スパイダーマン3

ichinics2007-05-13
監督:サム・ライミ
シリーズ第3作目。
浮かれ気分と若干の驕りで彼女の失意を見過ごし、それによって生まれた誤解、自暴自棄が悪意を呼び、あっちこっちに敵が現れる。てんこもり映画でした。
相変わらずトビー・マグワイアのオタク青年ぶりがすばらしい。憧れの女性を恋人にしてけっこう経つにもかかわらず、ピーターは未だに「MJが好き!」な自分と「オレMJの彼氏!」ってだけでMJが自分を好き、っていう部分があんま見えてない。だから「スパイダーマンと俺とどっちが好き?」みたいなことも思い付かないし、MJに嫉妬される場面では、これっぽっちもピンときてない。ただ、とんちんかんでも思いっきり素直なとこが、最終的にはには母性本能(的ななにか)をくすぐるわけで、しょっぱなから「もう、オタクなんだからっ」うふ、みたいな感じで、いちゃつくMJはきちんとくすぐられていると思った。
今回の見どころは、人の攻撃性を高める寄生生物にとりつかれた黒ピーター。ワルになっても、どこかぎこちなく、女の子に色目を使っていても、どこかこなれてないとこに「中身」の歴史を感じる。視線の奥に罪悪感がある。このピーターのキャラクター、存在感が、面白さの鍵だよなぁと思います。
このシリーズはアクション場面、ドラマ部分ともに緩急があって面白いんだけど、これまで一貫してドラマの中心だった、MJとハリーとピーターの三角関係には、今回の3で一応の決着らしくものがついた。正直グッときたし、友情最高! と思ったそばから、いまいち気の利かない台詞を返すピーターに苦笑したりね、もうすっかり愛着のわいてしまったキャラクターなのでこれで終わりになったら寂しい(という私もしっかりくすぐられている)。ぜひ続きも作ってほしいです。今回はピーターの成長が描かれてたけど、スパイダーマンとしてのスパイダーマンだからこその、悩みはまだまだこれから掘り下げられそうだし。期待してます。
あと今回は、アクションシーンも充実してて、特にラストの、上中下と縦のラインで複数の出来事がおこっているシークエンスがとてもよかった。落ちる!あがる!落ちる!飛ばされる!みたいな、縦横無尽の戦い。
それから新キャラ、サンドマンは、重さと軽さが同時にあるキャラクターで見ていて面白かった。けど、ピーターが秀才キャラのわりに、肉弾戦ばかりなので、知能線ぽいのも見てみたいです。原作にはないのかな?
ともかく、おもしろかったよ!

 ははのひ

母の日ということで、弟の作ったちらし寿司と、私と妹が駅前の風月堂でひとめぼれしたケーキと、でちょっとしたお祝い(祝い?)をした。レモンとクリームチーズのムースのうえに、ホワイトチョコレートで作ったカーネーションが乗っている。母さんにケーキ持たせて、写真をたくさんとった。

 ヘイ君に何をあげよー

起き抜けに、ブォーンて、マックたちあげてそのまま、顔洗ったりご飯食べたり、でまたパソコンに戻ってきてネットをぶらぶらして、あ、このページいいな、あ、ラジオやってる人だ、って、それ聞きながら着替えたりする感じはとなりの部屋から聞こえてくるおしゃべりのような、遠いけど親密なもので、このひと好きだなー、ってしみじみしてたらふと、流れてきた音があんまりきれいでちょっとなきそうになった。というかちょっとないた。
なくってのは別にかなしいとかうれしいとか理由のあるものじゃなくって、たとえば窓の外ぼんやりみていて、ふいに、あーきれい、と思ったりするときのようなこと。うたた寝しながら、近くにいる人の笑い声聞こえて、幸せだと思ったりするときのようなこと。
そんな、あたりまえにあるけど、自分では押せないスイッチのようなものを、パソコンから流れるその音が押したことがうれしくて、その曲を作った人にお礼をいいたくなる。
でもどんなことばでそれをいえばいいのかわからないし、そういうことばかり考えていて何も言えなくなる私は勇気が足りないのかもしれない。くれよ、といいたいんじゃなくって、ただ勝手にもらってしまっただけのものに、感謝する言葉があればいいのに、なんてへたれたことを思いながら、けど待ってろよ、いつか、感謝とともに好きですと、言ってやるんだ、と誓う。