。あってると思います。

けど、もうそろそろアニメ映画声優をわざわざ俳優でやらなくてもいいんじゃないかなぁ。もちろん俳優さんもプロだし、これまでの作品もはずれって少ないと思うけれど、「ブレイブストーリー」を見ていて、ほとんど声優さんを使ってない「音」って、なんとなく印象がバラバラになる気がした。それはそれぞれの人の声の出し方が違うというかなんというか。

あと、のだめドラマ化(http://wwwz.fujitv.co.jp/nodame/index.html)は、当初のよりもイメージはあってるような気もしないでもない。

[] サボイア

f:id:ichinics:20060812031720j:image:h150

前にちらっと書いたプラモ完成しました。プラモに色とか塗るの初めてだったけど楽しかった。台とかはまだ作ってない。

次はこれを作る。

WAVE 1/24 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG シリーズ No.1 タチコマ

WAVE 1/24 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG シリーズ No.1 タチコマ

2006-08-11

[][] STUDIO VOICE 9月号「現在進行形コミックガイド」

そういえば前に買ったスタジオボイスも漫画特集「最終コミックガイド2005」だ。michiakiさんとこでおすすめされた(?)ので買ってきました。ありがとうございます。

今回は前回面白かったガイド部分(現在連載中の50作品)よりは、インタビューのほうが面白かった。「本谷有希子×瀧波ユカリ」「柴崎友香×石川雅之」なんて豪華な対談も面白かったけど、何といっても、いいなぁと思ったのはよしながふみさんのインタビュー。

「(略)『愛すべき〜(娘たち)』を描いてみてはじめて、どうしてボーイズラブを描いているのかがわかった。”男女の話を描かなければ、フェミニズムに触れないで済むからなんだ”って。ボーイズだったら、私自身が女として持ってしまう葛藤を描かないで済む。だから描いてたんだなぁっていうのを遅まきながらわかったんです」

ああ、そうだよなぁ、と思ってしまった。私ですら、日常で、フェミニズム的な話題には、できるだけ触れたくないと思っている。ものを描く人だったら、なおさらそう思いいたる場面は多いだろう。もちろん私はフェミニズムが何なのかすらよく分かっていないのだけど、簡単にいえば、外側から評価されることでなく、自分で自分を認めることができればいいと思っているのに、それだけで満足することに抵抗を感じる人が、特に女性には、多いような気がするのだ。そして、その気持ちが私にもわかるからこそ、そこにあえて触れたくない。

「愛すべき娘たち」の第三話に、結婚を前にして、修道女になってしまう女性の物語があった。ここでインタビュアーの伊藤剛さんは「僕は単純に、自分がこのまま幸せになってしまうのが突然怖くなったんだろうという読みをしていたんです」と言っている。もちろん、どんな読み方も自由だ。よしながさんもそう答えている。でも、私はこの読みに少し驚いた。

「ちょうどその頃友達から”税金も払ってて、犯罪もしてなくて、なんにも世の中に対してやましいことはないはずなのに、恋愛をしたことがないっていうこの1点だけで、どうしてこんなに責められてる感じがしなきゃいけないのか”って言われたんです。”人を愛したことがないってそんなにいけないことなのか”って。”彼氏がいなくてさびしいっていう単純なさびしさだったら、つらくない。彼氏が欲しいと思わないことへの罪悪感っていうのがどうしてこんなになきゃいけないのか””愛せることが素晴らしいって誰が決めたの”って。」

この問いに苦しめられる理由のひとつは、おそらく、その感情を、他者に理解されにくいということにあるのだと思う。仕事をしていて、彼氏はいない、という状態を負け犬というんだったか、とにかく、そういうカテゴライズをされていくことで、息苦しさを感じる人は多いだろうし、おそらく男性にだって似た形での葛藤はあるだろう。

修道女になることを選んだ彼女は、人を愛せないというよりは、異性を愛するということが、わからなかったのだと思う。もちろん、いまそこにある感情を愛と呼ぶことはできただろう。しかし彼女にとっての「愛」は、もっと純粋なものであるはずで、そして彼女は自分に嘘をつくことができなかった。

彼女にとっての幸せは、自分の気持ちに嘘がなく、誠実であることだったのだと私は思う。しかし周囲はそれではなく、この場合は結婚の方を幸せであった、と考える。インタビュアーの人もそう読んだのだろう。だって結婚相手の「彼」はいいひとなのだ。彼女だって、それは分かっていたと思う。ただ、彼女が彼に対して抱く気持ちと、彼の抱いている気持ちの違いに、気付いてしまった。それは不幸なことだろうか?

よしながさんの友人の話に、私は「そんなことに罪悪感を感じる必要なんてない」って答えたいし、彼女がもっと楽に、自分の幸せを幸せと認めることを許せるようになればいいなと思う。

確かに、愛せること(ここでは恋愛)は、素晴らしいことだ、と私も思う。けど、それは唯一の素晴らしさでもないし、その感情の定義は、実は、人それぞれ違うんだと思う。それはまあ、いってみればごちそうのようなものだ。出会えた人は喜んで享受すべきだし、でも別のごちそうだって世界にはたくさんある。

愛すべき娘たち (Jets comics)

愛すべき娘たち (Jets comics)

[] 男が読んでもおもしろいと思われる少女マンガ

人力検索の質問(http://q.hatena.ne.jp/1155227997)を見て、質問者の方が何を求めてるのかいまいち分からなかったのだけど(私よりいわゆる「少女マンガ」をきちんと読んでいる人っぽいので)、質問者の方が気に入っている「アレックス・タイムトラベル」は読んだことなかったので読もうと思った。

回答に全然でてこなかった、くらもちふさこ大島弓子榛野なな恵岩館真理子、倉田江美、吉野朔実あたり、読んでそうだけどおすすめしてみたくなりました。

[][] ビッグコミックスピリッツ 36・37合併号

日曜、午後、六時半
浅野いにお新連載! スピリッツに6年ぶりって書いてあるけど、六年前だったら、私たぶん読んでたんだろうな。どんな話だったんだろ。もしかしてこれ(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20050405/p3)なんじゃないかなってちょっと思った。そして、この新作はというと、つとめ先を解雇された父が、そのまま失踪し、のこされた家族に順番にスポットがあたっていく構成になっているみたいだ。今回は息子。しかし、見なれている雑誌の中でみると、ひときわクオリティ高いなぁ。こんなに絵がうまいひとだったか。
日本沈没
まだ相変わらず原作読んでないのだけど、漫画は、漫画できちんと現代向けに「今」のお話にアレンジされてる。
団地ともお
傑作だ。第123話です。これを6ページにまとめるってすごい。「一度は言いたいよなともお」という題なんだけど、主人公は青戸さん。そしてゲバ夫がいい。たった6ページなのにゲバ夫が青戸さんにおいていかれるという伏線が4箇所もあって、そしてそれが全然しつこくない。いい感じでラストがぐっとくるさじ加減。すごいなぁ。
竹光侍
松本大洋/作:永福町一成による新連載。これもまた、きれいな漫画だなぁ。まだ前説の段階なので、どんなお話になるのかはこれからのお楽しみ。
闇金ウシジマくん
追いつめられる瑞樹。こわい。
ハクバノ王子サマ
小津のあほー!せっかくいい感じになったと思ったらこれですよ。

toukatouka 2006/08/11 17:39 この第三話、私は意欲的な失敗作だと「感じます」。
読み終って何で失敗作だと感じてしまうのか考えてみると、結婚できないからといって修道女になってしまって、見合い相手と同時にこれまで築いてきた建築士のキャリアまでも投げ捨ててしまったことへの説明が、ただ祖父がガチガチのマルキストだったから、で済まされている点です。

「結婚できないからといって修道女になってしまって、見合い相手と同時にこれまで築いてきた建築士のキャリアまでも投げ捨ててしまう」ってことは「ある」と思う。そのとき、何でそこまで何もかもご破算にしてしまわれなければならないのか?という部分にこそ、この漫画で問われるべき問いはあるはずなのに、それを「祖父がマルキストだったから…」という「設定上の問題」として流してしまった。

まるでサナトリウムかなんかに入るみたいに修道院に入るってのはあまりにも安直で、思考が止まっているとしか思えない。しかしこの主人公は己の思考停止に殉死するというタイプでもない。誰か一人を特別に愛せないのなら、建築士の顧客として出会う人たちをそのときそのときに愛して、これまでのようなすばらしい仕事を続ければいいじゃん。

「いいじゃん」といって、しかしそれでもそれがどうしてもできないというクレバスのような闇がやっぱりあって、その闇の中にこそよしながふみが戦うべき敵がいるはずなのに、それをテキトーなレッテル貼ってごまかしてんじゃねーよ、ってところによしながふみのイヤな頭の良さって言うか、全身を預けられないよなーって思っちゃうところが出てると思います。

ichinicsichinics 2006/08/12 01:41 toukaさんこんばんは。わたしも最初にこの3話を読んだ時にはちょっと違和感があったんですよね。でも上に引用した友人の話の繋がりで、「つらいことがあったら出家を先にしようと思って生きてきた」と書いてあって、そこの部分はよしながさん個人の思いがでてるのかな、と思いました。
そして、マルキストであった祖父の「人を分け隔ててはならない」という言葉に忠実でありたいという自分の心に気付いた彼女のとった選択肢が、出家だったというのも、理解できるような気がします。これは私の親がキリスト教徒というのも関係あるかもしれませんけど…。「出っ歯」に異常に反応する雪子の母のように、たぶんこの短編集のテーマの一つがそのような幼少期からのすりこみなんでしょうね。
あと、建築士という仕事をしていたことはtoukaさんに指摘されるまで忘れていたのですが(読み直したら確かにそうですね)、あの物語の中では特に意味のない(強いていうならば、彼女には仕事という選択肢もあったのだよという説明だけの)ものだと感じます。もちろん、読み方は人それぞれなんですけれど、そういう敢えてしなくても良い「説明」が多いところが、あの作品の惜しいところだと思います。

2006-08-10

[][] ゆれる

ichinics2006-08-10

監督:西川美和

良かった。面白かった。映画を見て、贅沢をした気分になれるっていうことは、そのスケールの大きさよりも、この映画にあるような「濃密さ」によるのだと思う。それは、脚本だったり、カメラワークだったり、その映画においての長所はいろいろあると思うのだけど、この作品に関していえば、その濃密さは役者の演技にある。もちろん「役者」にのめり込んで見せられるということは、それを支える演出のたくみさがあってこそなのだけれど、しかしとにかく面白い映画だった。

オダギリジョーさんは、色っぽい人だと思っていたけれど、こんなにも演技がうまい人だったんだ、と息をのんでしまったし、香川照之さんは好きな俳優さんで、演技もうまいひとだと思っていたけど、見ていて何度も裏切られてしまった。

二人とも、映画の中で、どんどん違う人に見えていく。説明もなく描かれる行動の、その理由は容易に想像できるのに、彼等の本心がどこにあるのか、すぐ見失って、疑ってしまう。二人の役者の真剣勝負を見る楽しさとともに、自分の「先入観」というものにも気付かされる、恐ろしい映画でもありました。

物語は、ある一つの「罪」をはさんで向かい合う兄弟のやりとりを中心に描かれるサスペンスです。そして都会に住む弟と、田舎に暮らし続ける兄の対比にも、はっとする場面が多くあり、お話の雰囲気はまるで違うけれど「犬猫」を思い出したりした。

正直、予告を見た段階ではまったく興味がわかなかった。友達と飲んでたときに、「ゆれる」見にいこうよ、といわれて、嫌だよ、と即答したのを覚えてる。それはたぶん、「オダギリジョー映画」だと思ってたから(誘ってくれた友達はオダギリジョーさんのファンだった)だと思う。

でもいくつかのブログで評判が良いのを見て、見にいく気になったんでした。よかった。惜しいのはエンディングの曲かな。歌詞が直接的すぎて、なんだか違和感を感じてしまった。

[] サマソニ行動予定

今回は12日のみ。そろそろ行動予定を考えとかなきゃなと思ってるのですが、予想以上に見たいのが多くて困った。

11:00/HAWTHORNE HEIGHTS(マリン)エモ系メロディックパンクらしい。やっぱり開幕はマリンで見たいかなぁ。〜JOHNNYBOY(マウンテン)に移動して65days〜を待つ。

11:50/65DAYSOFSTATIC(マウンテン) これは外せない。

↓ぶらぶらしつつ昼食。

13:55/PHOENIX(マウンテン) これも外せない。

↓セットチェンジにけっこう時間があるのでぶらぶらしたい。

15:00/RAPTURE(マウンテン)これは途中で切り上げる、かも。

15:50/マキシマム ザ ホルモン(アイランド) 混雑するだろうなぁ。のぞく程度でも。

16:00/Ink(アーバン) 元気があったら。

16:40/くるり(ソニック) これも入れるかなぁ。

17:20/SCRITTIPOLITTI(マウンテン)まさかサマソニで見れるとは!

17:55/KEANE(ソニック)好きです。

↓ここでシャーラタンズに残るか、魂を見にいくか…。連れはきっと魂っていうだろうなぁ。

18:10/ グループ魂(アイランド) しかし入場できる気がしない。

↓そしてラスト。

今のところは、FLAMING LIPSを見るつもりだけど、メタリカもみてみたいし…ダフトパンクも…。タイムテーブル見ると、メタリカが18:40〜21:00まで時間とってるんですけど、これどういうことなんだろう?

[][] HELLSING1〜8巻/平野耕太

そういや途中(4巻くらい)までしか読んでなかったのを思い出してようやく。少佐の名台詞でおなかいっぱいになってしまっていたんだけど、なんかすごい面白いことになっていた。面白いとしかいいようがないので、特に書くことなんてないのだけど、とりあえずペンウッド卿の最期の台詞「嫌だ!! そんな頼み事は聞けないね!!」でなんかのスイッチが入ったことはお伝えしておきます。眼鏡老紳士なんていってる場合じゃないです。

それから7巻の、ベルナドットさんの最期の台詞でなんかもうねぇ。いや、その少しまえの「だったら好き好んで戦って死ねや!!」ってのもよかったな。

ところでこれは、完結に向かってるのだろうか??

HELLSING 6 (ヤングキングコミックス)

HELLSING 6 (ヤングキングコミックス)

throwSthrowS 2006/08/10 00:58 こんばんは、『惜しいのはエンディングの曲かな』あー、ホントにそうでした。「あーそうなのかぁ・・・」って、ホッとはするんだけど、あんまりホッとして安心(?)するのを楽しむ映画でもなかったし・・・どうもおじゃましました。

IMAOIMAO 2006/08/10 01:55 西川美和は本当に鋭く、えぐい人間描写しますよね^^
男だとああは厳しくなれない、って気がします。

ichinicsichinics 2006/08/10 03:32 throwSさんこんばんは。いつも日記楽しみにしてます。「ゆれる」が好評だった…って脳内にインプットされたのにはもちろんマトモ亭さんの記事も含まれておりました。で、やっぱりあのエンディング、え、そんなのんびりムードの映画だったっけ? って違和感ありましたよね。なんだかあそこで我に返ってしまったというか…。

ichinicsichinics 2006/08/10 03:33 IMAOさんこんばんは。西川美和さんの映画を見るのは実はこれが初めてなんです。でも、そうですね、たしかに「えぐい」というか、見る人にこう迫ってくるところがある映画でした。特に橋の上の香川さんの演技なんて、ただそれだけで謎として生きていて、しばらくあの顔が忘れられなそうです。それから、IMAOさんも書かれてましたが、導入部でのさり気ない説明の仕方なんて、ほんとに巧みでしたね。

ShipbuildingShipbuilding 2006/08/10 07:46 こんにちは。「ゆれる」は、おにいちゃん的ふられかたの経験者にはたまりませんでした。そんでサマソニ。けっこうダブっているので、どこかですれ違うことかもしれません。ちょっと年齢に不適切なもっさい♂がいるよ。と思ったらわたしです。たしかに最後どこにいくかで迷いますが。そうかあ。魂とkeaneもだぶっているのですね。迷子にならないよう。わたしも予定をきちんと作ろう。午前からお昼ころまで知っているバンドが全くないのも気にしない。

ShipbuildingShipbuilding 2006/08/10 07:53 そうそう、メタリカはそのままの時間かもう少し長くやると思いますよ。だってメタリカなんだもの。

xavi6xavi6 2006/08/10 08:37 メタリカ!メタリカ!メタリカ見ましょー!フェスのトリでのメタリカはきっとすごいはず。確かにリップスも見たいけど・・・。

ichinicsichinics 2006/08/10 22:38 Shipbuildingさん、こんばんは。Shipbuildingさんの「ゆれる」の感想、とても良かったです。香川さんのあの笑顔は、美しかったですね。こちらの目の中にまで、刻み込まれるような気がしました。それから、サマソニ年齢制限のお話も(笑)どこかですれ違いそうですね。こっそり楽しみにしています。メタリカ、このままでも二時間くらいありますよね。通常公演なみだ。すごいなぁ。

ichinicsichinics 2006/08/10 22:39 xavi6さん、こんばんは。やっぱメタリカですか。や、実は最初はリップスのつもりだったんですけど、xavi6さんの日記を読んでから心が揺れてしまって、この行動予定表を書いたんですよ(笑)でもリップスで風船見たいし、連れはダフトパンク行くって行ってるし、迷います。でもメタリカ体験したいので、とにかくエンディングはメタリカで過ごすつもりです!

2006-08-09

[][] マンガは哲学する/永井均

マンガは哲学する (講談社プラスアルファ文庫)

マンガは哲学する (講談社プラスアルファ文庫)

面白い本だった。読みはじめたらとまらなくて、明け方まで読んで、翌日中には読み終えてしまった。

漫画好きな人への哲学書というよりは、哲学好きな人への漫画考察書という意味合いの方が強いので、この本で紹介される哲学的な問題の糸口については、あまり深く掘り下げられない。あくまでも入り口が示されるだけなのだけど、これはきちんと永井均さんの哲学書になっている。とにかく私はほんと、この人の哲学が好きみたいだ。

でも、この本を読むには、紹介されている漫画を読んでからの方が良いと思います。基本的にネタばれは避けようとしているみたいだけど、やはりどうしてもネタばれしてしまう部分はあるし、予備知識もなく「漫画を読んで感じたこと」が自分の中にあった方が、自分の考えとの比較もできて面白い読書になると思う。参考までに、紹介作品の一覧をメモしておきます。(下に畳んでおく)

個人的にはかなり好みど真ん中の作品ばかりでうれしかったし、紹介作品が好みにあっている人には、ぜひこの本もおすすめしたいです。

哲学とは、要するに、なぜだか最初から少し哲学的だった人が、本来のまともな人のいる場所へ―哲学をすることによって―帰ろうとする運動なのだが、小さな隔たりをうめようとするその運動こそが、おうおうにして深淵をつくりだしてしまうのである。p106

気になったところ

高橋葉介さんの「壜の中」を紹介しているところで、面白い部分があった。

この作品は、文学的に解読すれば、少年がそれまで壜の中にこもっていた少女の自我を解放し、少女がこれまでの殻を破って新しい自分になっていくお話として読むこともできる。「壜」を文学的シンボルと見るような、その種の文学的な読みが私はきらいである。p78

なるほど、文学的な読みというのはそういうことをいうのか、と思った。ここでのそれは隠喩や暗喩にちかいものだと思うけれど、それは、基本的には読み手次第のものであって、「これは〜の意味である」断言することには違和感がある。国語のテストでよくやらされるような気もするけど、それは共通事項じゃないんだよね、共通することのほうがずっと不思議。ただ、隠喩的な読みならこの本の随所にみられるし、後半の「鉄コン筋クリート」の読みなんて、ちょっと感傷的ですらある(でもそれがいい)。もしかして永井均さんは「文学的」に何かうらみでもあるのかしらとちょっと思う。いや、隠喩や暗喩だけが「文学的」ということじゃないんだろうけれど。

諸星大二郎さんの「夢みる機械」を扱っている箇所も面白い。

ここでロボット的というのは、決まりきったルーティーン・ワークをこなしていく人のことを指しているのではなく、もっと広く、社会的に意味のあることをしようとする人を意味している。そして、そういうロボット派の人々のおかげで、この社会は維持されているのだ。感謝感激というほかはない。p112

さすがだなー、と思ってつい笑ってしまった。「夢みる機械」を読んだことがある人には、ここでの永井均さんの考察が面白く感じられるんじゃないだろうか。

火の鳥 異形編」に触れているところも興味深い。私が私に殺されるという運命を背負った人の人生とは、どこからどこまでなのだろうか? 高校生の私が、ある老人を殺し、そしてそのある老人とは、後にタイムマシンを発明し、高校時代の自分に会いにきたのだとしたら? 私と私が出会う時、なぜ「いま」が私なのだろう? こういう疑問について、考えることを「非現実的だ」という人もたくさんいると思うけど、現実的って何だろう。もちろんそれを善悪でわけるなんてことはないんだけど「自分会議」のところではこう書かれている。

私はなぜ、九年後や、二十三年後や、三十三年後の自分のために、いまの自分の利益や幸福を犠牲にしなければならないのだろうか。

(略)

道徳や法律というのは、要するに、他人の利害を将来の自分の利害に換算するシステムなのではあるまいか。p154〜155

この本の最後に紹介されるのは「スターダストメモリーズ」の第六話「セス・アイボリーの21日」だ。このお話には、セス・アイボリーのクローンが登場するのだけど、ある理由で彼女の「生まれた意味」はあらかじめ定義されている。

つまり、われわれの人生は二代目セス・アイボリーのように充実してはいない。そして、この充実の欠如こそが、われわれにとって、意味ある生の成立条件なのである。p248

生まれた意味も、生きる意味もなく、存在しているということ。その満たされなさこそが、実は「意味のある生の成立条件なのである」ということだろうか。

満たされないということは、実はとても幸せであるという感覚に近いと思う。しかし人は役割や定義を求めるものでもある(ような気がする)。あらかじめ決められているものではなく、それは自分で選ぶものだ、というかもしれない。しかしそこに違いはあるのだろうか? 神の視点をおく、ということは、そこに違いを認めないということだ。

うーん人間って不思議だな。

文庫版あとがきによると、永井均さんは、この本を書いた後、『転校生とブラック・ジャック』『倫理とは何か』『私・今・そして神』を書き、この三冊を「私自身にとって、やっと果たせた新たな飛躍の記念すべき三部作、というべきもの」と書いている。

確かに、私がこの本の至る所に巻かれている種のようなものになんとなくその先を想像できたのは『私・今・そして神』を読んでいたというところが大きいと思う。なので早速『転校生とブラック・ジャック』『倫理とは何か』も、読まなきゃなぁと思っています。その前に、と思っているのもいくつかあるんだけど。

『マンガは哲学する』にて紹介されている作品一覧

知らないで読みたい人もいるかもしれないので、一応畳みます。

続きを読む

[] ひぐらしのなく頃に罪滅し編

13日の祭囃し編発売に備えて、解を、というか今「皆殺し編」をやっているのですが、そういえば「罪滅し編」の感想をメモするのを忘れていた。

まず、なんでこんなに進めるのが遅いのかというと、私が使っているMacではやれないため、妹のPCを間借りしているからなのです。でも、きっと長い年月かけてやってきた人には、私がひぐらしをやってた約半年は、きっともったいないくらい短いんだろうな、と、思います。

で、「罪滅し編」はというと、「目明し編」もすごかったけど、これも、もう傑作だと思う。目の前の謎と全体の謎とに夢中になる感じは相変わらず「面白い」んだけど、特に「解」までくると、それぞれのシナリオを読んできてるだけに、それぞれのキャラクターに感情移入してしまって、つい泣けてしまう。あの最初の、絵柄に違和感感じてた頃が懐かしいっていうか、富竹さんにすら違和感なく(失礼)登場するたびに「わーい、ひさしぶり」って感じで。

しかも今回は冒頭の「部活」がうまい具合に効いてて、やられたなぁ。そして何より「これで終わりじゃない」ってのが。

なぜこの感想を書き忘れていたことに気付いたかというと、上に書いた「マンガは哲学する」の感想を書いていたら、「火の鳥 異形編」で描かれていたテーマは、ひぐらしのそれと重なるような気がしたからだ。でもまだこっちの物語は閉じてない。だからこそ「祭囃し編」が楽しみな反面、それでほんとに終わりなのかと思ったら、少しさみしいような気分にもなる。

そして、それをリアルタイムでやるために、頑張って秋葉原行って、頑張って予約しなきゃ、と思ったんだけど、土地カンないので困った。ここくらいしか思い付かなかったんだけど、よく読んだら予約受付してないとのこと。池袋店…? 秋葉原よりは近いけどなぁ。池袋に行くか、発売日に秋葉原行ってみるか、迷い中。よく秋葉原行く弟に「どこいけば予約できると思う?」って聞いたら知らんといわれた。

michiakimichiaki 2006/08/10 01:16 http://www.akibablog.net/archives/2005/12/post_177.html
またこういうのを貼っていいのかあれですが、ここらの店は今回も予約受け付けてると思いますよ。どこもいまひとつ入りにくいかもしれませんが。

ichinicsichinics 2006/08/10 04:11 ありがとうございます。ほんと助かります(笑)サイト見てもよくわからないので、直接このへんのとこ行って訊いてみようと思います。でも「皆殺し編」の時の記事をいろいろ見てると、店頭でもとにかく「並ぶ」って書いてあって凹んでるんですけど。しかし秋葉原は、とにかく道に迷うというか同じ店がたくさんあって困ります。

michiakimichiaki 2006/08/11 02:31 この際1冊ガイドブックでも買われたらいかがですか(笑)。あきばお〜こく(あきばお〜2号店の地下)は、冬は他の店でまだ並んでるときも、もう列なくて普通に売ってましたね。ほんとは三月兎が空いてると思うのだけど店の場所を説明しづらいです。

ichinicsichinics 2006/08/12 01:54 日本のガイドブックなんて買いませんよー(というかそんなのあるんですか?)あいにく風邪ひいて予約はしにいけなかったんですが、上で教えていただいた二店舗の場所は調べたのでもうなんとかできるつもりになってます。あまい。や、でも楽しみです。

2006-08-08

[] 国民総自衛隊時代(という設定の夢)

大学を卒業すると同時に、自衛隊へ入隊することが「当たり前」という設定の夢。先日、小学校の時のサイン帳なんて見ていたせいか、出てきたのはみんな小学校時代の同級生だったが、設定は大学卒業時になっている。

薄暗い会議室のような場所に、卒業生みんなで集まっている。スクリーンに映し出される「入隊の心得」を鑑賞した後に、配属先が発表されることになっているのだが、みんな配属先のことが気になって、「心得」の間もずっとそわそわしている。

「心得」に映し出されているような近代的な設備の整った隊は都市部だけで、離島にある勤務地などでは、本当に戦争に行かされるとか、隊員が一桁しかいないとか、戸籍が消されるとか、いろんな噂が飛び交っていたのだ。だからこそ、それぞれ自分の希望する勤務地にいくために学生時代も勉学に励んできた(とされている)のだった。

クラス一番の成績だったAさん(本当に久しぶりに顔を思い出した。色が黒くて、美しく頭の良い少女だったAさん。今見るとララァに似ている)は、本部に勤務が決まる。振り返って見ると、すでにウルトラ警備隊のような制服を着ている。

私の隣に座っていたKくん(小学生の頃、ほんとに隣の席だった男の子。パソコンに詳しくて、かわいくてひょうきんな子だった。)は、高田馬場に決まる。「馬場にもあるんだ?」と私が聞くと、そこはシステム開発部なのだとのこと。Kくんらしいなと思う。

野球が得意だったYくんは広島。(広島からの転校生だったからだと思う)振り返って「久しぶり」と手を振る。(同じ大学だったはずなのに?)

どんどん勤務地が発表されていって、最後には全ての名前と勤務地の一覧がスクリーンに表示される。日本列島の形にそって、人名が並べられていく。

沖ノ鳥島」に誰かが決まった。「え、沖ノ鳥島に基地ってあるの? そんな面積あるんだっけ?」と私が小声でKくんに尋ねると、まあ要するに海上自衛隊のようなもので、基地自体はそこにはないんだよ、と教えてくれる。Kくんがメモ帳に書いてみせてくれた島の地図を見て、これはまるでカーリングのあれ(玉というかボールというか)じゃないか、と思う。

「私」がどこに行くことになったのかはよくわからなかった。とりあえず日本じゃないみたいだった。薄暗いままの部屋から、明るい室外に出ていく皆の背中を見送りながら、スクリーンのスイッチを切る。そして今回の卒業生は、誰一人として同じ勤務地に行く生徒がいなかったんだということに気付く。

「私」はあのカーリングの玉みたいな島が破壊されることを知っているみたいだった。そして、そこに行くことが決まったのが、自分の知り合いじゃなくてよかったと思っている。でも、ほんとにそれでいいんだろうか。いつかは広島や馬場だってあぶないかもしれない。本部に行くAさんはこのことを知っているんだろうか。

というもやもやしたところで目が覚める。なんだかなぁ。

[] 夕焼け

今日はすごい夕焼けを見た。青空のまんま、オレンジに染まってくような夕焼け

夜のフィルターがかかってない状態で光が近づいてくるから、ぜんぶがどんどん透明になっていくみたいだ。そんなものはどうでもいいと思うくらい暑かった昨日のことも忘れて、世界すごいなぁ、と思う。空なんかにはちっとも興味を払わないで携帯を見ながら歩く男の子も、コンビニで立ち読みしているおじさんも、通り過ぎる車から聞こえる歪んだサザンの音楽も、ちびっこたちの長い影も、みんな等しく下らなくて大事な感じがする。

ああいうの見ると、手もとにあるものなんて、もうどうでもいいんじゃないのかなって気分になる。

今日は携帯もカメラも持ってなくて、残念って思ってたんだけど、shokou5さんの日記に写真があって、うれしくなりました。ネットすごい。

http://d.hatena.ne.jp/./shokou5/20060808/1155058882

ichinicsichinics 2006/08/09 07:04 うわー、そんな、すごくうれしいです。私は地面からだったんですけど、shokou5さんの写真は視点が上のほうにあって、見晴しが良い場所なんだなぁと思いました。私が見ていた時間と、きっとおなじくらいです。すごかったですね。今年の夏中に、もう一回くらいはあんな夕焼けに出会いたいものです。

2006-08-07

[] なんにも手につかない

ichinics2006-08-07

これは、ちょっと、本気で、どうかと思う。というくらい暑い。

暑くて眠れず、強い陽射しに起こされ、寝不足のせいで、涼みに入った喫茶店ではうとうとし、電車は乗り過ごしてしまう。

もしかしたら、これがほんとの夏バテなのかもしれない。今までの夏バテは夏バテに憧れてただけで、ほんとの夏バテを知らなかっただけなのかもしれない。

というどうしようもないことをぐるぐる考え続けてしまうくらい、暑い。

雲はでかいし、影は濃い。田んぼの緑がまぶしい。そんなことを楽しんでいられる余裕がないくらいに暑い。

しかもなんだか食欲もなくて、野菜ばかり食べている。最近はゴーヤ。薄切りにして氷水にさらしたものを、適当に(おろしにんにく、みそ、しょうゆ、ごま油など)味付けしてサラダにする。シャキシャキしておいしい。さすが南国の野菜だ、と思ったけど海外にもゴーヤってあるんだろうか……なんて考えながら、またうとうとしてしまう。なんにも手につかない夏。

[] ビッグコミックスピリッツ 35号/ IKKI 9月号

書き忘れてた分

新連載情報
とうとう浅野いにおスピリッツにくる嬉しいなー! タイトルは「日曜、午後、六時半」。それから松本大洋さん新連載も! 以前読み切りで登場した永福一成さんとのコンビで「竹光侍」。楽しみだー!
超人ウタダ
山本康人さん新連載。久々にガンマみたいな主人公だな。掴みは上々。第一回でこれだけみせるってすごいなと思う。
ボーイズ・オン・ザ・ラン
鈴木さんの娘がかわいい。
美味しんぼ
またしてもポーランド料理。『豚の脂身を細かくきる。少量の水を沸騰させた鍋に入れ、肉の部分がぱりぱりになったら細かく刻み、鍋に戻し、塩胡椒して、そのまま放っておくとラードに。パンなどに塗って食べる』『生のジャガイモをすりおろし、ふきんに包んで絞る。タマネギのすりおろしとまぜ、卵、小麦粉を加えて交ぜ、ジャガイモの絞り汁の上澄み以外を加え(デンプン)塩胡椒してハンバーグ大にまとめて焼く。』漫画ではこれにシチューをかけて食べてるけど、じゃがいものお焼きみたいで美味しいかもしれない。
ハクバノ王子サマ
よく考えたら、コータローとタカコサマのもやもやだけでこの漫画は進んでるわけで、それってなんか、すごいなぁ。
闇金ウシジマくん
一難去ってまた一難。今度は瑞樹のストーカー登場。はんぱなくこわい。

 IKKI

ディエンビエンフー
「続き」じゃなくて、もう一度最初から完全版を、ということみたいで、展開はほぼ同じだけど書き直されている。
夜回り先生
「水谷はウザイくらい裏切らない」
恋愛人形/きづきあきら+サトウナンキ
ヨイコノミライ 完全版」発売記念の読み切り。「サプリ」が短編にまとまっている。「ヨイコノミライ」も読んでみようかなー。
まほおつかいミミッチ
やっと登場したパパはスケール果てしなくでかく、そしてしょぼい、と思った。
金魚屋古書店
「とってもしあわせモトちゃん」。萩尾望都の作品は結構読んだと思ってたけど、知らなかった。
ナツノクモ
やばい事態が。このひとは最初からこんなだったっけ…?
フリージア
佳境。ヒサエはどうなるんだろ。このキャラクターがいなくなるのは惜しいな。がんばってほしいな、と、思う。

[] American Idolにはまってる

FOX TVで放送されているオーディション番組「American Idol」になぜかはまっている。普段ほとんどテレビみないので、続けて番組を見るってのが久々。あさやんだって見てなかったのにねぇ、と思うのだけど、なんか面白くて夕食時には母親と夢中になって誰が優勝するだのあーだこーだ言っている。

予選が終わったとこから見始めたんだけど、こう、アメリカ広いなーとか、アメリカの一般人てこんなかーとか、だんだんあか抜けてくなーとか、そういうことも面白いんだけど、やっぱり見どころはみんな半端なく歌がうまいってとこ。そして審査員がいろいろ言うんだけど、選考は視聴者の電話投票で、これだ、と思った人が勝ち抜いていくのも面白い。

…って楽しみにしてたのに、つい出来心ではてな内を検索してしまったら、誰が優勝したのかわかっちゃったよ……。うわー!!ネットこわい。でも応援してた人が優勝したみたいなのでうれしいです。

2006-08-06

[] 今日はいちにち模様替え

今日は1日がかりでCD棚の移動と整理に明け暮れてました。アルファベット順かジャンル別か迷って、ジャズとクラッシック以外はアルファベット順に並べることにする。せめて3分の1くらいは処分したいんだけど、なかなか選べなくて困る。

作業中に、行方不明だったRCのCDが出てきたので、大音量で「トランジスタ・ラジオ」を聴いた。

最近はPCで音楽聴くことが多かったんだけど(夜は近所迷惑になるし)、久々にスピーカーで音楽かけたら、音がよくって感激した。音が違うってこういうことかって、久々に思う。

授業をサボッて 陽のあたる場所に いたんだよ

寝ころんでたのさ 屋上で

だばこのけむり とても青くて

いつだって私は、そんな男の子になりたいと思ってた。でも、それは「好きなタイプ」とは違ってて、そういうの、何なんだろうな。

[] 小6の書く「5年後」

今日の掘り出し物は小学校卒業時のサイン帳。サイン帳…。そこに「五年後の自分」という項目があってなかなか面白かったので羅列してみる。

女子

一番多いのは「高校生」という当たり前な回答。クラスで一番まじめだった子が「高校2年生」と書いてるところがさすがだな、と思いました。でも中には「中学生活をエンジョイしている」というのもあります。うん。エンジョイし過ぎちゃった。あとはクラスで一番もてた(と思う)子が「シンナー吸ってる」と書いていたのが気になりました。元気かしら。

男子

男子は「高校生」と回答してる人がひとりもいませんでした。それもすごい。いきなり「31」って答えです。「大工」って答えた彼が大工になれたのは知っているのですが、高校は卒業してたな。あとは「すてきなお兄さん」「かこいい人」「ちびでぶ」「生きている」「サイボーグ」などなど。一番笑ったのは「美女の部屋」。彼の椅子の裏にはチョークで「SEX」と書いてあったのを思い出しました。掃除の時椅子あげると見えたんだよね。元気かなぁ。

[] 自信喪失

ニンテンドーDS Lite クリスタルホワイト【メーカー生産終了】

ニンテンドーDS Lite クリスタルホワイト【メーカー生産終了】

やっとDS Liteを買いました。買えました。もともと持ってたDSは母親の誕生日に脳トレをあげたのに伴って失い既に半年です。

色は白。黒出るの待とうかなぁと思ったんだけど、紺色を買った妹が「指紋がつく」といってたので、白にしました。任天堂っぽくないデザインなのがちょっとさびしいですが、DSより画面が明るくて良いかも。

持ってるソフトは「どうぶつの森」と「マリオカート」だけなので、今回は一緒に「テトリスDS」と「えいご漬け」を買ってみた。

テトリスDS英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け

で、何が自信喪失かって、テトリスです。パズルゲームは得意なつもりだったのに(といってもドクターマリオマジカルドロップくらいしかやってないんですけど)、ちょう弱い。へたくそ。レベル10くらいまでしかいけない。COMと対戦だとレベル3でいっぱいいっぱい。こんなんじゃ通信したって誰にも勝てない…と思って悲しくなった。勝ちたい。

えいご漬け」の方は、いい加減に音楽聴いてて英語の歌詞がすんなりあたまに入ってくるくらいになりたい、と思って買いました。とりあえず、手書き文字認識の性能のすばらしさに感動している。楽しいです。でも、こういうの買うと、買っただけで頭良くなったような気がしちゃうのでいけないと思う(と自分に釘をさしておく)。

2006-08-05

[] ナツ100

「酔拳の王 だんげの方」さん(id:dangerous1192)の企画「ナツ100」。面白そうだったので私も選んでみました。選考基準は以下の通り。

連載が終了しているもの

連載中のものは20巻以上発行されている物

現在でも比較的手に入りやすい、読みやすいもの(古本屋とか、漫画喫茶などで手に入る、読める)

最低ラインは50個(100個選べない人用)

http://d.hatena.ne.jp/./dangerous1192/20060731/p1

ただ、これで選ぶと好きな作家のはきりがなくなっちゃうので、プラス『1作家1作品』&『短編連作以外は連載が終了しているもののみ』に絞ってみました。

すでに参加している人もたくさんいて、読みたい漫画が増えていきます。しかし集計が大変そう…。

 特別好きな作家(全作品挙げたいくらい)

1『絶対安全剃刀』/高野文子
『棒がいっぽん』と『黄色い本』も同じくらい好きなので迷う。好きな作品50とかだったら三冊とも確実に入れるなー。
2『いたいけな瞳』/吉野朔実
瞳子』と迷ったけれど、こちらに。吉野朔実さんの漫画はどれも好きです。
3『kiss+πr2』/くらもちふさこ
くらもちさんの作品もほぼ全て好きなので、最初に好きになったこの作品に。
4『ロストハウス』/大島弓子
1番好きな作家さんといっても過言ではないので選べない。今日の気分ではこれ。
5『はなしっぱなし』/五十嵐大介
『魔女』と迷ったけど、最初からすごかったよ、ということでこれ。
6『茄子』/黒田硫黄
大日本天狗党絵詞』と『大王』と『黒船』と迷った。でも短編が好きなので、これ。
7『ホテル・カルフォルニア』/すぎむらしんいち
『ALL NUDE』(短編集)と迷った。けど読んでて「すげぇえ」と思うのはこれかな。
8『宮本から君へ』/新井英樹
ザ・ワールド・イズ・マイン』と迷った。けどこれから完全版でるしな、ということで個人的に未完扱いにして宮本へ。id:ichinics:20060108:p2

 短編(1巻以内)/短編連作

9『童夢』/大友克洋
物語として一番完成度が高い作品はこれかなと思う。
10『ミノタウロスの皿』/藤子・F・不二雄 異色短編集
異色短編集、SF短編集、などいろんな形で出ているので一冊で選びにくいんだけど、強いてあげればこれかな。
11『長い道』/こうの史代
こうのさんはまだ全作品読んでないのですが、これは特別好き。
12『銀河ガールパンダボーイ』/かわかみじゅんこ
かわかみさんの描く少年少女が好き。
13『おひっこし』/沙村広明(の、竹易てあし名義)
沙村さんの短編が好き。や、『無限の住人』も好きだけど。id:ichinics:20050418:p1
14『天のテラス』/小椋冬美
初期の作品も好きだけど、この作品集は良い雰囲気だったな。
15『アクアリウム』/須藤真澄
水族館好きな人はぜひ。
16『フィラメント』/漆原友紀
蟲師』が条件満たさなかったので、という訳ではなく、とても完成度の高い短編集だと思います。個人的にもすごく好み。
17『リバーズ・エッジ』/岡崎京子
基本の基本。やっぱり面白い。
18『素晴らしい世界』/浅野いにお
今のところこの作品が一番好きだ。
19『残暑』/鬼頭莫宏
これは『僕らの』が入れられなかったので。『なるたる』も良いんだけど、個人的には長過ぎたって印象が強い。id:ichinics:20050626:p1
20『天女来襲』/清水玲子
清水さんは基本なんだろうなーと思うんだけど、長編は苦手。でもこの短編集に入ってる話はどれも好き。
21『愛すべき娘たち』/よしながふみ
『西洋〜』と迷ったけどこっち。id:ichinics:20050715:p1
22『村野』/坂田靖子
坂田靖子さんは不思議な作家さんだなーと思う。
23『水鏡綺譚』/近藤ようこ
近藤ようこさんの今のところの代表作かな。なぜか杉浦日向子さんとイメージがかぶる。
24『南くんの恋人』/内田春菊
名作だよなーと思う。もうこういう漫画は書かないのかな。
25『ビューティフルワールド』/やまだないと
友達いわく「エロ過ぎる」らしいやまだない作品、の中ではエロ少なめの名作。映画みたいだ。こういうセンチメンタルな話好きなんです。
26『百日紅』/杉浦日向子
漫画家としての作品は少ないですが、名作が多いと思う。
27『ほしのこえ』/佐原ミズ×新海誠
佐原ミズさんの絵が好きっていうのもあるんだけど、このお話はある種の「総決算」のようなものに感じる。id:ichinics:20050315:p2
28『篠房六郎短編集』/篠房六郎
MMORPGものは自分がやってないのでいまいちのりきれない部分があるんだけど、絵もお話も才能ある漫画家さんだと思う。「やさしいこどものつくりかた」が入ってるこれを。id:ichinics:20051224:p1
29『F氏的日常』/福山庸治
「がむらかん」と迷った。福山庸治作品は読むたびにすごい!と思う。
30『彼方より』諸星大二郎自選短編集/諸星大二郎
諸星大二郎さんも短編が好き。基本。
31『遠藤浩輝短編集』/遠藤浩輝
青いし気恥ずかしい部分もあるんだけど、良い。
32『こさめちゃん』/小田扉
『そっと好かれる』とかなり迷った。
33『凪渡り』/高浜寛
かなり期待してる作家さんなので。id:ichinics:20060620:p1
34『ねじ式』/つげ義春
読んでおいて損はない。

 中編(5巻以内)

35『レベルE』/冨樫義博
冨樫せんせいの天才っぷりがよくわかる。
36『笑う大天使』/川原泉
川原泉は好きな作品多いですが、やっぱりベストはこれかなぁ。
37『ペット』/三宅乱丈
おもしろい!
38『鉄コン筋クリート』/松本大洋
世界観、美術、キャラクター、全てがバランス良く素敵な作品。『GOGOモンスター』かこれがお気に入り。
39『ヒミズ』/古谷実
考え込む。id:ichinics:20050917:p1
40『拡散』/小田ひで次
画面がすごい。
41『プラネテス』/幸村誠
すばらしい。
42『アトモスフィア』/西島大介
西島大介さんの魅力は未だにうまく説明しづらいんだけど、1作品選ぶならこれ。
43『THE END』/真鍋昌平
『闇金ウシジマくん』が選べなかったのでこれを。
44『あずまんが大王』/あずまきよひこ
よつばと!』が選べなかったのでこれを。私は大阪さんがすきです。
45『ありがとう』/山本直樹
山本直樹はすごいです。が、人にすすめづらいです。『ビリーバーズ』と迷った。
46『トーマの心臓』/萩尾望都
基本。SFものも好きなんだけど、手もとにないので。
47『まるでシャボン』/岩館真理子
岩館真理子さんは、好きなんだけど、話がよくわからないことが多かったりする。
48『孤独のグルメ』/久住昌之×谷口ジロー
なんか好き。
49『座敷女』/望月峯太郎
望月さんは長くなると話がよくわからなくなる気がする。
50『ヤサシイワタシ』/ひぐちアサ
いろんな意味ですごい。名作。
51『サユリ一号』/村上かつら
『ヤサシイワタシ』とあわせて。
52『ルサンチマン』/花沢健吾
面白かったし、影響力もあったと思う。
53『国民クイズ』/杉元伶一×加藤伸吉
設定が面白い。
54『アドルフに告ぐ』/手塚治虫
手塚治虫はどれよんでも満足できるんだけど、一番印象に残ってるのはこれかなぁ。あとはユニコとW3が好きです。
55『自虐の詩』/業田良家
4コマ漫画は苦手なんだけど、これは名作だと思う。
56『花田少年史』/一色まこと
泣いたなぁ。id:ichinics:20050203:p2

 長編(6巻以上)

57『ジョジョの奇妙な冒険』/荒木飛呂彦
私の脳内の数パーセントはジョジョでできてると思う。
58『ヨコハマ買い出し紀行』/芦奈野ひとし
好きな人にはすすめたい。id:ichinics:20060712:p1
59『漂流教室』/楳図かずお
いつかちゃんと全作品読みたい漫画家。長編苦手なのでつい先延ばしになっちゃうんだよな。
60『SLAM DUNK』/井上雄彦
スポーツもの苦手でも、面白いって思える。傑作。id:ichinics:20060503:p1
61『日出処の天子』/山岸涼子
名作少女漫画。未読の方はぜひ。
62『鉄腕ガール』/高橋ツトム
傑作だと思う。おすすめ。
63『勇午』/真刈信二×赤名修
よくできてる漫画。おもしろい。
64『MONSTER』/浦沢直樹
浦沢先生で選ぶならこれかなぁ。id:ichinics:20050619:p1
65『DEATH NOTE』/小畑健×大場つぐみ
なんだかんだいって名作。連載開始したばっかりの頃の興奮は久々だったな。
66『すごいよ!マサルさん』/うすた京介
ジャガーが選べなかったので。
67『寄生獣』/岩明均
これはすごい。
68『HEN』『変』/奥浩哉
この漫画が好きなんだよ!ガンツより好きだよ!最終回泣いたよ!奥さんは短編集も良い。
69『風と木の詩』/竹宮恵子
名作少女漫画。最終巻読みながら号泣した。セルジュ派です。
70『BANANA FISH』/吉田秋生
正直終盤は失速ぎみだったと思うけど、やっぱり名作。
71『papa told me』/榛野なな恵
これはまだ完結してないんですが、1話完結スタイルなので、どこからでも読みはじめられる。大好きです。
72『動物のお医者さん』/佐々木倫子
面白い。佐々木倫子さんは書き文字がいいですよね。
73『ダークグリーン』/佐々木淳子
名作SF漫画。この人もいつか全作品読みたいと思ってるんだけど、なかなか手に入らない。
74『CIPHER』/成田美名子
アメリカを舞台にした双子もの。今手もとにないんだけど、小学生〜中学生の頃大好きだった。
75『ハチミツとクローバー』/羽海野チカ
連載終了したので入れてみる。
76『げんしけん』/木尾士目
これも連載は終了しているので。木尾さんは『五年生』とかもいいんだけど、読みやすいのはこっちかな。
77『はみだしっ子』/三原順
名作少女漫画。絵柄は苦手だったけど、読みはじめると引き込まれる。
78『花とみつばち』/安野モヨコ
面白かったなぁ。
79『蒼天航路』/王欣太×李学仁
曹操を軸に描かれた三国志。最初に読んだ三国志漫画がこれだったので、曹操ひいきになりました。
80『封神演義』/藤崎竜
弟が大好きですすめられて読んだ。面白いです。
81『機動警察パトレイバー』/ゆうきまさみ
アニメ(しかも劇場版)から入ったんだけど、すごい好きだったなぁ。ここからメカに抵抗なくなった。
82『BAMBI』/カネコアツシ
絵ばかりが印象に残るけど、脚本が凝ってる漫画家さんだと思う。id:ichinics:20050601:p3
83『賭博黙示録カイジ』/福本伸行
読むと何かへこむんだけど、面白い。基本。
84『風の谷のナウシカ』/宮崎駿
名作。ナウシカはこっちよんでからアニメ見ると印象が変わる。
85『ゲゲゲの鬼太郎』/水木しげる
小学生の頃は妖怪にはまってた。
86『哭きの竜』/能條純一
翔丸と悩んだ。
87『逮捕しちゃうぞ』/藤島康介
女の子のタッグものが好きだったんです。ダーティ・ペアこれももしかしてピンクレディなのかな?
88『電影少女』/桂正和
とにかくかわいい女の子がでてくる漫画が好きだった時期があった。
89『らんま1/2』/高橋留美子
実は高橋留実子先生苦手なんですが、やっぱ一作品は挙げておきたくなる。らんまはアニメも見てました。読めばどれも面白いんだけどなぁ。
90『タッチ』/あだち充
そしてあだち充先生も実は苦手。でも読めば面白いんだよなぁ。
91『DRAGON BALL』/鳥山明
さらに実は鳥山先生も苦手なんだけど…でも面白いんだよなぁ。
92『あさきゆめみし』/大和和紀
古典の勉強になると思って読みはじめてはまるってパターンが多いんじゃないでしょうか。
93『花のあすか組』/高口里純
23区戦と蘭塾塾編が面白かった。
94『ベルサイユのばら』/池田理代子
名作少女漫画。『オルフェウスの窓』と迷ったんだけど、あっちは終盤にかけて失速するのでこっちを。こういう劇画大作って読んではずれは少ない。
95『聖闘士星矢』/車田正美
12宮編までしか読んでないですが(ごめんなさい)すごい好きだった。熱い。自由帳に聖衣の絵とか書いてた小学生でした。うん。
96『最終兵器彼女』/高橋しん
「いいひと」のときは、あんまり好きじゃなかったんだけど、これは面白かった。
97『編集王』/土田世紀
土田先生はいつも熱い。
98『サバイバル』/さいとうたかを
いろいろ衝撃を受けた。
99『巨人の星』/梶原一騎×川崎のぼる
同じく梶原一騎原作の「あしたのジョー」と迷ってこっちに。熱い。
100『キャンディ・キャンディ』/いがらしゆみこ
私が最初に惚れたメガネ男子はステアだと思うよ。

 * * *

選ぶの以外と大変だった…。たぶん忘れてるのもたくさんあると思います。

思い出す過程で、自分は長編漫画より短編の方が好きなんだなーということに気付いた。長編でも、10巻程度にまとまってるものの方が好きな作品が多いかも。集計楽しみにしてます。

toukatouka 2006/08/06 07:54 「私がLです」
やっぱすごかったですよねー。連載が終了したというのでまとめて2部を読もうと本屋に行ってみたらどこもかしこも2部だけ売り切れ…。みんな考えることは同じなのか。

お勧め漫画、重なりながらも微妙にずれてる部分がなんとも面白いですね。ほとんどが「どっちにしようか?」と考えこんで選ばなかった作品(笑)。

影響を受けたのは「いたいけな瞳」だけど、一番すきなのは「恋愛的瞬間」かな。最近になって読み始めたよしながふみは「フラワーオブライフ(完結してないけど)」か、「愛が無くても喰っていけます」、あとハッピーマニアとアラベスク。

toukatouka 2006/08/06 10:20 一通り見てまわったのですが、あらゆる人が「あずまんが大王」を推薦してるように感じました。
久しぶりに4巻を読み返してみたら涙ボロボロ、鼻かみまくり。「ドモホルンリンクルを作る人」などが、当時リアルタイムで高校生だった(中学生だった)世代の人たちに与えた影響を想像すると、手を合わせて拝みたくなるような気持ちになります。

ichinicsichinics 2006/08/07 03:28 toukaさんこんばんは。微妙にずれてますか(笑)
あ、でも「フラワーオブライフ」が条件満たしていれば私もそっちだと思います。あと、なんとなく、私は女が主人公のものより、男が主人公のものの方に弱いみたいです。「花とみつばち」「kiss+πr2」とか「日出処の天子」とか。なんでなんでしょう。
機会があればtoukaさんのナツ100(のようなもの)も知りたいです。
「あずまんが大王」はほんとに各所で推されてますね。私もこれ書く際に読み返してしまいました。大阪さんには名言(?)が多いですよね。

2006-08-03

[] ヨロンヨロン束芋@原美術館

やっと行ってきました。楽しみにしてた束芋展。

入ってすぐのところに、新作「真夜中の海」を覗ける小部屋がある。が、よく見えず、そのまま進むと「にっぽんの台所」。以前オペラシティで見た「にっぽんの御内」と台所の場面がかぶっているけれど、「にっぽんの台所」で見るのははじめて。その隣のブースでは小さな画面でいくつかの作品が見れる。混雑していたので、まだ実物を見たことのない「にっぽんの通勤快速」と「怪談」(だっけ?)だけ見る。青い鳥が画面にぶつかる場面が好きだ。2階にあがる途中には、「真夜中の海」を俯瞰できる場所があり、もう一度見直す。2階で展示されていた「公衆便女」と「hanabi-ra」は初めて見る。その後、日没を待って、1階奥のスクリーンで「ギニョラマ」を見て終了。

「にっぽん」シリーズは、今見ると、ひと昔前の「にっぽん」だな、と思うところもあるけれど、このじめじめとしているのに乾いた感覚はやはり束芋ならではだと思う。空から中学生が降ってきて、政治家は回り、父さんは首を切られる。「にっぽんの台所」が作られたのが1999年だったことを思うと、ゆるやかに沈んでる感じがする。

初めて見た「公衆便女」と「hanabi-ra」はこれまでと同様に浮世絵の色を使い、物語を描いた束芋らしい作品だった。特に「hanabi-ra」が気に入った。体の中を動く鳥と魚の感触がいい。おちが通勤快速と似ているんだけれど、質感が違うのが面白い。

「真夜中の海」は波間に浮かぶイメージが幻想的なアニメーション作品。絵柄のタッチが少しかわったのかなと思う。「ギニョラマ」は手のイメージを組み合わせたアニメーションで、物語を想像させない束芋としては珍しいインスタレーションだと思った。

新作をいくつか見て感じたのは、束芋の初期作品のモチーフとなっていた「にっぽん」への違和感や風刺のようなものが影をひそめているということ。抽象的な描写と、新たなモチーフの獲得と、どちらにすすむんだろう?

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[] コーラス9月号/ハチミツとクローバー最終回

今回はなんと言ってもハチクロの最終回につきる。読み終わるまで、最終回ということを知らないで読んでいたんだけど、つい、うっかり、泣いてしまった。もう長いこと終わるぞ、終わるぞってオーラを感じながら読んでいたので、覚悟なんかとっくの昔に出来ていたんだけど、予想以上にグっときてしまった。ネタばれはしないけれども、一つだけ。この漫画はやっぱり竹本が主人公なんだってわかって、それがなんだかぐっときた。

君のいない楽園
番外編「一筆申し上げます」。最終回後のそれぞれの様子をダイジェストでお送りしますという印象の話だった。
横濱キネマ・シーナリー
和田尚子さん読み切り。「横浜の夜景は恋人達に魔法をかける」なんていう台詞がすごい。来週は誤解がとけてハッピーエンドだな。
涙成分配合目薬
榎本ナリコさんのシリーズ最終回。最終回が一番好きだ。
空の箱庭
河内遥さん新連載。うまい!って訳じゃないんだけど、好きな絵。ただ、絵柄とお話の内容にギャップがあるような気もするなぁ。あまり重い話にならないでほしい…。
たまちゃんハウス
春々が主人公の回。春々が弟子入りしようと思ったのは実は別の師匠だった…というお話で、いつもながらにいい。だんだん春々が格好よく見えてきた。

[] どんどん忘れていく

バランスをとるのって難しい。期待するものとされるもの、期待されるものとするものが噛み合ないことのほうが、たぶん多くて、だったらできるだけ、期待しない方がいいなぁと、いつからか思うようになった。

それは別にあきらめているということでもなく、誰も好きじゃないということでもなくて、ただ、期待することと、好きでいることを別にしておきたいだけなんだけど、そうすると、次第に相手にもそれを期待してしまいがちになる。矛盾してる。

けど、距離を測り損なったというだけで、せっかく好意を持った相手を恨んだりしたくはないし、返せないということで恨まれるのも悲しい。

だから常に鈍感に振舞いたい、なんて思うのも、じゃあそれは本気じゃないってどこかで気付いてて、まあ、つまり最初から天秤に乗っていなかったんだ。だってどんどん忘れていく。

2006-08-02

[][] バス男(Napoleon Dynamaite)

監督:ジャレッド・ヘス

バス男 [DVD]

バス男 [DVD]

山崎まどかさんの日記(http://d.hatena.ne.jp/./saltwatertaffy/20050508)で知って、いつか見ようと思っていた映画。安かったので買っちゃった。邦題は確かに最低で、パッケージとかもひどいけど、面白い映画だった。

内容は、冴えない主人公ナポレオン・ダイナマイトの日常を、ゆるーく描くという、ほぼそれだけ。ショートコントが連発されるような脚本で、その押さえた笑いはたしかにウェス・アンダーソン監督のタッチを彷佛とさせるとこがある。個人的にはもうちょっとテンポ良い方が好きだけど、評判良いのもなるほどなーと思いました。ラストシーンのカタルシスは「ハイ・フィデリティ」を見たときのジャック・ブラックに近い。主人公が特にがんばるとかいいやつになるとかそういうんじゃなく、ただそのまんまなところが良かったです。しかしポケットにポテト入れるのはやめてくれと思った。隣の席の奴が「くれよ」って言ってたけど、ポケットに入ってたんだぜそれ。

この映画はアメリカで大ヒットしたらしいんですけど、たぶんアメリカで暮らしてる人だったらもっと面白いんだろうなって場面も多かったのがちょっと残念。あと、ナポレオンが何考えてるのかがよくわからないんだよなぁ。多分眼鏡ごしで目がほとんど見えないせいだと思うんだけど、あたらめて目って大事だなーと思った。眼鏡なかったら格好いいんじゃないのこの人、と思って役者さん(ジョン・ヘダー)の名前で検索してみたらほんとに普通に格好良いひとだった。歩き方で印象ってずいぶんかわるんだな。

個人的には、写真屋の女の子のファッションが見どころでした。80年代のダサさを凝縮した感じで、今見るとないよなーと思うんだけど、かわいいの。寺島しのぶさんに似ている。兄さんの彼女はしずちゃんに似ている。

[][] クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険

監督:本郷みつる

映画 クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険 [DVD]

1996年に公開された「クレヨンしんちゃん」の劇場版4作目。

ヘンダーランドという遊園地を舞台に、しんちゃんが悪い魔法使いと戦うお話。

見どころはまず古川登志夫さん演じるス・ノーマン・パー(雪だるま)の弁舌。胡散臭く恐ろしく、でも魅力的なセールスマンて感じのマシンガントークが楽しい。上手いなぁ。

それからラストのアクションシーンを中心としたヘンダーランドの背景美術がすばらしかった。これは設定デザインの湯浅政明さんならではの世界観だなーと思う。

最近のクレしん映画に比べるとシンプルすぎて少し物足りない気もしますが、やっぱり面白かった。

ichinicsichinics 2006/08/07 03:16 わんこうさんこんばんは。はじめまして。
そうですかー。私はいちおう女なので、おっぱいにはあまりそそられないのですが、しんちゃんのおしりに見なれてるので、あんまりそのシーンは印象に残りませんでした(笑)むしろ雛形あきこさんのほうが繰り返しのせいか印象にのこっております。
でも「ヘンダーランド」は名作ですよねー。

2006-08-01

[] 海に行く

早起きして、海に行く。友達の車で、朝イチで作ったCDをかけながら、葉山に着いたのは11時頃。晴天、というわけじゃないけど、そこそこのお天気で、パラソル立てて、早速乾杯。誕生日ということでヴーヴさんのロゼをごちそうしてもらいました。うまーい。かわいいー(何が)。ちょっと飲んだら小腹がすいてきたので、oasisでご飯、ここはいつかライブやってるときに行ってみたいと思ってるんだけど、毎回めぐり合わせがわるく、ご飯だけ。でも、ああいう気持ち良い場所で、海見ながらぼーっとしてると、タイのパンガン島行ったときのことを思い出す。宿の近所に一軒しかない食べ物やさんで、店員の女の子の恋話を聞いた。あれは何語で話していたんだろう。覚えてるのは彼女のワンピースの黄色と、おごってくれたハチミツドリンクが甘すぎてむせて、笑われたことと。

食事のあと、友達たちはみんな泳ぎはじめたのだけど、私はなんだか眠たくて、横になってしまう。眠りに抵抗しているときの、体中がふわっと浮き上がるような感覚がこそばゆい。パラソルのふちについたひらひらが、ひらひらしている、なんて思って、次に目が覚めたら、友達たちの背中がすぐ横にあった。好きなひとの話をしている。女の人は、いつも好きな人の話をしている。私はまた目を閉じて、このまんまもう目は覚めないぞ、と思ったのだけど、次に目が覚めたらシートが半分になっていて慌てておきる。つい先ほどまでパラソルに覆われていたはずの浜辺には、もう海までの視界を遮るものはない。「どのくらい寝てた?」と訊いたら、みんな笑っていた。

[] S.F.sound furniture/capsule

最新アルバム「FRUITS CLiPPER」が良かったので、そもそもの出会いであった「ポータブル空港」が収録されているこのアルバムを聞いてみた。

S.F.sound furniture

S.F.sound furniture

「FRUITS CLiPPER」を聞いたときにピチカートっぽいと思ったのだけど、このアルバムはさらにピチカート色が強く、capsuleのもともとの路線はこちら側にあったのかもしれない。新作で目立ったハウス色はほとんどなく、どちらかというとフレンチポップやボサノヴァっぽい音づくり。古き良き渋谷系(?)というか。個人的にはあまり好みのアルバムではなかったけど、逆にこのあたりが好きな人には新作はだめだったのかもしれない。

私がcapsule及び中田ヤスタカ関連のどこに惹かれるかというと、たぶんゲーム音楽っぽいとこなんだと思うけど、新作がレースゲームや塊魂っぽい雰囲気なのに対して、今回の作品はコナミワイワイワールドっぽい印象。って考えたらそれもいい気がしてきたけど、違うな。

それでも「S.F.sound furniture」というタイトルをコンセプトとして仕上げられた物語はかわいらしく、そのまま映画のサウンドトラックになりそうでわくわくする。

このアルバムはperfumeでいうとちょうど「モノクロームエフェクト」の頃みたいで、そう考えると音づくりの変化は中田ヤスタカさんの変化なんだなと思う。基本的にミディアムテンポの音づくりの頃だったみたいだ。個人的にはもっと勢いがある電子音満載曲が聞きたいので「リニアモーターガール」と同時期にあたる「L.D.K Lounge Designers Killer」は聴いてみようと思う。

ところでperfumeのアルバムがいよいよ発売になる*1のですが、曲順見たら知らない曲(シングルで出てない(たぶん)曲)が2曲しかないのが残念で、買うかちょっと迷う。あーだからベストなのか…。

[] 私がその質問にこだわる理由はたぶんこれ

ちょっと前に読んだ「マンガは哲学する」(ISBN:4062568721)で、ちょっと興味深い話があった。永井均さんが通っていたキリスト教系の幼稚園での出来事で、永井さんがやったいたずらのぬれぎぬを、なんと真犯人を知っている永井さん以外の全ての生徒から、着せられたケンジちゃんという少年についての思いで話の下りだ。ヒトシ(永井さん)とケンジを呼び出した先生が真犯人を知った後でのこと。

先生はつぎに、嘘をついた子どもたちを集めて「ケンジちゃんではなくヒトシちゃんがやったことだったのに、なぜケンジちゃんがやったのを見たなどという嘘を言ったのか」という詰問を開始したのである。私はこのとき、少なくとも嘘をつかなかったことによって、自分が彼らよりも道徳的に優位にあると感じた。そのときの感じが「神さまにゆるしてもらえる」というよりはむしろ「ほめてもらえる」だった。たぶん、ケンジちゃんはなおさらそうだったにちがいない。

「マンガは哲学する」p193-194

どうなのかなこれ、宗教、特にキリスト教に触れたことがない人には「えー」と思うようなことなのかもしれないけど、私がなれ親しんで、抜け出したいと思った感覚がまさにこれだ、と思い、なんだか参る。

私の家は、両親ともにクリスチャンだ。といってもかなり「ゆるい」クリスチャンなのでそう称したら怒られそうだけど(だって今では教会すら行っていない)、私が幼い頃は両親も気合いが入っていた(長女だからだと思う)ため、小学校低学年くらいまでは毎週日曜日には日曜学校に通っていた。

子供だった私の理解するキリスト教の構図とは、漠然と信仰に対する報酬/信仰しないことに対する罰、ということだった。報酬は手に入れたいものであることに疑いはなく、死の瞬間が何かの試験であるかのような印象を受けた。その辺りのことは以前(id:ichinics:20060517:p2)にも書いたことがあるけれど、ともかく私は次第に「それって報酬を目当てにした信仰なんじゃないの」という疑いを抱くようになった。

例えば上に引用した永井均さんの例でなら、嘘をつかなかったことで「神さまにほめてもらえる」としたら、それは結果的に「嘘をつけなかった」からではなく、自らの意志をもって「嘘をつかない」という選択をしたからでなければならないんじゃないか。神にほめられるということが仮にあるとしたら、それは、つまり自分自身に嘘をつくところがない状態でなければならないんじゃないのか?

例えば「なぜ人を殺してはいけないか」という質問に対し、それはキリスト教で悪とされているから、と答えたとする。それでは、悪とされていることを、なぜしないのか。それは『殺人という「失敗」を犯してしまうことでこれまで積み重ねた全ての善行をパアにしてしまうなんて』という、下心があるからなんじゃないか。

もちろん。この理解の仕方には間違ったところがたくさんあるし、私はキリスト教を批判したいわけではないです。ただ、与えられた宗教をそのまま信仰するということは、このような思考回路を生みやすいんじゃないかと思うし、それはとても危ういことだと感じる。

「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに「法律で禁止されているから」などと答えるのも同じことだ。「倫理、宗教、法律」が、それを守ったからといって何も保証してくれないものだったとしたら、どう答えるんだろう?

「なんとなくイヤだから」でもなんでも、自分にとって嘘のない答えを探すことに、意味がないとは思わない。そして、私がそれを切実に感じるのは、私にはあらかじめ与えられた前提を疑うことからはじめるしかなかったからなのかもしれない。

そうして、自分が手に取ったものを、手に取ったということ自体で、大事にしたい。今はそう思う。