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  □これまでの日記一覧

2010-08-30

[][] 「ヒックとドラゴン

評判がいいので気になって見に行きました。これがもう、とっても面白かった!

行った映画館がたまたま3D吹き替え版で、あの眼鏡をかけて映画を見るのやだなー(映画見る時は眼鏡かけるので)、なんて思っていたのだけど、見始めてすぐに、この映画3Dでよかったなーと思いました。

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ヒックとドラゴン」のあらすじはとてもわかりやすいものです。バイキングらしくないバイキング少年と、傷ついたドラゴンが出会い、仲良くなって…それで、って、見てるうちにわりと先は想像できる。でも、ヒックとドラゴンが仲良くなる過程がとても具体的に、丁寧に描かれているので、そのわくわく感だけで十分に物語に入り込むことができた。そんでまたドラゴンがとってもかわいいんだ!

周囲から認めてもらえず、ちょっとひねくれた性格になっている主人公が、でも肝心なポイントでは素直に自分の気持ちを言うのもいいなと思いました。声優さんもとてもよかった。

何よりの見所は、ドラゴンに乗って飛ぶシーン! 仲間たちの長所を生かしたフォーメーション組むとことかたまらない。適材適所大好きです。それから、振り落とされて、拾われるというお約束ハプニングも何回か起こるのですが、これがどれも絶妙にはらはらして、まるでジェットコースターみたいに気持ちよかった。このシーンを堪能するためには、3Dのがいいかもなーって思いました。あと父さんの髭。

もちろん大人が見ても十分楽しいのですが、もし自分がこの映画子どもの頃に見ていたら、きっと何度も繰り返し見ただろうなーとも思いました。

ほんと、楽しかったです!

[] 頭の中の次元

ヒックとドラゴン」を見る前、3D眼鏡をかけるのが嫌で、眼鏡かければ3D、かけなければ普通映像に見えればいいのになー、でも裸眼3Dに見える映像とかのが先に開発されたりして、なんてことを考えていた。

でも裸眼3Dに見えるって、それは言ってみれば「眼をカメラのように動かせる」(想像すると気持ち悪いけど)ってことのはずだ。

そして、もしもある特定の時間完璧に保存できて、それがいつでも再生可能であるならば、それは四次元なんじゃないか…とも思った。

四次元とは、と検索してみると「四次元とは三次元空間を見渡せる次元」であると書いてある。トラルファマドール星人のいう「瞬間という琥珀」のようなものだろう。

でもそう言われると、人の頭の中っていうのは、それに近いようにも思う。「四次元とは何か」からは離れるけれど、頭の中で思い描くことには様々な瞬間が一瞬にある、ような気がする。「インセプション」にでてきた夢の階層のように、頭の中にもいくつも階層があって、「私」は複数の階層を見渡すことができている、ような気がしないでもない。

なんて考えているとちょっと頭がややこしくなってくるけれど、

例えば映画を作る人はきっと、その場面をどこからどのように描くかという風に頭の中で考えてコンテを描くのだろうと思う。そのような作業は次元ではかれないのではないか…と思ったりした。(たぶんそういうことじゃないんだろうけど)

そして、「ヒックとドラゴン」のトラゴンに乗るシーンは、どういう風に視線を動かしたら、見ている人が「乗れる」かということを考えて描かれているような気がして、それってすごいことだなと思ったのでした。

2010-08-25

[] 今 敏監督のこと

今 敏監督の作品を初めて見たのは「PERFECT BLUE」だった。

エヴァンゲリオン」がTV放送され、再放送などで話題を呼んでいた頃だったと思う。雑誌の「PERFECT BLUE」評を読んで気になって、ビデオレンタルしてきたのだった。

その評が載っていた雑誌が何だったかは忘れてしまったけれど、白黒の四段組くらいのページで、とても熱のこもった評だったのを覚えている。そして、見終わった後は私も、「アニメってすごいよ…!」といろんな人に、言って回りたい気分になった。

それまでなんとなく「子ども向け」というイメージで捉えていたアニメを、アニメだからできる表現が見たくて見るようになったのは、今思えばこの作品がきっかけだったように思う。それからは、わりといろんなアニメを見るようになり、好きな作品も増えていったけれど、今 敏監督はいつも“特別”だった。

監督名前で売れるアニメ映画といえば、ジブリ押井守監督大友克洋監督くらいだった頃から、「千年女優」「東京ゴッドファーザーズ」「パプリカ」と素晴らしい作品を発表し続け、唯一のTVシリーズである「妄想代理人」にしても、今 敏監督はずっと、その名前ジャンルになっているような監督で、すごくかっこいいなと思っていた。

どの作品も、見終わるたびに監督の作ったものをもっと見たい! と興奮した。自分が何か面白いものを見聞きして、それを映像化してほしいなーって思うときにはまず一番に名前が浮かんだ。絶対に、私が想像もつかないような絵を、見せてくれるだろうと思える監督で、もっと違う一面をみて見たいし、いつか見せてくれるだろうと思っていた。

パプリカ」の感想に、私は「今敏監督の、想像力と、それを映像としてアウトプットできる才能に驚かされっぱなしだ。監督の手のひらで飛び回っている気分で、それがあまりにも楽しい」(id:ichinics:20061202:p1)と書いた。

あの世界に、頭の中に、もう触れられないということがとにかく残念で仕方がない。

本当に、大好きな監督です。

制作途中であったという「夢見る機械」の完成と公開を願っています。

「夢見る機械HP

http://yume-robo.com/

2010-08-23

[][] 「エビスさんとホテイさん」/きづきあきら+サトウナン

ホテイさんが働く支社に、本社からエリートOLエビスさんが転勤してくる。OL同士の、いわゆる「同調圧力」になびかないエビスさんは、支社で浮いた存在になってしまうのだけど、彼女が転勤をしてきた理由を知ったホテイさんは、いつしか彼女のことが気になるようになって…という物語です。

つぼみ』という雑誌で連載されていた百合漫画…なのですが、あとがきにあった定義を読むと、「ほんのり」「恋と友情の間」「エロは抜き」らしく、そうなるともう、少女漫画とそんなに区別つかないかもなーと思ったりもしました。

というのも、この「エビスさんとホテイさん」は、先日感想を書いた『HER』(id:ichinics:20100714:p1)に収録されていたあるお話にとてもよく似ていて、そしてそれは少女漫画ではよく見かける構図だからです。『潔く柔く』のカンナとアサミとか、力関係は異なるけれど、『君に届け』の爽子とくるみも似たような構図だと思う。

『HER』の第5話では、「ホテイさん」の役割を持った女の子恋人の友人としてエビスさん的な女の子が登場します。面白いなと思ったのが、フィールヤング誌のヤマシタトモコさんのインタビューで、この「ホテイさん」であり「くるみ」である側の女の子に対して「かわいそうだ」という意見男性から多く集まったって話でした。

でもこれは別に、どっちがかわいそうとか勝ち負けとか、そういう話じゃないんですよねたぶん。実際「ホテイさん」側の女の子恋人を奪われるわけでもないし、むしろその恋人なんて2人が出会うきっかけとしてしか描かれていない。

なんていうか、自分にないものを持っている相手と向かい合うっていうのは、この「エビスさんとホテイさん」がお互いに惹かれあうようなものと紙一重の、あこがれに近いのかもなーと思った。だから好きになるのか、嫌いになるのかは、またそれぞれだけど。

[] 眠気/カラフル/仕組み

休みが終わってから、毎日のぼんやり具合に拍車がかかっている。砂に埋まりながら、じょうろで水をかけられているみたいな重い眠気を前に、かろうじて体を持ち上げて過ごしつつ、日が落ちてからやっと本調子になるというのは、これもまた夏ばてなのだろうか。

なのだろうか、なんて真面目な顔して考えてるふりしつつ、夏だーいすきとか言っちゃったりするのはやっぱり、金曜日ビールと、週末の楽しみ。

それは去年も一昨年も変わらないはずなのに、昼下がりの電車の中でふと、今は今だけ、という言葉の意味がわかったような気分になる。似たような行動を繰り返していても、組み合わさった要素がまるで同じになることはないし、これが明日もある保証はないんだから、だったら、という部分で「カラフル」は、自分を外側から見れば大抵のことは乗り切れる、という視点を提示する物語だったとも思う。

正直なところ、そのたとえとして描かれる物語自体には、少し違和感を感じたものの、ささいなやりとりが主人公にとって「特別」になる瞬間を境に、視点は「自分」の中に引き戻され、だからこそままならないのだけど、それはけして振り出しに戻ったわけではない。だよねたぶん、という余韻はとても心に残った。

なんて、あれこれ考えつつ、ほんのちょっとのことであっという間に元気になったりする、自分の仕組みはいつまでもよくわからないなーと、すっかり大人になった今も思います。

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2010-08-21

[][] 「カラフル

監督原恵一

原恵一監督で、原作森絵都さん、ときたら、これはぜひ見ないと! と思いたって初日に行って来ました。

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とある「罪」を犯して亡くなった主人公が、「小林真」という自殺したばかりの少年として生き返り、自分の犯した罪を思い出す、という「再挑戦」をする物語

小林真」の置かれた環境は厳しいものなのだけど、所詮他人事、と、主人公は気の赴くままに行動し、やがてそのなかに「自分」の気持ちを見つけていく。

原作児童文学の中でもいわゆるヤングアダルトというジャンルになると思うのだけど(今もヤングアダルトっていうのかな)、この映画も、あくまでも思春期子どもに向けて作られたものだと思います。もちろん、大人が見ても面白い作品ではあると思うのだけど、自分が誰かにおすすめするとしたら、人を選ぶなあと思いました。

というのも、「気持ち」を描くことに丁寧な映画だけに、画面はたんたんとしていて、私自身、最初はなぜこれをアニメでやろうと思ったんだろう、と疑問に思いながら見ていたからです。

しかし、だんだんと、このキャラクターたちを「実写」で見ていたら、私はきっと役者を通して見てしまっただろうとも思った。知っている役者さんでなくても、それが実写であるというだけで、限定されるイメージがある。

この映画場合は、それが「絵」だからこそ余白があるというか、登場人物の誰かに、自分を重ねることがしやすいのではないかと思いました。

アニメーションというとつい、実写ではできない表現キャラクター描写などを期待してしまったりもするけれど、このような余白を描くこともできるのだなと、改めて気付かされた思いです。

そして、さりげない伏線のうまさというか、感情が一本ではなく様々な出来事に影響されていて、「言葉」の背景に広がりをもたせるという描き方は、やはり原作のよさだろうなとも思う。特にあのコンビニの前のシーンはとても印象的で、彼が笑うたびに、たぶん主人公と同じように、私まで心強い気持ちになった。

終盤まで、あんまり好きになれなかった「天使」存在にも、最後にはなるほどと思えたのもよかった。

「他人」として生きてみることで、世界の見え方が変わり、そのうえで変わらないことが浮かんでくる。構成は異なるけれど、物語テーマとしては、大島弓子さんの「秋日子かく語りき」に似ているなと思った。

ちょっと展開が遅いのと、音に違和感を感じる場面が多く(特にモノローグ台詞の切り替えがいまいちわかりづらかった)正直、集中力の切れてしまったところもあった。でも見終わる頃には、素直によかった、と思っていた。

声優ではだんとつに宮崎あおいさんが良くて、彼女の役は主人公と同じく「いじめられっ子」の女の子なのだけど、ああこういう喋り方の子いたよなあと思ったりした。そして、彼女の起用にも「秋日子かく語りき」を思い出したりした。

上映が終わり、同じ回を見ていた高校生くらいの男の子が、泣きながら「子どもがうまれたら絶対見せる」って言っていたのが印象的でした。

余談ですが、あるシーンでお兄ちゃんのメガネが曇っていたのに、泣きながら笑いそうになってしまいました。描写が細かい。

あと、個人的に馴染み深い風景がたくさんでてきたのも嬉しかったです。

公式サイト

http://colorful-movie.jp/index.html

2010-08-19

[][] 「野ばら」/高田

本屋さんで見かけて表紙買い。初めて読む漫画家さんなのですが、とても気に入りました。

収録されているどの短編も、すこしふしぎSFで好みなうえに、語り口のテンポも、安定した絵柄も、最後の1ページまでどうなるかわからない展開も、とにかくうまいなあと思う。

描く物語に特徴はあるけど、いろんなジャンル物語を描けそうな人でもあって、それは絵と物語の間に少し距離があるからなんだろうなと思う。距離というか、コメディサスペンスも描ける絵柄で、力の入れ方、抜き方がうまい

大友克洋福山庸治黒田硫黄石黒正数…など、読みながら思い浮かべた漫画家も様々なんだけど、その上で「この人の漫画」がもっと読みたくなる、とても魅力的な漫画家さんだと思いました。

野ばら 1巻 (ビームコミックス)

野ばら 1巻 (ビームコミックス)

とにかく今後がとても楽しみな漫画家さんです。わくわくするな!

[] 「My Space」/S.L.A.C.K.

My Space

My Space

最近よく聞いてるアルバム。昼下がりの電車とか、散歩してるときとか、休日の朝とか、ひとりでぼーっとしているときにしっくりくる。

もとはといえばKAIKOOでPSGに入れなくて、でも漏れ聞いた部分だけで気に入って、その流れで興味もって、このアルバムを買った、ので何も知らないに等しくかけることがないのですが、とりあえずS.L.A.C.K.名義では1stアルバムのようです。

何気ない感じの詩もいいんだけど、個人的にはトラックが気に入ってて、なーんか比較するのもあれだけど、最初に聴いたときに思い浮かべたのは Avalanches でした。音の触感だけだと思うけど。

「Good More」「Hot Cake」「Re-lacks」あたりがとても好きです。なんて適当にさ、とか、どちらでもない中間くらい、とか、普通の生活して楽しくできればいいと思うんだよ、とか、ちらちらと耳元で点滅する言葉も落ち着く。

PSGのアルバムも注文したので楽しみです。

2010-08-16

[][] 「GAME OVER」/水谷フーカ

Game over

Game over

本屋さんで手に取り、以前友だちにおすすめしてもらった漫画家さんなのに気づいて買いました。

表題作の、年の差カップルお話がよかったです。自信満々だった主人公のOLが、中学生男の子に振り回される様子は見ていてとてもかわいい

「壁」を乗り越える話って少女漫画の定番ですが(少女漫画というより恋愛物語の定番なのかも)、年齢も「壁」のひとつとしてよくとりあげられる。ぱっと思い出すだけでも、「恋愛的瞬間」にでてきた先生お話だったり、「オトナになる方法」だったり。

もちろん、似たような設定でも作家さんによって描き方は違って、この水谷フーカさんの場合は、悲しいシーンでも、その先にハッピーエンドの予感があることが特徴だと思う。

それは表題作以外にも言えることで、とにかく画面がやさしいところが好きだなと思いました。他の作品も読んでみたいです。

[] 今日は密度の濃い暑さでした

眠る前に明日着る服のことを考えると眠れなくなるっていうのはお約束で、そういえばあの時着てたあれはどこいったっけ、って布団から這い出し電気をつけてたんすをあさりだしたことも一度や二度ではない。でもそれ以上に厄介なのが、心配事について考えだすことで、いくら心配してみたって夜中の一時二時にそれが解決する訳もなく、つまりいつまでもいつまでもくよくよし続けることになる。

だから眠る前くらいはとにかく都合よく楽しいことを考えたほうがいい。バッドエンドのフラグを全部なぎ倒して、崖から落ちればそこにはマットレスが敷いてあるくらいの強引さで、早く走れるし、ビルくらいジャンプできるし、勇気もあるし、失敗してもへこまないし、心配事はぜんぶばっちり解決する。で、そんなわけあるかっておかしくなったくらいに眠くなるのがちょうどいい。

それで、そんなイメージトレーニングを繰り返すことで、いつか早く走れるようになったりすればいいのになーと思います。

毎日暑いですね。

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[][] 「猫物語〈黒〉」/西尾維新

猫物語 (黒) (講談社BOX)

猫物語 (黒) (講談社BOX)

化物語シリーズの新刊! この「猫物語〈黒〉」は、これまでの化シリーズでも触れられてきた、“ゴールデンウィーク”のお話です。というわけで時系列では過去に遡っているわけですが、語り口はこれまでを意識していたりもするので、なんだか劇中劇のような雰囲気でした。とはいえ、演じているのはキャラクター本人だし、それも肝心なシーンではきちんと回想に切り替わっているような読み心地が不思議。でも全体的に、シリーズを追って読んでいる読者の感覚にはしっくりくるんじゃないかと思いました。

半分くらいは妹とふざけてる話だった気もしますが、後半の盛り上げ方はやっぱりうまいな、と思う。忍の活躍が嬉しかったです。

そして、この黒を皮切りに「化物語シリーズは、来年12月まで3ヶ月おきに刊行が続くとのこと! これで当分楽しみが尽きません。まずは10月発売の続編〈白〉を楽しみにしています。

化、傷、偽の感想

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20090909/p1

2010-08-13

[] これも自分と認めざるをえない展

佐藤雅彦さんがディレクションをした『これも自分と認めざるをえない展』(http://www.2121designsight.jp/id/index.html)に行ってきました。

展覧会は「属性」というテーマ

  1. その本体が備えている固有の性質・特徴
  2. それを否定すれば事物の存在そのものも否定されてしまうような性質

という「属性」の2つの側面について、体験型の展示を通し様々な視点から見せてくれるものでした。

ここで思い出したのは、以前読んだ高田明典さんの本に出てきた

「無根拠に、それを疑わないと決めた」ことを「超越確実性言明」と呼びます。超越確実性言明はたくさんありますが、その「束」こそが「自我」です。」

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20061014/p1

という言葉のことで、この言葉についてはいまだにちょっとよくわからないままなのだけど、この展示によって示されるのは、そのような「無根拠にそれを疑わないと決めたことの束」と「私」を切り離して眺める作業のような気もした。

ただ、2の「それを否定すれば事物の存在そのものも否定されてしまうような性質」として取り上げられていたものについては、「記憶」だけが特殊すぎるとも感じた。具体的な展示内容については知らないで見たほうが面白いと思うので触れないけれど、

例えば、食べたことのないお菓子を「食べたことがある」という嘘をついたとする。最初違和感のあるその「嘘」も、つき続けることで「食べたことがあると信じている自分」の方がリアルに感じられることはあるだろう。そんな風に、「記憶」というのは「私」を構成する重要な要素ではあるけれど、その正確さについては、それほど重要ではないように思う。

むしろ、あの記憶についての展示は、その曖昧さを示すものだったのかもしれないけれど、

もしできるなら「存在そのものも否定されてしまうような」形で、記憶というものが切り離されるところを見てみたいなあとも思ったりした。ちょっとこわいけど。

そんな風に、体験して感じたことについてあれこれ考えるのがとても楽しい展示でした。

それから、体験した後に解説文を読むのがとても楽しく、ここで扱われている「属性」について、佐藤雅彦さんが考えていることをもっと知りたいとも思いました。楽しかったです。

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2010-08-12

[][] 「天使の囀り」/貴志祐介

天使の囀り (角川ホラー文庫)

天使の囀り (角川ホラー文庫)

貴志祐介さんの本を読んでみたいなーと思い、おすすめしていただいたこの作品を読みました。面白かったです。

主人公の精神科医が、アマゾン調査の仕事後、人が変わったようになってしまった恋人の死の謎を追う…という物語

あとがきを読むと、この本が出た頃はちょうど「バイオホラー」ブームだったらしい。言われてみればそんな頃があったような気がするけどたぶんその枠に入る小説を読むのはこれが初めてでした。

なのでジャンルとしてどうってことはよくわからないのだけど、読みながら、主人公の恋人と同じ状態になった人の「主観」も読んでみたいなーと思いながら読んでいて、でもそうなったら、この作品はSFになるような気もした。そしてそれがないからサスペンスになっているのだとも思った。

そもそも、そういった自分の中のSFイメージがあってるのかどうかもよくわからないのだけど、「人はどこまでその人自身か」という話を、SF以外の形で読むのが新鮮で面白かったです。

[][] トイストーリー夏休み

夏休み初日は、「トイストーリー2」のDVDを見てから、阿佐ヶ谷七夕祭りに行った。今3の映画をやっているからか、トイストーリー関連のはりぼてがたくさんあって嬉しかった。

お目当てのビールにたどり着いたところから、あれこれ買い食い。最後に食べた入り口のところにあるおだんごやさんの海苔だんごがとってもおいしかったです。

お祭りを堪能した後は近くの飲み屋で軽く飲む。のんびりした夏らしい1日だった。

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その翌日はディズニーランド! に行った。晴天でジリジリするほど暑かったけど、やっぱりとても楽しかった。

夏休みだから家族連れが多くて、並んでる間もいろんな人のやりとり見てるだけで面白い。拾ったポップコーン食べようとしておねえちゃんに怒られてる弟とか、歩いてる白雪姫とごく自然に手を握って歩き始める少年スマートさとか。

今回一番の目当ては復活したキャプテンEOマイケルがとってもかっこよかったです。たぶん昔はなかった(気がする)ちょっと笑っちゃうようなしかけもあって、終わったあとには拍手がおきていた。

朝9時から行ってたのに、夜9時にもまだ大笑いしながらティーカップ乗ったりしてて、ほんとディズニーランドの威力はすごいなーと思う。MPが1.5倍くらいになってた。最後パレードも見て、大満足で帰宅。楽しかった!

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翌日、「トイストーリー」の1を見て、ようやく3に至る思い出のもろもろを補完できてぐっときた。1ではちょっと心が狭いようにも思えるウッディの3での活躍を思い、アンディの成長を思い、ああシリーズものっていいなあと思う。

バズの「飛んでるんじゃない、落ちてるんだ、かっこつけてな」っていう台詞がとても好き。私もかっこつけたいと思いました。

トイ・ストーリー [DVD]

トイ・ストーリー [DVD]

トイストーリー3の感想

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100802/p2

2010-08-09

[][] 「呼び出し一」1巻/中村明日美子

中村明日美子さんが相撲漫画を描くらしい…という記事を読んだときはとても驚きましたが、タイトルを見て「なるほど!」と思いました。というのは中村さんの絵というと、とても線の細いイメージなので、力士が主人公っていうのが想像つかなかったからなのですが、実際読んでみると、主人公の男の子のたたずまいと力士の人の絵の「漫画」と「絵」のような描き訳が、物語の内容にもとてもあっているように感じました。そして中村さんの描くお相撲さんがまたかっこいいんだ。

呼出し一(1) (モーニング KC)

呼出し一(1) (モーニング KC)

この1巻では、主人公の男の子が、相撲ファンの両親に「呼び出し」さんになることを勧められ、いやいやながらも相撲に興味を持ち始めるところから始まります。

呼び出しさんについて私は良く知らなかったのですが、そういう、知っていそうで知らない世界のことを描いた漫画って最近のはやりのような気もする。

でもそれだけじゃなくて、知識的な部分が物語にとって不可欠なものとして生かされているから面白いんだよなと思う。主人公と同じように、そうなんだ!って思うことができるのが楽しい

しばらく休業されるということで、続きが読めるのは少し先のことになるのかもしれないけれど、楽しみにしています。

[][] なつやすみ

仕事がお昼で終わった日、思い立って野中ユリさんの個展へ行った。初めて行くギャラリーだったのだけど、思いつきでも携帯があればすぐ会場が調べられるというのは、本当に便利だ。

会場である「LIBRAIRIE6/シス書店*1では、野中ユリさんの作品だけでなく、常設展示をやっているといういろいろな人の作品を丁寧に解説していただいて、とても楽しかった。特に山本昌男さん*2という方の写真がとても素敵で、消え入りそうな鳥の写真と、発光しているかのような水溜りの写真が気に入って、他の作品もあればぜひ見てみたいなと思った。

ギャラリーを出ると真昼の強い光がわっと押し寄せてきて、なんだか先ほどまでの時間が夢のような気がした。

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日曜日も昼過ぎまで仕事仕事として、やれることとやりたいことの折り合う点がかすかに見えたような気がして、すこし早足になった。

夜の待ち合わせまで時間があったので、行きたかった「ブリューゲル版画の世界展」*3を見にいった。目当ては有名な「バベルの塔」だったのだけど、これは油絵のものしか見たことがなかったので、細かい線が良く見えるのが新鮮だった。会場ではブリューゲルと同・次世代の画家の作品も同時に展示されていたのだけど、今回のポスターにも使われている絵のようなユニークさがあるのはブリューゲルの作品だけといってもよかったと思う。画面のあちこちに書き込まれたキャラクターには、アニメーションぽい動きがあって、見ていてとても面白かった。

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夜、友だちとあって近況を報告しあって帰宅。そして今日から夏休み

2010-08-04

[][] 「BUTTER!!」/ヤマシタトモコ

大好きです! 面白かったー!

ヤマシタトモコさんのアフタヌーン連載作…というところにもぐっときつつ、個人的に2010年の漫画はヤマシタトモコさんの年だなって思ったりしました。

BUTTER!!!(1) (アフタヌーンKC)

BUTTER!!!(1) (アフタヌーンKC)

「BUTTER!!」は高校の社交ダンス部のお話。先輩2人と、新入生4人だけの部活で、うち2人の新入生は不本意の入部であるというところから始まります。

1巻はとにかく、それぞれがちょっとづつ「あ、楽しい」って思う瞬間にぐっときた。ヤマシタさんはほんと、細やかな感情スイッチを描くのが上手いなあと思うし、その絵につられて、見ているこっちまで気持ちよくなってくる。楽しいって気分が体中にぞわって盛り上がってくる感じ。

今のところ、ダンス部のメンバー全員大好きです。いまいち影が薄かった掛井君も巻末漫画で魅力倍増だった。

というわけで今後がとっても楽しみです!

関連

「HER」の感想http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100714/p1

ドントクライ、ガール」の感想http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100713/p2

[] 現実

先日、すごく嫌な夢を見た。その夢の中で私は、『インセプション』にでてきた「これが夢であるかどうか確かめる方法」(反転→トーテムではなく、カフェで解説していた「今いるところまでどうやって移動してきたかを思い出す」っていうやつです。)を試して、よし夢だよかった、と思って目が覚めたのだけど、それは、インセプションの方法が成功したのか、単に影響された夢だったのか、どちらなのかよくわからない。

目が覚めている今、「もしかしたらこれは夢かも」と思ったりすることはほとんどないけれど、例えば携帯写真フォルダに見覚えのない写真を見つけたとき、これはほんとうに私が見た景色なのだろうかと思うことはある。

近頃、忙しいのかバテているのか、毎日があっという間で、今日久しぶりにPCに繋いで携帯写真をダウンロードしていたら、あれこれいつとったんだっけ、って思うような写真がたくさんあった。

眠いときに手を動かすと、手のひらがすごく遠くにあるように感じられるみたいに、現実感がないっていうのはこういうことなのかもしれないなと思う。ややこしいことが考えられない。なのに、ひとつのことでずっと戸惑ったりしていて、そういうとこはいくつになってもかわらないなあと思う。

ところで今年も無事誕生日がすぎた。もう誕生日なんてどんな顔して迎えたらいいかわからないの、という感じなのだけど、連絡もらえたり、会いたい人たちに会う口実ができるのは嬉しい。なんて、ほんとは毎日暑い、ってだけでも、口実はできるんだよなーとか思いつつ、とりあえず今年もがんばろうと思いました。

2010-08-02

[][] 「獣の樹」/舞城王太郎

久々のノベルスだ、と思って手にとって裏表紙みたら「西暁町」とあったので迷わず買って、そうだよ西暁町の話が読みたかったんだよーとか思いながらわくわくして読んで読み終わって、楽しかったです。

獣の樹 (講談社ノベルス)

獣の樹 (講談社ノベルス)

主人公の名前は「成雄」というところまで読み進めて「獅子朋成雄」の内容を覚えてないことに気づいて、あーと思ったけどもうひとつの成雄「SPEED BOY」*1についてはちゃんと覚えていたのでそのまま読んだ。「SPEED BOY」の軸が走ることにあったのに対して、『獣の樹』はむしろ≪成雄≫のアイデンティティについてのお話だったと思う。

特に成雄が人間感情について学んでいくところが面白かった。正直に言えば私だって、自分の中に「ない」気持ちがここでは正解なんじゃないかと思うことがある。外れの気持ちを持ったら、誰かに見透かされてしまうんじゃないか…なんて思うことがある。なんで泣いてるんだかなんていちいち言葉にできない。だからこそ、人間である正彦よりも、人間かどうかいまいちよくわからない成雄の方に寄って読んでいたような気がする。

それと同時に、成雄の兄弟になる正彦の信頼できる感じはとても心強くて嬉しくて、そういうのもうまく言葉になんないわけだけど、

ともかく舞城王太郎は、「ビッチマグネット」にも書かれていたように、言葉にならないことの、輪郭をとるように物語をかいてるのかな、なんてことを思いました。

そのためには、細かいことがわりと風速で飛ばされてくようでもあり、正直どんな話だった? って聞かれても上手く説明できない気がする。ただ、ともかく正彦の福井弁(なんですよね)読んでるだけでとても楽しかったです。また西暁町の話読みたい。

ところで最後のページ見たら、この夏は舞城王太郎刊行ラッシュらしく楽しみです。

[][] トイストーリー

監督:リー・アンクリッチ

面白かった…! 実はトイ・ストーリーシリーズはまったく見たことがなかったのだけど、公開中の3の評判がとてもよいので気になって見に行って来ました。ほんとは1,2見てから行きたかったんだけど、さすがにレンタルも貸し出し中で、ちょっと待ちきれなかった。で、これはほんと面白かったです。いままで見たピクサー映画の中では一番好き*2

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それにしてもほんと、1,2を知らないという前提で見ても、不満が見つからないような脚本だった。いろんな伏線ががっちりかみ合っているし、随所に笑いどころが散らばめられている。小さな山をいくつも乗り越えて、大きな山に直面する展開にはハラハラし通しだった。

それから、報われる者もいれば、報われない者もいる中で、きちんとどのキャラクターにも目が配られているのはすごい。特に狂言回しになるカップルは最高だったなー! あの間接の曲がらない感じに笑っちゃったりするのは、自分ももっていたおもちゃだったからかもしれない。

ラスト選択肢はいくつかある中で、それを選ぶのかっていうのが少し意外にも感じたのだけど、あそこにはアンディの決断もあるからこそ、特別な瞬間になったのだと思う。

楽しくて、ほんとあっという間で、最後の数分間は泣き通しでした。

とてもよかったです。

映画を見た後、あのシーンとかあそことかちゃんと1,2に伏線があるんだよ、って教えてもらって悔しくなったりもしたので、1,2見たら、改めて見たいと思っています。