「宇宙ショーへようこそ」

監督:舛成孝二
アニメを見る時に、何を重要視するかっていうのは人それぞれだと思う。作画だったり、キャラクターだったり、脚本だったり、美術だったり、いろいろ見所はあるんだけど、自分にとって特別な作品になるかどうかは、それ以外のところにあるような気がする。すごく漠然としてしまうけど、空気やリズムみたいなもの。
それに引き込まれさえすれば、後は乗っかるだけだし、それが楽しければ、楽しいほど、好きな作品になる。と、あらためて書くと単純だけど、映画でも漫画でも小説でも、そういうポイントはあるような気がする。
そこで「宇宙ショーへようこそ」はどうだったかというと、正直なところ入り口が見つからないままに見終えてしまった感じだった。「かみちゅ!」の流れで、日常と宇宙が自然につながっている異世界ものとして描かれるのかと思い込んでいたので、意外とまっとうに(?)宇宙観光をするお話で少し驚いたってのもある。

【以下ちょっと内容に触れます】

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 「ことことかるてっと」2巻/楠田夏子

ことこと かるてっと(2) (KC KISS)

ことこと かるてっと(2) (KC KISS)

完結巻。よかったです。
古い学生寮に暮らす4人の女の子が、壁をぶち抜いてしまったことを隠すために、つながった部屋で共同生活をするお話。
4人それぞれの視点から描かれるエピソードがどれもよくて、たとえば2人でいるときの沈黙をお互いどうとらえているか、とか、もっともあけすけなようで、観察しすぎてしまうキャラクターとか、そういうことってあるよなーと思いながら読みました。
4人それぞれ主人公として描くことで、共感覚という設定がちょっと浮いてしまったような気もしなくはないんだけど、画面の描き方やエピソードの取り上げ方などとても好みの作家さんなので、今後の作品がとても楽しみです。

1巻の感想→http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100316/p1