イチニクス遊覧日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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  □これまでの日記一覧

2007-11-28

[] 「comic opera」/Robert Wyatt

Comicopera

Comicopera

「Cuckooland」から4年ぶりのニューアルバム。「Lost in noise」「the here and the now」「away with the fairies 」と題された3部構成になっていて、それぞれ少しずつ雰囲気が違う。

特に2部が好きです。「A Beautiful War」聴いて、最初にグッとくるのはやはり鍵盤の音だなと思う。それからスチールドラムの音が気持ちいい「On The Town Square」など。楽器が印象的なフックになる曲が集まっているような気がした。

スペイン語とイタリア語で歌われる曲がつづく第三部は、ジャズや、チェ・ゲバラ賛歌(のカバー)、スペインの詩人 Federico Garcia Lorca の詩に音楽をつけたもの、など、とてもロバート・ワイアットらしい雰囲気。ライナーを見ると、今年で62歳になるそうですが、その視線の先にはいまも様々な熱のようなものがあって、それを音楽に結び付けることを、自然にしてきた人なのだろうな、と思う。

いろんな色が混じりあいながら Robert Wyatt という人の手のひらに包まれているかのような、贅沢な気持ちになる音楽。におい立つ雨上がりのような空気と、夜の音。

[][] 流浪の手記/深沢七郎

「言わなければよかったのに日記」を読んだ時に、後書きで尾辻克彦さんがこの「流浪の手記」について書かれていて、読んでみたいと思ってたの、お借りして読むことができました。面白かった、と一言でいうことはできなくて、実際はいろいろと複雑な気持ちになったんだけど、やっぱり読みはじめれば、面白くって、つい笑ってしまうような部分もたくさんあった。

ただ、「言わなければよかったのに日記」にあった明るさのようなものよりも、この人自身の切実に触れるような部分が、たぶんこのエッセイには多くて、そこをかいま見る/見たような気になるたびに、なんだかしんとするきもちになった。

深沢さんのエッセイを読んでいると、自らという一枚で思い考えるの視線に驚き、読みすすめるうちに、この柔らかくあっけらかんとした深さ、というか、その一筋さに、およばないということを思い知る。翻るようでいて、それは解けない。もともとの、ただある淋しさを思い出す。

みんなオカシクてたまらないんだ。おいらが気持ちがいいことは、ちょっと、まあ、淋しいような時だ。淋しいときはオカシクなくていいねえ、銀座の千疋屋のパッション・シャーベットのような味がするんだ。淋しいって痛快なんだ。/p161

唐突に、「私の言語の限界は私の世界の限界を意味する」という言葉を思い出したりした。

なんて感想をもし本人に言ったなら、すごい顔しかめられそうな気がするなーとか思いつつ。

ついさっき、この感想かきはじめるまえに、「言わなければよかったのに日記」の感想読み返したら、なんだかちょっと照れくさくなってしまったのだけど、とにかく私はこの人がとても好きだなぁと思う。

流浪の手記 (徳間文庫)

流浪の手記 (徳間文庫)