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  □これまでの日記一覧

2010-11-26

[][] 「オラクルナイト」/ポール・オースター

ポール・オースターの邦訳新刊「オラクルナイト」を読み終わった。雰囲気としては、NY3部作を読んでいたときの印象に近い、とても好みの物語だったのだけど、それだけでなく、複数の物語が絡み合う描き方がとても面白い読書でした。

オラクル・ナイト

オラクル・ナイト

例えば、このような感想を書くときに私が思い起こすことといえば、最初に私がポール・オースターの作品を読むきっかけになった人のことであり、彼に借りた『シティ・オブ・グラス』を読み終えたばかりの、感想を話そうと口を開きかけた私に向かって、彼が「でもポール・オースターを好きって言うのはなんか照れくさい」などと捻くれたことを言った、その場所が下北沢の北口にある喫茶店だったことである。2階の窓際の席で、とても天気の良い日だった。私はそこでオムライスを食べていて、それは当時その店の看板メニューだった。

彼の言葉はともかく、私はその後ポール・オースターの訳書を買いあさり、すっかり夢中になって後に柴田元幸さんの翻訳教室(本格的なものではなく、夜間に行われるセミナーのようなものだ)に通ったりもしたのだけど、その教室があった都心ビルのことを思い出すと、同時に当時よく聞いていたルナの「Penthouse」というアルバムのジャケットを思い出す。

そんな風に、1つの言葉の背景には様々な風景物語があって、この「オラクルナイト」はそういった複数の物語を1つの時間軸の上に織り込んでいくような構成になっているのが面白いなと思いました。

特に注釈の使い方が新鮮で、最初は読みにくく感じたのに途中からそれを楽しみに読むようになっていました。

[] 餃子、水を差す、年末

友だちの家で念願の餃子パーティをした。買い込んだ餃子の皮を買い足すくらいの勢いで包みまくり、食べまくった。差し水をしたときのじゅうじゅうという豪勢な音は食欲をそそるよなあと思う。おなかいっぱいになった後は、ホラー映画を見て大笑いした。みんなであれこれ言いながらテレビをみるのは楽しい。居心地がよくてついついくつろいでしまい、日付が変わる頃になって解散。またやりたい。

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夏が好きで、でもこれから冬だから、しばらくの間一時停止、なんて思考回路をもう何年繰り返しているんだろうかと思うときの感じは、呆れた、とも、飽きた、ともちょっと違う。自分自分に「それまえもきいた」と言っているような感じ。なんてことをすっかり忘れて、ちょっと駆け足になったりするときもあるのだけど、せめてそういうときだけは水をささずに、自分自分を放っておいてくれたらいいのになと思う。

世の中に絶対のことというのはすごく少ないので(ないとは思ってないけれど)判断しなくていいこともあるんだということを思い、半分のままの気持ちで電車に乗り込む。

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もうすぐ今年が終わるというとちょっと信じられない気がするけれど、1年前のことを考えるともう何年も昔のことみたいだ。何年か後に今年のことをきかれたら、きっと夏ばかりの年だったと答えるだろう。ついこないだまで夏だったような気がしていて、その気分は今も続いている。

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2010-11-23

[][] 「花もて語れ」1巻/片山ユキオ

花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

坂本真綾さん大推薦!!」って帯に書いてあると聞いて探して買いました。ええ。

「花もて語れ」は、朗読テーマにした漫画。物語を声に出して読むということの魅力に改めて気付かされるお話で、なんだか自分でも朗読をしてみたくなりました。

特に、小学生時代のエピソードで、引っ込み思案だった主人公が学芸会ナレーションを任される場面にはぐっときた。

後半、主人公が社会人になってから、宮沢賢治の「やまなし」を朗読することになる場面も、ああ物語解釈を「見る」ことがこんなに面白いなんてって思ったのだけど、でもこれは、あくまでも主人公の「やまなし」なんじゃないかなとも思った。この作品では、主人公の頭の中にある物語を、声で伝えることを「朗読」として描いている。「朗読」にはそれだけの力があるというところが、新鮮で、面白いと思うのです。

だからこそ、今後の展開はわからないけれど、「朗読」は、読み手によってまた違う顔を見せるものであって欲しいなと感じました。「やまなし」の例は少し特殊ですが、朗読が、物語の「正解」を見つける読み方にならなければいいなとか、やまなしを「聞いていた」女の子にも、彼女なりの「やまなし」があったんじゃないのかなーとか、

もちろんこの作品ではそこを否定してはいないのですが、そんなことも考えてしまいました。

今後の展開に期待しています

[][] 「きのう何食べた?」2巻/よしながふみ

きのう何食べた?(2) (モーニング KC)

きのう何食べた?(2) (モーニング KC)

新刊でメモしたので既巻分も思い出せるようにレシピメモ。読んで勝手に省略して書いてるので正しくないとこもあると思います

9話…クリスマスメニュー

ドレッシング砂糖ポイントとのことなのでやってみたい。サワークリームディップもおいしそう。

10話…厚揚げで2日の巻

1日め

2日め

食材使い回しを見るのが楽しい回。メインが時間かかるやつでも、おひたし系は手間かからずに作ってるのもいいなー。

11話…明日お弁当だからのメニュー

切干大根のもどし汁!つかえばいいのか!と思った回。

12話…あまったセロリの使い道はの巻

ポテサラの作り方が新鮮だった。レンジか!

13話…ケンジの友だちが理不尽

14話…排水溝が詰まってあふれると大変っていう話

15話…親が病気になったら

  • 生鮭のみそホイル焼き
  • かぶの葉のにんにくベーコン炒め
  • かぶの酢の物/こぶ茶をかけておいて水気を切り、酢砂糖醤油
  • けんちん汁

佳代子さんの台詞にひどく納得した回。この話だったかと思ったり。

16話…手術の回

肉じゃが実家は牛だった気がするけど、今は豚のが好きだな。

2010-11-17

[][] 最近読んだ漫画

木曜日のフルット」1巻/石黒正数

木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)

木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)

発売してすぐ売り切れてたらしく、買えたのは再版がでたときでした。

「ネムルバカ」や「それ町」と近い、のんびりした後輩と、腹黒いようでちょっと抜けている先輩の関係を中心に、描かれるお話(先輩は鯨井という名前なのでネムルバカの先輩なのかも)。あと猫のフルットがでてくる。

1話が見開き2ページで終わる構成なのですが、この鯨井先輩タイプそれ町だと紺先輩かな)のキャラクターが、私はいまだにつかめなくって最後まで、なるほどそう行動するキャラなのかーとか思いながら読みました。でもそこはたぶん個人的な問題で、それはおいといても漫画は面白いです。

雰囲気は「化け猫あんずちゃん」ぽい。

鯨井先輩に対して感じる不思議さみたいなものはいつか解明したい。個人的に。

「SARU」下巻/五十嵐大介

SARU 下 (IKKI COMIX)

SARU 下 (IKKI COMIX)

お話の「奥行き」のようなものって、キャラクターの数とか物語の長さなどでもなく世界の作り方にあるんだろうなーとか思うんだけど、五十嵐大介さんは、特にその物語の空気みたいなものを描くのがうまい人だと思うし、だから「SARU」を読むのはとても楽しかった。

でも、上下巻あわせてもまだ「予告編」という雰囲気は抜けていなくて、作者のなかにはまだまだお話があったんじゃないのかなーって思ってしまうのが残念でした。上巻で広げた風呂敷がどんどん広がって広がりきって終わってしまったような気がする。

あと伊坂幸太郎SOSの猿」との競作企画、とうたうにはあまりにも関係なかったかなーとも思います。

上巻の感想

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100304/p1

[] カセットテープ

最近おすすめしてもらって買ったCDがどれもあたりで嬉しい。いそいそとプレイリストを作りながら、こんなふうに曲順を考えるのが好きなのは自分カセットテープ世代だからなのかもなと思った。

小学生の時、従兄弟におさがりのウォークマンをもらってから、カセットの使えるデッキが壊れてしまった大学卒業の頃まで、私はずっとカセットを使っていた。中学の頃はラジオの録音ばかりしていたけれど、大学に入ってすぐCD屋でバイトをはじめてからは、給料日のたびにCDを買い込み、新しいテープ編集するのが楽しみになった。

ウォークマンはしょっちゅう壊すので、何度も買い換えて、最終的に行き着いたのはアイワのテレコだった。手でフタをあけてテープを取り出す形の、4000円くらいの安いやつだ。音質はいまいちだったけど、ステレオであれば何でも良かったんだと思う。もちろん録音機能もついているので、テープのあまった数分に、たまに友だちのしゃべっている声なんかを入れたりしていた。

こないだある曲を聴き終わったところで何か足りない気がして、もう一度再生しながら、あああれは録音した音か、と気がついたことがあった。フェイドアウトの後に、ノイズが入ってチャイムの音が鳴る。あれはたぶん大学学食の音だ。

もう二度と聞けないであうその音を、曲の終わったタイミングで私ははっきり思い出し、ガチャン、というA面B面の切り替わる音まで、聞こえたような気がした。

2010-11-16

[] 「タクティクスオウガ 運命の輪」をはじめました

好きなゲームファイアーエムブレムタクティクスオウガなので、発売前にPSPを手に入れ、初回特典版を予約し、満を持してはじめたわけですが、これが期待以上にやっぱりとっても楽しくて嬉しい。あんまり楽しくって毎日あと5時間くらいあればいいのにとか思うくらいです。

新要素で面白いなと思ったのが、戦闘クリアごとに増えるスキルポイントを割り振ってキャラクターに特技をふやしていくシステムスキルポイントが足りないってことはたぶんあんまりなさそうだけど、枠が限られているので、どういう役割のキャラクターにするか考えて埋めてく感じが面白いです。幻想水滸伝3のスキルシステムに近いなーと思いました。

早く説得を成功させて、パーティドラゴンとか入れたいです。

ちょっと面倒なのはアイテム類の整理だけど、まあ慣れるかなという感じ。

あと職業は、壁役になれるクラスがあまりなくて、弓が強い印象。主人公をどう育てるかでまだ迷ってます。迷うのがまた楽しいんだけどね…!

というわけで、とりあえず、初回は迷わずカオスルート

初回特典タロットカードもうれしい!

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2010-11-09

[][] 「友だちの話」/漫画:山川あいじ原作河原和音

友だちの話 (マーガレットコミックス)

友だちの話 (マーガレットコミックス)

とってもよかったです。好きな話。

山川あいじさんと河原和音さんのコラボとのことですが、わたしはどちらの作品も読んだことがありませんでした。だからこの本も本屋さんで見かけてなんとなく買ったのだけど、読み終えてすぐに読み返すくらい気に入ってしまって、こういうあたりはほんと嬉しいなあと思う。

物語は、お人好しの「英子」と、かわいい見た目にはっきりした性格の「もえ」の友情もの。もてまくる「もえ」が、言いよってくる男の子たちに「わたしとつきあうってことは英子とつきあうことだから」と言うのはなぜなのか。そもそも2人はなぜ、友だちになったのか、ってところを伏線に、彼女たちと同じように仲がよい男子高校生2人の物語が絡む構成になっています。

テーマはとてもシンプルな「友情と恋」で、あらすじも複雑なものではないんだけど、主なキャラクター4人の描写がとても丁寧で読んでいるのが楽しい。なにより、ちゃんと内面を描いているのに、どろどろしたところがないのにほっとした。

特に、姉の影響で女性不信になっている男の子「鳴神くん」の気持ちが変化していく様子にはぐっときました。絵柄もとても好き。

惜しいのはこのコンビの作品はきっとこの1冊なんだろうなということです。でもそれぞれのほかの作品も読んでみたいなあと思いました。

[][] 「きのう何食べた?」4巻/よしながふみ

きのう何食べた?(4) (モーニング KC)

きのう何食べた?(4) (モーニング KC)

タイトルを見るたびに、昨日食べたものを思い出せることにほっとしたりするのですが、ともかく「きのう何食べた?」は個人的には、すでに料理の手順漫画になってきた気がします。

というわけで登場メニューメモ

  1. 煮込みハンバーグきのこソース(玉ねぎ炒めないやつ)、小松菜もやし炒め、大根きゅうりにんじんの浅漬け風(塩もみしてこぶ茶、酢、砂糖)、なすとあぶらあげとみょうが味噌汁
  2. 鮭と卵ときゅうりおすし筑前煮、なすとパプリカのいため煮、ブロッコリーの梅わさマヨネーズ、かぶの海老しいたけあんかけ(海老みじん切りとカブの葉、しいたけのあんかけ)
    • 筑前煮の味付け方法は、炒めものとかではよくやるけど煮物でやったことなかった。かぶのあんかけはおいしそうだったのでいつかやりたいな。
  3. 鶏肉と卵と三つ葉の雑炊、卵焼き、ほうれん草の白和え(練りゴマ、すりゴマ醤油砂糖塩と豆腐で)…ケンジ作の回
    • 白和えってあんまりやらないんだけど、おいしそうだった。
  4. えびと三つ葉とたまねぎのかきあげそば
  5. 手羽先大根の煮物、長ネギのコンソメ煮、にら納豆(ゆがいたにらと納豆合えるだけ)、さつまいもと油揚げ味噌汁
  6. りんごのキャラメル煮
  7. 玉ねぎたっぷり豚のしょうが焼きにんじんナムルレンジで火を通してから作っていた)、長ネギザーサイのせ冷奴、たけのことわかめみそ汁
  8. ナポリタン、梅茶漬

メモついでに読み返してみたけど、味付けとかは雑誌とかに乗ってる簡単レシピ以上に、必要最低限だなーと思った。というわけで、レシピよりも、この手際を眺めるのが面白くて読んでる漫画かもしれません。

ただケンジがせっかく作ってくれた料理についての筧さんの反応はちょっとひどいんじゃないかと思った。

[] All's right with the world

土曜日

地元にいた頃よく近所のファミレスで集まっていた友だちと温泉に行った。当時のことはこの日記にも何度か書いたことがあるはずだけど、今となってはどんな風に、どんな目的で夜な夜なファミレスに集っていたのかよく思い出せない。

でも、車で拾ってもらって、合流して、お昼なに食べようか、わたし肉まん食べちゃったよ、えー集まってから食べようっていってたじゃん、いやでも食べれるし、なんて話をしながら「久しぶり」の言葉もなく3人車にいる感じはあまりにも普通で、まるでつい一週間前にもこうしていたかのようだった。

山にかこまれた温泉地は、ちょうど紅葉がはじまったばかりという雰囲気だった。ところで紅葉狩りって何するんだろうね、とか、くだらない話をしつつ露天風呂に入り(適温! という表現がぴったりのいい温泉だった)、私が真っ先にのぼせるのはいつもどおり。風呂上りにアンバサを買って、メローイエローマウンテンデューの話がでたのは、まるで脳の一部を共有しているかのようでおかしかった。

今回は、あるはっきりとした目的があって集まっていて、それはうっすらと私たちのまわりを覆っていたけれど、特にそれに触れることもなく、日は暮れてしまった。

「どうする? 時間ある?」ときくと、最後ファミレス行きたいな、と彼女は言った。

だよね、せっかくだしね、と私たちは遠くの町の、初めてのファミレスに入った。ドリンクバービール乾杯する。窓の外の灯りに1日が終わっていくのを感じながら、なんとなく携帯で2人の写真をとったりする。1,2、3枚目で2人とも笑った。

別れたのは9時頃。

結局集まった目的の話題には触れなかったのだけど、きっと彼女自分で決めるだろうし、どんな選択をしようと私たちが彼女の味方なのは、いつもどおりだしねと思う。

眠る前、さっきの写真だけをメールする。返事はいつとられたのかわからない、私が大笑いしている写真だった。

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2010-11-03

[][] 「マルドゥック・ヴェロシティ」/冲方

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

先日読んだ「マルドゥック・スクランブル」(id:ichinics:20100913:p1)の前日譚。実はスクランブルより先にこちらを買って読み始めていたのだけど、1章ほど読んだところで、スクランブルから読んだ方がいいよと教えてもらって、切り替えたのでした。

そして3巻まで読み終えたところではっきりと、これはスクランブル最初に読んだ方がいいと思ったし、スクランブルを読んだならこのヴェロシティも読んだ方がいいと思った。まったく別々の物語なんだけど、2つではじめて見える部分があって、それがとても切ない。

スクランブルでは敵役として現れたウフコックの元パートナー、ボイルドがヴェロシティの主人公です。そして、スクランブルで少し触れられていた、彼らが相対するきっかけになった事件までの物語でもあります。スクランブル同様、描かれる事件は陰鬱なものなのだけど、彼らの信頼関係物語として読むと、とても強くて切ない。

「マルドゥックスクランブル09」の任務に従事するようになった仲間たちの物語としても読み応えがあって、特に不可視の猟犬「オセロット」と盲目の覗き魔「クルツ」のパートナー関係の顛末は読みながら何度も本を閉じて読み返して、なんてこったと思ったりした。もうひとつスクランブルではひたすら明るいイメージだったイースターがなぜそうなったのかとわかる瞬間にもぐっときた。

スクランブルとヴェロシティをあわせると、かなり分量のある物語なのだけど、特に彼らの関係性の描写においてとても細やかな伏線が張り巡らされていて、そこがこの物語の魅力だとも思いました。

それからこのヴェロシティは、スクランブルとは少し異なる文体で描かれているのも印象的だった。

(略)揺ぎない忠誠に満ちた声。≪俺はお前のパートナーだ≫

沈黙――言葉を呑み込む暗い穴。

通信が切れた。

再び応答をオフに――通信不可。

(3巻p119)

全てではないのだけど、こういう短いカットを繋いでいく映像のような文体がとても効果的で、特に心情描写については、極力無駄な「繋ぎ」の言葉を省くことで切実さが増しているようにも感じました。

上の引用シーンと、3巻p209は何回読んでも泣いてしまう。

それにしてもやはりウフコックがかわいくて参ります。ウフコックをもっと読みたい。むしろ触りたい。そしてウフコックとしゃべりたいです。

マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)

[] 塩昆布、網目、ファミレス

最近、塩昆布で浅漬けをつくるのにはまっている

そもそもえびすめを買うつもりで佃煮やさんに行ったのだけど、四角いえびすめはその隣にある細切りの塩昆布の倍くらいの値段で、これ味も違うんですか? と訊いたら、たぶん昆布が違うんだと思いますけど、お茶漬けにするとかでなければ細切りのがいいと思いますよ、おいしいですよ、と店員さんが言うので素直に細切りの塩昆布を買ったのだった。

ここのところ、ちょっとだけ忙しくて、あまりまともな晩ご飯を作れていない。それでも、生っぽい野菜があると、ちょっとは健康な気持ちになるからいい。浅漬けは主にきゅうり、なければ大根で作る。

それからひさしぶりに鍵針編みにもはまっている。やり始めると楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまうのだけど、やった分だけ網目が増えていくというのは、時間がそのまま形になったみたいでちょっと面白い

休日の前の日は、友だちとファミレス飲みをした。食べたいもの全部頼んで、安いビールと安いワインでよくしゃべった。基本的にくだらないことばかりだけど、正直な気分であれこれ話をするのは久しぶりな気もして、とても楽しかった。主に「綺羅星面白いよ!」と「篠田さんがかわいくてやばい!」ばっかり言ってた気もするんだけど、

なにか結論が必要なわけでなくて、思いついたこと口にして笑えるのは楽しい

休日時間がなくなってしまったので明日は弁当のかわりに塩昆布おにぎりにしようかなとか考えてちょっとわくわくする。塩昆布はおいしい。本当においしい。えびすめじゃないけど、お茶漬けにしてもおいしかった。

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