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  □これまでの日記一覧

2012-11-26

[][] 「ヤング≒アダルト

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主人公がたびたび見せる、ふとした瞬間の真顔が印象的な映画でした。あれは「なにやってんだろ」感というか、劇中で説明される「どんな表情したらいいのかわからない」感じに近いんじゃないか

大人になるというのは、そのような「なにやってんだろ」感をうまく無視することなのか、それとも“これをやっているのだ”と胸をはることなのか、そもそもそんな真顔になる隙もないことをいうのか、よくわかんなくなっちゃった主人公が、何を思ったか赤ちゃんが生まれました」メールを送ってきた元カレのもとに押し掛け、彼とよりを戻せると信じ込んであれこれする話。

相手は自分に気があるはずだと思い込んだ行動が空回りしてる様子とか、思い出話をしても元カレの方はさっぱりピンと来てない感じとか、そのくせ学生時代いじめられっこやホテルフロント係に対する失礼な態度とか諸々、見てて本当にいたたまれない気持ちになる映画でした。

でも、彼女のあの振る舞いは、真実に直面することを避けているという側面はあれど、あれはあれで彼女が生き残る方法でもあったんだろうなと思う。

冒頭に彼女が繰り返しかける Teenage fan club の「The Concept」は(ああやって思い出の曲を1曲リピートする様子っていうのはぐっとくる)、かつては元カレ彼女を称した曲だったのだと思うけれど、彼女は「どこへ行くにもジーンズはいてる」女の子じゃなくなったところを見せようと(とにかく谷間を強調する作戦からの品の良さへのシフトチェンジなど)していたし、つまり彼女は「あの頃の自分は最高だった」といいつつ、あの頃に戻ろうとはしてないんじゃないのかな、と思いました。

ラストの寸前まで、最後彼女なりに何かを学んで成長し、それを職業であるヤングアダルト小説に活かすのだろうなと思っていたのだけど、結局そんな描写はなく、彼女ラストシーンでまたあの「なにやってんだろ」って表情を見せる。この、ここからどうなるかを見せない物語の幕引きはいいなと思うんですけど、でも1回くらい、彼女が心底嬉しそうな顔をするのも見たかったなというのが正直な気持ちです。

音楽の使い方とか(もうやめてーってくらい聞き覚えのある曲がでてくる…)ヌーブラとか、小道具の使い方も気の利いてる映画だったけど、ヤングアダルト小説の使い方にはちょっと疑問を持ちました。「吸血鬼?」って問われて鼻で笑ったりするシーンがあったけど、せめてそれを書いてる主人公にはそれを大事にしててほしかった気がする。

余談

ところで先日読んだ「ここは退屈迎えにきて」とこの映画には共通点がとても多い。

国道沿いのファストフード、かつてのクラスの人気者男子90年代、人の噂がすぐ巡る田舎町。主人公の「成長」を目的としていない物語構成にも近い印象があるのだけど、「ここは退屈迎えにきて」は場所人間関係の閉塞感が印象に残るのに対し、「ヤング≒アダルト」の場合主人公視点に閉塞感を感じる、というところが全然違うなと思いました。

ともあれ、どちらか一方が印象に残っている人にはもう一方をおすすめしたくなる共通点のある作品です。

感想http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20121011/p1

[] 3連休

金曜日は少し早い忘年会。泡、と書いてある発砲ワインを空きっ腹に飲んだらすぐ酔いがまわったようで細かいことはあまり覚えていないのだけど、緑色のしっとりしたケーキのようなオムレツが、確かにオムレツの味なのに柔らかなガトーショコラのような食感で、大変おいしかったのは忘れられない。それと一緒に前菜にでたきのこマリネも、蛸のパスタチーズがたくさんのったサラダも、お酒も、おいしくてあっという間だったので、忘年会はまたやろうと話して解散。

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起きたのは昼近くだったけど、飲みながら「明日掃除する」と宣言したことはなんとなく覚えていたので、有言実行するために土曜日は朝から掃除本棚をごっそり整理するつもりだったのが、いくら並べ変えてもこれ以上、手放してもいいかなと思うものが今のところ無く、この深刻な本棚不足を解消するためにはやっぱりkindle…とか思うのは、全ての本漫画で同時に電子書籍版が出る訳ではない今は何の解決にもなっていないのだろうけど、でも近日中には買うだろう。

外出して帰り道、喫茶店で本を読んでいたら、カタカタ…と陶器が鳴り出し、すぐに最近では比較的大きめな地震がきた。店員さんは動じずに黙々と作業を続けている。お客さんも、自分を含め、顔をあげてはみるものの、しばらく耳をすませて、すぐにもとの作業に戻る。

昨年の3月12日のお昼、自分の家に泊まった同僚を駅まで送った後、そういえばこのお店でお茶を飲んだのだと、ふと思い出した。

羽布団を出したから目が覚めてもあたたかくて、布団から出るのが名残惜しい朝7時。30分まで、とごろごろしたまま窓の外を目をやると、見る間に晴れてきたのでいそいそと布団を干し、東京蚤の市というイベントへ出かけた。

会場の京王閣競輪場)は、ゲートを入ると鴨のいる池があったり、昔ながらの遊園地のような円形ステージがあったり、銀杏は黄色く空は青く、いい天気で大変良い雰囲気場所だった。

蚤の市は主に古道具食べ物屋台で構成されていて、すぐ後ろを歩いているおじさんが「役に立たないものばっかり…」などと文句*1をいいながら歩いていたりもしたけれど、連れの奥さんは我関せずであれこれ手に取って眺めていたし、私もまた、存分に役にたつものやたたないものを眺めることができた。

ぐるりと2周して、おやつカレンダーなど、いくつか買い物をして帰宅

晩ご飯には金曜日飲み会で食べたきのこマリネを思い出して作ってみたものの、なんだかぼんやりしたマリネになってしまったので、他のレシピ探してつくろうと思い直して夜、

見ていたDVDの結末がなんだか腑に落ちずどんよりしたままPCに向かっていると、twitterに、久しぶりな人が現れて(という言い方はおかしいかもしれないけれど感覚として)とても嬉しかった。

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思い返してみると、自分が日記を書くときに思い浮かべる、向こう側のイメージは、たぶん日記を初めたばかりの頃に出来上がってそのままほとんど変わっていないように思う。例えば、自分twitter に書くのは生活時間に沿ったことが多くて、日記を書こうとするときの、キーボードの前でちょっとしんとするような気持ちとは違う。

このしんとした気持ちは、自分の頭の中を覗くのに似ていて、中身があまり変わってなくて書かない、という事も増えたのだけど、来年あたりからまたもうちょっと、考えたことを日記に書くようにしよう、と思いました。

来月じゃないのは師走から。今年も後もう少し。なんてまだ信じられない。

*1:と見せかけた疲れたアピールだと思うけど

2012-11-23

[][] 「悪の教典

監督三池崇史

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「他者への共感能力が著しく欠けている」蓮実聖司という教師が、ある学校で大量殺人をするに至るまでのお話

原作は未読なのですが、予告やポスターで蓮実が大量殺人を犯すということはすでにわかってしまっているので、物語冒頭から、こいつを怒らせちゃだめだ…みたいな気分で見ることになる。そして、それはこの映画を楽しむ見方としてはよかったんじゃないかなと思いました。

というのも、例えば全く内容を知らずに見て驚くような「豹変」シーンがあるわけではなく、どちらかというと、平穏に見える日常に亀裂が入っていく様子をギリギリまで映し続ける緊迫感を見せようとしている気がしたからです。

ただ、だからこそ蓮実は「そういうもの」として見れるけれど、この映画単体では彼がどういう人なのかいひとつからないような気がしました。それは例えば「ノーカントリー*1シガーのような得体のしれない恐ろしさではなくて、俺の目的快楽殺人ではない、というようなことを言わせてしまったことで、じゃあ何かあるのかなと思ってしまったことにあるんじゃないだろうか。

ただ、それでもキャラクター説得力を感じられたのはひとえに主演の伊藤英明さんがはまってたからではないかと思います。無表情から笑顔への落差がこわい。ある教師が「センサーが反応しない」ていう表現説得力があったし、何よりラストシーンの妙な踊りはちょっと忘れられないインパクトがあった。

対して生徒は全体的にキャラクターとしての印象が薄かったように思う。ヒミズでも共演していた染谷将太さん、二階堂ふみさん、そしてその2人と行動をともにする浅香航大さん(桐島にもでてた)の3人が演じるキャラクター存在感もあってよかったのだけど、それもどちらかというと役者さんの存在感にたよっているようなところがあって、その他数人を除いては顔と名前が一致せずに終わってしまった。

それはたぶん映画視点が基本的に蓮実にあるからだとも思う。

でも映画視点が、これから大量殺人を犯す側の人にあるって、ちょっと不思議だなとも思いました。

例えば、たぶんこの映画比較されることも多いであろう「バトルロワイヤル」は生徒一人ひとりの群像ものでもあったところが面白かったと思うんですよね。だから見る人それぞれに気になるキャラクターがいたと思う。

でもほぼ蓮実に視点がある映画の中で、彼がある見落としをしたことに気づいた瞬間(あれはちょっとからさますぎると思うけど)なんだか、ピンチのような気分になってしまって、いやいや…ってなりました。かといってもっとやれって気分になるわけでもなく、いまひとつ、どこを中心に見ていいかからない映画だったように思う。

これは原作を読んでみたいなと思います。

2012-11-19

[][] 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

どこまでネタばれかがわからないし、できるだけ内容知らないで見た方が楽しいと思います。

なので感想書くのにネタばれ予防するのも無理…ということで以下ネタばれ感想です。

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【以下ネタばれ

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[][] プシュケの涙

プシュケの涙 (メディアワークス文庫)

プシュケの涙 (メディアワークス文庫)

貸してもらって読みました。全3冊のシリーズで、1つの話、1冊の本、3冊のシリーズと、どこで切り取ってもそれぞれの魅力がある構成になっている。きっとすごく丁寧に練られたプロットなんだろうなと思います。それでいて押し付けがましくなく、読み心地は青春小説そのもので、とても好感を持ちました。

この話の主人公が、とか説明してしまうとこの物語の仕組みに触れてしまう気がするので、詳しくは書きませんが、複数視点から、あるキャラクターの数年間を描くシリーズになっています。

1冊目から順番に読んで行って、最後お話でふと、ああこのキャラクターとのお別れなんだなって思ったら、なんだか寂しくなった。

個人的には、最後お話の語り手になるキャラクターの、善人ではないけど悪人でもないすぐとなりにいそうな存在感にぐっときました。彼がある行動を、とうとうやりとげる場面では思わず涙ぐんで、残りページ数を確認し「間に合え!」と思いました。いろいろと。

とてもよかったです。読み終わってすぐ1巻を買いました。

ハイドラの告白 (メディアワークス文庫)

ハイドラの告白 (メディアワークス文庫)

セイジャの式日 (メディアワークス文庫)

セイジャの式日 (メディアワークス文庫)

2012-11-06

[][] 「アルゴ

監督ベン・アフレック

予告を見た限りではほとんど印象に残っていなかったのですが、twitter のTLでとても評判がよかったので見に行ってきました。そしてとても面白かった。

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背もたれにゆっくりもたれかかっていられずに前のめりになって映画を見るのは久しぶりでした。ベン・アフレック監督作を見るのは初めてで、俳優としてもベン・アフレックさんのことは「アルマゲドン」のイメージしかなかったので、今作での抑えた演技はかなり意外ではあったのだけど、あちこちでイーストウッド比較されているのもなるほどなーと思うような、これからの活躍に期待したくなる良作でした。

物語1979年イランで起きたアメリカ大使館占拠にともなう外交官救出劇を描いたものカナダ大使私邸にかくまわれていた6人の外交官イラン国外に出すために、主人公CIA人質救出専門家)がたてた計画は、彼らを架空SF映画撮影クルーに仕立てるというものだった。

とはいえ、その計画を成功させるなんて何メートルも先にある針の穴に目隠しで糸を通すより難しいだろうし、失敗すれば全員殺されてしまうし、でもここにとどまっていられるタイムリミットも迫っているし、どうすればいいんだあああ…と思いながら目が離せない。

「でもまあ主人公一行は助かるんだよね…?」というのは実話ベースだけに見てるほとんどの人はわかっているはずなんだけど、だからといって安心なんてできない。勢いと圧力のある映画でした。

実話ベース物語ならではの目配せみたいなものはあまりなく、つまりあくまでも娯楽作だったと思います。そしてその判断は成功していたとも思う。例えば、イラン側の人々の台詞には、ほぼ字幕があてられていないため「コミュニケーションの断絶」感がより怖さを煽っていた。

でもだからこそイラン側の人々の描き方は画一的であったとも思うんです。唯一キャラクターとして描かれていた人物についても、最後亡命した場面を映しているのに、彼女のその後がどうなったのか、エンドロールでも明らかにならないのはひっかかりました。

でもこの映画の中で描かれる「映画」というものの扱いを思うと皮肉に思えて、見終わったあとあれこれ考え込んでしまいました。

ハリウッドの協力者コンビとか、板挟みになっている上司の事件は現場で起こってるんだ的啖呵とかいろいろドラマチックな見せ場もありつつ

個人的にはやはり、「撮影クルー」になりすますことに最後まで抵抗し、あわや計画失敗か、とハラハラさせる彼の機転にはガッツポーズをしたくなりました。こういうシーン大好き。

好きな映画か、というとちょっとためらうところがあるけれど、とても面白かったのは確かです。

2012-11-04

[][] 「009 RE:CYBORG

監督神山健治

公開翌日に見に行ってきました。

神山監督の新作ということですごく楽しみにしていたし、面白かったんだけど、正直なところちょっと良く分からないところもありました。

この作品は、009シリーズ天使編(未完)」とその構想を改め描き直したと言われる「神々との闘い編(同じく未完)」を下敷きにしているようです。

人類とは何か、悪とは何か、正義とは何か。さらに、神とは何か。哲学の域にまで入っているこの作品の、その「先」を、自分流かもしれないけれど作ってみよう。そういう思いがあって、未完の2編から009 RE:CYBORG』を作っていきました。

http://www.nikkei.co.jp/category/offtime/eiga/interview/article.aspx?id=MMGEzu001025102012

私は、実家にあったコミックス数冊と、子どもの頃に再放送アニメを何回かみたことがあるだけで、009シリーズについてはほとんど知りません。顔と名前能力何となく分かるけど、分からない人(ピュンマ…)もいる…という程度。

から以下はほぼ009を知らずに見た感想です。

舞台近未来テレビニュースでは世界各地で起こっている無差別テロ事件について報じている。それを見ている009であるはずの島村ジョーは、なぜか自らもまた、六本木ヒルズ破壊しようとしている…というところから物語がはじまります

彼は009であった記憶を思い出す事で、ビル爆破をしようとしていたのは、「彼」のメッセージを受け取ったからだと思い出す。

この壮大なお話をしらけてしまわないように描くってものすごく難しい事だと思うんですが、この「009 RE:CYBORG」はその点では申し分なく、どこかハリウッド映画を見ているような気分になる迫力のある絵柄でした。

でも、例えば押井守監督の「イノセンス」をわたしは2回見に行ってDVDも持ってるくせに、実は内容をちゃんと理解しているって言えない気がするんだけど、でも好き!って思うのはやっぱり演出が好きだからだと思うんですよね。

009 RE:CYBORG」についてはフル 3DCGの新しい境地という凄みは感じられたものの、追いかけることにいっぱいいっぱいで、画面の端々を見る楽しさみたいなものを味わう余裕はあまりなかった気がする。

そして気になるのは、この映画を見に来る人の多くは、00ナンバーのサイボーグたちが集結する物語を期待していたんじゃないかってことです。

しかし映画のなかでは全員が集合して戦うシーンはなく、彼らがサイボーグであることは、描かれているテーマとはあまりつながっていないようにも感じられました。

そして物語の核となる「彼の声」の意味については、「東のエデン」を経てここに至るというのは映画を見た後で考えてみれば納得がいく気がするものの、この作品で初めて神山監督の作品に触れる人にとっては、少し説明が足りないのではないかと思います

少なくとも、主人公たち以外の声を聞いたもの視点必要だったんじゃないかな、と思いました。

それでもサイボーグ達の戦闘シーンはたいへんかっこよく、特に終盤の見せ場であるジョーとジェットの場面は、マクロスプラスのイサムとガルドのあの場面を思いだしてぐっときたりもしました。

f:id:ichinics:20121104230919j:image:w400

個人的に、以前の神山監督押井守監督の良き翻訳者のようなイメージをもっていたのですが、その段階はとっくに通り過ぎたのだろうなと改めて思いました。

楽しみきれていないような感じがするので、もう少しいろんなインタビューを読んだり、原作を読んでみたいと思っています

2012-11-01

[][] 「ゴーグル」/豊田徹也

ゴーグル (KCデラックス アフタヌーン)

ゴーグル (KCデラックス アフタヌーン)

読んでる間、漫画ってほんとに楽しいな…ってしみじみするような贅沢な時間を過ごさせてもらいました。

もったいなくて1話読み終えるごとにいったん閉じながら読んでたんですが、それは大好きなお菓子ちょっとずつ缶から取り出して食べて、でもチラチラその缶を眺めてしまうような、そんな気分でした。

単行本デビューである「アンダーカレントからずっと、豊田徹也さんの描く登場人物は「社会から片足を踏み出した人、もしくはそのような佇まいであることが多い。さみしいと頑固とそれらを受け流す飄々とした感じがどの作品にもあって、それがたまらなく好きです。

この本には「アンダーカレント」以前に発表された「ゴーグル」という短編が収録されているのですが、絵柄も構成も、この時から完成されているのがすごい。

それから「アンダーカレント」と「珈琲時間」にも登場する探偵山崎短編ミスターボージャングル」で再び登場するのも楽しかったです。

特に良かったのは、「ゴーグル」の前日譚でもある「海を見に行く」です。

大人が子どもに対して、人生とはみたいな話をするのって、でもあんまり伝わらないんじゃないかな…って思うことが多いんですけど、このお話の、おじいちゃんの言葉は、最後まで読んでそういうことか、って思ってすごくまっすぐに受け取ることができました。

これまでの感想

「アンダーカレントhttp://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060220/p1

珈琲時間http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20091226/p1

[] 電子書籍前夜

これまで電子書籍にはあまり興味をひかれないできたのだけど、kindle日本版が発売されるというニュースを見て、あっさり欲しい!と思った1番の理由は、自分ネット経由で買いものをするのはほとんどAmazonということもあって、なんかこう、ハードルが低かったんだと思います。

自分は毎月10冊以上は本(ほぼ漫画だけど)を買うけれど、そのうち9割は書店で買い、見つからなかったものだけAmazonで他の買い物のついでに買ってる。

9割なのは、買うのがほとんど新刊で見つかりやすいということと、自分の行動範囲に書店が多いってこともあるんだろうけど、もし電子書籍リーダーを買ったら、私のその習慣は変わるのかなってことを最近よく考えています。

自分書店で買うことを選ぶ理由のひとつは、平台を見ていつもの新刊を買うついでにあたらしいもの見つけたいからです。特に漫画は平台で見て気になって買ってみたら良かったって確率が高いし、これは本屋さんの平台演出みたいなものに影響されてるところも大きいんだろうなと思う。この書店だったら平台のこの辺を見ると好きなのが見つかりやすい、ってありますよね。

こういう平台の魅力みたいなものは、ネット書店にもジャンルごとの平台的なページがあって、それを発売日ごとにちゃんと更新してくれたりしてたらついで買いにつながるのかな? 近い機能かもしれないAmazonの「この商品を買った人は〜」っていうおすすめは、個人的に役立ったことはないんだけど、もう持ってる商品を出ないようにすることができたら、役立つような気もする。

もうひとつの理由は、読みたい時に買いに行きたいからだと思います。たとえその日に読まないとしても、今日読みたいって気持ちで買いたい。予約して発売日に届くようにしておけばいいとも思うのですが、ひとり暮らしだと受け取れる日が限られてくるし、あ、本買って帰ろうって思いつきで寄ったときに、それを予約したかどうか確認するのも面倒。

ただこの点は電子書籍なら本屋さん行くより早いんですよね。

自分はお風呂で本を読むのが好きだし、やはり紙の本に慣れ親しんでいるので、今後買う本がすべて電子書籍に変わる気は今はしてないのですが、

ただ今現在本棚が足りてないという事情と、書籍検索(このフレーズはどの本にでてきたんだっけとかよく探すので)を使いたいというところから電子書籍も魅力を感じていて、だから折衷案として書店で本を買うときに、その本自体と電子書籍版セットで買うとちょっと割引があったりしたらいいなあとか考えています。でもそれもじゃあどっちかでいいじゃん、てそのうち思うのかな。

という日記を数年後に読み返したらどう思うのか知りたくて書きました。