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  □これまでの日記一覧

2006-12-31

[] よいおとしを

ネット見ながら掃除の続き、TV見ながら正月料理の準備、なんてだらだらしていたら、いつの間にやら日が落ちていました。

うちの正月は筑前煮と雑煮とおせちと誕生日ケーキ。ケーキは弟が買ってきて、今年はショートケーキとのこと。のぞきたいけど明日まで我慢です。あとはおせち以外年越しそばからほとんど具材がかぶってるので準備もらくちんなのだけど、なーんかものたりない・・・のは餅の姿を見ていないからだと気付いたので確認するように。

・・・というわけで、これが今年最後の日記です。間に合わないことはもう来年に。

それでは、みなさまよいおとしを。

2006-12-30

[] 考える練習

理屈で考えていけば、1個のチョコレートバーは永遠になくならないっていえるんだ。

そのために守るべきことはただひとつ/そのチョコレートをいっぺんに/食べてしまわないこと。

まず半分食べる。/残りの半分はとっておく。

次のときは一口かじって/残ってる分の半分だけ食べる。

そしてまた残りをとっておく。

そんなふうに食べるときは/いつでも半分だけ食べていくんだ。

この方法を続けていけば/きみはぜんぶ食べてしまうことは/できないはずだ。

理屈から言えばそうなんだ。

考える練習をしよう (子どものためのライフ・スタイル)

大島弓子さんの「ロングロングケーキ (白泉社文庫)」に出てきたこの文章のことは、ずっと頭の片隅にあって、私が考えているのはいつも、その残る何かのことなんだろうなと思う。

例えば、自分の頭で考えたい、と思う時の、自分とは何か。

名前や性別や職業や、そういう属性を全部食べていって、最後に残る部分が自分なのだとして、その最後のひとかけらの輪郭を知りたいと思う気持ちと、輪郭が定まってしまったら、それも「半分に折って食べてしまう」ことができる属性のひとつになるのだという気持ちは、相反していると思う。

それはつまり、名前を付けてゆく作業と、ラベルの中に含まれる成分をたどっていく作業だ。

自由意志とか好き嫌いとか、そういう自分の判断だと感じていることも、半分にし続けていけば最後に残る何かはあるのだし、それを考えてみたいという好奇心は、いつも、いつかはからっぽになってしまうんじゃないかっていう、漠然とした恐さとともにある。かといって、足場を固めることはいつも何かに属することと近くて、それに逆らおうとすると、「それは属したくないという気持ちでOK?」と出てくるなんかがいて、いやーそういうわけでもなくって、と、さらにチョコレートを齧ってしまうと、だんだんよく見えなくなってくる。その成分表示を見るためには、たぶん知識とか必要で、私にはそういう道具がまだない。圧倒的に足りない。

でもとりあえず「理屈で考えていけば」からっぽにはならないはずなんだ。

水の入ったグラスを見て、あれは水だ、というのも、あれはグラスだ、というのも違って、それは水の入ったグラスなんだ。そして、それを口にすると同時に(客観視できた瞬間に)、語り足りない何かが生まれるような気もしていて、ややこしいことだなぁと思いながら、飽きずにチョコレートを増やしたり減らしたりしている。

そんな1年でした。

来年はもうちょっと道具を手に入れたいものだと思います。ドラクエでもだいぶまで「ぬののふく」だったりする自分なので、がんばってほしい。

[] 大掃除のためのメモ

いつのまにやらもう晦日。今年も残すところあと1日というのが信じられないような気分なんだけど、それはたぶん毎年のことで、「もう」でも「まだ」でも、いつだって実感は遅れてくる、とか思う。

今日は一日中大掃除。昔使っていた財布がでてきて中を見たら、ライブチケットの半券が大事にしまってあった。こういうのとっておく癖は日記書きはじめてすっかりなくなったのは、たぶんメモして記憶できた気分になるからなんだと思う。というわけで記録欲を満たすためにメモして捨てることにする。

19970607chemical brothers@リキッドルーム(うー記憶にない。終わった後に漫画喫茶行った気がする。)19980515SPIRITUALIZED@リキッドルーム(確か一時間以上ノンストップの演奏だったと思う。すごく良かったのは覚えてる)19981011,12jesus&mary chain@リキッドルーム(二日連続で行ったらしい。確か兄さんが来なかったような…曖昧)19980123,24RADIOHEAD@赤坂BLITZ(あんな大興奮したのに、記憶が朧げだ。最初に見たリキッドの方が鮮明だったりする。でも、今はもうああいう箱じゃ見れないんだな)

以上。97-98といえば、まだ学生だったのに結構お金があったのねって思いますが、バイト代は必ず使いきってたしなー。というわけでチケットと財布は捨てました。あと昔使ってたウォークマンとかテレコとかも捨てよう、と思って中みたら、外国語(タイ?インド?)のラベルがはってあるテープがでてきたんですが、これはほんとに自分のだったのだろうか。

mikkmikk 2006/12/31 11:52 わー!97年のchemicalって初来日でオールナイトのかしら?行きましたよー。内容よりは帰り道の朝日を思い出します。98年のスピは行ってないので羨ましい!ライブはいきまくる時期とぱったり行かない時期に分かれてるようです、私の場合。

ichinicsichinics 2006/12/31 19:24 そうですそれです! わー、mikkさんもあそこにいらしたんですねー。なんかうれしいです。メモしてみたかいがありました(笑)どうやら、私にとって来日ライブといえば新宿リキッドの思いでばかりのようで、ほんとあそこにはお世話になったなーとしみじみしました。

2006-12-29

[][] スキャナー・ダークリー

ichinics2006-12-29

今日は寝覚めが悪かった。明日は「スキャナー・ダークリー」を見に行こう、と決めてから眠ったせいか、虫がたくさんでてくる夢を見たのだ。

小説の冒頭で描かれる「虫」の幻覚はそれくらい強烈で、映画もまた「虫」と格闘する場面で始まり、このオープニングが、一気に少しずれてしまった世界に入り込むうまいきっかけづくりになっていた。

この映画は、同じくリチャード・リンクレイター監督の「ウェイクング・ライフ」でも使用された「デジタルロトスコープ」という実写をトレースしたアニメーション映像が使用されてる。このエフェクトは、なにか越しの世界、を描くという意味もあったのだろうし、効果的な演出だったと思う。たって、映画を見終わった後には、まるでその世界の困難さに触れてしまったように、ぐったりしてしまった。

物語は、「物質D」というドラッグが蔓延した近未来のアメリカで、麻薬中毒者とともに生活をしながら、囮捜査をしている主人公(キアヌ・リーブス)が、自らを容疑者として監視する任務を命じられるというもの。原作者フィリップ・K・ディック自身の体験から生まれたものらしい。

麻薬乱用は病気ではなく、ひとつの決断だ。しかも、走ってくる車の前に飛び出すような決断だ。それは病気ではなく、むしろ判断ミスと呼べるかもしれない。おおぜいの人間がそれをはじめた場合、それはあるひとつの社会的な誤り、あるひとつのライフ・スタイルになる。この特殊なライフ・スタイルのモットーは、「いますぐ幸福をつかめ、明日には死ぬんだから」というものだ。しかし、死の過程はほとんどすぐにはじまり、幸福はただの記憶でしかない。つまり、それはごくふつうの人間の一生をスピードアップせさただけ、強烈にしただけだ。/「スキャナー・ダークリー」p462

ディックは何も、彼らを非難しているわけではない。それどころか、この物語は教訓ではないし、ただ彼と過ごした日々は、楽しかったということを書いている。

映画はその点を忠実に描こうとしたもののように思えた。キャラクターたちのやりとりはユーモアに溢れていて、おおむね愉快ともいえるものだった。しかしだからこそ、互いを出し抜くことを考えはじめる展開には気がめいるし、主人公の「自我」が混濁していく様を見るのもつらい。

私は麻薬中毒というのがどういう状態なのか知らないので、ただ想像するしかないのだけど、自分で自分の意識を信じられなくなる恐さ、というのは、この映画でじゅうぶんに伝わってきたように感じる。幸福に見えたそれが、だんだんと不幸から逃れることにシフトしていくということなのだろうか。

RADIOHEADの音楽があちこちで聞けたのが、個人的に楽しかったです。エンドロールソングはThe Eraserから「Black Swan」だった。映画館て音がいい…と思いました。

[][] ZAZEN BOYS@新大久保EARTHDOM

カウントダウンジャパン行けないので、2006年ラストになるZAZENライブに行ってきました。EARTHDOM presents OTHER MUSIC#13"YEAR END MODERN NOISE NIGHT!! "というイベント。

今日はもう、ものすごい楽しかったです。毎回楽しかったとか最高とか書いてますけど、ZAZENライブは常に最高なんだもんな。でも、今日のはちょっと、これまででもベストに感じるくらい、楽しかったし、気持ち良かった。

今日行ったEARTHDOMは新宿のANTIKNOCKにちょっと雰囲気が近いライブハウスだった(今日のメンツゆえかもしれませんが)。地下の黒い箱、低い天井は久々だ。そしてそこにぎゅうぎゅうの人。始まる前はちょっと不安だったけど、始まってしまえば転がるだけだなと思った。我に返る瞬間もなく、音に(そして人波に)埋もれてた。

クアトロよりもひとまわり小さいステージの上では、いつも近い4人の距離もさらに縮まって、タイトな音がぶつかりあう。「SUGER MAN」からはじまって、マボロシ、ヒミツなどの曲でがんがん盛り上げるので、実に具合よく、観客が一塊になって音に反応している感じが最後まで続いていて気持ち良かった。ZAZEN BOYSというバンドの音は、ライブで体験すると、まるでものすごいスピードで走る鍛えられたランナーの集まりのように感じる。先頭を奪い合っているように見えるのに、その軌跡はひとつの輪郭を描いている。そのことに毎回感動する。

この前のチッタとは正反対のアプローチとも思えるアグレッシブなライブだったけど、それがとても具合のよいテンションで、向井さんの空間把握能力ってほんと鋭いなと思った。そして今日はお客さんののりも良かった。前にザゼン一緒に行った子が「盛り上がり過ぎ恥ずかしい」みたいなことをいっていて、うーんと思ったんだけど、やっぱそういう逡巡とかしてる間もなくもってかれるのがザゼンのライブだったりするんだよな。楽しかった!!!

イベント全体について

今日は全部で4バンド出演するイベントで、ザゼンは3バンドめでした。

オープニングは「SUSPIRIA」という関西のバンドでした。紹介文とか探してみたら、これはオペラ・コアというのかーと思ったが。オペラではなkった。速めコアという感じで、ところどころにグッとくるところもあったんですが、ちょっと笑えない冗談だと思ったとこがあって、何ともいえない後味に。

2番目はREBEL FAMILIA。元DRY&HEAVYのHEAVYと、GOTH-TRADにより結成されたダブユニット。いやーかっこよかったです。極太な音がほとんど隙間なくつながれたライブは圧巻だった。改めて、もっと踊りやすいとこで見たい。

トリはKIRIHITO。初めて聴いたのですが、かっこよかったです。なんか名前から想像してたのとは全く違った。音色としては、速いマリリン・マンソン…とか思ったんだけど違うかもしれない。でもフックありまくりで綿密に構成されてるのに、それを感じさせない疾走感にぐっときた。人がたくさんで、ほとんどステージ見えなかったんだけど、帰ってきて検索したら、スタンディングドラムとギターのユニットだったと知ってびっくりした。二人であの音ってすごいな! 気に入ったのでCD買おうと思ったんだけど、売ってなくて残念。

ちなみにKIRIHITOはステージ袖で見ていたんだけど、後ろにカシオメン(具合が悪そうでした)と、隣の隣くらいに向井さん(お酒片手に上機嫌に見えました)がいて、おーと思った。

こういう時、ライブ良かったですとか話しかけていいものかどうか迷って結局はなしかけられないよね、とか言い合いながら帰宅。とにかく今日も楽しかった。いいライブイベントでした。

これが今年のライブ納めでよかったなー。

[] スナイダース ホワイトファッジ

めちゃめちゃおいしい!! ホワイトチョコにひたしたプレッツェルで、チョコのコンデンスミルクみたいな濃厚さ(バターオイルが入ってる)と、プレッツェルの中に入ってる塩のカタマリが絶妙。うまーい!

買い占めたいくらいの大ヒットです。出会っちゃった感。

甘さとしょっぱさのあわせ技では、ロイスのポテトチップスチョコレートとかもおいしかったですが、個人的にはこれのがストライクだったな!

冬期限定らしいので、早めに買いだめしたいと思います。

http://www.multifood.jp/snyders/#sp

2006-12-28

[][] 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society [DVD]

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society [DVD]

神山健治監督による「S.A.C.」シリーズの第三弾。

物語は「2nd GIG」から続いているものなので、素子がいなくなった後の公安9課が描かれている。最初は9課の面々の変化を複雑な気持ちで見ていたのだけど、だんだんと、ああこの人はこういう人だった、と思えるような、キャラクターの個性を感じる作品だった。

アニメフェアのインタビューで神山監督が「2nd GIGが終わった時、素子(少佐)の心理状態が暗いまま終わってしまったという思いがある。新作では彼女が元の明るい素子に戻れるかどうか、それにチャレンジしている。ぜひ見届けていただきたい」*1と話していたけれど、確かにこの「SSS」はテレビシリーズのアウトロとしての役割を果たすものでもあったと思う。ただ、それだけでなく、「SSS」単品を観ても物語を楽しめるように作ってあって、その点では「S.A.C.」シリーズの集大成といえるんじゃないだろうか。だからちょっと、既視感のある場面や台詞とかあるんだけど、それはむしろ感慨深かった。

「STAND ALONE COMPLEX」は「劇場型値犯罪」、「2nd GIG」では難民問題が主軸におかれていましたが、今回主題となったのは「高齢者問題」。ただ、ひとくちに高齢者問題をあつかったというのでもなくて、事件の核となる部分の葛藤は、もうちょっと掘り下げて欲しいと思う部分もあり(シリーズ全体としてはきちんとフォローされているのだけど、単品として見ると、という意味で)、100分という時間ではもったいないような気がした。

ただ、私はいつもだいたいバトーに感情移入して観てしまうのですが、彼の感情の変遷という側面ではとても見応えのある作品だったと思う。

バトーに感情移入っていうのは、一言でいうと、素子とタチコマが好きすぎるということになっちゃうんだけど。

あと今回はトグサのぐっとくる場面がたくさんあるので、そこも見どころだと思います。彼が一番かわったんだけど、かわってない。

ただ、シリーズ全体で描かれているはずの「流れ」を把握するには、ちょっと記憶が曖昧になってるので、冬休みでもう一回「2nd GIG」を見直して、その後もう一度見る。

[] 2006年のアニメ映画をふりかえる

今年はアニメ映画を堪能した気がします。TVアニメはほとんどリアルタイムで追えず、アニマックスなどに頼ってばかりなのがさみしいんですけど、今年は好きなスタジオの劇場版新作がそろい踏みでほんと楽しかった。惜しいのが「秒速5センチメートル」が年明け公開ってとこだな(別に惜しくはないか/楽しみにしてます)。

今年観た劇場版アニメは全部で7作品。TV放送後DVDリリースの「SSS」も尺は近いので入れてしまうと、8作品。

少ない気がしますが、でも、アニメ映画って予算も時間もかかるものだし、だからこそ1年にこれだけ観たい新作があるってのは、今までになかったことのような気がして、しあわせだった。楽しかった…。もちろん、あくまでも私個人の趣味なのですが、下に挙げた作品はほとんど全部、特にアニメファンでない人がみても、じゅうぶん楽しめるものだったと思う(ほとんど、と書いた理由は後述)。

以下、おすすめしたい順とともにふりかえる。

  • 8位「立喰師列伝
    • 上で「ほとんど」と書いたのは、「立喰師」だけは違うと思うからです。あれは基本的には押井監督のファンが見るべき映画だと思うし、そこを楽しむ映画だと思った。押井守による押井守による押井守のための映画。私は楽しみましたが、でも押井監督には、また原作つきアニメ監督してほしいなぁと思う。
    • 感想→(id:ichinics:20060410:p1
  • 7位「ゲド戦記
    • 今ではすっかり「不評だったね」ということになってますが、でもまあそれだけジブリは期待されているということだよね、というのを痛感した作品。たけくまメモに「ジブリは思い切ってテレビアニメをやれ!」*2と書かれてましたが、ほんとそれだなと思った。思っちゃった。確かにクオリティは高い作品だったと思う。ジブリの画とか語り口とか好きなだけに、惜しい。そしてそれはハウルからなんじゃないのかと思う。あそこで細田さんが…というのは妄想しても仕方ないのでナシとして、ジブリのTVシリーズって、もしほんとにあったら、って想像するだけでわくわくするもんな。あと、やっぱそろそろオリジナル作品観たい。
    • 感想→(id:ichinics:20060719:p3
  • 6位「ブレイブ・ストーリー
    • 面白かったです。安心して楽しめる映画だった。挿入歌にあわせて旅の道のりをショートカットした場面は違和感あったけど、あとはほんと、筋のしっかりした良質なエンタテインメントでした。GONZOならではのCG感も気にならなかった。というか、あまりにもメジャー大作って雰囲気の作品だったので、GONZOっぽさみたいなのはあんまり感じなかったな。
    • 感想→(id:ichinics:20060728:p1
  • 5位「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
    • 観たばっかりですが、「S.A.C.」シリーズは基本的にとっつきやすいと思うし、特にアニメが好きな人でなくても、このシリーズのファンてひとは多いんじゃないかな。
  • 4位「ドラえもん のび太の恐竜2006
    • ドラえもん劇場版を観にいくのはほんと小学生ぶりとかでしたが、ものすごく楽しかった。ドラえもんの柔らかさに驚き、町の描かれ方にうっとりして、キャラクターのやりとりに笑い、最後には号泣。
    • 感想→(id:ichinics:20060322:p2
  • 3位「鉄コン筋クリート
    • 画面の隅々にまで気を配って作られたアニメで、制作側の思い入れが伝わってくる作品でもあった。そしてやっぱり私は4℃アニメの雰囲気が好きだなーと思う。何度も観て、新しい発見をしたいと思います。
    • 感想→(id:ichinics:20061223:p1
  • 2位「パプリカ
    • とにかくあの映像を体験してみて欲しいなと思う。楽しんだ。敦子と所長が座り込んでいる場面の、背後のガラス戸に手のひらが映る場面、あのカットぞくぞくしたな。それからやっぱりオープニング。ヒロインが移動していきながら、スタッフロールを見せるんだけど、あの映像のかっこよさったらなかった。
    • 感想→(id:ichinics:20061202:p1
  • 1位「時をかける少女
    • やっぱり今年はこれだった。黒板の落書きや、理科室の霞んだ光、教室に流れる空気、そんな情景を思い出すだけで、なんかこう、気持ちがぞわぞわします。何かいいたいのに、言葉がつかまらない。そんな感じ。そして、この映画が高い評価を受けたということで、「劇場版アニメ」の今後が、ちょっとかわるんじゃないかって気がした。
    • 感想→(id:ichinics:20060727:p1

一応順位をつけましたが、あくまでも「おすすめ」で、個人的には、今年劇場で見たアニメはほんと全部楽しめた。それがとてもうれしかったです。これからも楽しみにしたい。

[] ぼくらのアニメ化

アニメ化の話はIKKIとかで知ってたのですが、監督が「猫の恩返し」の森田宏幸さんでキャラデザが「ドラえもん のび太の恐竜2006」の小西賢一さんと聞いていきなり気分がもりあがった。制作会社はGONZO。2007年4月アニメ化、とのことですがまだどこでとか決まってないのかな。楽しみだー。

公式 → http://bokurano.jp/main.html

2006-12-27

[] 2006年の漫画をふりかえる

今年の漫画をふりかえろうと思い、ここ数日、過去日記を読みかえしたりしています。2006年もほんと、漫画楽しかった。

いろいろあったのでまずはまとめ。

完結した

まず「ヨコハマ買い出し紀行*1「エマ」デスノート*2ハチミツとクローバー*3げんしけん*4など、人気作が相次いで完結。デスノートは映画も前後編で公開されて、映画オリジナルのエンディングにもぐっときた。

流行った

流行ったといえば「デトロイトメタルシティ*5ですよね。でも、あとはほぼ、昨年からの流れな気がします。特に「シグルイ」「へうげもの」「もやしもん」が勢いあったと思う。

楽しみにした

他にも楽しみにしている「よつばと!」「ヴィンランドサガ」「ヒストリエ」「フラワーオブライフ」「大奥」なども、各1冊以上は新刊がでてくれたし、それぞれすばらしく楽しかった。また、連載もの以外でも、好きな作家さんの新刊がたくさんでた年でした。

雑誌連載

スピリッツアフタヌーンフィールヤング、コーラス、エロティクスF、IKKIを読み続けています。今年は特にエロティクスFを楽しみにした。

復刻した

「真説ザ・ワールド・イズ・マイン*6「あまなつ」*7など新井英樹作品の復刊も嬉しかったな。この勢いで「宮本から君へ」も復刊してくれればとても嬉しい。オノナツメさんの旧作も、IKKI連載開始(さらいや五葉)とあわせて、IKKIコミックスで復刊された。特に「not simple」*8は、未完だった作品が完結して復刊されたもので、IKKI編集部さんは気が利いていると思った。それからすぎむらしんいちさんの「ALL NUDE」改め「スノウブラインド」*9は、未収録作品追加での復刊。これはちょっと複雑だったなー。追加はうれしいけどカラーがモノクロになってたりするのは残念。好きな作品集なので、これで手に取る人が増えるなら嬉しいけど。あ、あと年末には岡崎京子の単行本未収録作品「秋の日は釣瓶落とし」*10の刊行もあった。まだ読んだことのない作品があったっていうのが、素直にうれしかったです。

出会った

新しく知った漫画家さんもいろいろ。「群青学舎」「コダマの谷」の入江亜季さん、「向こう町ガール八景」と「おかえりピアニカ」の衿沢世衣子さん。「鈴木先生」の武富健治さん、など、これからの楽しみができました。

それから、名前は知ってても、読んでなかった「BLACK LAGOON」。めちゃめちゃ面白かった。楽しみ単行本リストに追加されました。

ニュース

アエラムックで高野文子が!とか、ブルータス大友克洋が!とか、わしズムこうの史代が!とか、そういうのも楽しかったです。

あと今年は「酔拳の王 だんげの方」さんの企画「ナツ100」(結果発表 → http://d.hatena.ne.jp/./dangerous1192/20060824)がたのしかったです。集計ご苦労様でした。

私のナツ100はこちら→(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060805/p1)選ぶの楽しかったなぁ。

とりあえず、そんな感じの1年でした。来年は、もっと漫画読みたいと思います。あと、どうしてもネタばれになってしまう為、今止めてる雑誌連載感想メモはどっか場所を移して続けたいと思ってます。記憶整理。

と、ひととおり振り返ったところで、「個人的2006年の漫画ベスト」を決めたいと思います。

[] 個人的2006年の漫画ベスト10

上のまとめを書きながら、新しいことがたくさんあったなと思っていたのにも関わらず、昨年(id:ichinics:20051227:p1)とほとんどかわらないラインナップになってしまいました。

今年発売、もしくは連載していたもの限定。アバウトな読んだ日付け順です。

  • 「フラワー・オブ・ライフ」/よしながふみ
    • id:ichinics:20060420:p1
    • 今いちばん新刊が待ち遠しい漫画かもしれないです。大奥2巻(id:ichinics:20061130:p2)もものすごく面白かったんだけど、「フラワー・オブ・ライフ」3巻は特に楽しかったのでこちらに。
  • よつばと!」/あずまきよひこ
  • ソラニン浅野いにお
    • id:ichinics:20060508:p1
    • 去年は「ひかりのまち」を挙げたのですが、ソラニンは今年2巻でて、読み終えてみると、きっとこれが(当分)浅野さんの代表作になるんだろうなと思えた。そのくらい、なんか詰まってる感じがしました。映画「ひかりのまち」とあわせてぜひ。
  • 「ヘブン…」/鈴木志保
    • id:ichinics:20060618:p3
    • 正確には2005年にでたものだけど、12月だったし映画ならお正月公開だし、というわけで例外。この後に「END&」などもでたせいか、今年は鈴木志保さんの漫画を久しぶりに読んだ年だった…って感じがする。決して好みのタッチというわけではないんだけど、ひきつけられる独特の世界。
  • 「凪渡り及びその他の短編」/高浜寛
    • id:ichinics:20060620:p1
    • 高浜さんの漫画は新刊でるたびに読んではいるんだけど、ちょっととっつきにくい作風だと思っていた。けれど、この作品集は比較的噛み砕いた語り口で、でもどこか漫画っぽくない雰囲気を保っていて、新鮮でした。とても良質な作品集。「文学」っぽい雰囲気(それが苦手って人もいるかもしれないけど)。
  • 「古い女」/こうの史代
    • id:ichinics:20060901:p3
    • わしズム」に掲載されたもの。いろんな意味で強烈だったな。こうのさんの作品に漂う「毒」の部分を煮詰めたような、どろどろとした底知れなさ。これを読んでなければ、「さんさん録*11を挙げたいところでした。
  • ヨコハマ買い出し紀行」/芦奈野ひとし
    • id:ichinics:20060712:p1
    • アフタヌーンを買いはじめた頃には既にやっていたような気がする。最初はこれってどういう漫画なんだろうって思いながら読んでたんだけど、いつのまにか、あの空気が自分の中にも流れていて、それは今も続いているような、大事な作品です。祝完結。
  • 「NOT SIMPLE」/オノ・ナツメ
    • id:ichinics:20061104:p3
    • オノさんの作品の中では異色なのかもしれないけど、これもまたオノ・ナツメ作品の核みたいな部分を抽出した作品だったと思う。
  • ヨイコノミライ」/きづきあきら
    • これもオノ・ナツメさんの作品同様、IKKIコミックスから完全版となって復刊されたもの。こういうのはほんとありがたいですね。感想書き忘れていたことに今気付きました。読後にぐったりして書く気力がなかったまま書いた気になっていた。でも、ぐったりというのは、それだけ印象に残った作品だったという意味です。近いうちに感想メモするつもり。
  • BLACK LAGOON」/広江礼威
    • id:ichinics:20061121:p1id:ichinics:20061122:p2
    • 1巻が出たのは2002年なので、ほんと遅ればせながらなんですけど、面白い。好きな映画の好きなシーンを繰り返し見る、というのと同じような気分で読み返してしまう場面がたくさんある。

他にも、沙村さんの連載とか、「ピース・オブ・ケイク」とか、雑誌で読んでいるのにも面白いのはいろいろあったんだけど、印象に残ったのはこんな感じ。

今まで、基本的には好きな作家の作品だけしか追いかけてなかったんだけど、今年は知らない漫画家さんの面白い作品、っていうのにたくさんであった年でもあったので、開拓欲がでてきました。というわけで、来年はもっと幅を広げて漫画読みたいです。

[][] 2006年の嫌われ松子

「嫌われ松子」の一生が映画化されてヒットしたことと直接関連があるのかはわかりませんが、似たテーマの作品である「赤い文化住宅の初子」と「自虐の詩」が映画化されるときいて。今年は「幸薄さ」が流行していたのかなと思う。

それぞれ描かれる年代は違うものの、ヒロインが貧しさや異性関係における受難の日々を送る、という設定のイメージが重なっている。

もちろんそれぞれ全く印象の違うヒロインなのですが、松子と幸子を同じ女優さんが演じるというのは、なんか、いかにもでやらしいなぁと思ってしまうのは私の心がせまいのかもしれない。

特に「自虐の詩」の1巻における日常の反復があるからこその、あの鳥肌がたつようなカタルシスを、映画ではどう描くのか気になります。

「自虐の詩」公式→ http://www.shochiku.co.jp/jigyaku/

2006-12-26

[] 忘年会

昨日は長い付き合いの友達と、友達の働くレストランでご飯を食べた。ハーブ入りパン粉をまぶして焼いた牡蠣が、こんがり、とてもおいしくて、自然とにやにやしてしまう。プ友達も早めにあげてもらって、三人で閉店までゆっくり話した。よいお年を、といって手を振る。

今日は、会社の忘年会。全体的になごやかな感じだったけど、あまりにも人数が多くて、始終ぼんやりしてしまう。隣のテーブルで、名前を知らない人が、みなさん将来の夢って何ですか? と訊いていたのが印象に残る。会話にまぎれて、その問いに直接答えた人は誰もいなかったのだけど、あのひとの夢は何なのか、きいてみたかったなと思う。

帰り道、橋を通ったら、川がいつもの三倍くらいの太さでごうごう流れていて、すこし立ち止まって見とれる。すでにびしょぬれ。雷が鳴りだした頃、家に着いた。

最近、ぼんやりしてばかりだけど、いよいよ明日いけば冬休みなので、年越しそば食べておせち食べて雑煮食べて餅を焼きながら積んである本読んだりDVD見たりして満喫しよう、と思います。

あといろんな人の2006年ベストを参考にしつつ来年の計画をたてたい。

[] 季節感

目が覚めて、いちおう枕元確認してみたんですけど、あったのは電源入りっぱなしのDSのみで、というのも今もたまに寝る間際に森に行っていて、でも寝落ちばっかりで、たまに電池切れでリセットさんに怒られたりしていて、リセットさんいい事いうなと思いつつ、基本セーブできてないという状況は、悲しいよなぁということを思ったクリスマスの朝でした。

今年はほんと、クリスマス感のないクリスマスだったけど、打ち合わせで新宿行ったらうわっとクリスマスで、あーそうか、デパートのある街を通らなくなったからクリスマス感が足りないのかもと思った。以前は新宿を通ってたんだけど、今は地下鉄だし地下鉄は基本なんか疲れ気味だし。でもやっぱり今年は、どこか地味だったような気もする。華美な飾り付けが良い、とはけして思わないけれど、風景で季節を感じる、ということは大事な気がしていて、これから年始にかけて、しめなわ売りの屋台とかは、ちゃんとでてて欲しいなと思った。南天の実も。

ということをわざわざ思うのは、そこらじゅうでまだ紅葉していて、銀杏並木には黄色の絨毯がふかふかで、そんな12月がなんか変な感じだからだと思う。でもこれから数年たって、数十年たって、そのうちに12月という月は紅葉の月になるのかもしれない。

2006-12-25

[] Riot City Blues/primal scream

新作がでるたびに、今度はこうきたかー、と思わせてくれるバンドなんてそういない。常に時代の波にかぶせてきたのがprimal screamだし、その節操のなさも既に彼らのオリジナリティだ。

今回、4年ぶりの新作はトラッド系の音色やブルース、カントリーを織り込んだ、ヤードバーズ(「The 99th Floor」なんかモロだ)やストーンズを彷佛とさせるブリティッシュR&Rが満載のアルバム。あんまりにもまっすぐなR&Rなんだけど、古さはなく、デビューしたての新人みたいな勢いがある。

その勢いがあるからこそ「 Give Out But Don't Give Up」と似たタッチのアルバムでも、受ける印象が全く違うんじゃないかと思う(あの頃はもっと、んー、退廃的だったしね)。

そして「When The Bomb Drops」などを聴けば、このアルバムが単なる回帰ではなく「Evil heat」や「Vanishing Point」以降の音であることがわかる。

このアルバムを聴いていたら、いつだったか、ライブのアンコールで「Kick Out the Jams」*1をやってくれたときの興奮を思い出した。プライマルはいつだってギターロックバンドだったのかもしれない。

[][] げんしけん9巻特装版&となりの801ちゃん

げんしけん (9) 限定版

げんしけん (9) 限定版

雑誌未掲載分3話を含む9巻。ついに完結してしまいました。

表主人公笹原の山場は8巻で終わってしまった感じがしますが、付録で多くの人が書いているように、9巻を読むと、しみじみと主人公は斑目だったんだなと思う。というか、この漫画を読んでいる人の多くは班目に感情移入するはずで(主観ですが)、だからこそ、その班目をフォローしてくれたところが9巻を読んで一番嬉しいとこだった。

そしてふと、同じく青春群像ものの女性版として同時期に連載されていたハチクロにおける竹本君と笹原はつながるところがあるけれども、班目に対応する人物、つまり読み手がもっとも感情移入するはずの人物は誰だったんだろうと考える。女性メインキャラといえば山田さんか、はぐだけども、二人とももてもてで、という受け皿の用意されているものが少女漫画なのかとか思う。

ともかく。

げんしけん」は素直に面白い漫画だったと思います。

私は、このような趣味のコミュニティにほとんど属したことがなく、大学のサークルは音楽関係で、それはそれで楽しかったけど、おたく趣味みたいなのは受け入れられない雰囲気だったし、でもサブカルはアリみたいな微妙な境界線上にいたので(まあそういうのは逆もしかりなんだろうけど)、この感じはほんとうらやましかった。

さかのぼれば「おたく」という言葉が出てきたことで、いろいろこじれたような気がする。それが悪いというわけではないし、それによって生まれたものもあると思うけど、でも何かかわったような気はしていて、それは今過渡期にあるようにも感じる。

私が「おたく」という言葉を頻繁に耳にするようになったのはたしか小学生の頃だった。私は男兄弟が二人いたこともあって、ジャンプ読んでアニメ見てファミコンやってというような小学生だったんだけど、小学生時代にはほとんど感じられなかった何かが、中学にあがった頃にはすっかり出来上がっていた。中学生時代に私は美術部にいて、美術部は油とイラストに別れてたのですが、その頃のイラスト班の疎外された感じったらなかったもんな。そして私は中学生にして外装を装着することを決意したのでした。覚悟はまったく足りなかった。

って、それほど葛藤があったわけでもないですが、それは私がたいしておたくな訳でもなくぬるく、漫画の話やらがしたければ兄弟間で存分にできたからだとも思います。恵まれている。ただ、そういう会話の場が家族の外で得られたことはほとんどなくて、だからこそ私はげんしけんがちょっとうらやましいんだろうなと思う。幻想かもしれないけど。

ところで、げんしけんで描かれるおたくとしての女子二人が二人ともBL好きというのは、ちょっと(感情移入しづらくて)違和感があった(一応大野さんはコスプレにシフトをおいているけど)。

となりの801ちゃん (Next comics)

となりの801ちゃん (Next comics)

「となりの801ちゃん」は作者の小島アジコさんの漫画/イラストが好きなので購入しました。ブログで連載(?)されていた、腐女子な彼女の生態記録漫画。ふつうにうらやましいです。

この作品を読んでても、801ちゃんはすごいかわいいしおもしろいし、いかにして801ちゃんになったかという過程には共感できるんだけど、なぜそっちに妄想するのかについてはよくわかんなくて、自分は、他人の妄想を楽めても、自分の中に湧いてくることはほとんどないのかもしれないなーと思った。

それは妄想以前に、全力で感情移入する方を選んじゃうからかもしれない。だから、キャラクターがたくさんでてくるキャラクター小説/属性ものみたいなのは楽しめない(ことがおおい)のかな。この辺りは、いつか具体例を見つけたら考えてみるかもしれない。

[][] M-1グランプリ2006と唐揚げ

金曜の夜飲んで土曜日は外出して日曜日は休むパターンがいいというか好きというか楽だし、日曜日は外出しても駅前限度説に満場一致で、だよねぇということをこの前忘年会で話したのだけど、そんな訳で今日は1日家にいた。掃除洗濯して年賀状作ってインクが切れて弟のやってるガンダム眺めた後にM-1見る。

M-1、楽しかった。久々にテレビ見て大笑いしたなぁ。

フットボールアワー麒麟チュートリアル笑い飯/ライセンス。が、特に面白かった。ほとんどだ。フットボールアワーの戦隊もの「たしかにそうかもしれん」に込められた思いの下りと西日と、決勝の居酒屋の取り皿はお腹痛いくらい笑った。あとアメリカンジョークネタに弱いのでライセンスの最後も面白かった。でもやっぱ審査員全員一致で優勝したチュートリアルが面白かったです。お笑い詳しくないので、この人たちのネタ見るのはじめてなんだけど、すごいなあの感じ。決勝のネタも基本的には同じで「その反応が面白い」なんだけど、なんか大笑いできる。久々に番組の最初から最後まで見るということをした。面白かったです。もっと見たい。

TVの後は、晩ご飯に唐揚げ作る。

今日は手抜き唐揚げ。麺つゆと少量のごま油&お好み香辛料に浸けて(急いでるときは揉んで)多めにかたくり粉まぶして油は低めの温度でじっくり揚げて、揚げたのにさらに麺つゆをかけて大根おろしといただきますパターン。さくさくかつしっとり、こってりかつあっさり。麺つゆ? とか思われるかもしれませんが、うまいです。ついでに蓮根サラダ。

夕食後、ネットつけてやっと、今日がクリスマスイブだってことを思い出した。日付け感覚ないにもほどがある。でもまあかろうじて鳥肉を食したのでよしとします(でもクリスマスと鳥肉って関係あるっけ?)。明日こそはケーキ食べる。

*1:MC5

2006-12-24

ichinics2006-12-24

[][] ダーウィンの悪夢

監督:フーベルト・ザウパー

タンザニアケニアウガンダの三ヶ国に囲まれた世界第三位の大きさを誇るヴィクトリア湖は、湖底地形に適応しながら多くの種に進化してきたシクリッドというウスズメ科の魚が住み、生物進化を目の当たりに出来ることから、生物多様性の宝庫として「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていた。

しかし、ナイルパーチという大型の肉食魚が放流されたことで、在来種は急激に減少し、工場廃水や森林伐採などの要素も加わって環境は破壊されていく。増え続けるナイルパーチによって湖の生態系が壊滅的な状況に追い込まれる一方で、淡白な白身で加工もしやすかったナイルパーチの輸出がタンザニアの一大産業へ成長していった。

この「ダーウィンの悪夢」という映画は、ナイルパーチを巡る状況を辿りながら、世界と経済の構造とジレンマを描くドキュメンタリーだ。

清潔な魚加工工場には「あなたも大きなシステムの一部である」と書かれたカレンダーがかけられている。「でももう、ナイルパーチは供給過多なんだ」と工場長は話す。しかし一歩外にでれば、魚のあらが無造作にトラックに積み込まれ、地元民のもとへ運ばれていく。うじのわいた魚を干す女性。そして少ない食料を奪い合い、梱包材を溶かしたものをドラッグ代わりに頼ることで眠る少年たち。

毎日何便もの大型飛行機が上空を行き来しているというのに、なぜ彼等はこれほどまでに貧しいのだろうか。旧ソ連からやってくる飛行機は55トンもの魚を詰めてタンザニアを飛びたつ。しかし彼等がやってくるとき、そこには何が詰められているのか?

工場長は「からっぽだよ」と答える。しかし映画の中盤で「新聞にタンザニアの保安長官が飛行機による武器密売に関与し起訴されたと載っていた」と話す人物が登場し、徐々に、このナイルパーチという魚の影に広がる、グロテスクな闇がその片鱗をのぞかせる。

暗闇の中でインタビューに答える漁業研究所の警備員ラファエルは充血した目を光らせながら「戦争さえあれば軍隊に入れるのに」と語る。「でも人を殺したいわけじゃないですよね?」と問うインタビュアーに、彼はちょっと戸惑った顔で答える。「でも戦争ってそういうもんだろ?」

圧倒的な映像だったと思う。帰り道、呆然と渋谷の町を歩きながら鼻先にずっと腐った魚のにおいがまとわりついているようだった。

しかし同時に、このカメラの視線は少し偏っているなとも感じる。私は魚のフォルムが大好きなのだけど、この映画に出てくるナイルパーチはどのショットを見てもグロテスクにしか見えない。それは色合いや角度の問題でもあり、カメラの恣意的な演出であると感じた。それから前述の武器密輸に関わった官僚逮捕についての新聞記事も、具体的に説明/提示されないのが気になる。この映画にはそのような不鮮明な情報が多い。ほかにも、インタビューのほとんどが英語でなされている点も不自然に感じられた。

この映画の欠点は科学的説明や事実関係の説明が不足していることだ。たとえばナイル・パーチがヴィクトリア湖の生態をどう破壊したのかの科学的説明を。ぼくは知りたかったし。またナイル・パーチが具体的にどのくらいの数量輸出されてるのか、あるいはエイズが流行しているというが、住民の何%が感染してるかを示す統計はないのか、(それについては牧師によるおおまかな説明があるが、あくまで「おおまか」なものである)もしないとしたらその調査を妨げているものはなにか。そういう疑問に答える資料がないとはいわないまでも非常に少ないのだ。つまりこの種のドキュメンタリーに一番必要なものが足りない。おそらく107分という尺で一般公開するために、その種の教育的啓蒙より、けれん味あふれる残酷映像を優先させた結果だろう。

「Pleasure:スプーン1匙ぶんの」

このE-chikoさんの感想はとても中立的なもので、共感するところが多かった。

ほかにもいろいろと感想を辿っていたら、映画に対してタンザニア政府から抗議があったこと。そして、これはあまりにも偏った見方であるとして注意を呼びかける意見も多いことを知った。

映画に出てくる売春婦、子供がプラスチックを燃やして麻薬のように吸っているシーン、非衛生的な環境などは、タンザニアが貧しい国であることを象徴するような事柄ですが、ナイルパーチがその元凶であるように描かれると、「ちょっとまてよ、これはアフリカの一般的な現実なのではないのか」、と感じてしまいます。ナイルパーチ産業が雇用を促進していることも確かで、直接的な雇用として4000人、間接的な雇用として50,000人(ムワンザ市の人口は50万人、上述のDaily News紙による)をつくり出しています。

フーベルト・ザウパー監督による映画『ダーウィンの悪夢』について

それからこちらの記事(「ダルエスサラーム便り:ヴィクトリア湖の環境問題」「ダルエスサラーム便り:ダーウィンの悪夢」)では、現地の詳しい状況などが写真付きで紹介されている。

私個人の思いとしては、しかし、この映画がドキュメンタリーとして正しいとか正しくないとか、そういった議論だけで消費されるのは惜しいと思う。ドキュメンタリーは常に、ある種のフィクションでもある。それは心に留めておくべきことだが、しかしそれでも、そこには現実が映り込んでいる。

これはタンザニアの、ムワンザに限った話ではなく、ましてやアフリカに限った話でもない。私だって「大きなシステムの一部」なのだ。否応無く。

この映画が「ダーウィンの悪夢」と名付けられたのは、生物多様性の宝庫として「ダーウィンの箱庭」と呼ばれたヴィクトリア湖ナイルパーチの関係を通して「適者生存」という言葉を連想させるためだろう。

「環境」に適応した者が生き残るというシステム。

でも、「環境」って何なのか、適応する/しないを決めるのは何か、それは選べないのか。そんなことを考え込んでしまう。

残酷な映像は確かにショックだったけれど、生きることに迷いがない人々の姿が深く印象に残る映画でもあった。

2006-12-23

[][] 鉄コン筋クリート

ichinics2006-12-23

待望のSTUDIO4℃新作、待望の「鉄コン筋クリート」映画化。今日が初日でした。やっと見れてうれしい。最初にパイロット版を見たのが6年前くらい? それから5年経って、昨年映画化の話を聞いて、今年のはじめにアニメフェアで予告見て、長かった…。

すごく面白かったんですが、思い入れがありすぎたせいか、感想がまとまらないので、以下、初見で思ったことをだら書き。

とりあえず個人的にお勧めしたい見どころは「宝町」です。

映像について

冒頭の「朝と夜」とのチェイスシーンで宝町をぐるっと見せながら、子供たちが飛ぶ爽快感に体が思わず前のめりになる。全編通して、映像がすばらしいアニメだったと思います。あわい色彩は世界観にあっていたし、4℃らしいキャラクターデザインや独特の動きにも統一感がある。

松本大洋さんの絵柄は独特だし、特にこの「鉄コン筋クリート」は物語と絵が密接に結びついている作品だと思うのだけど、アニメのキャラクターデザインはディフォルメされていても、線にタッチが残っているせいかかけ離れて見えない。特に線画のニュアンスを残しつつ、人物の動きをいきいきと見せる感じにぐっときて、こういうのは湯浅政明監督の得意技というイメージなんだけど、今回総作画監督を担当された西見祥示郎さんは「マインドゲーム」にも参加していた人なのだときいてなるほどと思った。今後の活躍がとても楽しみです。シロの心象風景や、リンゴの木のシークエンスなど、センス良いなと思うとこがたくさんあった。

ただ、アクションシーンの「省略」が少し物足りないとも思った。これはR指定対策なのかもしれないけど、効果音だけでも入れてほしい、と思う場面が多々あった。

個人的にぐっときたのは美術。昭和っぽい世界観は4℃の得意技で、それはもう個人的にぐっとくるポイントでもあります。「鉄コン」については漫画と、パイロット版の段階で描かれたと思われる設定画をいろいろ見て、個人的にもずいぶん妄想を膨らませていたんですが、もちろんそれを軽く凌駕する世界がそこにあって、半端じゃない作り込み方、描き込み方に圧倒される。この宝町の存在感だけで、見て良かった、って、心から思います。建築萌えの人にはぜひ見て欲しい。すばらしいです。

演技/物語について

声優は、シロ役の蒼井優さん、ネズミ役の田中さんが特にキャラクターにぴったりだった。クロも良かったんだけど、シロが女性の声なので、クロだけ声変わりしてるのには少し違和感があったかなと思う…。エドとアルと同じ配役が良かったとか思いましたが、まあそれは余談の妄想。田中さんのネズミには文句のつけようがありません。ハードボイルドですよ。ネズミのある場面では場内からすすり泣く声が聞こえましたが私もちょっと泣いたね。かっこいい。

ただ、脚本にはちょっと違和感があった。この「鉄コン筋クリート」は「宝町」を舞台に描かれる二人の少年「クロとシロ」の物語、なのですが、これはいわば、自分の中の善悪と戦うお話でもある。強さと許しとのはざまにいる「クロ」という少年の葛藤が描かれているのですが、そういうテーマを全面に押し出しすぎかなぁ、と、ちょっと思った。ラストのあれもちょっと気恥ずかしい。「説明」の加減というのはほんとに難しいと思います。

とはいえ、クロとじっちゃの会話の後ろにシロの独り言が続いている銭湯の場面など、ぐっとくる演出もたくさんあって、あの世界での物語はあれでおしまいなのがもったいないというか、もっともっと、たくさん見たいと思う映画でした。それこそ「24」みたいに*1細かく見たい。

そのくらい、濃密な作品でした。何度か見なきゃ見切れないのでまた行く。

監督:マイケル・アリアス

脚本:アンソニーワイントラープ

演出:安藤裕章

美術:木村真二

総作画監督:西見祥示郎

参考(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20051019/p1

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[] 季節

昨夜は忘年会。ちょっと飲み過ぎたせいか、かえってきてPC立ち上げたは立ち上げたけど即眠くなる。最近あんま飲んでないので(朝早い)、めっきり酒に弱くなった。

今日は早起きして「TEXT」のチケットとってから「鉄コン」初日へ。見終わって歩きながら感想喋りまくってふと「今のうちらきもいなー」と反省(したふり)してたら、すれ違った女の子たちが「良いイブをー!』とか言っててびびる。ああ、そういう季節だった。

連れと別れた後は、本屋でげんしけん限定版とかいろいろ、買う。そのまま喫茶店で読んでたら、隣に分厚い冊子を読んでる男の子がいて、そういう季節よねーと思いました。

[][] もやしもん 4巻/石川雅之

f:id:ichinics:20061224015447j:image:h150

フィギュア付き限定版を購入。通常版とは表紙が違います。

菌フィギュアかわいい。こいつらが菌なんて…。とか思いながらじっくり眺めるが、携帯につける気はしないのは菌だからじゃないたぶん。ちなみに右下の黒いC・トリコイデスは黒カビだそうです。ごぶ!

4巻は1pめからのだめで驚く。出張編がたくさんあった時期だったんですね。登場人物出張のため、ほぼ菌しかでてこない39話をはじめとして(菌が出てこない回があるのにも関わらず)全体的に、菌の活躍を堪能できる巻でした。

「食パンに集まれ菌ども」

うわぁぁあ。なんか、なんだろ、菌がかわいくて仕方ない。

もやしもん(4) 限定版 (イブニングKC)

もやしもん(4) 限定版 (イブニングKC)

*1:って「24」みてないですが

2006-12-22

[][] ZAZEN BOYS@川崎CLUB CITTA

行ってきました。7月ぶりのZAZEN、8月ぶりの向井。めちゃめちゃ楽しみにしてました。仕事終るのが会場時間だから、川崎までひっしだったよ私。電車止まったりなんてハプニングもありつつ、でもどうにか、開演にはすべりこみセーフ。ロッカーにコート押し込んで半そでになって会場内で連れと合流。わくわくしすぎて足が浮きそう。

1発めは「Whisky & Unubore」。今年のツアーではこのくらいの重いビートが目立ったけど、半年経って、さらにエッジの効いた音に熟成されていたように感じる。うねりまくるフリースタイルベースも、今回はラインがくっきりと黒光りするようだったし、フットワークの軽いバスドラはしかし鉈のような重さで肌に直接触れてくる。そして流麗かつファンクなカシオメンのギター、ファニーかつソウルフルな向井のヴォーカルと鮮やかな残像を描くそのフェンダーテレキャスター。観客であるところの私もリフマンやヒミツガールの変拍子がすっかり体になじんでおり体が音を追いかけるに任せるのが気持ち良い。久々の「黒い下着」や「安眠棒」も良かったけど、なによりすごかったのは「COLD BEAT」。この曲には毎回驚かされるけど、もう、自由自在だったね。いつもそうだけど、完璧に操っている。音が踊っているようだ。すごいすごい。

中盤では2曲ほど新曲っぽいのが挟まれた。「1989」と繰り返す曲は、青い感じの、アップテンポ。つづく曲も、一瞬「性的少女」かと思う(「記憶を消して」という言葉が出てくるからだな)。両方numbergirlっぽかった。というかピクシーズっぽかった。でももっと「軽薄」な雰囲気だったかな。「イェイイェイイェーイ!」なんて感じで実際そう歌っていた(「1989」の方)。向井さんは最近80年代ポップスブームなのかなと思うが、その流れにあるのかもしれない。

アンコールは2曲。「半透明少女関係」と「Water Front」。「Water Front」は新しいアレンジだった。3rdが出て、どんだけライブやったかわからないしアコエレでもやっていたからほんとに今年はこの曲をたくさんきいたけれど、それにしても、一年でこんなにも違う曲になるのか、と驚く。その大きな要因は向井さんのキーボードにあって、そういや「JUMP」練習してたなぁってのを思い出すような、エイティーズポップスのニュアンスを残しつつ、ドラマチックな展開で盛り上げる。くそー、なんてかっこいい音なんだ…!

むちゃくちゃ楽しかった!!! すぐまた行くよ。次は29日!

[] 信じる

「焚書官の日常」さんのこちらの記事(http://d.hatena.ne.jp/./mutronix/20061221/p4)で知った動画を見ました。菊池誠さんが「まん延するニセ科学」というテーマで話をされているもの@NHK。

たんたんと、ゲーム脳や水のなんとかがニセ科学である、つまり科学的な根拠は全くないという話が語られる様を見て私も(mutronixさんも書かれているように)これはちょっと感動的だ、と思った。

道徳やしつけの根拠を、科学に求めるのは間違っている。しかしそれをする人が多いのは、その根底に、科学とは様々な問題に対して、白黒はっきりつけるものであるという誤解があるのではないか…? しかし世界は二分法でわけられるほど単純ではないのです。

まったくもって、そのとおりだと思う。

もちろん、信じるのは勝手だと思う。けれど、それをルールのように取り扱い、他人に共有を求める際にまつわる諸々の誤謬、特にそれを疑わなくなってしまったことに伴う傲慢さ、というのはここで語られているニセ科学だけでなく、もっとほかにも、私の中にもある、と思う。

例えば、私が宗教を信仰することに対して感じていた矛盾(id:ichinics:20060801:p3)、というのもそれに近かった、ような気がする(この気分はなかなか自分でも説明しにくいのだけど)。

「ゲームをして欲しくない」ということと「ゲームをすることで悪影響」がある、という言説を信じること。「死んで救われたい」という気もちと「良い行いをすれば天国に行けます」という宗教を信じること。そんな単純な重ね方をすることもまた、危ういのかもしれないけど、それらは「受験合格の願掛けにポテトチップス断ちをしてみる」ことと、実はそんなに変わらないんじゃないのかな、と、思う。

つまり、ルールには理由がある。けど、それを守らないこと、守ったことに対して、罰や見返りを用意するのは自分だよなーと思う。

自分の力の届かない場所にあるもの(それはほとんどかもしれない)に対して、感謝とか願いとか、よくなりたいという希望を持つことと、それに見返りを求めることは少し、でもまったく、違う。その対象はただある。そして、ただ信じてるなぁと思う。

ポテトチップス断ちをして不合格だったらからって、ポテトチップスのせいにしないし、合格したからって他の人にポテトチップス断ちすすめない。ただ、ありがとう何か。という気持ちね。それはあるよね、ということを、michiakiさんのこちらの文章(http://d.hatena.ne.jp/./michiaki/20061220#1166624988)を読みながら考えました。いいこというなと思った。

[] 買ったぜ!

もやしもん(4) 限定版 (イブニングKC)

もやしもん(4) 限定版 (イブニングKC)

でもげんしけんがみつからない…。

2006-12-21

[] Spitting Feathers/Thom Yorke

スピッティング・フェザーズ

スピッティング・フェザーズ

トム・ヨーク初のソロアルバム「The Eraser」からシングルカットされた「Harrowdown Hill (Extended Mix)」を中心に構成された日本独自企画EP(未発表曲は収録されていない)。

「The Eraser」を聞いた時に(id:ichinics:20060706:p1)、私は『KID A』から『Amnesiac』へと続いた時期のアウトテイク集のような印象、と書いたけれど、このEPはさらに、そのアウトテイクのアウトテイク、のような印象だ。もしも、これがトム・ヨークの作品ではなく、そこにトムの声がないものだったとしたら、その印象は虚ろだっただろう。

「The Eraser」という作品は、RADIOHEADというバンドだから「できること」を浮き彫りにした。捕らえ所のない可能性にようなものの輪郭に触れるような作品だった。それはトム・ヨークRADIOHEADそのものであり、しかしそれはトムだけでは動かない、ということでもある。

つまり、このEPが物足りない、というよりは、これが全てシングルカットにあわせて収録されたB面集であり、ここに未発表曲、もしくは新曲が収録されていない、ということに私は少しほっとしている。

私はトムの声がたまらなく好きで、彼の描く旋律を聞きたいと思っているけれど、それはRADIOHEADという場におけるものであってほしいと期待している。そして、それが感傷ではないということを、このEPで再確認したように思う。

早くニューアルバムが聞きたい。

[] 思い出さない

私はいろいろ適当で、すぐ忘れて、たぶん無くしたものもたくさんあるんだろうけど、それすらも忘れているのだと思う。思い出さない。でも、春以来、連絡をとっていなかったあの人のことは、何度か思い出した。ただ、最後に会ったのがあまりにも悲しい日だったから、その悲しさを忘れたいと思ってふたをしていただけで、だから年の瀬年末、という都合の良い口実が手に入ったので久しぶりに「久しぶり」とメールをしたら、「!」マークがたくさんの返事がきて、なんだかとても嬉しくなった。そして私は、やっぱりあの人のこと、ずいぶん好きだと思う。そのことはちょっと忘れていた。けど、まだ思い出せて、よかった。よかった、ということで、また忘れてしまいそうだけど、きっとまた思い出せる、かな、と思う。

2006-12-20

[][] SPEEDBOY!/舞城王太郎

SPEEDBOY! (講談社BOX)

SPEEDBOY! (講談社BOX)

久々の舞城王太郎。読んだ。一気に読んで、なんか胸がいっぱいになった。はやく、この気持ちを記録したいと思うけど、追い付けなそうで日和る。でもこれは大事な話だ。例えば気持ちが重くて、それを捨ててくことでどんどん軽く、浮かんでいけるような気がして、でも足もとが底なしなあの感じと、ここで描かれる走ることは似てる。鬣を持つ主人公、成雄は走るのがすごく速い。だってマッハだ。そしてどんどん気持ちが抜けていく。考えることが、限界を生むから。気持ちを加減する。

気持ちを加減したければその対象について考える時間を減らせばいい。そう結論づけたじゃないか。どうしてもう一度同じ設問をするんだ?

それはもちろん自分の出した答えに納得してないからだ。/p119

でも、それだけじゃない。いいほうだけじゃない。「僕は冷たい(略)僕は人のことをどうでもいいと思えるような人間なんだ/p135-136」それもほんとうだ。そして逡巡を切り捨てることで、速くなる。成雄はスピードを愛している。けど、同時に、よくなりたいとも思う。好きな子のために。どっちが大事なのか自問に答えはでない。

自問にはっきりした答が出ないのも当然だ。

それを訊いてる自分にも答えようとしてる自分にも、いろんな自分といろんな他人がそれぞれいるのだ。/p198

その答えは、あんまりにも希望に満ちあふれていて、私はつい、目を逸らしたくなる。だからもしかしたら、第六章のエンドが私にとってのエンドかもしれないけど、それはきっと、いつでも組み替えることができる。と思う。だってこのお話には、過去が複数用意されている(たぶん「獅見朋成雄」もその中にいる)。『九十九十九』以降、お得意のループだ。でも、時間軸が複数あっても、物語はものすごい勢いで一か所に集約されていって、現れるべきところで、現れるべき過去がちゃんと描かれる。そう思える。それが成雄の強さでもある。彼は軽々と超えてった。

彼は少し、黒須太一に似ていると思う。

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[] フィア・ユアセルフ/Daniel Johnston

フィア・ユアセルフ

フィア・ユアセルフ

悪魔とダニエル・ジョンストン』を見てから、ほぼ毎日ダニエル・ジョンストンを聞いている。ずっと昔に買って、ずいぶん聞いたアルバムでも、初めて見た動くダニエルと、あの部屋を思い浮かべるだけで、より鮮明に聞こえるように思う。音楽に、人となりとか関係あるの? って自分に毒づいたりもするけど、だってこれは、そうなっちゃったとしかいいようがない。音だけ好きでもじゅうぶんだけど、その人に惹かれることで、もっと好きになるなら、それはそれでいいじゃないか、とも思うし。

そして今さらながら、2002年の来日にいけなかったことが、悔やまれて仕方ない。いつか見ることができるんだろうか…。

このアルバムはその来日の少し前に発売されたもので、私の好きなsparklehorseのマーク・リンカスさんがプロデュースを担当しています。例えば「Must」で聞けるアレンジなんか秀逸だと思うんだけど、「Love Enchanted」や「Forever Your Love」や「You Hurt Me」など、ダニエルのピアノが聞ける曲がやっぱりいいなぁ、、、と思う。

真っ暗な道をかえって、家について、ふかふかのベッドに倒れ込むときの、あの感じ。音楽ってすごいな。

2006-12-19

[][] bonobosSHIBUYA AX

初めてのボノボライブ。実はまだ最新アルバムを聞いてなかったのですが、大好きになった1、2枚目の曲もたくさんやってくれて、なんだかずいぶん楽しかったです。

最初は、ボノボってけっこう堅いというかまっすぐな音んだな、なんて冷静に聞いていたのだけど、とくに中盤「もうじき冬が来る」〜「ライフ」のあたりから、こう、満ちあふれる多幸感にあてられてしまった。歌も演奏もしっかりしてて、安心してのっかれる。

CDで聞いてると「electlyric」が好きだなと思ってたんだけど(「あの言葉、あの光」が好きです)、ライブだと1stの音の瑞々しさが楽しくて、屋外とか、朝霧とか、そういうとこで聞きたいなと思いました。

しかしねー、六時起きで仕事帰りだと、体力がもたない。ジントニ一杯でふわふわしていた。木曜日は久々のザゼンなのに大丈夫か自分。

[][] アルゼンチンババアよしもとばなな

アルゼンチンババア (幻冬舎文庫)

アルゼンチンババア (幻冬舎文庫)

ずっとこの本は小説でなくてエッセイだと思い込んで手をつけてなかったんだけど、映画化される、と聞いて、読んでみた。(映画のHP → http://www.arubaba.com/

この小説の主人公は、とてもしっかりしていて、まともだ。彼女の語る言葉には、嘘がなくて気持ちいい。

物語は母親が亡くなって、のちの父親の恋とそれを見ている主人公を描いている。しして、だんだんと、その主人公の中に、何というか、あたたかいものがしみてほぐれていくのがわかる。

アルゼンチンビルの中には、なにひとつ「なくなってしまったもの」がないから、時間が人の頭の中の力によってすっかり止まってしまっているから、そこに流れている時間は特別なもので、決して過去と現在を分けて流れてはいない、だから、そういう夢を見ることが許されるのだ、と私は思った。/p50-51

アルゼンチンビルの中の描写は、ちょっと強烈なにおいにつつまれている。人間のあぶら、とか、ねこのおしっこ、とか、そういうにおい。でもそれは生命のにおいでもあって、それもぜんぶ、留まっている、ということが重要なのだろう。

あらすじよりも、そのアルゼンチンビルの佇まいが印象に残る本だった。日だまりの中に思い出を見るときの感じに、似ている。

[] ガンダム target in sight

機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト - PS3

機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト - PS3

なんだかんだやってる。今のところこれがPS3でなきゃできない理由がわからないのだけど、絵は、なんとなくきれいな気がする。それからすごく「機械」を動かしてるなという感じがあって、モビルスーツを操作することそのものを楽しめる。ただ、頭もげてもスコープなくなるだけで動けたりするのは、やっててちょっと気持ち悪い。

まあ、ハード云々関係なく、久々のガンダムが楽しい。今グフカスタム使ってます。つえー。かっけー。ザクとは違うのだよザクとは! って序盤ではしゃぎすぎだ。

やっぱ私はこういう作戦たてて、戦うゲーが好きみたい。タクティクス系にしろ地球防衛軍にしろ、このタイミングであれが出てくるから、最初にこれを倒して…とかいうのが楽しいです。

ただ、この「target in sight」は、フォントがどれも小さくて読みづらいのが気になるな。

まあ、今週中には別のゲームが届いてしまうので、クリアはしないかもしれない。弟がやりこんでるので、見てるだけで結構満足。

loomerloomer 2006/12/19 06:37 わー昨日行ってたんですかー私もです!ご挨拶したかった!それにしても良かったですねー。たまらなかったです。

ichinicsichinics 2006/12/19 09:20 わー、こちらこそ、ご挨拶したかったです…! 楽しかったですねぇ。私ははじめてだったのですが、行ってよかったです。それからloomerさんの感想、すごくぐっときました。楽しかったときって、ほんと、帰り道早足になるよなー、って。
あ、そういえば、私のジントニックもそうとう濃かったです…。

2006-12-18

[] 空中キャンプさんへ、サントラ

空中キャンプ映画賞が決定しましたー。

空中キャンプ - 2006年の映画をふりかえる/結果発表

http://d.hatena.ne.jp/./zoot32/20061220#p1

おー、ちょっと意外な結果だ。特にクラッシュ。1位だと思ってた。

実は自分のセレクション(id:ichinics:20061214)はかなり「空中キャンプ賞」に近いんじゃないのと思ってたんだけども、まだまだ足りなかったです。皆さんの回答を参考に、見逃したの見ようと思います。

ところで!

それと、イチニクスさんは、今年5回くらいトラックバックをしてくれましたが、そのぜんぶが、わたしの意見に反対ということだったのでちょっぴりかわいくなかったヨ。でも敬愛してくださっているということなので、できれば来年は賛成のトラックバック(略してサントラ)もしてくださいね。かしこ。

http://d.hatena.ne.jp/./zoot32/20061218

うわー! ぎゃー! 反対かわいくない! だよね! と思った。でもちょっと嬉しかった、です。

ほんと、敬愛というか、いつも楽しみに読ませていただいてて、大抵は賛成なんですヨ。映画の感想にしても空中キャンプさんの「○○を見たゼ! これはすごくいい作品でした。ぐっときたね」と書いてあるだけで、見に行くリストに追加してる。で、見終わって読み返して「うんうん、そうそう」とか「うまいこと言うなぁ」なんて読ませてもらっているのです。なのに…! というとこが私のおもねり下手さを現してますね。

確かに、個人的に考えこんでしまった話題のときにはじたばたしたし、すると思うけども…。それはわたしにとって、それだけ切実な問題だったというだけで、相手に、ましてやzoot32さんに反対してるわけではないのですよ(とうぜんです*1)。そして考える切欠をもらってるということに、感謝もしているんです(もちろん!)。

ところで、実はわたし、今回の「空中キャンプ賞」ではじめて、相手のトラックバック欄が開いてなくてもトラックバック送られるんだ…ということを知りました。つまり今までずっと「「空中キャンプ」さんは、トラックバック欄が閉じたのでトラックバックは受け付けてない」と思っていたんですよね。

だから、今回「もしかして送れるっぽい?」と気づいて、実はちょっと、びびりました。今年トラックバック送ったのは反対意見のときばっかな気がするし、印象悪いだろうなって。案の定でしたが。

でも、ほんとは、送ったのは読んでもらえてたのかって思って、うれしかったです。だいぶ。

それと同時に、賛成、とか、好きです、とか、読んでます!とか繰り返すの恥ずかしい気がしてたけど(照れる)、ちゃんといっとかなきゃだめだと思ったので、最後に個人的にグッときたエントリ挙げてサントラしたいと思います。

「be thankful for what you've got」

http://d.hatena.ne.jp/./zoot32/20050823/p1

これはすごい。最初読んだときちょっとなきました。読み返してまた、ちょっとほろっときました。他にも好きな文はたくさんありますが、これを選んだのは、ここでid:zoot32さんに感謝の意を表明したいと思ったからです。サンキュー・トラックバック(略してサントラ)です。いつもすてきな文章をありがとう。集計おつかれさまでした! これからも楽しみにしています。かしこ。

*1:というかそのくらいは伝わってるかなと思いますが…

2006-12-17

[] 文化庁メディア芸術祭/平成18年度受賞作品発表

受賞作品一覧はこちら(http://plaza.bunka.go.jp/festival/sakuhin/index.html

エンターテインメント部門は「大神」。前の前のゲームショウでさわったっきりだけど、きれいなゲームだったな。感覚で操作できるとこがすてきだった。やりたい。それから優秀賞にCORNELIUS「Fit song」(MV:辻川 幸一郎)の映像も入ってます。これは見たことないんだけど、辻川 幸一郎さんの作品では、スーパーカーの「WONDER WORD」が印象に残ってます。

アニメーション部門は、「時をかける少女」。でしょう、と思う。あと荒井良二さんの原作を「冬の日」の和田敏克さんがアニメーションにしたもの(なのかな?)もあって、見てみたいと思った。(http://www.polta.net/index.html

マンガ部門は「太陽の黙示録」/かわぐちかいじかわぐちかいじさんの漫画は、最初の数回「おもしろー!」と思ってもだんだんついていけなくなることが多いのですが、これはまだ読んだことない。優秀賞に「大奥」と「よつばと!」が入っている。「百鬼夜行抄」も。「大阪ハムレット」は読んでみよう。一作品、自主制作のものがあって、それも読んでみたい。

受賞作品展

日時 : 平成19年2月24日(土)〜3月4日(日)

会場 : 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)

[] 緩んだ

今日は妹と髪切りにいった。最近びよういんばっかり行ってる気がするんだけど、それは髪型云々というより、トリートメントについてる美容師さんのマッサージ目当てだったりします。10分千円の簡易マッサージ店などよりよっぽどうまいし、しかもかなりみっちりやってくれる。毎週行きたいくらいだ(が、それなりのお値段なので月一回でがまん)。

その後、大好きな帽子屋さんで散々試着してああだこうだ言った後にひとつづつ冬物を買い、無印で大掃除に備えて日用品を買い、洋服をちょっと見た後はひたすら本屋とCD屋めぐり。

CDは一万円までって決めてたのに、欲しいのたまってたからひとまわりしたらかなりの山になってしまって、削ってったら新譜がほとんど残らなかった…。予算はもちろんオーバーどころじゃない。どういうことだ。

本屋はさんざんまわったのに探してるのがまったく見つからなくて、悲しくなる。いくら家に積んであっても、今あれが読みたい気分というのはあって、そういうのが見つからないと切ない。昨日カート一掃したばかりなのにまたアマゾンかー。で、あ、フィクショネスなら、と思ったら閉店していた。執筆活動に専念することにされたのだろうか。

下北沢もどんどん知らない町になっていってしまう。ような気がしないでもない。

帰宅したら弟がPS3を買ってきてた。Wiiじゃないのーとか文句垂れつつも、ガンダムとかやらしてもらった。コードレスコントローラーって軽くていい。けど方向転換になじめなくて(カメラを上に向けるときにスティックを下に入れる、っていうのになれない)苦戦。

弟が一番好きなモビルスーツケンプファーだそうです。

ともかくPS3があるということは、これからやりたいゲーム模索しなきゃだ。ああでもアマゾンでゲームたくさん買っちゃったのに…。時間て足りない。

toukatouka 2006/12/19 00:27 カメラ操作が上下反転なのは、デパートの屋上にある望遠鏡をイメージしているからなんですね。逆に私は反転してないとやりにくいのでドラクエ8では難儀しました。wiiも売ってないしDSも売ってない。任天堂は毎『週』15万台出荷していると言ってますが、私ゃこれまで店頭で売り出されているDSというものを一度も見かけたことがないですわ。あーシレンやりてー。一回毎に名前を変えて潜りてー(掲示板がすごく華やかになるのです)。しょうがないからベスト版の大神買ってやってみようかとか思ってます

ichinicsichinics 2006/12/19 01:07 なるほどー。たしかに望遠鏡っぽいです。でもだんだんなれてきました。DS毎週15万台ですか? どんだけ売れてるんだ。そりゃドラクエもDSで出るわけですね。
あとなんか、toukaさんんがそこまでいうならって、シレンちょとやってみたくなってきました。へたなのに。

ichinicsichinics 2006/12/24 02:12 おー買われたのですか。そのチュートリアル的な存在はオフにできないんですか? 想像するとちょっとうっとうしそうですが、面白そうですね。それにしてもベスト版でるの早いなー。

2006-12-16

[][] よつばと! 6巻/あずまきよひこ

よつばと! (6) (電撃コミックス)

よつばと! (6) (電撃コミックス)

よつばは じてんしゃ をおぼえた! の巻。

読みながらにやける。このにやけ顔は、お話が面白いことに反応してるのももちろんだけど、だんだんよつばの成長を見守る的な目線になってることに気付く。気付いた。とーちゃんやふーかたちや、よつばを取り巻く人たちのご近所さんくらいの気持ちで、「よつばと!ポタリング」の回の最初で「自転車乗ってるの初めて見るわー」と言ってるおばちゃんくらいの距離感覚で、よつばと!を読んでいる気がする。

自慢できたことではないのだけど、私は「母性本能」とか、感じたことないと思う。弟が二人、妹が一人いるので、子供がいる生活はなんとなく想像できるし、子どもは好きなんだけど、それはわりと対当な気持ちで同年代の自分を思い出して話してたり、子どもっておもしろー、という気分でしかなくて、よつばと!を読んでいても、どちらかというと最初はよつば目線で読んで「いつでも今日が、いちばん楽しい日」だと思っていたのが、今はよつばにとって、そうであればいいと思う。

この気持ちはたぶん「よつばと! きんようび」の回の引きゴマ(p103)のショックによるところが大きい。さて、このよつばに私はどう対応しようか、と思う。泣かせたくないなとか思ったりする。なんだこのきもち。

そして「よつばと! はいたつ」の回をよんで、やっぱり私は、とーちゃんみたいな大人になりたい、と思った。

よつばと!ひめくり2007」予約した!

[] The Telescope/HER SPACE HOLIDAYPCP

HSH(マーク・ビアンキ)が書いた物語にイラストレーターのpcp(北沢平祐)が絵をつけ、さらにマークが音楽を重ねた音楽絵本という企画CD。PVも収録されています。

物語はシンプルなボーイミーツガールと青い鳥形のお話で、PVはそれを描いたものです。やさしい色合いのイラストもHSHの雰囲気にあってるなと思いました。

ただ、物語はどうだろう…。企画自体は面白いと思うのですが、物語が語られてしまうことによって、イメージが限定されてしまうような、すこし窮屈な気持ちになった。あらすじだけだったら抵抗はなかったかもしれないんだけど。

うーん・・・。正直に言えば、この物語がまったく好きになれないのだ。でも、音楽とイラストがメインだから、といってしまったら、物語をベースにしいている理由がなくなってしまう。これは映画のサウンドトラックを聞く、ということとはまた違う。

HSHの音楽を聞くと、頭の中に映像が浮かぶような気持ちになることはある。だから歌詞として物語が語られたり、#10のように朗読が入ったりするのは楽しめる。

それが映像で、活字で、イラストで、音楽で、と語られ過ぎているのが縛りに感じるのだろうか。よくわからないけれど、ともかく音楽自体はとてもすきです。(ならいいじゃないか)

相変わらずのセンチメンタル/ドリーミーエレクトロニカ。私の中のある部分は、とにかくこういう音が大好物。特に今回は物語を感じる曲が多くて、それは聞く人の中にあってもいいのかな、と、思います。

   * *

前のアルバムについて→(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20050918/p1

[] 大友克洋書き下ろし@BRUTUS

BRUTUS (ブルータス) 2007年 1/15号 [雑誌]

BRUTUS (ブルータス) 2007年 1/15号 [雑誌]

で、思わず買ってしまった。いつ見てもいい画だ。こういうタッチに弱いです。CGはしっくりこない絵だということが分かってしまった気もするけど(あれはやりかたの問題か)。

お話はパチスロ部の男の子たちの放課後、だらっと、公園で、少しだけSFなんだけど、テンポよくて面白かった。時事ネタは時事ネタすぎて感覚がちょっとずれてるような気もしたがそれは私にももうわかってないんだろうからむずかしいなとも思った。けど、やっぱり大友さんには漫画/画を書いて欲しいなぁ。

2006-12-15

[] yom yom/ヴォネガット/キヴォーキアン先生

ichinics2006-12-16

新潮社から(新潮文庫から、となってる)創刊された文芸誌の第一号を読んでいます。赤い表紙も装幀もかわいくて、そそられる。ラインナップも適度に広い層にうけそうだし、何より軽いのがいいです。

最初に読んだのはヴォネガットの「キヴァーキアン先生、あなたに神のお恵みを」。翻訳を担当された浅倉久志さんの解説もついていて、気が利いている。

内容はヴォネガットが青いトンネルをくぐって天国までいって、インタビューを行うというもの。ヒトラーシェイクスピアアイザック・アシモフなどの著名人からヴォネガット自身の曾祖父や叔父さんまで。

アレックス叔父が人間たちに対していだいていた最大の不満は、彼らがめったにいま自分は幸福だと気づかないことだった。

アレックス叔父その人は、いい季節がめぐってくると、それを認めることにやぶさかでなかった。夏の日にリンゴの木陰でレモネードを飲んでいるとき、アレックス叔父はよく会話を中断してこういったものだ。「これがすてきでなくて、ほかになにがある?」

「キヴァーキアン先生、あなたに神のお恵みを」/カート・ヴォネガット

こういう一文にはすぐぐっときちゃうな。これがすてきでなくて、ほかになにがある?

さて、解説によると、このインタビューは「ニューヨーク市の公共ラジオ曲WNYCから90秒間のつなぎ番組として放送された台本にヴォネガットが加筆したもの」である小冊子に収録されていて、今回の翻訳はその短縮版とのこと。

そしてこの題名に掲げられているキヴォーキアン先生とは、実在する人物の名であるそうです。

ミシガン州の医師、ジャック・キヴォーキアンは「終末期患者の苦しみを見かねて、尊厳死の観点から患者が自分で操作して自殺できる世界初の装置「マーシトロン」を開発した人物」だそうです。最初にその装置を使用し自殺した患者が出たときには殺人罪で告発され、ミシガン州には自殺幇助を罰する法律がないことから、無罪を勝ち取った。しかし。

一九九八年、マーシトロンの操作もできない筋萎縮性側索硬化症の末期患者から自殺幇助を求められたキヴォーキアン医師は、その依頼を断るに忍びず、ある決意のもとに、薬物を使って安楽死を実施するだけでなく、その現場をビデオにおさめて、CBCテレビから全米に放送したのです。その結果、ついに彼は第二級殺人罪と統制薬品使用の罪で、ミシガン州裁判所から実刑判決を受けました。

彼の著書『死を処方する』は九九年に青土社から翻訳がでています。

「青いトンネルをくぐって」/浅倉久志

ここ(http://cellbank.nibio.go.jp/information/ethics/refhoshino/hoshino0097.htm)などにより詳しい話がのっています。少し検索してみたところ、『死を処方する』にはマーシトロンの話はあまりでてこないみたいですが、キヴォーキアン医師に興味があるので読んでみます。わりと最近の話なのに全然知らなかった。

死を処方する

死を処方する

[] ドーナツ

ぼぼ、ぼーなすがでた。びっくり。まだ入って二か月程度だから、全然きたいしてなかったんだけど、もらえた。寸志じゃなかった。なんでだー。思わず「いいんですか?」とか聞いちゃった。ぐふ、とか笑ってしまった。

あんまり浮かれてたので、なぜかスタバで散財。マカロンふたつづつとハニードーナツとレモンケーキ下さい!とかいってみた(小市民)。ドーナツはお金をかたどっているそうです(嘘です)。アマゾンカートにあるものまとめ買いした(勇気)。本屋行って漫画たくさんかった(いつもどおり)。

明日はCD屋に行く! わーい。

2006-12-14

[] 2006年の映画をふりかえる

空中キャンプさん(id:zoot32)の企画「2006年の映画をふりかえる」。今年も参加させていただきます。(昨年のはid:ichinics:20051223

1. 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別

id:ichinics/女

2. 2006年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください

3. 2で選んだ作品の中で、印象に残っている場面をひとつ教えてください

グエムルの、一家でカップラーメンを啜る台詞のないシーン。Kimochi(fromZAZEN BOYS)に満ちあふれた場面だったと思います。

4. 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか

フィリップ・シーモア・ホフマンさん

5. ひとことコメント

今年もすてきな映画をたくさん見ました。開催のお知らせを読んでからずーっと考えてたんだけど、3作品にしぼるのはとっても難しかったです。

選んだ3作品はすべて、観た後に走りたくなるような映画でした。そして実際、小走りしたりスキップしたりもう一度映画館へいったりしました。この先何度も見返すことになるだろうし、何度観ても、あっさり映画に巻き込まれてしまうような、力のある作品だったと思います。

それから空中キャンプさんが「クラッシュ」の感想(http://d.hatena.ne.jp/./zoot32/20060212)で「ともだち全員にかたっぱしから電話したいような気持ちになって、この文章を書いている」って書かれてたのが、すごく印象に残ってます。グッとくる感想でした。集計楽しみにしてます。

[] ことしの映画をふりかえる(ベスト10)

そんなこといいつつ、往生際悪くベスト10も選んでおきます。

今年劇場で観た映画は42本。去年が41本(id:ichinics:20051223:p2)で、安定したペース。が、見逃したのがたくさんあったせいか全然見れてない気がする。

あと今年はアニメ映画を既に6本みていた。今年は大手制作会社が劇場公開そろい踏みって感じで、楽しかったな。鉄コンも今年中に見るつもりなので、アニメ映画については改めて年末に書きたいなとか思ってます。

ことしみた映画ベスト10(みた日付け順)

相変わらず節操のないリストです。今年は映画館で見逃した映画の中にぐっときそうなのがたくさんあった。メルキアデスとかローズインタイドランドとかプルートでとか。思い出すだけで悔やまれる。来年はみたい映画は無理してでも、映画館に足を運びたいと思います。無理じゃない。

2006-12-13

[][] イカとクジラ

監督:ノア・バームバック

監督ウェス・アンダーソン作品に共同脚本で参加(「ライフ・アクアティックなど)していた人で、今回はウェスさんが製作で参加しています。それと、元LUNAディーン音楽で参加しているというのを聞いて、これは見にいかなきゃと楽しみにしていました。

すごくよかったです。特に奥行きのある人物の描き方が好きだ。だめな感じでも、魅力があるというか、人って面白いなと思わせてくれる。そして、彼らの行動と物語がしっくりとなじんでいるからこそ、じっくりしみる映画だった。

物語80年代ブルックリンに暮らすある家族を描いたもので、両親が離婚を決意するところからはじまります。うんちくをたれてばかりの父親も、浮気を繰り返す母親も、それぞれ子供っぽく見えるのだけど、親になったからといって自分の人生を捨てられないという言い分もわかるような気がするし、振り回される子供たちの戸惑いもすごくリアルに伝わってくる。

依怙地になってしまうときのあの感じ。「依怙地にならないで」と言われるタイミングはいつも遅くって、そもそも欲しいのはそんな言葉じゃないのに、というひんやりする気持ちを自分の中から掘り返されるようだった。

この映画では何度も何度も「わかんない」って答える場面が繰り返される。息子たちだけでなく、親も「さあ」とか「わかんない」とか答える。たぶん考えるよりも前に動いているから、後でどうしてとかなんでそうしたのかとか問われても、わかんないんだと思うけど、それは何も感じていないこととは違う。ただ、理由もなく、近くにいたいと思うのが家族だったらいいのにね、と思った。

それからこの映画では、性的なことに初めて触れるときの男の子の描写も、新鮮に感じた。その辺男性意見聞いてみたいです。親が親である以前に男女であるっていうことを知らされるときの、ちょっと待ってよ参ったなーっていうの、女の子の視点だとどうしても「汚い!」とかそういう反発として描かれることが多いように思うのだけど、どうでしょう。

[] 新宿駅南口

人混みの中をうまく歩くには、立ち止まらないことが肝心だ。立ち止まったそばから流れは淀み、分裂し、人々の間に苛々の静電気が立ちのぼる。摩擦があり、行き先を見失った人が回転する。うまく歩く人はもうずっと先にいて、声をあげることもなく振り返ることもなくモクモクと流されていく。

流れのはじまりもおわりも見えない。

間隙にはまりこんだ人が数人、渦に見とれている。

[][] 鈴木先生 1巻/武富健治

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

面白かった!

なんだか不思議漫画でした。まっとうすぎてまっとうじゃなくなっているのにまっとうである奇妙な漫画島耕作土田世紀岩明均テンションが入り乱れているような感覚。でもそのどれとも違う。

主人公鈴木先生はことあるごとに、ちょっと大げさなくらいに、生真面目に考え、自分へ問い返し続けるのだけども、単に良い先生とか人間的な先生とか一面的に把握できるようなところがない。

物語としても、表現としても、なんかみたことない感じの面白い漫画でした。続きが楽しみだ。

ちなみにこの作品は、あちこちで評判良いのを見ていたのですが、でもなんで今まで手に取らなかったかっていうと、別の漫画家さん(あんまりすきじゃない)と間違えていたからだった。あー。

2006-12-12

[][] 僕たちは歩かない/古川日出男

僕たちは歩かない

僕たちは歩かない

ハードボイルドワンダーランドから抜け出し、世界の終わりに集う料理人たちのお話。挿絵が多いせいか「羊男のクリスマス」のようなコンセプトの本なのかなと感じた。

私は古川日出男の駆け抜けるような語り口が好きだし、登場人物の力強さや、各作品に開かれている日常の中にある冒険の入り口というか、そんなわくわくする感じが楽しくて読むのだけれど、この本は、いかんせん短すぎると思った。圧倒と仰々しさは紙一重のところにあって、あと少し、私には足りなかった。ペダルを踏みぬく手応えを感じられないままに、読み終えてしまったような気がする。

そういえば、この物語は「かえるくん、東京を救う」にも少し似ている。舞台は現代でも、神話やファンタジーに近い、祈りのような物語だ。しかし、その祈りを共有するには、そのフィールドの情報だけでは足りなくて、やはり僕について、もしくは彼らについてもっと詳しく、語られるのが読みたかった。

これまで書いた感想とか

個人的に、今年は古川日出男の年だった、かもしれません。だからちょっと期待値が高くなってるというのもあるのかも。

[] 佐々木昭一郎作品再放送

佐々木昭一郎作品が日本映画専門チャンネルにて再放送されるそうです。コメント欄(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060616#c1165895302)にてゆきだるまさんに教えていただきました。感謝。

詳細はこちら(http://www.nihon-eiga.com/0612/0612_05.html)。

前回の再放送で見逃したのもあるので、この機会にぜひ見たいと思う。

「四季〜ユートピアノ」(感想/id:ichinics:20060613:p1)を見たのは今年が初めてで、それは、私にとってかなり大きなことだった。20年以上も前の作品ではあるけれど、あのように語られる映像、というのを私ははじめて見たし、その可能性に圧倒されもした。そしてあれはなんだったのか、未だにうまくいえない。

IMAOさんが紹介されていた本(id:IMAO:20061212)も、読んでみたいです。

[] 「Eraser」リミックス

idiot computer(http://www.idiotcomputer.jp/)様経由でRadioheadトム・ヨークのソロアルバム「Eraser」のリミックス情報を知りました。先日聴いたのは(id::ichinics:20061207:p2)やっぱRadiohead新譜じゃなくて「The Clock」のSurgeonリミックスだったみたい。ちらっとしか聴いてないけど、かっこよかったはず。だって新譜だ、と思ったくらいだし。

ちなみに「Atoms For Peace」はフォー・テットがリミックスするらしい。好きな曲なので楽しみだな。

って、それより来年にはでるだろうRadiohead新譜が楽しみなんだけど!

BBC「Later」にJools Hollandとでたときの「The Clock」があったので、帰ったらみるようメモ→(http://www.youtube.com/watch?v=oXFLkD4H9kA

[] 何か忘れてるような気がする

年末ってやっぱいそがしい…。サラリーマンであるとはこういうことなのかとか今さら思う。

あちこちで今年の総括みたいなのを見かけるたびに、ちょっと待って、神様と、特に引き止める理由はないんだけど思って、もうちょっと、だってまだ、いろいろ…とかおろおろしてるうちに1日が終わってしまう。そして今日もまた。

今日は表参道で打ち合わせがあったので、ついでに「よつばと!」展みちゃおうと思ってうきうきしてたのに行ったら終わってて(18時までらしい)、はらいせにえるめさんでマカロン買い食いした。ぜいたく。でもなんか落ち着かなくて、でも何でそわそわしてるのかわかんなくて、仕事してかえってきてもまだ変な気分だ。

IMAOIMAO 2006/12/13 10:00 古本屋のオヤジに「この本ありますかねー」とメモ渡したら「うーん、ありませんねー」と答えられ、すごすご帰ろうとしたら、まさしくその古本屋の本棚にこの『創るということ』を発見した思い出があります^^何はともあれ、この本を読むと如何に佐々木昭一郎の志が高いかが判ります。

ichinicsichinics 2006/12/14 00:59 古本屋さんのエピソード、そういうのって印象にのこりますよね。見つけたときのうれしい感じとか。佐々木監督の作品は、一見すると、感覚的なものに見えるのに、それを映像化するときのことを考えるといかに綿密に構成されているかがわかる、というあの感じがたまらないです。なんだかちょうどよいタイミングで復刊されてよかったです。

2006-12-11

[][] グレート・ギャツビー

作:スコット・フィッツジェラルド

訳:村上春樹

最初に読んだのは中学生時代、どこかで村上春樹が「特別に好きな作品である」、と話しているのを読んだからだった。しかし、その当時の私には些か遠い話に思えたし、正直、それほど面白い話だとは思えなかった。次に読んだのは『スプートニクの恋人』が出た頃のことで、私には第二次村上春樹ブームがきていた。彼の著作を片っ端から読み返し、そこから何かを探そうと躍起になっていた。ギャツビーもその流れの中で読み返したのだけれど、やはり、どこかしっくりこないまま読み終えた。

この「グレート・ギャツビー」という小説は、あとがきで村上春樹さんも書いているように、冒頭と結末が特に素晴らしく、印象的に残る。そこには読み終えてすぐさま数度読み返し、頭の中で音読して余韻に浸りたくなるような美しさがある。しかし、それは物語と有機的に結びついてこそ、特別な色彩を放つのだ、ということを感じたのは、三度目の村上訳「グレート・ギャツビー」にして、はじめてのことだった。

繰り返し「特別な小説である」と語ってきただけあって、この訳は親密な空気に満ちている。翻訳作品として、それがどういう意味合いをもつことなのかわからないけれど、この訳は、言語の差を感じることなく読める小説だったし、その壁を取り除いた分だけ、これは村上春樹のギャツビーなのだと思う。

ただ、この『グレート・ギャツビー』に限って言えば、僕は小説家であることのメリットを可能な限り活用してみようと、最初から心を決めていた。超訳したとか、文章を作り替えたとか、そういうことではない。僕は要所要所で、小説家としての想像力を活用して翻訳をおこなったということだ。(略)フィッツジェラルドの文章世界には、思い切って懐に飛び込んでいかないことにはその核心を掴みきれないところがある。その核心に触れてこそ、フィッツジェラルドの文章は開花するのだ。/p337

読み終えてみると、この言葉の意味することろが切実に伝わってくる。そして、この小説を翻訳されたものとして読み、なおかつ原作にある陰影のようなもの、例えば複雑に重ねられた印象が像を結ぶ瞬間を体験するのに、村上春樹のリズムやステップは、とてもしっくりきていた。

同時に、この訳を読むには、村上春樹の小説の中にちりばめられた、フィッツジェラルドの片鱗をたどる楽しみもある。例えばこの場面。

「なんて美しいシャツでしょう」と彼女は涙ながらに言った。その声は厚く重なった布地のなかでくぐもっていた。「だって私――こんなにも素敵なシャツを、今まで一度も目にしたことがなかった。それでなんだか急に悲しくなってしまったのよ」/p172

何百着という美しい服がそこにずらりとならんでいた。やがて彼女の目に涙が浮かんできた。泣かないわけにはいかなかったのだ。涙はあとからあとから出てきた。彼女はそれを押しとどめることができなかった。彼女は死んだ女の残した服を身にまとったまま、声を殺してじっとむせび泣いていた。しばらくあとでトニー滝谷が様子を見にやってきて、どうして泣いているのかと彼女に尋ねた。わかりません、と彼女は首を振って答えた。これまでこんなに沢山の綺麗な服を見たことがないので、それでたぶん混乱しちゃったんです、すみません、と女は言った。そして涙をハンカチで拭いた。/「トニー滝谷*1

ここを重ねることによって、いまひとつつかみ所のなかったデイジーという人物に深みが増したような気もしたけれど、それはきっとまた別の話だ。ここでは、その涙の残すちょっとしたひっかかりのような印象/互いの抱えているものの伺い知れなさこそが大事なのだと思う。そして、その小さな針飛びのような印象を、村上春樹はあの小説のヒロインに重ねていたのではないか。

なんだか訳者についてばかり書いてしまったけれど、『グレート・ギャツビー』はすばらしい小説だった、と今なら言える。

しかしうまく説明できない。あらすじをとりあげても、手の中には残らない。人物の描写や語り口のすばらしさだけでもない。ただ、全ての言葉が結びついたところに現れる何かが、たまらない気持ちにさせるのだと思う。

その気持ちこそを、読み手の中に描いてみせるような小説だった。

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

[] なんでもない日ばんざい

まずはじめに、それはいわゆる「悲観的」とされるような意味あいではありません。

生き始めて、生き終わる、ということを1日の流れに例えるなら、この1日はすでに暮れ始めている、というだけのことです。ついでに言えば季節によって日照時間の異なるように、白夜を迎える国があるように、私の思い描く1日の中でのこととして、とも言い添えておきます。

生きた年数の問題でもありません。足下は続いているけれど、いつからか引き込み線に入っていた。そんなふうにやってきたものを、私は晩年と呼びました。

もちろん、おまけだからといって、無駄に使うつもりはないですし、むしろこのおまけのためにプレイしてきたんだ、とも感じているわけですが、それは私がこの1日を、そのように思い描いたからだと思います。

そうやって、世界は何度でも語り直すことができます。

断片を取り出して長々と描写を続けることも、一文で簡潔にまとめることも可能です。否定と肯定を繰り返しながら、つまり、この日記に書かれていることはぜんぶ、そんなふうに1日を推敲しているにすぎません。

何度推敲しても、言葉が追いつくことはないと、私は薄々気づいています。こんなふうに、つかみ所のないことを書いていると、むしろ遠ざかっていくような気すらします。しかし、だからといってためらう必要があるでしょうか? 

世界にはまだまだ知らないことがあって、それには1日じゃとてもたりないのです。それってとてもすばらしいですね、と、その一言で終わらせることだって出来るのに、わざわざ言葉を重ねるのは、私がこのおまけを楽しんでいるからに他なりません。

toukatouka 2006/12/12 17:32 いや、中学時代に華麗なるギャツビーを読み終えられるってだけですごい。私も村上春樹つながりで大学時代に読んで、すぐに挫折しました。
なんかしらん、ここ数日ところどころでギャツビーを読んだって話を見かけていたのですが、村上春樹の役本が出たのですね。とはいえ、じゃあ読むかとならないのは、泥を噛むようにして読んで挫折したあの時の記憶がトラウマになっているからでしょうかね

ichinicsichinics 2006/12/13 00:59 私も翻訳小説で挫折することは未だに多いので、泥を噛むようにして読む気分はなんとなくわかる気がします。でも村上春樹訳はほんとに読みやすかったんですよ。まったく違う印象だった。きっと一回挫折している人ほど、そのギャップを感じるんじゃないでしょうか。

2006-12-10

[] ポテトチップス愛

「ヘルスライフビジネス」という健康食品の情報を扱う新聞の10月15日に載っていた社説であった。社説によれば、実は非公開ながら大手スナック菓子メーカーの研究で、ポテトチップスには今話題のアミノ酸GABAと葉酸がたっぷり入っていることが判明したという。

GABAは現代人にふそくしがちな栄養とよく宣伝され、これが欠けるとイライラが募り、睡眠障害などを引き起こす要因となる。

http://d.hatena.ne.jp/./FUKAMACHI/20061207

最近、仕事で食育とか調べる機会があって、世の中は健康について考え過ぎだなーと思ってたとこだったので、ですよね、と思って読みました。

まあ、何事も過剰に摂取するのはよくないってことに落ち着くのはわかってるのですが、それにしても、いちポテトチップス好きとしてなんかほこらしい気分だ(ちがう)。どうりでイライラしないわけだ(それもたぶん違う)。

好きな食べ物は、と聞かれたら「ポテトチップス」と答えて約20年。小学校の遠足予算300円にはポテトチップス2袋を持参し、中学の修学旅行ではお土産にポテトチップを買い、高校ではポテトチップスでレポートを書いて、大学入試の願掛けにポテトチップス断ちをした。そんな青春を送った私ですが、特に健康に差し障りはなかったと思うし、今もおおむね健康です。

最近はさすがにそんな食べてないけど(せいぜい週に2袋くらい)新商品はほとんど食べるし(整形済みのは食べないかな)、お気に入りの期間限定は買いだめするし、ポテトチップスってほんとおいしいなぁと思う。

ちなみにブルーチーズ味はまだ買えてない。

[] 今年を忘れる

昨日は仕事がどさーときたので、9時頃までやって、その後前の会社の人たちとの忘年会に合流。なんかたいへんそうだった。けど、そのたいへんさがすでにどこか他人事になってる自分もいて、つめたいなーと、思う。

前の職場は、なにかというと感情をあらわにする人が多くて、部署のみんなは仲良しでも、上の人との争いがたえない日々だった。もちろんそれにはちゃんと理由があったし、私も不満に思うことは多い上司だったけど、私は大人が声を荒げるのとかほんとだめで、でもここにいたら、そういう場面を頻繁に目の当たりにせざるを得ないんだ、と思ってしまったことが、結局は、辞める原因になったのだと思う。そして、それは今もかわってないみたいで、ちょっと疲れた。

帰り道、うとうとしながら、断片的な夢をたくさん見る。そして今年は結果オーライだということに、しておこうと思った。

cdefgcdefg 2006/12/10 17:31 一時期販売されていたダブルコンソメ味がおいしくてやみつきでした。高カロリーですが、悪いばかりでもないみたいですね。うれしいです。ichicoさんの好きな味はなにですか?
ところで下の動画すごくかっこいいですね。動く田中達之さんの絵ははじめて見ました。言及されている作品が、たのしみですね。

ichinicsichinics 2006/12/11 00:31 cdefgさんこんばんは。わたしもコンソメ味大好きです。ダブルはさらに好きです。うちの近所では、まだうっているので、今もよく買います。あとはカルビーの北海道バターしょうゆ味が大好きで、北海道土産に買ってきてもらったりしています。
田中達之さんの動画、かっこいいですよね。絵がそのまま動いているみたいで、わくわくします。下のオムニバスで公開されるはずの「陶人キット」も、トレイラーだけみたことあるのですが、似たような雰囲気でした。とても楽しみにしてるのですが、そのトレイラーも、たしか五年くらい前に見たものなんですよね…。どうなっているのやら。

2006-12-09

 Wii欲しい!

すごく欲しい!

というわけで画像を貼ってみます。実は、私のPCでは貼られた動画が見れません。なので動画の貼られたページを見て気になったら、実は、ソースからアドレス探してyoutubeに行って見ています。すみません。何かすごく間違ってる気がするし、きっともっといい方法あるんだろうなと思って今まで恥ずかしくていえなかった。たぶん私のPCがひどくへたっているからだと思います。そろそろPC変え時だと思います。でも貼ってみます。なぜならWii欲しい!からです。あさましーといわれてもかまいません。

D

これは以前にも書いたことのある田中達之さんによるUTADAクリップです。何度見てもすげーと思う。

GeniusPartyのほうは(id:ichinics:20060326:p1)どうなってるんだろう…。

[] 岩盤浴にて思うカタルシス自己満足不思議

隣の駅に新しくできた岩盤浴に行く。

ただ汗を流すために寝ている、ってちょっと不思議な気分なんだけど、最初の砂時計(時間を計って休憩をとるためのもの)が落ちきる頃には、すっかり気分より汗を流す気持ち良さになじんでいる。そしてこの、体がゆるんでくような感覚が「カタルシス」という言葉の意味するところの下敷きにある気持ち良さなんだろうな、とか感じ、よくできてる言葉だ、と思う。

カタルシス 【(ギリシヤ) katharsis】

アリストテレスが「詩学」で展開した説。浄化・排泄の意〕

(1)悲劇を見ることによって日頃鬱積(うつせき)している情緒を解放し,精神を浄化すること。

(2)精神分析で,抑圧された感情や体験を言葉や行動として外部に表出して,心の緊張を解消すること。

三省堂提供「デイリー 新語辞典」より

感情は、頭に浮かぶ思いのような気がするけど、実は肉体の反応であって、だからこそ制御しづらく、しかしトレーニングされることもあるんだ、とかぼんやり考える。五分おきに裏返されながら。水飲んで汗かく自分の体は、まるで他人みたいだ。

90分じっくり堪能した後は、近くのカフェごはん

更衣室で見た、友達が着てたレースのキャミソールがかわいくて、それはもちろん服着てると見えないんだけど、身につけるものって結局自己満足だよねぇ、ということで盛り上がる。糸の色、小さな刺繍、レースの縁取り、ボタンの形、裏地の柄、そういうちょっとしたことで幸せな気分になれる基準てきっと人ぞれぞれすぎて面白い。

[] おまけの人生

世界一受けたい授業」で桜木晃彦という先生が、骨密度について解説していたのだけど、その流れで「人がもし野生動物だったなら、30歳くらいが寿命である」という話をしていた。そしてさりげなくこう続けたのが面白かった。

「人はただ生物として生きるのではありませんから、おまけの人生を楽しむためにも骨を大切にしてください」

記憶で書いてるので正確ではありませんが「おまけの人生」っていう言葉遣いが、いいなぁ。

それに似たような感覚で、私はいつからか、晩年を生きているつもりでいたのだけど、晩年という言葉はちょっと違う気もしたし、年うえの人に言ったらおこられそうで口にしたこともなかったのだけど、おまけ、というのはいいと思った。

michiakimichiaki 2006/12/10 00:27 ぼくは「余生」って言ってます。

ichinicsichinics 2006/12/10 02:25 前に、michiakiさんがそう書いてるの読んで、あー、すごいな、と思ったのを思い出しました。

toukatouka 2006/12/10 09:07 wiiテニスやりたいなあ…

ichinicsichinics 2006/12/11 00:30 やりたいですねー。でもなんか、今年中に手に入る気がしません。toukaさんはDS買えましたか? 最近またクリスマスシーズンだからか、品薄みたいですね。いつになったら普通にかえるようになるのやら。

2006-12-07

[] 品格と品性(昨日の続き)

トーハンの年間ベスト*1を見たら、一冊も読んでなかった私ですが、中でも「国家の品格」という本が、トーハン集計で1位になるほどまでに売れてる、というのには驚いた。勉強不足。

ただ、この「国家の品格」というタイトルは、どういう意味なんだろうってのはずっと気になっていて、「すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論!」という帯の文句の通りならば「美しい国」と同じような意味合いな予感がするし、だとしたら用はないのだけど、誰か読んだ人がいたら、簡単に説明してほしい、と思っていた。その「品格」とはどういう意味で使われているのかということを。

最近村上春樹のことばかり書いているのは、「グレート・ギャツビー」を読んでいるからだ。満を持してであるだけに、今まで訳したどの作品とも異なる、親密な空気に満ちた訳だと思う。そのことはまた別の日に書くとして、ともかくギャツビーだ。ギャツビーの、自身の理念に忠実であるさまに胸を撃たれつつも、その理念を動力にするあやうさについて考え、少し考えがずれたところで思い出したのがこの場面だった。

かつて誰もがクールに生きたいと考える時代があった。

高校の終わり頃、僕は心に思うことの半分しか口に出すまいと決心した。理由は忘れたがその思いつきを、何年かにわたって僕は実行した。そしてある日、僕は自分が思っていることの半分しか語ることのできない人間になっていることを発見した。/p109

「思うことの半分しか口に出すまい」ということと同じように、私にも決心したことがたぶんあって、それはいつしか実行しているということに気付かないほどに、「思っていることの半分しか語ることのできない」くらいに、なじんでしまった、と感じることがある。

例えば、好きな言葉、嫌いな言葉、と個人的な好悪で使い分けているはずの言葉も、じつはそれまで積み重ねられた背景、歴史に左右されているだけの得意不得意と同質なんじゃないか。そして、そのような背景を取り除いていったら、言葉は形でしかなくなるんじゃないか。

多くの場合、私は私の選んだ言葉を使いたい、と思っているけれど、それを全部放り出す、ということはそもそも可能なんだろうか。それが不可能だとしたら、それは自らの言葉に捕われているということと、とてもよく似ている。

なじんでしまったものから自由になるためには、それを放り出すのではなく、中にあるものを知ることで、輪郭をおもいえがくような、ただしんとした気持ちで待つことが、肝要なのではないでしょうか。と、勢いで自問してみるけれど、漠然としていて見えない。

ただ、そのような、漠然に憧れつつも、誰かに向ける言葉を探すのならば、保っていたい何かがあって、それを言葉にするなら「品性」というのではないかと思う。『人間以上』にでてきた言葉。

それは服従よりも、むしろ信頼を求めるおきてなのだ。

と、スタージョンは書いていた。

「品性」と「品格」は、字面こそ似ているものの、全く違う。(やっと話が繋がった…)

誇りと自信を与えてくれる「品格」なんて、結局はクールに生きたいと願って思ったことの半分しか口にできなくなってしまうことと似た、自分を定義し限定していく物語なのではないか。

いいわるいではないし、好悪でもない。ただ、少しつまらないなと思う。

強固な理念に動かされるギャツビーの姿に胸をうたれるのは、彼が追い求める人であるからで、拡散していくものをとらえる形を、ただ待ってみることも、どこかでそれに重なる。

限定するための言葉ではなく、その先に繋がるための言葉。

輪郭において、外と相対するとき「品性」を保っていたいと思うのは、それが信頼を求める掟だからだ。「信頼を求める」ということは、つまり言葉を、物語を、交換するということなんじゃないかと、思う。

そんなことを考えていて、昨日も同じこと書いて、でもうまくいかなくて書き直したけれどやはりうまくいかなかった。これは、考えを書いてみてから、それってどういうことなのか考える試みです。

[] 

1日中雪かき仕事。年末進行の波が見えているのに、いろんなところが詰まってるので、なかなか近づかない。いやーな予感。 冬休みの日程も思ったより短くて残念。

今日はちょっと買い物したかったので、久々に、別ルートで帰宅(最寄り駅が複数ある)。すっかりクリスマスカラーに飾り付けがされた駅前を見て、今年も無事にクリスマスだなぁと思う。で、クリスマス、といえば「何食べようかなぁ」なので、デパートの地下とかうろうろして、小さいお菓子を買ったり、ニットのタイツ(だって足寒い)探したりして、バスのって帰る。晩ご飯はハヤシライス。

そういえば、買い物してるときに、レディオヘッドの聴いたことない曲がかかっていた。シングルとかでたのかなと思って、店員さんに聴いたら有線(?)流してるのでわかりませんとのこと。どうなんだろ。曲はトムのソロの「Clock」に雰囲気が近かった。もしかして「The Eraser」のリミックスだったりしたのかな。

最近音楽が足りてない。朝霧からまだ二ヶ月しか経ってないのに、もうずいぶん昔のことのような気がする。

2006-12-06

[] 寄り道

朝「いつも元気ですね」と言われたのに、夕方には「なんか元気ないね」と言われた今日。ほんとうはどっちでもない。神保町で人に会い、その後、本屋ひやかしながら、秋葉原ってこっちかな、と思いつつぼんやり歩いてたら、たどり着いたのはお茶の水、いつのまにか小川町、で、ここまできたら、と思って、古い蕎麦屋で蕎麦を食べる。「月見」とか「ケツネコロッケ」とか立喰師のことばかりうかんだけれど、頼んだのではもり蕎麦。ざるとせいろともりって何が違うんだっけか、なんて言いながら食べるほっとする味の蕎麦。つまり、平凡な蕎麦、今まで食べてきた蕎麦の平均であるかのような蕎麦、ではあったんだけど、年末感のある雰囲気に浸れたので満足した。

駅からの帰り道には、満開の椿を立ち止まって眺める。冬の夜の赤は迫力があって、すこしだけこわい。

帰宅後、いただきものの揚げまんじゅう*1食べながら、やなか珈琲でかった神田ブレンドというのをためす。こげたキャラメルみたいないい匂い。あっさりして飲みやすい。まんじゅうもおいしい。冬です。

[] 残るのは輪郭

高校の終わり頃、僕は心に思うことの半分しか口に出すまいと決心した。(略)僕は自分が思っていることの半分しか語ることのできない人間になっていることを発見した。「風の歌を聴け」/村上春樹

外側から定義される物語に、捕われまいと抵抗しているうちに、いつのまにか、自分の定義に捕われているということはある。

例えば、「差別されている」と感じ、その価値観を覆すために戦う、とか、その差別自体を無意味なものとみなし自分が自分を定義するものであると考える、とか。

私の思考回路はどちらかというと後者に近く、自分で考え、自分の言葉で話し、他人のそれも尊重する…、ということを、いつからか主義のように感じていて、それは今もできてるのか不明なんだけど、でも既に時折、その主義に捕われているように感じることもある。

他者の定義、とか、自分の定義、とか、別物のように考えているけれど、実はメビウスの輪状に裏表につながっているんじゃないのと感じることは多い。裏になったり表になったりしながら、取り除いていって残るのは輪郭だけ、みたいな感覚を、なんといっていいのかまだわからないんだけど、

最近、今の方法では埋まらない隙間があるような気がしている。輪郭を広げたら、強度が薄れるような不安はあるけれど、案外大丈夫なのかもという、無根拠な楽観もあったりして。

2006-12-05

[] 記憶の補強

最近本棚の整理をしていたら、確かに読んだのに、結末を思い出せない本がけっこうあるなと思った。そういえば映画もだ。漫画は、そうでもない気がするけど、それはたぶん何度も読み返す漫画がほとんどだからで(手軽さのおかげもある)、一度しか読んでない/見てない、本や映画は、印象に残った場面が塊のように残っているだけで、それは結末でないことが多い。

ただ、ここに自分が読んだ/見た、本や映画の感想を、すべてではないけどほとんど書くようになって、記憶は補強されているように思う。透明度30パーセントだったのが、70パーセントくらいにはなった気がする。

はてなで日記書きはじめる前にも、2年くらい読書の感想だけ書いたりしていたのだけど、覚えてないものはそれ以前のものがほとんどだ。映画については、一応そういう勉強をしていたのにも関わらず、見っぱなしだったので、はてな以前の「一度きり」については、印象しか残っていない。

最近、頭のどこかで、はてな以前/以後みたいな思い出し方をすることがあって、それってどうなんだろうな、と思ってたんだけど、記憶の受け皿がザルな自分にとって、見たり読んだりしたものを、思い出して考えて文にするという過程は、少しは役立って(?)いる習慣なのかもな、と思う。

それによって、主観的なフィルタがかかった記憶でしか思い出せなくなるということはあるかもしれないけど、つまるところは個人的な体験の記録であるし、また楽しみたいと思った時には、再見/再読すればいいのだし。

なんて考えてると、私は死ぬまでに読みたい本を全部読んでそれについて考える時間を持てるのだろうか、なんてことを思う。1日が、もっと長ければいいのに。(勤務時間は据え置きで)

[] リッチストロベリーチョコレートがうまい

ichinics2006-12-05

明治の板チョコ(ミルクチョコレート)シリーズのイチゴ味がおいしいです。すごくイチゴだ。ちょっとすっぱくて、さっぱり甘い。おいしい!!! イチゴのピューレでつくりましたって感じがする。イチゴ味好きなひとはぜひ。

あとちょっと前にはてブで見かけた厚切りポテトチップスの作り方、(http://www.nikkeibp.co.jp/style/life/joy/chef/061122_cynthia/index2.html)を見たのですが、これ、我が家では「フライドポテト」として出てきます。ふだんはクレイジーソルドトだけど、とけるチーズかけたりするのもうまい。リンク先で紹介されてる塩もおいしそうだなぁ。

塩メモ

http://www.rakuten.co.jp/cook/104129/232344/

http://www.ecnac.jp/gueran/salt/index.htm

[] はてな夢日記/行ったことのない家、会ったことのない人

目が覚めて思い出したのは、その時見ていた夢でなくて、その前に見ていた夢だったんだけど、そういうとき、ほんとうにそのとき見ていたのはどっちなんだろう。■その時に見ていたと思うのは確か音楽に関する、歌を覚えるとかそういう夢。そんで、その前に見ていた夢というのは、会ってみたいと思っていたひとに会う夢だった。■最近引っ越した友達夫婦TくんとTちゃんの家(引っ越したのは本当だけど、まだ行ったことはない家)に、家主の二人と、私と、なぜかその人がいて、隣の部屋にはまだ他のひともいるみたいな気配。■私たち四人は、ゲームをしている。テレビゲームでもボードゲームでもなくて、三次元ゲーム(体力を使わないサスケとか、そんな感じ)をやってるんだけど、会話は至って普通の世間話。どこ住んでるんですか、とか、Tくんがはなしてる。その人は、ずっとにやにやしている。■やがて、予想通りのマイペースぶりで、ちょっと出かけてくる、といって出て行く。戻ってくんのかね、こないでしょう、ほんと不思議なひとだったね、だね、というようなことをTちゃんと話しながら、凍ったアイスにスプーンを突き立てると、三分の一くらいがごっそりと欠ける。穿たれる、とかいいたくなるような、スーパーカップの表面をスプーンでなでながら、つまんないの、と思う。■部屋が、のび太の部屋サイズになる。開いた襖から見た廊下、流し、そのうえの磨りガラス、群青色の空■夢の終わりは印象ばかりで、思い出そうとするほど遠くなる。どじょうすくいか、ゆるゆるのゼリーか。

ko-motoko-moto 2006/12/06 00:39 はじめまして。いつも拝見させていただいています。
塩に反応しました。リンク先のカマルグ産の塩、ホントおすすめです。生で味わうとおいしいので我が家ではサラダはこの塩とオリーブオイル+ブラックペッパーでシンプルに味わいます。ポテトもおいしそうですね!試してみます。
仏旅行する方におねだりすると、値段も手ごろですし(輸入されると高いですが)喜んでもらえちゃったりしました。選ぶ手間はぶけたわーって。

ichinicsichinics 2006/12/06 01:38 ko-motoさんはじめまして。コメントありがとうございます。塩、お勧めといわれるとすぐにでもためしてみたくなっちゃいますね。調べてみたら、輸入ものでも普段使いできないほどの値段じゃないみたいなので(http://www.ecnac.jp/gueran/salt/index.htm)、近いうちに挑戦してみます。塩といえばクレイジーソルトか精製塩ばっかりだったので楽しみです!

ichinicsichinics 2006/12/07 01:17 rbさん、はじめまして。落ち着きますか。よかった(笑)そうおっしゃっていただけるのはうれしいです。たんたんと更新しておりますので、よければまたのぞいてみてくださいな。
イチゴ味、ほんとおいしいです。さすがチョコレートの明治、と思いました。ぜひぜひ!

2006-12-04

[][] ガールズ・ブルー

ガールズ・ブルー (文春文庫)

ガールズ・ブルー (文春文庫)

自分と、他人の目を通した自分との間に現れる齟齬を、初めて意識したのはいつ頃だっただろうか。年代というラベルを貼られることにも苛立ち、同時にいつまでもこの自分でいたいと思うような、身勝手な全能感と、無力感を持て余していた日々の物語。

今がいい。今が楽しい。ずっとこのままでいたい。時が、還流すればいいと思う。流れ去っていくのではなく、ぐるぐると、ただ、巡り流れてくれればいい。あたしたちは、いつまでも今のあたしたちだ。

ときどき、本気でそう思う。同時に、突き抜けたい、遠くに、高く、この街を突き抜けて、今までと全然別の自分を見つけたい。そうも思う。真反対にある二つのものを、同時に手に入れる魔法ってないだろうか。/p72

かつての自分は「今が楽しい」というよりは、今の自分がなくなるのがこわい、と思っていたけれど、でも主人公のこの気持ちを、照れくさく思うくらいには身に覚えがある。その感覚だけで、いとおしく思ってしまうような小説というのはあって、例えば佐藤多佳子の「サマー・タイム」や「黄色い目の魚」、角田光代の「学校の青空」、藤野千夜の「少年と少女のポルカ」、それから、山田詠美の「放課後の音符」も、確かそういう小説だったと思う(記憶にないけれど、流行った気がする)。

このいとおしさ、というのは、同年代として読んで感じることの強さとはきっと違うのだけど、それでいいと思える。

だから、油断するな。美咲はそう言ったのだ。睦月じゃないけど、みんなが期待する美しい物語に嵌めこまれたら、逃げ出せない。

(略)

捕まりたくない。演じたくない。あたしは、主役を張りたいのだ。演出も脚本も主演も、全部あたしがやる。あたしに役を与えて、演じろと命じるものを、かたっぱしから蹴っ飛ばしたい。他人の物語の中で生きていくことだけは、したくない。/p66

こう宣言してもなお、物語から逃げる物語にならないところが、この主人公/物語の魅力的なところだと思った。

[] 17歳の魂

「ガールズ・ブルー」を読み終えた後、久しぶりに日に焼けた「ダンス・ダンス・ダンス」を開いてみた。あの頃の私が、大いに影響を受けた本といえば、やっぱこれだったりする。同年代の物語ではなかったけれど、目に入ってきた一文は今も私の脳内にしっかり刻まれていて、あの今の自分は、ちっともなくなってなかった、と思った。

でもとにかく、何か喋ろう。自分について何か喋ることから全てが始まる。それがまず第一歩なのだ。正しいか正しくないかは、あとでまた判断すればいい。僕自身が判断してもいいし、別の誰かが判断してもいい。いずれにせよ、今は語るべき時なのだ。そして僕も語ることを覚えなくてはならない。

ダンス・ダンス・ダンス」文庫版上/p16

文章が自分語りに終始しがちなのは、そういうわけか!

[] 普通の日

ichinics2006-12-04

「寒い」という青森からのメールで目が覚める。GWで雪が積もってるくらいだったから、今は相当寒いだろうね。でも東京も東京なりに寒くて、布団からでられない朝が続いてます。ひえきった床に裸足が張り付きそう。コーヒーをいれながら、新しいスリッパ買おうと思う。暖かい飲み物が、のどを通って胃にたどり着くのがわかるのは客観的なのか主観的なのか、どちらにせよ変な気持ちだ。冬の日差しは夏よりも強くて、うつむきながら歩く、足下に散る散りたての落ち葉を踏んで、バス、電車、会社。昼ご飯は近所の会社で働いてる友達と食べて、生姜焼きがあまりにもおいしいことに感激する。帰宅して、ちょっとだけ掃除、本をしまうところがもうない。ロキシタン(ロクシタンか)で買ったばらのお香がいい匂い。今年の月曜日も、残すところ3回。

toukatouka 2006/12/06 13:09 誰が犯人かは憶えていて、彼がなにをしたのかは忘れました。ユミヨシさんだけが残っています。ホント、今でも顔を思い出せるもん

ichinicsichinics 2006/12/07 01:23 そういえば、私の思い描くユミヨシさんの顔は「ワールド・イズ・マイン」の悦ちゃんに似ています。村上春樹の小説は、わりと映像が思い浮かぶんですが、いつも主人公の顔だけ見えない気がするんですよね。一人称だからかな。

2006-12-03

[] 空気が読めなかったのかもしれない

いい加減しつこいよー、と自分でも思うんだけど、「トゥモロー・ワールド」について、まだ考えている。私があの物語に違和感を感じた理由はある程度自覚できているつもりでいるのだけれど*1、それはもしかすると、「映画を楽しむ」ことにおいては、余計なこだわりなのかもしれない、と思ったのだ。映画をどう見ようと自由だ、とは思うけれど、自由に甘えるだけなのもつまらないし、気付けることがあるなら気付きたい。私は映画が好きなので、いちど自分の映画の見方、について、じっくり考えてみてもいいんじゃないか、と思って。

空気を読む自信がなくなった

きっかけは、いくつかの「トゥモロー・ワールド」関連エントリで知った「伊藤計劃:第弐位相」さんの文章でした。感想はこちらで(http://d.hatena.ne.jp/./Projectitoh/20061119)面白いし、かっこいい文章だ、と思った。そして、その後の「理由という名の病」というエントリでちょっと「映画の見方」ということについて、考えはじめることになった。

なのに「『原因不明』で子供が生まれなくなった」ときちんと説明している物語に、なんでその理由を説明せんのだと言う人がいる。ぼくはこれがとっても不思議でたまらない。

思うに、それはたぶん、「空気嫁」に近いフィクションの読解力による違いなんじゃないだろうか。件の映画で言えば、始まって15分あれば「ああ、これは原因究明型の物語ではないんだな」と無意識にわかるはずだし、そもそもそんな「理由が解明される」ことが機能的な効果を物語に付け加えるような種類のフィクションではないことがわかるだろう。フィクションにはいろいろなタイプの物語があり、それは作り手の志すものによって異なってくる。『空気が読める』人はそれを意識することなく理解して、物語に乗ることができる。

http://d.hatena.ne.jp/./Projectitoh/20061127#p1

この「空気が読める」力は、映画だけでなく、フィクションを楽しむ上において、大切な能力だと思う。

例えばミステリーを読むときは、事件が解決されるものだと思って読んでいるけれど、「事件が解決しなくても面白いミステリー」というのもある。しかし、それはその「空気」を逆手にとったものだったり、事件の解決以外に主題がある、という「空気」がある物語であるはずだ。(それはミステリーじゃない、という論もあるだろうけど)

ということを、知っているつもりではいたのだけど、私が「トゥモロー・ワールド」について感じた違和感は、「子供が生まれなくなった理由」が説明されなかったことについてではないものの(というかこのエントリを読むまでそんなことは考えてもみなかった)、気持ちの構造的には近いものなのかもしれない、と思ってちょっと自信がなくなった。

物語の焦点

例えば、多くの人が、物語の中でなら、殺人犯にだって感情移入したり惹かれたりできる(もちろんそれは現実にも可能なことだけれど)。しかし、それは、登場人物の考え方、価値観のようなものを、見る人それぞれに理解できたうえでのことだろう。感情移入できなくたって、映画を見終わった後に、登場人物の思考の残滓が体に残っているような感覚になる映画を、私は、面白いと思う。

人物よりも、状況に惹かれる(重点をおいて描かれている)物語というのもある。例えばファンタジーでの「魔法」や「世界」は、それがどんなものなのか想像できないままでは映画を楽しめない気がする。だから、その事象がどういうものであるかを理解する、ということが、必要な気がする。現実にはシンプルに世の中の構造を見通せることなんてないかもしれないけれど、フィクションには、「何か知らんけどこうなった」という物語だったら、「何か知らんけどそうなった」という説明を、欲しているように思う。

そして、このふたつは「状況の中にいる登場人物」と「登場人物のいる状況」という言い方をすることもできる。物語と状況の距離といってもいい。焦点をあわせるべきなのは、人物か状況かパンフォーカスなのか。

トゥモロー・ワールド」という映画をみるにあたって、私が読めてなかったのはそこんとこな気がする。

トゥモロー・ワールドについて

私が映画をみて引っかかったところをもう一度整理してみる。

トゥモロー・ワールド」の世界において、「子どもが生まれなくなった」という事象は、「世の中にとって悲しむべきことである」のだろうなと思って私は映画を見ていた。そこの前提はOKなんだろうか。たぶんOKだと思う。

それは人為的にそうなったんではなくて、「何か知らんけどそうなった」んだとと思う。そこもたぶんOK。

そして、唯一秩序を保っているとされるイギリスは、それでもテロが頻繁に起こり、国境沿いには入国を求める移民が群れを成している。入国できたと思ったら捕まり、牢獄に入れられる。主人公もかつて反政府組織にいたという。反政府組織の求めていることは何なのか。たぶん移民についてだ。ここが自信ない。でも、たぶんそうだった。でもそれが、なぜなのか、「子どもが生まれない」という状況とどうつながるのか、わからなかった。

政府が「敵」だとして、しかし政府として生きている人にだって子どもは生まれないわけで、「子どもが生まれないという状況」は、全ての人にとって共通の事柄であるはずだ。だとしたら、対立すべきはその状況に対してなはずで、なぜ人々が対立するんだろうと感じ、物語の中で描かれる社会というものを、想像できなくなってしまった。

つまり私は、映画の中で描かれる事柄には「関連性があるはずだ」と無意識に判断し、「対立」の理由を探してしまっていたんだと思う。

気づいたこと

しかし、改めて映画を思い返し、いろんな人の感想を読んでいるうちに、それは関連づけて考える必要のない状況だったのかもしれないと思えてきた。子どもが生まれないということで、いろんな社会秩序が崩壊した。それによってイギリスに移民が大量に押し寄せ、政府はそれを取り締まり、人権派の人々がテロを起こす/もしくはテロを起こすことで絶望的な状況から目をそらしている。…あれはそういうことだったのかもしれない。

それを映画を見ている間に理解できなかった理由のひとつは、私が英語得意じゃないということにあるかもしれない。「空中キャンプ」さんの感想(http://d.hatena.ne.jp/./zoot32/20061123)の中に、「あらゆるところに政府のメッセージが掲げられており」と書いてあったけども、それにはほとんど(乗り物の中で見た映像以外には)気付かなかった。だから、そういうところで説明されていた「政府」についての情報は、すっぽり抜けていて、もの足りなさを感じたのかもしれない。

でも、そこが抜けていたということだけで、映画に入り込めず立ち止まってしまうなんてことはないだろう。

状況ばかりを見ていた

やはり「理由」を探すこと、だ。それを探しはじめると、物語から心が離れてしまう。

「子どもが生まれなくなった」ということの理由を気にしている人の感想を、私は読んでいないのだけど、その中には「なんか知らないけど、魔法が使えなくなりました」→「悪者をやっつけて、魔法が復活しました」というような構図を期待していた人もいたんじゃないだろうか。(フィッシュが科学者集団とかだったら、私もそう誤解したかもしれない)

私が対立の理由をあきらめられなかった理由は、映画を見ながら「子どもが生まれなくなった世界」という状況にもし自分がいたとしたら、ということを考えていたからだと思う。ナルニア国においての善と悪を知りたいというのと同じだ。そこでの倫理はどんな感じですか? ってのは知っておきたい。登場人物と社会との距離を伺うために、でもある。

でも、状況を知るには上記の「政府のメッセージ」があれば十分だったのかもしれない。そして何より、この映画は「状況」を描くというよりは、「ただあってしまっている状況にいる主人公」を描くものだったんじゃないか。

人物/状況

冒頭のシーン。最も若い「人間」が死んだということで、その場にいるすべてのひとが涙している。ただ主人公だけが、その状況に対し、ちょっとうんざりした顔をしていて、私は彼に感情移入できるだろうと思った。そしてだんだんと、そういう考え方の人間が、彼以外にほとんど見当たらないというアンバランスな社会の理由も気になってきた。

しかし今思い返してみると、物語は対立する社会状況にではなく、もっと個人的なことだったのだろうと思う。だとしたら、社会状況は「ただある」だけでかまわない。

カメラはずっと主人公を追っていた。

だから私は「一人称の、主人公の目から見た物語」のような気がしていた。しかし、あれは主人公の背後を追う、ドキュメンタリーとしてのカメラだったのだろう。そう考えれば、あの長回しの中でのレンズの存在にも、納得がいく。

まとめ

私は、この映画の空気が読めなかったんだと思う。それはショックだ。みんなが面白いっていってるものを、面白いと思えないってだけなら別にいいんだけど*2、そもそもの前提みたいなものを理解できてなかったんだとしたら、それは知っておきたい。

納得はいったような気がする。もちろん、これが正しい見方かどうかはわからないし、正解なんてあるのかもわからないけど、ちょっとすっきりした。

ただ、私は「子供が産まれない」という絶望的な状況に人類が陥ったとしても、社会はあそこまで崩壊しないと思うよ。なんていうか、ほとんどの人類は(特に多数派は)愚かですねー、ということが、大人(政治家/金/権力)は汚い…とかいうことと同じような勢いで前提として語られることって多いような気がするんだけど、そこはもうちょっと疑っていきたい。

*1http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20061127/p1

*2:もちろん、尊敬する人、好きな人、信頼してる人のおすすめするものが楽しめたらそれにこしたことはないけど

2006-12-02

[][] パプリカ

ichinics2006-12-02

監督:今敏

夢みたいなアニメだった。ぜひ多くの人に見てほしいです。とにかく楽しくて、圧倒されて、こんなすごいものが見れたことに嬉しくなった。

人の夢に潜ることができる「夢探偵」パプリカを主人公に描かれた筒井康隆さんの小説「パプリカ」をアニメ化した作品。ですが、アニメ化というよりは「パプリカ」というアイディアから作られた全くの新しい作品といった方が正しい。インタビューで監督は「原作をなぞるだけなら原作のままでよいのであって、原作の枠を借りて想像力を広げることが望ましい」と語られていますが、まさにその通りだと思った。

夢に潜るということ。イメージが重なって連なって流れていく気持ち良さが、映像になっているということに鳥肌がたつ。画面の細部にまで神経が行き届いていて、たとえ画面の一部をきりとっても、数分ごとに分割しても、見る人を圧倒する力のあるアニメーションだったと思う。

今回はアニメっぽいアニメを、画とストーリーの主従をこれまでと反転させた「画のための物語」を作ろう……というのがコンセプトでしたので」

小説家がイメージを言葉で表現するように、今監督はイメージを映像にして見せる。この監督の手にかかれば、どんな形容詞だってメタファーだって映像にして見せてくれるのではないかと思う。

もちろん、そこにストーリーがないわけではない。*1むしろ画面いっぱいに意味が詰まっているからこそ、あえて説明する必要もない物語が流れていて、安心して映像に翻弄されることができる。そして、それがこの「パプリカ」というアイディアを映像化するのには最適の方法だったのだと思う。

それにしても、この「パプリカ」といい「妄想代理人」といい、今監督の想像力と、それを映像としてアウトプットできる才能には驚かされっぱなしだ。まるで今監督の手のひらで飛び回ってる気分なんだけど(そういえば映画の中には孫悟空になったパプリカもでてきた)、それがあまりにも楽しくて、映画が終わってしまうと気付いたときには、驚いてしまった。

大満足の帰り道はずっと、頭の中から映像がこぼれてくみたいで、少しさびしかった。すぐまた見にいきたいです。

アニメってすごいなー!

 * *

公式サイト → http://www.sonypictures.jp/movies/paprika/site/home.html

[] 新宿ぶらぶら節

お昼まで打ち合わせ、で、その後新宿へ行く。パプリカのチケットを買ってから、ぶらぶらと買い物。お金がなーと思っていたWiiは実はそんなに高くない(ソフト込みでも兄弟で割り勘ならば)ということに気付いてがぜん可及的すみやかに欲しくなったものの、やっぱというかもちろん売り切れていて、DSと同じような展開になるのかと思うと暗胆たる気持ちである/というほどではないけど、まあ、冬休みには遊んでみたい。

電機屋のあとはDVD買ったり、本屋で散財したり、文房具をじっくりみたり。文房具ってなんでこんなにわくわくするのかな。コクヨの「An」シリーズのノート*2で気になっていた、罫線がよく見ると全部人のおしゃべりで書かれてるっていう、村山華子さんのノート*3、初めて実物を見た。Anシリーズはほかにも、絵や写真がデザインされてるのとか面白いの、すてきなの。いろいろあって、高いけどいいなぁと思うの多い。けど結局買ったのは別のノート。

あと、SSSDVDは見つけられないのでAmazonさんにお願いすることにした。安いし。というか私は未だにAmazonの存在を思い出すタイミングが遅い。基本的には店で買いたい気分なのでいいんだけど。

買い物後、パプリカを堪能して、絶賛しながらお茶、帰宅。

[] COLTEMONIKHA

COLTEMONIKHA

COLTEMONIKHA

capsule中田ヤスタカさんの別ユニット。らしいです。歌ってる人がかわっても、この人の音楽って、すぐわかるんだなぁと思った。というわけで、店でかかってたのを衝動買い(妹が)。出たのは5月らしいから「FRUITS CLiPPER」(id:ichinics:20060607:p1)とほぼ同時で、だからか曲の雰囲気も「FRUITS CLiPPER」に近いような気がする。あのゴリゴリした感じとperfumeのSFポップに乙女要素を足した感じ(で、そこがちょこっと照れくさい/私が)、とかいってみてもいいのですが、正直違いはよくわかりません。ひどい感想だ。でも楽しいです。

*1:ちなみに、ラストの展開については、いろんな感想が出てるみたいですが、私はすっきり腑に落ちた。/むしろ、敦子だからこそだと思う。

*2http://www.kokuyo.co.jp/rdi/an/notebooks/index.html

*3http://allabout.co.jp/mensstyle/stationery/closeup/CU20051015A/index.htm

2006-12-01

[][] 父親たちの星条旗

監督:クリント・イーストウッド

太平洋戦争末期、日米両軍にとって重要な拠点であった硫黄島を巡る戦いは、当初の予想を上回る長く、激しい戦いとなった。その「硫黄島の戦い」をモチーフに描かれる二部作のうち、米軍側の視点で描かれた第一部がこの「父親たちの星条旗」。第二部は9日に公開される。

物語の中心となるのは、あの有名な、硫黄島で撮影された旗をたてる兵士たちの姿が写された写真だ。

その写真が新聞に掲載されたのは、長引く戦争にアメリカ国民の感情が離れかけていた頃のことだった。そして、この写真は国民感情を勝利へ引き戻す効果があるとして、その写真に写っていた兵士たちを英雄に祭り上げ、戦時国際キャンペーンの広告塔として全国行脚させることになる。

映画は、その商業的なお祭り騒ぎと、戦場とを、そのコントラストを焼きつけるかのように、何度も繰り返し行き来する。どちらも馬鹿げている。そして、対極にあるものは、そのようにして、よく似ていると思う。

戦場の描写は、ものすごい迫力の、リアルなものだったけれど、映画の中でも語られているように、戦場へ行ったことのないものには、やはり想像もつかない世界だ。映像で見せられても、それはあまりにも遠い。

そして、当時のアメリカ国民にとっても、戦争は遠かったのではないかと思う。例えば「太陽」で描かれていた昭和天皇のように、お互いに遠いところにいて、異なる現実を見ている。あるのはただ、英雄や国という実体を伴わない言葉/物語だけだ。ただ、それは人に役割を与えるものであり、この映画は、それに巻き込まれた人たちの物語なのかもしれないと思ったりした。

大作ではあるものの、派手さはなく、反戦を掲げるのでもなく、泣かせるのでもなく、ただ善悪の分け隔てなく描くことを常に意識しているかのような、ストイックさを感じさせる作品だった。根底にある監督の主張がぶれないからこそ、作品も力強いのだろうと思う。尊敬する。

[] もう師走

びっくりした。12月だって。どうりで忙しいわけですね。とはいっても、主に忙しいのは周りの人で、みなさん体の不調を訴えてる中、いちばん暇な新人のくせに今週ずっと風邪ひいてて申し訳なかった。

今週末は、パプリカ見ます。やっと!

他にも見たい映画が次々公開されるし、イカとかダーウィンとかスキャナーとか、あとゲームもあとちょっとのがあるし、SSSもだし、それからいい加減、この日記の見た目かえたいなーと思ってるんだけど、なかなか手が付けられない。

なんて思ってたら、明日もしごとでがっくりだ。

年末年始って大好きな季節だけど、寒いのと落ち着かないのは嫌だなぁ。

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