それでも町は廻っている/石黒正数

それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)

1巻(id:ichinics:20070129:p3)読んだときは、ゆるい漫画だなぁって印象だったんだけど、コミックリュウ掲載の「ネムルバカ」、モーニング2掲載の「気の抜けたビールで…」ともに面白かったので、やっと2巻を読んでみたら、面白かった。1巻がつまんなかったわけではないんだけど、1巻買ったきっかけである「もしかしてSF?」という期待が2巻でかなえられたからってのが大きいかも。おかげで(わたし側の)ピントがあったような気がします。
あとやたらとパンツみえる(ぜんぜんやらしくない)漫画だとも言っておきたい。あ、あとアルス風の表紙絵があってちょっとうれしかったなー。
夜の町の冒険譚「ナイトウォーカー」は、「おしいれのぼうけん」を読んだときのわくわくする感じを思い出した。「ジョセフィーヌの夏」で吹いたよ。

 今朝はほんとうについてなかった

乗ろうとしたバスには「次のに乗れ」といわれ、次のがなかなか来ず、渋滞に巻き込まれ、遅刻しそうになり、あわてて落とした定期を踏まれ、足を踏まれ、網棚から落下したサラリーマンバッグが後頭部を直撃したときは、思わず手が出そうになったけど満員電車で身動きとれなくてよかった! と思いました。首はむちうちですがわたしはげんきです。

 So it goes.

そういうものだ、と呟いてはみても、ぽかんと開いた口が塞がらない。
私にとって彼の、親愛なるカート・ヴォネガットの存在は、トラルファマドール的時間軸を照らすすてきな放物線だった。フォーマを掲げたドン・キホーテのごとく、時空を旅するその勇姿には、ほんとうにたくさんのことを教えてもらったし、それはわたしにとって大切な「ひまつぶし」として、いまもしっかりと手もとにある。
ジェイルバードはときはなたれた。その風景を、わたしは何度も見送ってきたような気がする。
ギルゴア・トラウトいわく――

「長い年月のあいだ、わしはずっと部屋の窓をあけはなち、世界に求愛していたんだ」

胸をつかまれたような気分になるのは、ただ、感謝したいからだ。
ありがとうありがとう!
いつの日かリンゴの木陰でレモネードを飲むヴォネガットに出会うことを夢見て。ピース。
http://www.vonnegut.com/