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  □これまでの日記一覧

2010-07-26

[][] インセプション

監督クリストファー・ノーラン

f:id:ichinics:20100726223018j:image:w300

面白かった!

見ている間中頭がフル回転しているような気持ちよさがあって、それが不意に途切れる瞬間の、あのぞっとする感覚が忘れられない。エンドロールの間中、頭にたくさんの言葉が浮かんできて、明かりがついた瞬間、場内がざわめいたのがとても印象的だった。

広告では「アイデア」という言葉キーワードのように使われていたけれど、それは物語の中で使われる意味だけではなく、監督が形にしたいと思ったであろう“アイデア”自体をさしてもいたんだなと思う。

後から思い返してみれば、もっとうまく使えただろう伏線があちこちにあって、もったいないなとも思うのだけど、映画時間内で理解できる分量としてはあれで(私には)じゅうぶんだったし、なにより「これ」を描きたいという肝心なところを抱えて突っ走る勢いに、私は好感を持ちました。そして実際、とても面白かった。

【以下、映画の内容に触れます】

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[] 向こう側のお話

楽しみに読ませていただいている「傘をひらいて、空を」を書かれている kasawo さんに、2つの日記をネタにしていただきました。こういう形で日記を使っていただくのはめったにない経験で、ちょっと照れくさいような、誇らしいような気分でいます。

エントリはどちらもとても楽しく読ませていただきました。ありがとうございます

傘をひらいて、空を/彼の二週間

傘をひらいて、空を/千まで数える

エントリの最下段に私の日記へもリンクしていただいていますが、なんでこの日記からそんな想像ができるんだろうって驚いてしまいます。すごい!

ところで、今回使っていただいた日記は自分にとってはふたつとも、ほぼ本当の出来事です。なので、頭の中にはきちんとそのときの状景があるわけです。

自分記憶とどこか重なる出来事が、自分の中にない言葉で語られるということは、たとえば同じライブを見たとか、同じ食卓を囲んだ、などという場合にはありえても、今回の「ユリちゃん」の話のように、個人的な景色場合はほぼあり得ないことです。

だからこそ、今回読ませていただいた文章は、私にとってはどこかにある平行世界お話みたいにも感じられました。

kasawo さんの書かれたエントリのように、もし誰かに「100数えたらいいよ」と言われることがあったとしたら、きっと私も逃げたくなったと思う。私はいまだにそれがちょっとこわい。

それと同時に、確かに私はもう1000よりずっとたくさんの数を数えることができる。むしろ、飽きるまで数を数えていたいと思うことだってあるし、そういった瞬間を何度も繰り返してきたはずで、

今更なにびびってんの、と、ユリちゃんと自分の家をつないでいた生垣越しに、誰かに笑われているような気がした。その声を聞けて、なんだか嬉しく思いました。

ほんとうに、とても贅沢な体験をさせていただいた気がします。ありがとうございました。

2010-07-21

[][][] 四畳半神話大系

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

アニメがとても面白かったので気になって原作を読んだら、アニメを見終わったばかりということもあり、ほぼフルボイスで脳内再生されるちょっと贅沢な読書になった。導入部分など、ほぼ一字一句そのままの脚本だったので、目で紙上の磁気を読み取るかのように、声が聞こえてくるような気がした。

それと同時に、ここに見えていないものを、あのように描くということのすごさをあらためて思い知った。アニメを見てしまった後なのでわからないけれど、私の頭の中だけではあのように楽しそうな光景は思い描けなかっただろう。物語リズムを作ったのが原作だとしたら、それを下敷きに場所とキャラクターを立体にしたのがアニメ版だった、とか言いたくなる。原作にないエピソードもしっくりと馴染んでいたし、小津が五山デートしようとする回のあの見た目の楽しさも忘れられない。

この「四畳半神話大系」という物語は、好機とは目の前にぶら下がっているものだというお話だったと思う。その点でも、アニメ版でのもちぐまんの使い方はすばらしかったし、あれは映像だから出来ることだったのだと思う。冒頭の語りについても同様で、連続で聞いたら飽きるものの、1週間おきのテレビシリーズならそれは必要になる。ほんと、見事なアニメ化だったと思いました。

ともかく、好機は目の前にぶら下がっているというか、なんだって好機と思えば好機なわけですよ。どこで一時停止するかで、物事の見え方は変わる。なのでこれはうまくいかないとほうりだすのではなく、私はこれを注意深くやるしかないわけです。なーんてまとめるとちょっといい話風ですが、そんなことはおいておいて、私は猫ラーメンが食べたいです。

楽しかった。

関連

湯浅監督インタビュー

http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/04/21/yojouhan/index.html

[] 昔話/タイムカプセル

小学校卒業間近、裏門のそばにクラスの皆でタイムカプセルを埋めた。ガチャガチャカプセルに、手紙と、友だちとおそろいで買ったキーホルダーを入れたのをよく覚えている。

その場所は池を作る工事のために掘り返されてしまった、というのはもうずっと前に聞いていたのだけど、先日、投票の会場が小学校だったついでにその場所を確認してみると、そこにできた池もすでに埋め立てられ、ただの草むらになっていた。当時の校長趣味で、蛍を育てようとして、失敗したので埋めてしまったのだと、後から教えてもらった。

タイムカプセルを埋めた場所には、S君が作った木彫りの船が飾ってあったはずだ。私も色を塗るのを手伝った。工事までの数年でくたびれていたとしても、あのきれいな船を倒して、ガチャガチャカプセルが詰まった缶を掘り出して、何も思わずに捨てたのだろうかと考える。考えるとすこし腹が立つけれど、その辺はもうずっと昔に、散々考えたことだ。

ただ先日、あの草むらを見て考えたのは、タイムカプセルを、約束どおり成人式の日に皆で掘り出すという未来(というか過去)は、あったのかもしれないということだった。マジック名前をかいたカプセルから手紙を取り出して、読む自分想像する。そこに書いてあることを実行するという分岐も、どこかにあったんじゃないかなと思う。

ふと思い立って、その草むらを写真にとり、おそろいのキーホルダーを入れた2人にメールする。1人からはすぐに返信が来る。何度かやりとりをしているうちに、近いうちに会おうよ、という話になる。

そして、これはあのタイムカプセルがなくなってしまったからこそ起きた出来事なんだなーと思い、なんだか不思議な気持ちになった。私はあの手紙に、当時好きだった男の子のことや、飼い猫のことと一緒に、3人でずっと仲良くしていられますように、ということを書いたのだった。

校門を出る。ありえたかもしれない、タイムカプセルを掘り出す自分とすれ違ったような気分になって、こういう感傷的なところは、相変わらずだなあと思う。

2010-07-18

[][] 借りぐらしのアリエッティ

とても好きなお話でした。祖母の家に療養に来た男の子が、小さい人に出会うお話

f:id:ichinics:20100719231022j:image:w300

これまでのジブリ作品とはわりと印象の異なる、とてもこぢんまりとした物語なので、物足りない人もいるだろうとは思う。でも、幼いころに佐藤さとるさんの物語が好きだった人や、小さい人の世界ってどんなだろう、って考えたことのある人なら、きっと見たかった! って思うような映画だと思いました。それから、幼い頃に、基地を作った時の気分を思い出したりもした。

まち針の剣とか、しその花の匂いとか、お茶を注ぐときの水滴の感じ、人間足音、雨の音。だんご虫丸い! とか、カーテン登ってみたい! とか、草むらが森になるその視線にわくわくした。そして「借り」に行くお父さんのかっこよさや、アリエッティが洗濯物干してるシーンにもぐっときた。

それと同時に、男の子女の子が出会うお話としてもとてもいいなと思った。世界としてはアリエッティ世界を描いたお話だけど、物語としては、人間の翔の物語だと思う。これまでのジブリ作品で言えば、「耳をすませば」で雫(翔)がバロンアリエッティ)に出会うようなお話

翔の視点から描かれるシーンは少ないものの、彼にとってアリエッティが忘れられない存在になったであろう、庭でのやりとりは短いながらもとてもよかった。あれはやっぱり、翔の声をやった神木*1のよさが大きいと思う。小さい人の生活をもっと見たくて、これがテレビシリーズで見れたらなーとも思ったけど、翔の物語としてはこの映画できちんとまとまっているのだと感じました。

というか、個人的にはこの翔がとにかくよくて、なんていうか、初恋男の子ってこんな感じだよなーって思ったりした。

また映画館行くと思います。楽しかった!

関連

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100618/p2

*1:もう君でもないのかな

2010-07-14

[][]  「HER」/ヤマシタトモコ

昨日書いた「ドントクライ、ガール」とほぼ同時に出た短編集。最近読んだ漫画でなにがよかった? ってきいてくれたらまずこのタイトルをあげたい。とてもよかったです。

HER(Feelコミックス)

HER(Feelコミックス)

全部で6話、少しずつ重なってるような、6人の女の人のお話。もったいなくて1日1話ずつ読んだんだけど、ほんともう、どの話も好きだなと思った。

1話の女の子の、常に人と自分比較してしまう感じとか、美容師女の子の、捨て札なんかないって話とか。自分にないものをお互いに見たり、好きと嫌いが裏表にあったり、自分の中の見たくない部分を見せられるようなお話もあるのだけど、それを最後の第6話で包む構成もいいなあと思う。

なにより、この人の描く女性は、あまり湿気がないのと、それぞれ「ひとり」なのが好きだ。

ヤマシタトモコさんのこれまでの単行本は、主にBLものが中心だったけれど、「イルミナシオン」や「恋の話がしたい」などの短編集には、女の子が主役になるお話もあって、それがとても魅力的だった。だから、この「HER」のような女の子を描いた作品集が読めるのはとても嬉しい。BL作品ももちろん好きなんだけど、あくまでもBL(というか恋愛)、というしばりがなくなったことで、ぐっと幅が広がっているように感じます。

ほんと、今後の作品がとても楽しみ。まずは、アフターヌーンで連載中の作品の1巻が23日に出るらしいので、それまでこの2冊を読み返したいと思います。わくわくするなー。

[] ひかりもかげりも波のあいだ

目が覚めて、布団に寝転んだまま階下に人の気配を感じるとき、食卓の笑い声や、テレビの音、誰かがドアをあけて、閉めるまでに間があるのは猫がエサを食べに居間を出て行くのだろう、とか、そんな光景が浮かんで、降りていきたいようなこのままずっと布団の中にいたいような気分で寝返りをうつ。それは昼休みのにぎやかな教室できゅうに気が遠くなるときの感じにも似ていて、なんで学生時代なんてもう遠いことなのに、いつまでもすぐそこみたいに思い出すのだろうか。

最近四畳半神話大系」の原作を読みながら、主題歌つながりで聴いてたアルバムは随所に、その人たちが好きなバンドがよく使うフレーズが顔をのぞかせるのでつい「似てる」と言いたくなるのだけど、でもそれはけして悪い意味ではなく、ああこの人たちはあのバンドのこういうところが好きなんだな、私もだなー、という気持ちで聴いている。できるだけ、何かと比較したりせずに、それのよさを言いたいとよく思うのだけれど、それが絶対ではなくて、そもそも好きや嫌いは比較の前にあるのだと思う。こんなにはっきりしているそれを言うときに、比較がじゃまにならない方法はないものか。

最近気づくと同じことばっかり考えていて、それがとても楽しい。例えば、見慣れたドアがいつもと違う形に見えるとか、そんな些細なことなんだけど、でもそういうときに、それって意味ない、とか言うととたんにつまらなくなるので、もうちょっと、楽しいのが続けばいいなって思うようになった。梅雨が終わりそうで終わらない。風が強い日はいつも、隣の家の、犬のお皿が転がる音がする。

2010-07-13

[] 星野源/20100712@渋谷CLUB QUATTRO

ソロアルバム「ばかのうた」の発売記念ライブに行って来ました。

星野さんのソロライブに行くのは風呂ロックid:ichinics:20100204:p1)に続いて2回目なのだけど、今回はバンド編成(伊賀航(B)、伊藤大地(D)、野村卓史(key))で聴けたのがうれしかった。

星野さんの声は、のびやかで耳にやさしい。作る音楽によく馴染んでいるところがいいなあと思います。聴いていてとても落ち着く。それから、どの曲もちょっと物語みたいなところが楽しいです。「兄弟」とか特にそう思う。

先日、古本屋さんに入ったらちょうどアルバム「ばかのうた」で一番好きな「茶碗」という曲がかかっていたことがあって、そのときもこのアルバムは本に似合うと思ったのだった。それはもしかしたら、言葉の乗せ方がちょっと童謡っぽいからなのかなとか思う。組み木の床、廊下の突き当たりの図書室、音楽室から聞こえてくるチューニングの音、とか、いま完全に「ありがとうさようなら」が浮かんでますがともかく。

ライブはまだやりなれてない感じがする曲もあったものの、とても丁寧な演奏だったなーと思います。「穴を掘る」はさすがにこなれているというか、伊藤さんのドラムががぜん元気になったように感じて楽しかった。

混雑していたのでちょっと疲れたけど、とても楽しい気分で帰宅しました。また行きたいな。

ばかのうた

ばかのうた

[][] 「ドントクライ、ガール」/ヤマシタトモコ

とてもよかった。表題作はもちろん楽しかったのだけど、同時収録の短編がとても好きです。

ヤマシタトモコさんは、個人的に、ど真ん中にぐっとくる場面をかなりの高確率で繰り出してくる漫画家さんなので、ちょっと客観的な感想が書きにくいのですが(なので感想書いてない本も結構あるのですが)、読み返し率はかなり高いです。

ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)

ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)

表題作は、主人公の女の子が、なぜか室内では常に全裸の人と暮らすことになるコメディ。説明してても意味わからないんだけど、それでもやっぱり不意をついてぐっとくるからすごい。アニメ化するなら(だいたい全裸なのでないと思いますが)主人公の声はぜひ真綾でお願いしますと思った。

そして同時収録の短編「3322」を読んで、あー私はヤマシタさんの描く女の子が好きなんだなーと、改めて思う。

わたしはわたしのどんな気持ちにも

うまく名前をつけられないのだと思います

という言葉からはじまる独白のひとことひとことに、今はもう遠くなりつつある、いらいらして泣きたい感じを思い出す。

そしてラスト、立ち止まって、ああそうかと思った瞬間に、なんかたまらない気持ちになった。具体的には、本閉じて慌てて喫茶店から出て(全裸の漫画も外で読んでいたわけですが)早足で家かえってもっかい読んで、布団のうえを転げました。

よかった。

2010-07-11

[][] 「ヴィヨンの妻桜桃タンポポ〜」

ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ [DVD]

ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ [DVD]

監督根岸吉太郎

どこかで感想を読んで気になっていた作品。劇場行けなかったので借りてきて見ました。よかった。

なによりもまず、松たか子さんの表情や所作がとても魅力的に感じる映画でした。様々な笑顔があって、たとえば手を下ろす仕草ひとつ不安になったりもした。DVDジャケットにもなっている絵も*1ぐっとくるなーと思う。

物語は、金と酒と女にだらしない死にたがりの小説家の夫、大谷と、しっかりものでしたたかな妻、佐知のお話太宰治原作はもっと短いお話なのですが、その世界を煮詰めて広げたような脚本がとてもよかった。ただ、キャッチコピーにあるような「愛の物語」というよりも、なんというか、人って面白いなあと思うような映画だった。

解釈を決定づけるような台詞はないので、彼らが本当は何を考えているのか、どうとでもとることができる。特に、佐知役の松たか子さんの、彼女裏切り続ける夫に対する愛情と、けれど一瞬先には裏切りそうな底知れなさが同居しているかのような表情はすごいと思った。

大谷が佐知をおそれるのは、彼女に見透かされているような気がするからなのだろうなと思う。しかし佐知が、大谷に尽くすのは、なぜなのだろうと思って見ていたのだけど、仕舞いには、そういうものなんだなと思わされてしまった。

美術も素晴らしくて、とくに椿屋のシーンは見ていてとても楽しかったです。

[][] 「ドリフターズ」1巻/平野耕太

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

楽しみにしてた平野耕太さんの新作!

時を越えてある「異世界」にやってきた「漂流物(ドリフターズ)」のお話。主人公は島津豊久。お話が進むとともに、他にも様々な歴史上の人物がこの異世界に集められていることがわかっていきます。そのメンツがまたわくわくする感じ。

1巻は、実は彼らはある目的のもとに集められた、ということがわかるまでで終わっていて、それがどういうことなのかはまだ全然わかりません。とりあえずはメインの登場人物顔見せといった感じの巻なのですが、やたら盛り上がって読みました。楽しい。早く続きが読みたいです。

2010-07-08

[][] 「日曜日マルシェボンボン」1巻/かわかみじゅんこ

日曜日はマルシェでボンボン 1

日曜日はマルシェでボンボン 1

初めて「パリパリ伝説」を読んだとき、かわかみさん面白い人なんだなーって、それまでの作品とのギャップに驚いたものですが(絵も全然違ったし)、この「日曜日マルシェボンボン」はちょうどパリパリ以前と以後の中間のような作品で、ああどっちもかわかみさんなんだなーと思ったりしました。面白かった。

日曜日マルシェボンボン」は、ジュリエッタという8歳の女の子が主人公のお話。恋におしゃれに活動的で、でも何より大事なのは自分感覚で、フランスの女の人ってほんとそんななのかしら、とか思いつつ、大きく頷いたり、自分もがんばろ、なんて思うところもあったり。何より彼女の視線には先入観がなくて、とても気持ちがよかったです。

レミが主人公の話にでてくる90歳のひいおばあちゃんもよかったな。そうだよなーって、読み終えて、なぜか麦茶一気飲みしたりした。

[] クレ556と冷凍庫が便利日記

最近自転車の鍵がかたくなってしまったので、クレ556を買ったんです。大学生の頃、友だちがアパートの鍵にさしたらすぐに効いて、って話をしていて「どうやらいいものらしい…」とは思っていたんだけど、自分で買うのは初めてなので、どこに売ってるかわからず薬局に行ったらなくて、西友にありました。それで家に帰ってすぐさして、そのまま一晩おいたわけですがね、もう次の日びっくりですよ。なんて、きっともう皆知ってるんだと思うけどあれすごいね。つるっつる。例えるなら、あっためたナイフでバターを切るときみたいです。やったことないけど。

でも今梅雨だし、またすぐさびちゃうんじゃないのーって思うでしょ。ところがどっこい、なんと! クレ556にはサビどめ効果もあるんだって! これはもう冷凍庫並みに便利!

冷凍庫のなにがすごいって、今日買った豚肉を10日後に食べるくらい余裕ってことですよね。タイムマシンみたいだよなーってよく思うのだけど、さすがにいつ入れたかわからなくなってしまうと使うのもははばかられるので、こないだ冷凍庫掃除したときに、ずっと放置してたシラスを捨てた。もしかして解凍されたら生き返ったりするのかな…と思ったけど、買ったときから茹でてあったじゃんねえ、とか考えながら眠ったせいか、今朝白魚の踊り食いをして、喉につまらせる夢を見ました。今後気をつけます。

2010-07-06

[][] 「宇宙ショーへようこそ

監督舛成孝二

アニメを見る時に、何を重要視するかっていうのは人それぞれだと思う。作画だったり、キャラクターだったり、脚本だったり、美術だったり、いろいろ見所はあるんだけど、自分にとって特別な作品になるかどうかは、それ以外のところにあるような気がする。すごく漠然としてしまうけど、空気やリズムみたいなもの。

それに引き込まれさえすれば、後は乗っかるだけだし、それが楽しければ、楽しいほど、好きな作品になる。と、あらためて書くと単純だけど、映画でも漫画でも小説でも、そういうポイントはあるような気がする。

そこで「宇宙ショーへようこそ」はどうだったかというと、正直なところ入り口が見つからないままに見終えてしまった感じだった。「かみちゅ!」の流れで、日常宇宙自然につながっている異世界ものとして描かれるのかと思い込んでいたので、意外とまっとうに(?)宇宙観光をするお話で少し驚いたってのもある。

【以下ちょっと内容に触れます】

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[][] 「ことことかるてっと」2巻/楠田夏子

ことこと かるてっと(2) (KC KISS)

ことこと かるてっと(2) (KC KISS)

完結巻。よかったです。

古い学生寮に暮らす4人の女の子が、壁をぶち抜いてしまったことを隠すために、つながった部屋で共同生活をするお話

4人それぞれの視点から描かれるエピソードがどれもよくて、たとえば2人でいるときの沈黙をお互いどうとらえているか、とか、もっともあけすけなようで、観察しすぎてしまうキャラクターとか、そういうことってあるよなーと思いながら読みました。

4人それぞれ主人公として描くことで、共感覚という設定がちょっと浮いてしまったような気もしなくはないんだけど、画面の描き方やエピソードの取り上げ方などとても好みの作家さんなので、今後の作品がとても楽しみです。

1巻の感想http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100316/p1

2010-07-03

[][] 「あなたの人生の物語」/テッド・チャン

タイトルにそそられて買った短編集。難しくて理解しきれなかった作品もあったけど、特に後半に収録されている作品がとても面白かったです。時間を置いてもう一回読み直したいと思う。

イーガン比較されているのを何度か見たことがあったのだけど、個人的にはもう少し印象が柔らかいように思った、けれど、それは訳者の印象かもしれません。特に「顔の美醜について」の生き生きとした言葉づかいは、って今確認してみたら、やっぱり浅倉久志さんだった。

特に印象に残ったのは「地獄とは神の不在なり」という短編でした。神が「いる」という世界舞台にした物語で、しかも天使降臨がほとんど災厄のように描かれている。っていうとイメージするのはキリスト教で、あとがきにも「ヨブ記」がアイデアのもとになっていると書かれていたけれど、とくに宗教を限定しなくても「神を信じる」とはどういうことなのか、という話としてとても面白かった。それで思い出したのがグレアム・グリーンの「ことの終わり」で、ラストがいまいち思い出せないものの、読み終えたときの驚きは近かったような気がする。

それから「顔の美醜について」。これは人の容姿についての価値観フラットにする「カリー」という美醜失認処置をめぐるドキュメンタリー風の短編。先にも書いたけれど、さまざまな語り口を訳しわける浅倉久志さんの訳が読み心地の良い作品だった。

そして、読んだ人に感想を聞いてみたくなる話でもある。人は他人を差別する。その差別の基準について、作者自身が自らを疑っていることが覚え書きからもわかる。そこが、文章の端々に見える潔さの所以なのかなと思った。テーマはたぶん、ティプトリーの「接続された女」に近い。

そして表題作については、このアイデア物語にできるっていうことが、すごいと思った。とはいえ、ちゃんと理解できているのかあやしいのだけど、読みながらずっと思い浮かべていた作品のことが、作者による覚書に登場しているのを見つけて嬉しくなった。

[][] 四畳半、たましい、夏

楽しみにしていた木曜日夜の「四畳半神話大系*1が終わってしまった。とても面白かった。私にしては珍しく、ほとんど全回放送時に見ていた作品なのだけど、全回もれなく素晴らしかったし、最終回をみて、これは全11回でひとつの作品だったんだなとしみじみ思ったりもした。今日原作を買ってきたので、読み終えたら改めて感想書こうと思う。

それにしても、最後の2話の展開は、これまで積み重ねてきたものを混ぜ合わせてラッピングして、開くと新しいものが出てくる手品のようだった。ぐっときた。

ただ、目の前の好機をつかめといわれても、その好機がなんであるのか、これですか、ほんとに?、いやいやまさか、って構えてしまう主人公の及び腰は他人事ではない。そんなだから(略)とか思いつつぼんやりしていた今週、なんかいろいろついてない感じで、友だちと会っても「魂抜けてるねー」って言われてしまい、申し訳なかった。ちなみにマブイは沖縄で魂って意味だと今週知った。グーグルで。

土曜日は買い物に行った。欲しいと思ってた靴を買って、嬉しくて店出てすぐに履きかえる。靴は自分で見えるから楽しくていいよねって思ったけど、見てると足の甲の日焼けが気になって、そういえばこれ、潮干狩りに行ったときのだなとか思い出す。映画を見て帰って、夜はテレビサッカーを見た。ちっとも風が入ってこない網戸の向こう、夏の夜はリッチブラックっぽい、と思った。