ゆくかわのながれはたえずして…ということを考えてる。

ちかごろ自分と自分の考えてることが近すぎて、まるでなにも考えていないみたいだ。まえはそんなの音楽を聴いている時くらいだったし、くらいでよかった気がするのに、近頃は、たぶんひとつのことばかりずっと考えている。それはやっぱり、ゆくかわのながれはたえずして…ということで、なにをみてもそれがかわっていくことを思ってしまう。景色や人や、たぶん自分の気持ちもそうなのだけど、景色や人の変化をどこかで惜しむように、自分の気持ちも、なんだか手放しにくい。
このまえ、江ノ島いったときに、ウィンドサーフィンていうのかな、やってたひとがいて。あれでもいいし、じゃなかったら高校生んときヨリちゃんと一緒にやっぱ江ノ島いったときにコンクリの階段すわって、凧揚げしてる人を見たときの、あの凧と一緒に気持ちまで浮き上がるような一瞬の無重力というか天地が逆になる感じ、を、前はもうちょっとうまく自力で思い描けたような気がするんだけど。このところ、いきなり自転車に乗れなくなったみたいな、いままでどうやってのってたのかよくわからない感じになることがたまにある。
そしてそれは具合が悪いということではないみたい。ただちょっと不思議な感じ。
そういえば今朝は、旅行にいってる夢を見た。電車の中が日陰で外が濃い緑色だった。いいにおいがした。外は暑そうだったけど、肌はさらさらしていた。黙っていたけどなんとなく楽しくて、目が覚めたら窓の外でうぐいすが鳴いてた。

 「WXIII 機動警察パトレイバー」

グエムルと最近見たアレ(ネタバレになるかなと思うので一応伏せます)とこれにでてくる「怪物」を見比べたかったので見ました。
2002年公開の機動警察パトレイバー、劇場版の3作品目。パトレイバー劇場版はとにかく1作目が大好きなんだけど、でもこの「WXIII」はなんでかいままで見てなかった。たぶん、1作目が1989年公開で2作目が93年、そこから3作目までに9年っていう長い期間があいてしまったせいだと思うけど、いざ見てみると、やっぱ予想以上に面白いなと思った。
ネット上で感想を見ると決まり文句みたいになっているのが「この作品には「機動警察パトレイバー」の主人公である特車二課はほとんどでてこない」ということだ。遊馬なんて「アポとってるはずなんすけどー」と「ノアっだいじょうぶかっ」くらいしか台詞なかったんじゃないかなーってくらい、ほんとでてこない。
でも面白い映画です。
物語の主人公は二人の刑事で、湾岸部で起きている連続殺人事件を捜査している。劇場版1作目でもっとも印象に残ったのも、やはり帆場の足取りを追う二人の刑事だったことを思いだす。
なんでこの作品から監督が押井さんから交代したのかはわからないけど、押井さんでなくても、特車二課がでてこなくても、「機動警察パトレイバー」だって感じるのは、そういった世界観、空気、がきちんと受け継がれているからだろう。そこには庵野監督の世界を鶴巻さんが描き直す時とはまた違う、色の残し方もあって(というかパトレイバーの世界観てのは思ったより特徴のあるものだったというか)、いやーほんとよくできた映画だなと思いました。
ただ、今回見比べるつもりで見てた、怪物の登場シーンの描き方だけは、ちょっと惜しいなと思った。インパクトでは断然グエムルだし、じらし方ならアレだ。「WXIII 」は怪物のデザインもアクションもいいのに、音響がいまいちものたりないような気がした。というとこもパトレイバーだなーと思ったりした。
あと原作「廃棄物13号」と異なる怪物の設定、は、噂通りビオランテっぽいけど映画っぽくていいなあと思いました。あとは1作めの「BABEL」くらいインパクトのあるシーンがあればよかったなー。