亡きミュージシャンの記念館

ハワイに、尾崎*の母親と妻が経営している記念館を兼ねたホテルがあり、そこへ取材に行く。夢の中では、尾崎*となっているけれど、私は彼についてほとんど何も知らないので、詳細はめちゃくちゃだ。
そのホテルは品の良い白壁の一軒家で、応接間に大きなスクリーンがあり、来訪者はまずそこで故人の映像を見せられる。彼の母親が解説をする。彼の妻である二頭身の(ドラえもんのような)アンドロイドが客にお茶を配ってくれる。コテージのようになった客室では、彼の映像(3D映像が空中に投射されるやつ、なんていうんだっけ?)がプライベートライブをふるまってくれるというのがこの施設の目玉だ。
私はその応接間にいる人々の中で唯一彼のファンではなく、だからこそ居心地の悪さを感じながら、もしも私の好きなミュージシャンの、例えばトム・ヨークにまつわるこのような施設があったとして、私は行きたいだろうか、と考える。行きたくない、と思う。そして「亡き夫人のヌード写真を客に見せることと同じくらい悪趣味だ」と私はメモ帳に記すのだけど、目覚めて思い返すと、その言葉の使い方はおかしい、と思う。