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2010-02-28
■[読んだ][comic] 「羣青」上巻/中村珍
家にある一通り読み終えたコミック誌を手に取ったとき、つい読み返してしまう漫画というのがたまにあるけれど、この「羣青」はまさにそんな作品だった。
好みの絵柄というわけでもないのに手が止まる。登場人物の台詞や表情には雑誌から浮いて見えるくらいの、読み終えても尾を引く迫力があった。
途中で雑誌を読むのをやめてしまったので、その後どうなったのかなと思っていたんだけど、先日、掲載誌をIKKIに移して連載再開が決まったとのことで、やっと単行本が出たので買って読みました。すごかった。
- 作者: 中村珍
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/02/25
- メディア: コミック
- 購入: 5人 クリック: 71回
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そう言って笑う女と、彼女の好意を見越して夫殺しを依頼する女。その2人が一緒に逃げることになるところから物語は始まる。雑誌掲載時の感想メモには「『テルマ&ルイーズ』なのかな」とか書いていた。
滑り出しでは、利用した側と、甘んじて利用された側のお話のようにも見えるのだけど、読み進めるうちに2人の関係の見え方は変わってくる。あたらしく解ることもあるし、2人も少しずつ変化していく。その過程の描き方には、物語るというよりもあらかじめ知っていることを描いているような切実さがある。それが正しい選択ではないとわかっていても、動いてしまうのはなぜなのかとか、気持ちなんて瞬間ごとに変わって行くのに、なぜ動かすことのできない部分があるのか、とか、どうしようもなさが台詞や表情の奥にはりついていて息苦しい。
ただ、読んでてしんどくなるところもあるのに、読み終えた印象はけして暗くない。それは物語の目指している方向が諦念でも執着でもないからなんじゃないかな、とか思ってます。
これがどんな話なのかは、完結してみないとわからないけれど、この2人の顔を忘れることはないだろうなと思った。
それから、読み返してみてやっと、この物語には「名前」が出てこないんだなと気づいた。
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今ならIKKI4月号掲載分までの間をつなぐ3話がサイトで読めます。
■[日記] 季節
どこかで、沈丁花のにおいがして、春だなあと思った。沈丁花といえば、たしか家の玄関にも咲いていたはずなのに、いつの間にかなくなっていたことを、思い出す。
幼い頃、あの沈丁花にケーキが咲く、というか、ケーキがなる夢を見たことがある。6人(6人家族だから)ぶんつんで、冷蔵庫に入れておいたのだけど、気づいたら全部なくなっていて、「ごめんね食べちゃった」「別にいいよ」「つんでこようか」「もういらない」とかいって泣く夢。小さい頃に見た夢ってそんなのばっかりな気がする。我ながら意地っ張りというか、くらい。
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ちょっと前に読んだ「ビッチマグネット」は、そのあらすじはともかく「架空の物語っていうのは、本当のことを伝えるために嘘をつくことなのだ」という文が気に入って、
それを私は、取り出して見せることのできないようなことを、それでも伝えたいのなら、方法を考えなくちゃいけないということだと思った。
うまく言えないことを言おうとして遠ざかってしまうとき、あせって言葉を探してもうまくいかない。だったら他の方法探さないとって、思って、少し気分がよくなる。
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電車が減速して、並走する電車の、その窓の向こうにもたくさんの人がいるのを見る。目が合っても表情をかえる人は少ないのに(私もそうだ)、ふと会釈をしてみたりすると、あわてて目をそらされるのはきっと、その瞬間まで風景だったからだろう。
路面を走ると、ちらほらと花が咲いていることに気づく。沈丁花の後に植えるなら、コデマリかなーとか考えていて、季節の変わり目はなんか体調悪いけど、春がくるのは嬉しいなと思った。










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