イチニクス遊覧日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

0000 | 00 | 01 |
2001 | 01 | 02 | 08 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2014 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2015 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 11 | 12 |
  □これまでの日記一覧

2010-05-30

[][] 宇宙戦争

監督スティーブン・スピルバーグ

バウスシアターの爆音映画祭でかかるというので行って来ました。初めて見たんだけど、とても楽しかったー! 爆音も迫力あってよかった!

原作は未読で、見てる途中で「トライポッド」という名前がでてきて初めて、もしかしてこれがあの「火星人襲来」事件(って呼ばれてるのかどうか定かじゃないけど)の元ネタなのか…って気づいたくらいでした(本当にすみません…)。

宇宙戦争 [DVD]

宇宙戦争 [DVD]

物語は、異星人が地球侵略にやってきて、さあどうなる、というお話

主人公のもとに、別れた妻が子どもを預けにくる冒頭だけ、彼らの関係の説明に少し時間がかけられている印象だったけれど、そこからはどんどん展開していって、2時間あっという間でした。

敵の正体がいまいちよくわからない、というのはとても怖い*1物語はずっと主人公(トム・クルーズ)の一人称で描かれるため、絶望的な状況なのに、情報は断片的で、もっと全体が見たい、ってもどかしい気持ちになる。そして目の前に“それ”があらわれたときの、あの、ぜんぜん太刀打ちできそうにない感がすごい。空から撮る絵はほとんどなく、地上から、もうギリギリのあおりで人物の顔とトライポッドがチラ見えみたいなカットがたくさんでてくるのがよかった。

映画を見つつ、私がここにいたらって考えると、走りながら振り返った拍子に絶対転ぶだろうなあ、とか、そんな情けないシーンしか浮かばないのだけど、主人公はなにかと好奇心旺盛で、いろいろ確認しに行ったりするのではらはらしました。

でも、主人公は頼りがいのある(「ダイ・ハード」におけるジョン・マクレーン的な)キャラクターではない。状況に対してパニックにもなるし、それまで離れて暮らしていた子どもたちとのやりとりの中で、イライラしてパンを投げたりとかもする。失敗もするし、わりと情けない。そんな風に、彼はヒーローではない、というところが、この映画面白いところの一つだと思う。

そして、もうひとつはやっぱりトライポッドですよ!

特に気に入ったのは、最初の雷のシーンから、最初トライポッドが出てくるまでの一連の流れです。雷よかった。でも後にあれコマ送りにして見るのにはちょっと笑いました。

あと、今さらながら「地球防衛軍」に出てくるあれはトライポッドだったんだなーとか思い、ロケットランチャー抱えて横転したくなりました。

[][] 「R-中学生」「テルマエ・ロマエ」「冬の熱」

読み終わったマンガが山になってきたのでメモ

「R-中学生」/ゴトウユキコ

R-中学生(1) (ヤンマガKCスペシャル)

R-中学生(1) (ヤンマガKCスペシャル)

友だちがおすすめしてたので買って読みました。自意識と興味と本能性的衝動の狭間にいる中学生たち、みんなちょっとおかしいのが面白い。「バカになったのに」をBGMに読みたい感じです。

川畑総一郎さんの「S60チルドレン」のその後があったら、こんな感じだったりして、とか思う。

個人的に、第1話がちょっと辛かったのですが(よめばわかるたぶん)作者が女性だと知って印象が和らいだ(けど、読み終えるまで女性だとは思いませんでした)。

テルマエ・ロマエ」/ヤマザキマリ

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

古代ローマ風呂職人が、風呂を通じて現代日本風呂タイムスリップしてしまう、というお話マンガ大賞受賞作。異文化ギャップもののギャグマンガって、最近だと「聖☆おにいさん」とかもそうだと思うんだけど、人気あるなーと思う。

それから、現代日本のお風呂の、こんなところが実はすごい! というのを再発見できるところも面白いなーと思います。そういう知識マンガっぽいところは「もやしもん」とかに近いかも。

そういえば、高校生の頃の世界史の授業を思い出してみても、古代ローマといえば「カラカラ浴場」ってイメージだなー。

冬の熱/長野香子

冬の熱 (BEAM COMIX)

冬の熱 (BEAM COMIX)

「ノラ猫の恋」1巻と同時に買った、こちらは短編集。

どの作品も、タイトルの描き方がいいなと思います(扉じゃなくて、作品中にタイトルの出てくるコマ)。カメラが動き出して、タイトルが出る瞬間のわくわくする感じ。

f:id:ichinics:20100531013458j:image

このタイトル絵が特に好き。

ただ、なんとなく、絵の印象と物語バランスがちょっとつかみづらい感じもする。シーンの切り取り方とかはすごく好きなので、今後の作品を楽しみにしたいなあと思います。

*1:今思うと「クローバーフィールド」とかもこれが下敷きだったのかな。

2010-05-25

[][] 「私日和」2巻/羽柴麻央

私日和 2 (マーガレットコミックス)

私日和 2 (マーガレットコミックス)

昨年出た短編集「イロドリミドリ」と、この連作短編シリーズ、「私日和」の1巻で好きになった作家さん。今日本屋さんに行ったら2巻が並んでいたので買ってすぐ読んだ。

第1話は、叔母の引越しの手伝いに行った男の子が、彼女秘密を知ってしまうお話。いつもは無愛想な叔母が笑顔を見せる場面で、やっぱりこの人の描く表情が好きだなあと思う。笑顔はもちろん、とにかく涙の描き方がすごく魅力的です。

そこからさかのぼって、第2話はその叔母の学生時代お話。設定自体は、ちょっとロマンチックだなーって構えてしまうとこもあるんだけど、登場人物の気持ちの描き方が静かで丁寧なので浮かない。会話のテンポもよくて、モノローグを多用しないのも好みです。ラストちょっと前の、駅のホームの場面がよかった。

ラストの『だるまさんがころんだ』は1巻の延長線上のお話で、いつも元気な主人公が、ちょっと折れそうになる場面に、すごくぐっときました。

この人の漫画をもっと読みたいです。

1巻の感想

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20090901/p1

[] すだち

そういえばこないだ、自転車子どもに追突されてさ。後ろから母親が「こらー!」とか「ごめんなさいー!」とか言いながら走ってくるわけ。でも怪我したわけじゃないし、ぜんぜん怒ってないし、むしろ喉から声だすのがめんどくさいくらいで、あー、って見てるうちに、その母親がスーパーのかごをごそごそしだして。

あ、なんかくれんのかなと思ったの。何くれるんだろう、チョコがいいな。ビールでもいいな、とか思いながらちょっと期待して待っててさ。

そんで差し出されたのが、すだちなんだよ。えっ、て思ったけど、まあいいいかってつい受け取ったの。

でもすだちなんてどう使ったらいいかわからなくて、家帰って机の上におきっぱなしにしてて。そんで昨日みたらそれ、干からびててさ。

あの母親は、このすだちを何かに使うつもりで買ったんだよな…ってあらためて考えてみたら、すごく申し訳ない気持ちになって。

「うん」

「とりあえず風呂に入れてみたんだけど、あんまりだった」

という話をこないだ友だちがしてて、そのときはなんかちょっとしんみりしたんだけど、今考えるとあんまりしんみりしない。

写真は関係ないけどライムが豪快なライムソーダです。

f:id:ichinics:20100525230433j:image:w200

2010-05-24

[][] 「熱病加速装置」「あねおと」/元町夏央

熱病加速装置

熱病加速装置

あねおと 1 (アクションコミックス)

あねおと 1 (アクションコミックス)

元町夏央さんの作品を初めて読んだのは昨年末に出た、「熱病加速装置」という短編集でした。その後に出た、「あねおと」という作品の1巻を(新井英樹さんが帯文を書いていた)読んで、ああこれは「熱病加速装置」の延長線上にある連載なんだなーと思い、なんとなくまた「熱病加速装置」を読みかえしたのだけど、

この人の作品は、なんとなく、こわいなと思うところがあって、それは何でなのか気になっていた。

たぶん、最初に読んだ「熱病加速装置」の冒頭に収録されている『てんねんかじつ』のイメージだと思うのだけど、この人の描く、感情があらわになる瞬間っていうのは、なんだか熟しきった果物みたいな、ちょっとべたべたした感じがある。その印象は比古地朔弥さんの「まひるの海」を読んだときの感覚とちょっと似てるんだけど、「まひるの海」を読んだのは連載当時のことなのでちょっとよく覚えてない。

ただ個人的に、思春期リビドーが、報われて(?)しまう場面というのが、苦手なのかもしれないなあと思った。リビドーって。って感じですが、ちょっと他の例を考えてみたいと思います。

『てんねんかじつ』は両親の再婚によって姉弟となった2人の関係を描いたものなのだけど、「あねおと」もまた、事情は違えど、一つ屋根の下に暮らすことになった女の子男の子お話なので、たぶんこれは作者のこだわっているテーマひとつなんだろうなと思います。

「あねおと」は連載作品だからか、足取りがゆるやかで、『てんねんかじつ』よりは読みやすい。同時に、バランスがとれてしまったようなさみしさもあるのだけど、死を間近に感じる印象的な場面がいくつかあって、やっぱり独特の漫画を描く人だなと思いました。

これまで読んだこの人の作品の中では「熱病加速装置」に収録されている「橙」が一番好きだ。8歳の女の子が主人公のお話で、離れて暮らすことになった父親と久しぶりに会った1日を描きながら、彼女が考えていることが、その表情や視線から染み出すようで切ない。特に、その1日の終わりに、迎えに来た母親の横を歩く場面がとてもいいです。

[][] とらべるびいつ

散歩するのにちょうどいい季節になった。特に用はないけれど、イヤホン耳に突っ込んで外へ出る。歩きながらたまに写真を撮る。誰かに見せたくなるけれど、少し迷ってやめたりする。

たったいま、まさに今も

撮ったことは撮った写真と共に

つけくわえて送る言葉

見当たらなくて迷ってるとこ

イヤホンから流れてきた言葉に、そうそうとか思いながら歩く。背中を押すような、大きなリズムにつられて少し足取りが軽くなる。イルリメの新譜「360°SOUNDS」の中で、今のところ1番気に入っているのがこの「とらべるびいつ」。

暑かった日の夜、ベランダビールを飲むのが好きな友達のこと思い出してメールする。最近どう? とか、元気? とか、誰かに声かけたくなる瞬間ってのはいつもわりと楽しい

誰だってあるだろう

あとから恥ずかしくなる事

分かっているのにひょっとしてと

期待を込めて気持ちを込めた

考え事するのには歩くスピードがちょうどいい。からっぽになったところに浮かぶものに目を凝らす。次の曲がり角曲がったら、見えるかもと期待しながら、もうちょっと。

360°SOUNDS

360°SOUNDS

2010-05-22

[][] 淀川ベルトコンベアガール/村上かつら

淀川ベルトコンベア・ガール 1 (ビッグコミックス)

淀川ベルトコンベア・ガール 1 (ビッグコミックス)

村上かつらさんの新刊がでてたので買いました。

油揚げ工場で働く、16歳の女の子「かよちゃん」が主人公のお話

物語はかよちゃんの働く工場に、同年代女の子「那子」がパートで入ってくるところからはじまります。

かよちゃんの口癖が「だまされてるんじゃないですか」な理由とか、1人で住み込みで働いている理由とか、まだ明かされていないことはいろいろあるのだけど、1巻後半で那子側のお話が描かれたところから、村上かつらさんの作品独特の、切実さと生々しさみたいなものを感じて、続きがとても気になっています。

ところで、この「淀川ベルトコンベアガール」は、2003年に連載された「純粋あげ工場」という作品*1がもとになっているそうです。で、あとがきにあった「純粋あげ工場」に関するエピソードがまた気になる感じだったので、それも読んでみたいなと思いました。

[] iPad 欲しいかもしれない

ずっと読んでみたかった「青色本」の翻訳が載っているサイトを見つけたので*2、ここしばらく読み続けている。最初iPhoneで読み始めたのだけど、どこまで読んだかわからなくなってしまうので結局プリントアウトして、持ち歩いているこの紙の束を見つつ、あらためて電子書籍ってどんな感じなのかなということを考える。

先日友だちと飲んでいたときに、iPad買う? なんて話から電子書籍の話になって、iPadゲームブックとか楽しいかもねー、洋書読むときにも辞書参照するの楽だよね、なんて話をしていたのだけど、確かその翌日だかに、京極夏彦さんが新刊を、ハードカバーiPad向け電子書籍の2種類で刊行するという話を聞いて*3、がぜんわくわくしてきた。

青色本の冒頭部分には「語の意味とは何か?」という問いが書かれている。その質問を引きずりながら、ついさっきまで散歩をしていた。

最高気温が30度にまで届いたという今日は、夜になってもまだ少し地面に暖かさが残っているようで、時折風にのって緑と土の匂いがする。長い塀のむこうには大学があって、クリーム色のカーテン越しに明かりがもれている。そして、まだ誰かいるのだろうか、ということと、あのカーテンの裾にはきっと「防炎」と書かれたタグがついているだろうということを同時に思う。

なんてことを例にあげるのは少々わかりづらいと思うのだけど、でもそんな風に、頭の中は常にたくさんの画像が重なっているようで、必ずしも今目に見えているものが前面にあるわけでもない。

イヤホンから流れるピアノの音を、5月にぴったりだなんて思うのも、友だちの顔を思い浮かべて、これ話したらどんな顔するだろうって想像するのも、全部いっぺんに頭の中を流れていて、それは光の当たる角度によってものの見え方がかわっていく感覚に近い。

読書をしていて、言葉や文章の意味するところと、私が思い浮かべることとが撚糸のようにあわさっていく、そのポイントをどうにか覚えておきたいと思うときに、紙の本にはなかなか書き込みなどする気になれないのだけど、電子書籍であればそこにいろんな情報を足していったりできるのかもしれない。

それは今もPDFでできたりするようなことに近いのだけど、もし今まで読んだ本すべて(とはいかなくても大方を)を、ひとつ電子書籍に収納できて、縦断検索などできるようになるなら、さらに自分の書き込みまで検索できるようになるとしたら、それはもう、頭の中の引き出しを外付けに保存するようなものではないだろうか。

って、ここまで勢いで書いたので、読み返したら何を言ってるのか自分でもわからなくなりそうだけど、ともかく、5年後、10年後の「本」を考えると、その楽しみ方はまだまだ広がっていくような気がするし、紙もまた、その選択肢ひとつとして残っていくように思う。

使ったことがない道具のことを考えるとわくわくする。なんてことを考えながら、やっぱりiPad欲しいかもしれないって思っているところです。

*1:「CUE」3巻に収録

*2:って今「青色本」で検索してみたら1番にでてきたので驚いた…。

*3http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20100520/1025029/

2010-05-19

[] 潮干狩りに行った日記

母の日イベントってことで(って当日はその目的も見失いがちだったけれど)人生初の潮干狩りに行ってきました。

出発は朝7時。海へ向かう車の中でおにぎりを食べてたら、母さんが「沖でとれる大きい貝はどんな貝でしょう〜」なんて質問をしてくるので、散々あれこれ答えたり、降参したら降参したで、「答えは大きい貝です!」「え…?」「沖と大きいかかってるから!」「あー」

なんてすれ違ったやりとりをしたりしつつ、会場着いたら素直に沖を目指す。

P5160790no2

狩りに向かう人たち。

けどこれが、全然とれない。貝が呼吸してると思われる小さい穴めがけて掘ってみるも、なかなか貝にめぐり合わない。

そのかわり小さい蟹とかヤドカリとかはたくさんいて、すれ違うちびっこたちはほとんどバケツの中をヤドカリでいっぱいにしていました。(そしてたまに捨てられたと思われるヤドカリの山がある)

P5160817no2

でも途中で少し浜のほうへもどって掘ってみると、ひと掘りでざくざくとれるようになった。あれ、これ、もしかして、「撒いてるよね…」って大人の事情を察したところで、そこからはひたすら貝をかき集める作業。母さんはいつの間にか手掘り。

最後は、制限捕獲量いっぱいに貝を抱えて会場を後にしました。

P5160836no2 P5160845no2

帰りはうみほたるに寄ってごはん。天気がよくて、海がとても青かった。

この日は、久しぶりに家族写真をたくさん撮った気がするんだけど、みんな笑顔で見返すのが楽しい。海を背に、まぶしそうな顔をしている弟が、ちょっとびっくりするくらい父さんに似ている。

P5160863no2

家に帰って、早速赤貝を煮付ける。夜はそれで貝の炊き込みご飯。翌日は友だちに教えてもらったアサリと豚肉の白ワイン蒸しを作った。

フライパンのフタはガラスなので、見ているとアサリが開くときにポン、て音がするのがわかる。ああ、これさっきまで生きてたなあーとか思いながらご飯を食べるのが新鮮だった。身は小さめだけど、おいしかったです。

f:id:ichinics:20100520000914j:image:w200 収穫。

[][] 「1Q84」Book3/村上春樹

1Q84 BOOK 3

1Q84 BOOK 3

読み終えたときに、まだ続きあるんだな、と思ったのだけど、上中下、と書いてあるところもあるのでこれで完結なのかもしれない。そこはわかりません。

そしてBook3の感想も、よくわからない、というのが正直なところです。

ほとんどすべての謎が謎のまま、なのはまあいいとしても、何考えてるのかよくわからない登場人物ばかりなので、3巻では、もっとも切実さを感じる牛河に完全に肩入れして読んでいました。

緊迫感のある展開は読んでいて楽しかったけれど、できればこれで終わりじゃない方がいいなあ。

何より、長谷川町蔵さんの日記にあったこの感想(の4コマ漫画)を見てしまってから、「1Q84」の印象に完全にこれに塗りかわってしまってるのでした。すみません、でもほんとそう思うよ!

ネタバレ、っていうわけでもないけど、読み終えてからみるのをおすすめします)

http://machizo3000.blogspot.com/2010/04/1q84-book3.html

2010-05-15

[] スチャダラパー 20th. Anniversary スチャダラ2010〜オールスター感謝祭〜@日比谷野外音楽堂

自分スチャダラパーを聴き始めたきっかけが何だったか、今となってはよくわからないのだけど、でも確実に、自分のお金で買ったCD最初の10枚には入っていて、本当に熱心に聞き込んでいたし、今でも私の連想の何割かはSDP経由だと思う。

例えばちょっと前、「詮無い」の「せん」が「栓」でないということに気がついて辞書を引いて、今まで「せんない」という音に感じていた、「栓がなくて水がじゃんじゃんながれてしまってもうだめだ」みたいなイメージ勘違いだったということを知った。

そして私が、そういうときに思い浮かべているのは、こんな曲だったりする。

「ヒマだねー」ってよく 言われるぼく

言われると確かにそう思う

気がつくと何だか罪悪感

感じてる自分こそなんだ

そもそも「ヒマ」って言葉自体

まずいい意味では使われない

辞書でヒマってひいてみた

これもまあ ヒマのなせる業

「ヒマの過ごし方」

なんて具合に、歌詞を抜き出してみると、改めてこのテンポのよさにぐっとくる。普通に喋っているようで、もうそこにリズムができている。

そんなことに気づくたび、そのトラックも、描く風景も、詞も、大好きだーって思います。

そんなスチャダラパーが、なんと20周年ですよ! というわけで、日比谷野外音楽堂で行われた20周年ライブへ行ってきました。

当日は、本編開始前に同じ日比谷公園内の小音楽堂でフリーライブもやっていて、ギリギリ最後30分くらいに間に合った。いい天気で、とても気持ちの良い場所でした。

そこから日比谷野外音楽堂へ移動して本編へ。自業自得ながら、当日はあんまり体調がよくなかったんだけど、「ノーベルやんちゃDE賞」で開幕ってのに、一気に気分が盛り上がった。いよいよですよーどきどきですよー!

そのまま立て続けにSDPクラッシックをメドレーで連発。ああこれがまたライブで聴ける日がくるとはねーって、気分はもう中学生でした。やったー!

そのままステージは20周年のお祝いらしく、様々なゲストがきてゲスト曲をやったりなどなど。約4時間お祭りが続きました。

まさかこれやるとはなーって思ったのは「コロコロなるまま」かな。それから本編ラストの「彼方から手紙」や、夕暮れの「ライツカメラアクション」も忘れられない。

そしてアンコールに「GET UP AND DANCE」ですよ! ほんとうに全員だったよ。まさかこの光景がまた見れるとはなあ。ライブ後に友だちと、「もうJUD0は初段じゃないかもね」「イシグロは本州出たよねたぶん」とか話しつつ、お互いに歌詞ほとんど言えちゃうのに笑った。

そしてラストサプライズについては、もうあちこちで触れられてることと思います。

贅沢をいえば、締めにSDPテーマ*1をもう一回聴きたかったなーって思うけど、それはまあ次回を楽しみにすることにして。

ほんとうに、20周年おめでとうございます。そしてこれからも楽しみにしています。

[] 好きなもの

例えば、バスの後部座席、もしくは人の少ない昼下がりの電車で、窓越しに見える晴れた日の緑色。暑い日の麦茶、汗をかいたグラスを脇において、寝転んだござのにおいに眠くなりながら、遠くから聞こえるピアノの練習にあわせて何かを思い出しそうになる。

好きなものは干したての布団とあたらしいシーツ休みの日の偶然の早起き読みかけの本とコーヒー、クリームソーダアイスの裏、なんて、思いつくままにキーボードを打つときのわくわくする感じ。

言葉がするすると出てくるときは調子がいい。焦って話すといつも後悔する。たくさん考えて結論だけ見つかっても、言わず仕舞いのことはたくさんあって、

手を開いて深呼吸をして、まず浮かぶのはやっぱり好きなもののことだと思う。

f:id:ichinics:20100516002212j:image:w200

*1:とか、これがSDP!っていうような曲

2010-05-10

[][] 「潔く柔く」12巻/いくえみ綾

潔く柔く 12 (マーガレットコミックス)

潔く柔く 12 (マーガレットコミックス)

最終巻だと思い込んで買ったのですが、よーく帯を見たら「完結直前巻」って書いてありました。はやとちりでした。

12巻までには、たくさんの主人公がいたし、それぞれの物語が並列に動いているような気がしていたけど、ここにきて、そこにふたつのラインがあったことがうっすら浮かび上がってきた。そして、なんとなく、そうやって終わるのかなーと感じたところで12巻を読み終えました。

潔く柔く」は、10巻でている段階で一気に買って読んで、それからも何度も読み返している。読んでるうちに、最初は好きじゃなかったキャラクターだんだん魅力的に感じられることもあるし、その逆もあった。

でも皆、その後どうしてるのかな、って気になっているので、どうか、希望のあるところでお話が終わりますようにと思って、最終巻を楽しみにします。

完結したら、特に好きなエピソードとかについても書いてみたいな。

[] 頭の中と偶然

天気の良かった日、もらった種を植えるためのこまごまとした買い物をしに出かけたものの、目当ての店が潰れていたのでそのまま喫茶店に入り、読みかけの本を開いた。長い、続きものの小説で、前の巻が出た頃のことを思い出してすこし悲しくなる。何を見ても何かを思い出し、嬉しくなったり悲しくなったりするけれど、そのほとんどは過ぎ去っているというのがいちばんの、悲しいことかもしれないなと思う。

などという私のだらだらとした話を好んで聞いてくれた人がかつていたのを思い出す。その人は私が何かを見て、眉をひそめたり、にやけたり、泣きそうになったり、吹き出したりするたびに、その理由を聞きたがった。そのくせ、自分の表情の理由についてはけして説明しようとしない人で、とはいえ、いつもにやにやと笑っているから、はじめて寝顔を見たときはその静かな顔が新鮮だった。

それは確か飲んだ後に、もう電車もないし眠いしで家に寄らせてもらったときのことだった。用水路沿いの道で猫とすれ違い、おもむろにかばんから鰹節を取り出したのをよく覚えている。なんで鰹節なんて持ってるの、と聞くと、おいしいからだと答えた。眠くていらいらしていた私はそれ以上質問しなかった。

あれはどのくらい昔のことだっけ、なんて考えながら小説を読んでいてもちっとも集中できず、諦めて本を閉じる。まだ外は明るいけれど、時計を見ると18時少し前だった。18時少し前でまだ明るい、ということに気分を良くして、喫茶店を出る。

帰宅するかどうか、特に考えずに駅前の大きな横断歩道を渡ろうとしたところで、すれ違った顔を、信じられないような気分でまじまじと見た。それから笑って、大慌てで横断歩道渡りきった。

相変わらずのにやにやした顔で、右肩をちょっと上げて、なにしてんの、と言う。その様子は、懐かしい、というより、頭の中から沸いてでてきたようだった。

どこから手をつけていいか良くわからずに、とりあえず、ご飯食べようと言った。そうだねって、歩き始めたところで、そういや鰹節好きだったよね、と言うと「何それ」と笑われた。

GWにはそんなこともあった。そこで話したことは、また今度思い出す。

2010-05-09

[] KING OF STAGE Vol. 8 〜マニフェスト RELEASE TOUR 2010〜2010/5/7@ZEPP TOKYO

マニフェスト」(id:ichinics:20100208:p1)を聴いて、これはもう絶対ライブ行きたい…! と思って運良く(でもわりと頑張った)チケットとれたので行ってきました。初めてのKING OF STAGEです。

もう最っっ高に楽しかった。ライムスターライブはこれまでフェスで2回見ただけなんですが、ほんとフェスワンマンは別物だなと思った。

もちろんフェスで見たときも楽しかったんだけど、予防線とか戸惑いとかそういうの抜きで、お客さんもステージ上の人たちも、完全に場を楽しむために集中しきってる感じが特別だった。ってのは自分の周りのお客さん運がよかったのかもしれませんが、ほんと、あの幕が開いた瞬間の1音目で周囲の温度がガッとあがるのが肌でわかって興奮した。そしてぐるっと見回しても、人差し指を上げてない人がいないってのがすごい。

私が「ONCE AGAIN」という曲を初めて聴いたのは去年の夏びらきというフェスで、そのときは正直、それまで友だちに聞かせてもらったりして知っていたライムスターとは、ちょっとイメージ違うような気がしてた。でもなんていうか、そこから特別な曲になっていく過程があって、いまここのライブなんだなと思った。

そして、その音楽はもちろんのこと、やっぱり完璧に、言葉を発音しきって届けられるライムスターはすごいなと思ったし、それにちゃんと応えようって状態で見れたのが本当に嬉しかった。コール&レスポンスにしても、周りにいた男の子たち(というかほんと男の人ばっかりだった)みんな腹から声だしてて楽しかった!

あと、MCネタにしてたけど、曲の終わり方いろいろ工夫してるんで、って言ってたのもよかったな。個人的にフェイドアウトが好きじゃないってのもあるけど、やっぱりかっこよく終わると気分もあがる。

久しぶりにライブで汗だくになりました。

そして改めて、「マニフェスト」はすごくいいアルバムだなと思った。あのCD聴いたら、やっぱりライブ会場で「ちょうどいー」とか言いたくなるし、それが出来るのがすごく楽しかった。ほんとーーーに楽しかった。何より、アルバムが示している通りに、常に工夫し続けて「これから」をやっていくという表明をし続けていたことに、ほんとぐっときました。

いま悔しいのは、次はいつライムスターライブを見れるかがわからないってことです。でも、またライムスターライブ行けるのを楽しみに音楽聴こうーって思ったし、そのくらい、目から鱗が落ちた(正確に言うと耳から落ちた)ライブでした。かっこよかった!

マニフェスト(初回限定盤)(DVD付)

マニフェスト(初回限定盤)(DVD付)

2010-05-05

[] 神代植物園と深大寺に行った

ゴールデンウィークだし、どこか連休っぽいとこ行きたいなー、と思って近場だけど観光地っぽい深大寺へ行ってきました。

深大寺は小学生のときの夏休みの自由研究をやった(たしか十二支の石碑たどって地図とか作ったような)なじみ深い場所なのですが、その隣にある植物園の方に来たのは、たぶん子どもの頃以来。

まずはバスで植物園へ。

入ってすぐのぼたん園では牡丹と芍薬が満開だった。牡丹といえば、と武田百合子さんの『遊覧日記』に収録されている上野東照宮のぼたん苑のお話を思い出し、帰ったら読みかえそうなんて思いながら歩く。

白い花の前で足を止め、連れと「ティッシュで作る花みたいだね」なんて話をしていると、後ろから来た人も同じ花を指して「ティッシュみたい…」と言っているのが聞こえて面白かった。ティッシュ、というか、たぶん小学校の頃の飾りつけの定番であるあの紙の花をイメージするのだろう。

たっぷりとした大きな花の中を覗き込むと、両足に花粉をたっぷりとつけた蜂を見つけた。その蜂が動くたびに、花粉が花弁にまでこぼれている。その様子を撮ろうとカメラを構えたところで、蜂はいなくなってしまった。

P5020714no2

P5020719no2

P5020723no2

花弁の多い花、少ない花、分厚い花、薄い花、どれが好きかなんて話をしつつ、ぼたんはかなりいいよね! と曖昧に結論して広場へでる。

目当てにしていたバラはまだはじまっていなくて、その代わりバラ園の周りでは藤が咲きそろっていた。藤の匂いは、おばあちゃんちの箪笥みたいだ。

道の奥に売店を見つけ、ソフトクリームを買って食べたりもした。暑さのせいもあって売店は大混雑だったけれど、レジの人とソフトクリームつくる係の人が、まさしく適材適所って感じでばりばり働いていてとてもすてきだった。

藤棚の下にあるベンチでも、芝生の広場でも、そこにいる人みんなが、のんびりした顔をしていて気持ちがいい。

P5020753no2

植物園といえば温室もいいよね、でも熱帯植物ってなんかこう、大雑把じゃない…? って連れが言いだして、そしたらどれも面白く見えてきてまいった。最後のベゴニア室なんかもうおもしろにしか思えなくて、なんでこんな太い茎に花がひとつなの…! とか言いながら大笑いしてたけど今となっては何がそんなに可笑しかったのかわからない。

P5020752no2

多肉植物の即売もやっていて、このあと用事がなければ買いたかったけど、持ち歩くのが不安だったので断念。ウーみたいな白くてふさふさしたサボテンとか、ムーミン谷のおさびし山みたいなサボテンとか、たくさんあって、楽しかった。

植物園の後は深大寺へ行って蕎麦を食べた。おいしい上に山盛りで、あとで出店も見ようと思ってたんだけど、すっかり満腹になってしまう。

何年か前に深大寺でひいたおみくじがひどい結果だったのを思い出して、最後におみくじを引いてみたら、またしても凶がでて笑った。内容もまた容赦なくて、要約すると「月蝕の月のごとく光がない」らしい。連れは吉でそれなりのことが書いてあったので、私の深大寺運がないのだと思うことにしておく。

f:id:ichinics:20100506215638j:image:w200 f:id:ichinics:20100506215637j:image:w200

それにしても、神代植物園から深大寺のコースは、近いし見るとこたくさんあるしそれほど混んでもいないしで、とてもよかった。バラが咲いた頃に、また来ようと思った。

2010-05-02

[][] 「ダークナイト

監督クリストファー・ノーラン

ずっと見たいと思っていた「ダークナイト」をやっと見ました。見てよかった、と思ったけど、正直なところけっこうへこんだ。

ダークナイト 特別版 [DVD]

ダークナイト 特別版 [DVD]

実は、バットマンシリーズ映画をちゃんと見るのはこれが初めてです。それでも十分設定は伝わるし、他のシリーズも見たくなりました。

ただ、そんなわけでこれが今までの物語の延長線上にあるのか、シリーズ中でどのような位置づけの作品なのかはわかりません。でも冒頭の、ジョーカー登場シーンがとにかく圧倒的で、なるほどあちこちで(ネタバレ避けるために薄目で)読んだ感想にあった、この「ダークナイト」はジョーカー映画だという言葉はそういうことなのか、と思いました。

例えば「ノーカントリー」(id:ichinics:20080330:p1)に登場するシガーという男もまた、「ダークナイト」におけるジョーカーのように、遠く、言葉で説得しようとすることを無謀だと感じさせるような存在だった。

しかし、明らかに異なっているのは、ジョーカーには明確な信念のようなものがあって、それが完全な孤独の中に揺らぎないものとしてあることだと思う。

バットマンにも「信念」があるけれど、それはジョーカーの前でむしろ彼の弱さになってしまっている。終盤の問答でジョーカーが言うことを、バットマンは否定できない。その無力感が、なによりこの映画を特別なものにしているのだと思います。

映像はもちろん、ラストモノローグ完璧に「ダークナイト」という物語を閉じる脚本が素晴らしい。

それでもやっぱりへこむ映画で、宙吊りのジョーカーの仕草を想い出しながら今も、信じるとはどういうことなのかを考えている。

[] つづがなく日々は

言いかけた言葉も 口に出さなけりゃ/全てかけがえない ただ忘れていくだけだ

伝わるか伝わらないか なんかは関係ない/伝えようとすることを 今も俺は諦めない*1

KAIKOO の夜のあの暗い会場でライブを見えているときに、この歌詞が耳に残って、その後もずっと、歌詞全部覚えるくらいに聴き続けていたせいか、ここ1ヵ月ずっと頭の中に浮かんでいた。

伝わらなかったと勝手に諦めそうになっていたことを、それでも口にしてみることで、確かなのは伝えたいという気持ちの方なのだと思う。

雨の交差点で、夜の歩道橋で、水溜りに映ったデニーズの黄色い看板の上で、手に持った傘を持て余して歩く。いつかの暑い日の夜のことを考える。季節は折り重なって混ざり合って、でもどれもなくならなくて、毎日はその先にある。

P5020722no2

だから、錯覚だとしても、勘違いだとしても、できるだけ物事を良い方に、考えるのは自分のためだなと思った。

*1:「あかり from HERE 」