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  □これまでの日記一覧

2012-12-31

[] 2012年

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年始は友だちとガレット・デ・ロワを食べてフェーブが当たったりしました。

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東京上陸カルビー+に行ったりAKB劇場に初めて行ったり。

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iPhone4Sに変えたばかりのときの写真

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今年もまたお花見ができる、っていうことを、しみじみとありがたく感じた年でもありました。

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から夏へ

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今年はずっとこの子を応援してました。右は通勤中の金環日食がとれてない様子。

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特撮博物館たのしかった。

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秋の花火大会と、以前バイトしていたCD店の閉店。

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真冬なのにどうぶつの森日焼けしてる。

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そして忘年会シーズンへ。

iPhoneカメラロールをさかのぼっていくと、改めて毎日はつながっているんだなと思う。浮かれたり凹んだりが垣間見える写真の間には、もちろん何の写真もとっていない日々があるのだけど、それでも2011年2012年が続いているということを、目で感じることができる。

そしてそれは、大晦日の今思っているよりずっと長い。

1年間ありがとうございました。良いお年を

2012-12-29

[] 2012年の漫画!

今年も漫画を読むのは大変楽しかったです。毎年年末は新刊ラッシュで、まだ感想書いてないのは大量にあるし、積んでる新刊もあるのですが、年が明ける前に年末のまとめを書きたいと思います

  • 2011年のまとめはこちら

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20111226

2012年振り返り

思い返してみると今年は特に女性漫画家の作品に偏って読んでいた気がします

個人的に感慨深かったのは、掲載紙を移動しての「羣青」の完結、そしてアニメ化もされた「坂道のアポロン」の完結。「坂道のアポロン」のアニメ化は、とにかくライブシーンが素晴らしくて、あの場面だけでも何回も見たくなる。OPもよかったなあ。

アニメ化といえば「ヨルムンガンド」の完結もありました。実は漫画で最後まで読んでないんですけど、アニメラストが大変良かったのでこれからいかけまとめ読みをする予定です。

それからヤマシタトモコさん、えすとえむさんの活躍もすごい。たくさん単行本が出て嬉しい限りです。えすとえむさんはもう少しコメディ寄り(といっていいのか、「はたらけ!ケンタウロス」とか「うどんの女」的な)の作品も読みたいな。そしてこの2人に続くのじゃないかという勢いがあるのが「昭和元禄 落語心中」の雲田はるこさんです。以前BL作品で読んだとき、あんまり好みじゃないなと思ってたはずなのに「昭和〜」はすごくよかった。1作品で決めるのよくないなって思いました。

ふみふみこさんも完全にブレイクした感じ。年をまたいで3作品連続刊行の最中なんだけど、どの作品も装幀が大変好みだな!って思う。

買い続けてる連載作品「海街diary」「町でうわさの天狗の子」「大奥」「きのう何食べた?」などはターニングポイントを迎えた感じがあって続きがたいへん楽しみです。

というわけで今年のベスト10

2012のベスト10

今年は、個人的ベストってのは推したい気持ちにかなり左右されるということがわかったベスト10になりました。

10位「坂道のアポロン」/小玉ユキid:ichinics:20120516:p1

音のない「漫画」なのに音楽をはっきり感じる作品だったと思う。だからこそ、アニメ化には少し不安もあったのだけど、菅野よう子さんを迎えての音の描き方は、漫画への敬意に溢れていてとてもよかったと思います。そして、初の長期連載をこんなふうにコントロールしきって完結を迎えたということがすごい。次の作品がとても楽しみです。

坂道のアポロン (9) (フラワーコミックス)

坂道のアポロン (9) (フラワーコミックス)

9位「羣青」/中村珍id:ichinics:20120612:p1

初めて雑誌で見た時から、ずっと気になって忘れられなかった作品。好き、というのとも違うし、誰にでもおすすめっていうわけじゃないのだけど、この作品の圧力は今後も忘れられないと思う。

感想にも書いたけど、映画化してほしいな。

羣青 下 (IKKI COMIX)

羣青 下 (IKKI COMIX)

8位「人間仮免中」/卯月妙子

この作品については日記に感想をかけていないのだけど、今年読んだ作品として挙げないわけにはいかない作品でした。漫画を読むのに一週間くらいかけたのは初めてかもしれない。

人間仮免中

人間仮免中

7位「ひばりの朝」/ヤマシタトモコid:ichinics:20120906:p1

ヤマシタトモコ作品の魅力が凝縮されたような作品だと思う。複数視点の連作短編集というのもいいし、視点をかえることでキャラクターの印象まで変わってくるところがすごくいい。何よりこれが1巻でまだ続きが読めるって最高です。

ひばりの朝 1 (Feelコミックス)

ひばりの朝 1 (Feelコミックス)

6位「俺物語!!」/作画:アルコ 原作河原和音id:ichinics:20120414:p1

2010年ベストid:ichinics:20101225:p2)に「友だちの話」を選んでなかったなんて2010年はどれだけ豊作だったの! って感じですが見返してみたらほんとに豊作だった…。が、それくらい印象的だった河原和音さんの原作力はこの「俺物語!!」で多くの人が知るところとなったのではないでしょうか。もうほんと読んでてこんなに幸せな気持ちになる作品もなかなかないと思います。もちろん絵を担当してるアルコさんもすごくいい。この河原和音さん原作シリーズシリーズなの?)は、作画原作ともにヒットメーカーである2人が組んでるからこそのクオリティなんだろうなーと思ったりします。贅沢!

俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)

俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)

5位「ゴーグル」/豊田徹也id:ichinics:20121101:p1

豊田徹也さんの新刊が読めるってだけでガッツポーズしたくなりますよ。前作2冊とあわせておすすめです!

ゴーグル (KCデラックス アフタヌーン)

ゴーグル (KCデラックス アフタヌーン)

4位「竜のかわいい七つの子」/九井諒子id:ichinics:20121027:p1

どの短編もその1本だけ特別な1冊になってしまいそうな面白さなのに、今まででてる2冊ぜんぶ、なんでこんなに大サービスなのってくらいの内容がぎっしり詰まってる。九井諒子さんの漫画が私は大好きです。

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

3位「海街diary5 群青」/吉田秋生

2007年に1巻が発売されてから5年。正直最初自分にとってこんなに大切な作品になるとは思っていませんでした。ひっかかるところもあったし、苦手だなと思うキャラクターもいた。でもこの群青にたどり着いて、「海街diary」を読み続けてきて本当に良かったと思いました。5冊かけてきたからこその熟成というか、もう漫画界の「北の国から」みたいなものだよなと思う。ずっと読み続けたいなって思います

海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)

海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)

2位「シティライツ」/大橋裕之id:ichinics:20121212:p1

絵柄は好き嫌いあるかもしれないと思うんですけども、3巻よみきった後の余韻で、自分にとってこれは推したい作品になりました。あとがきも含めて作品だと思う。あと最後の話はぜひ山下敦弘監督映画化して欲しいな…!

シティライツ(3) <完> (モーニング KC)

シティライツ(3) <完> (モーニング KC)

1位「変身のニュース」/宮崎夏次系(id:ichinics:20121228:p1

昨日感想書いたのはここで1位にしたかったからというのもあります感想書きながらちらほら読み返してやっぱり好き…ってなった。絵柄もいいんだけど、なによりお話の漫画です。福山庸治さんの短編や、「ヴォイニッチホテル」、「空が灰色だから」などが好きな人には特におすすめしたい。挙げてる作品に統一感がない気もするんですが、各作品の好きなところと通じる部分があり、その上で作者の個性が出来上がってると思う短編集でした。今後がとっても楽しみです。

変身のニュース (モーニング KC)

変身のニュース (モーニング KC)

いやー漫画ってほんと楽しいですね!

2012-12-28

[][] 変身のニュース宮崎夏次系

読みながら「これは…!」って気持ちが高まったときって、つい、読んでいる途中に本を閉じて立ち上がりたくなるのですが、この「変身のニュース」はまさしくそんな本でした。短編集なのですが、1話めを読み終わった瞬間にいてもたってもいられなくなり、その後も1話読み終わるごとに、本を閉じて余韻に浸っていました。

変身のニュース (モーニング KC)

変身のニュース (モーニング KC)

正直なところ、表紙だけ見た段階ではちょっと迷っていて、数回見送った後に、でもやっぱり気になるって思って買った1冊でした。買ってよかったです。

すこし不思議SFお話が多いけど設定を説明することなくそういうものとして描く軽やかさがとても気持ちいい。

例えば主人公がある女性に好意を抱いているということが伏線になるお話で、主人公自身がそのことに気づく場面が約8ページかけて描写されるんだけど、これがもうすごくいい!ばかみたいなんだけどきれいでぐっときました。

作者の世界がしっかりあるのに、お話の切り口の幅は広く、情けなさと残酷さと爽快感とばかばかしさがあって大好きです。あと女の子がかわいいのもいいよね!

これからの作品が楽しみです。

[][] I KILL GIANTS

作:ジョー・ケリー/画:ケン・ニイムラ/訳:柳享英

I KILL GIANTS (IKKI COMIX)

I KILL GIANTS (IKKI COMIX)

映画のような1冊でした。

自分仕事は「巨人を殺す」ことだという少女物語彼女の話すことをどこまで信用していいのかわからないのだけど、その切実さは伝わってくるという狭間を揺れながら物語が進んでいき、やがてここに何が描かれているのかがわかるその瞬間まで高めていく構成に勢いがあって、一気に読み終えてしまった。

例えば「ドニー・ダーコ」や「ゴーストワールド」にも通じるところがある、思春期自分世界との対峙の仕方のおはなしだと思います。

今まで海外の漫画ってほとんど読んだことがなかったんだけど、日本の人が描いた海外舞台にしたお話とは全然雰囲気が違って読めるのも面白かった。

2012-12-25

[] 2012年に見た映画ベスト3

今年の3本、を書く前に去年の3本(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20111230/p1)に入れたかった1本を忘れてた事を今更書いておきたいと思います。

ミッション:8ミニッツ」(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20111105/p1)ですよ。これ大好きだったのにベスト3って書き終わってから思い出したのが心残りで今更書いてみました…。

そんな訳で今年は結構早くから今年のベスト3って何だったかなって考えていました。友達とご飯を食べながらよくその話をしたりもした。

で、先日ようやく「これだ!」って思ったので、心変わりをしないうちに書いておきたいと思います。

3位「ドライブ

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20120416/p1

昨年の個人的ベスト3の第1位「ブルーバレンタイン」第2位「ラブ・アゲイン」に引き続きライアン・ゴズリング主演作の「ドライブ」が3位です。ゴズリングさんのすごいところはこの3作品どれもまったく印象の違うところ。それでいてなんていうかもうキュートとしかいいようのない雰囲気はかわらないところでしょうか。要するに私はゴズリングさんが好きなんだと思います。

でもドライブを3位に選んだのは、ゴズリングさんがでてるということだけではなくて、やはり冒頭の「ドライブ」シーンの面白さかっこよさと、エレベーターの中での中2妄想の具現化みたいなあのシーンに不意をつかれてぐっときてしまったからだと思います。映像の色もとてもよかった。

好きな映画です。

2位「桐島、部活やめるってよ

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20120819/p1

2011年ドラマ11人もいる!」とこの「桐島、部活やめるってよ」は神木君にとってターニングポイントになる作品なんじゃないかなって思いました。わたしは神木くんも大好きなんですけど、どちらかといえば声優としての作品の方が好きなものが多くて(ジブリ作品やサマーウォーズなど)、出演しているドラマとかはほとんど見た事がなかったんです。でも「SPEC」でずいぶんかっこよくなったなーと思い「11人もいる!」でコメディもいけるのかーと思い、この「桐島、部活やめるってよ」で、役者としての神木君の活躍もっと見たいなと思うようになりました。山下敦弘監督黒沢清監督作品で見てみたいなあ。

あと多くの人が言ってると思いますが、映画を見た後にあれこれ語りたくなるのはいい映画ですよね。この映画も色がよかった。

1位「サニー 永遠の仲間たち」

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20120816/p1

ベストは迷わずこの「サニー 永遠の仲間たち」です。70年代少女漫画みたいなお話だし、所々大げさに思えたりもするし、存分にファンタジーが盛り込まれているとも思うんだけど、私はあの映画を見て彼女たちのことが大好きになったし、きっと忘れないと思う。

役者さんもよかった。特にファッションや喋り方でぱっとキャラクターが伝わる少女時代の7人は素晴らしかった。10代といえばコンプレックスですけども、7人いれば7通り以上のコンプレックスがあるということをパッとわかるように、しかチャーミングに見せているっていうのが魅力的。

この映画を見て「あんなに仲が良かったのになんでずっと会っていなかったんだろう」と思ったりもしたのですが、映画を見た後に、シネマハスラーサニー回を聞いたら、ノーカット版(?)には彼女たちがあの「文化祭」の後どうなったかがちゃんと描かれているそうで、いつかその完全版も見てみたいなーと思っています。

というわけで今年のベスト3でした。

その他、ベスト3には入らなかったけど今年特に楽しんでみた映画はこんなかんじ。

今年まだ見たい作品がいろいろありますが、それはまた来年に!

2012-12-20

[] ZAZEN BOYS@渋谷AX 2012/12/19

9月に発売された4年ぶりのニューアルバム、「すとーりーず」をひっさげたツアーMATSURI SESSIONに行ってきました。

ザゼンライブを見に行くのも2008年以来の4年ぶりだった。でもチューニングの音を聞いた瞬間に一気に時差がなくなって、改めて、私の生活に足りなかったのはこれだよこれ! と思ったりしました。

相変わらず近い4人の距離と、そこから呼吸をあわせて音を演奏するその様子を目と耳を全開にして乗っかる楽しさったらない。4本の音の帯が固まって散開し、また束になることで描かれる、その模様がライブだなと思う。

演奏されたのは「すとーりーず」から全曲(たぶん)と、「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」や「RIFF MAN」「You make me feel so bad」「COLD BEAT」などなど、すべてのアルバムから2、3曲ずつだったと思います。最初は覚えてたけど、途中から覚えきれなくなってしまうくらい、演奏し続けて2時間半みっちりでした。

ライブがはじまってまず感じたのは、4年前のライブにあった、ある種のラフさが薄れ、すごく丁寧に練り上げられた部分が目立つということでした。

ザゼンライブCD通りに演奏するっていうことはほとんどなくて、向井さんの即興にバンド全員で食らいついていく試合のような魅力があった。それはもともとものすごくテクニックのあるバンドだからできる演奏なのだと思うけど、今回のライブはむしろ練習に練習を重ねたうえで披露される舞台のようだった。即興はむしろ増えているくらいなのに、なんか4人で束になって音に挑んでいる感じだった。

サイボーグオバケ」など一部の曲を除いて、新譜からの曲は丁寧に、そして過去のアルバム曲は新たなアレンジで披露されていたと思います。「天狗」などはこれまでのライブからするとちょっと意外なくらいの抑制がきいた演奏だったし、かと思えば「サイボーグオバケ」はまるでお祭りザゼンライブを見たことがある人なら必ず見たことがあるだろう、例えば「COLD BEAT」中盤の向井さんの無茶ぶりのような、どのタイミングで入るかわからない緊張感のループザゼンライブの特徴でもあると思うんだけど、それが今回は途中で小話まで入って散々脱線した末に帰還するという場面が多々あり、その緊張感からの開放の気持ちよさがほんとたまらなくって、笑ったり歓声あげたり鳥肌たったり忙しかった。

笑ったのはブレイクでのOL小話と、チャルメラアンコールでのチェリーYUI)。ライブで大笑いするっていうのもなかなかない。

正直なところ、あんなに夢中だったザゼンライブを見ても気持ちが動かなかったらそれは自分の中の何かがこの4年で死んだということだろうなと思ったりもしていました。でもちゃんと生き返った感じがしたのも嬉しかった。

特に印象に残ったのは「破壊音の朝」。この曲は最近ザゼンには珍しくすごくナンバーガールっぽい音で、でもその上にちゃんとザゼンの今もあって、あそこからここまでが地続きにあるんだという歴史を感じる1曲でした。

それは10年前の それは100年前の 10000年前の おれたち

とにかくすぐまたライブ行きたい!

[][] 「ファンタジー」/御徒町鳩

ファンタジー (エフコミック) (F COMICS)

ファンタジー (エフコミック) (F COMICS)

帯に14歳と59歳の恋、て書いてあって、正直苦手かもなーと思ったんだけど、御徒町鳩さんなら、と思って読んだらとてもよかったです。

人に触れると心が読めてしま女の子お話

最近、何か「能力」があることでマイノリティとして扱われる子どもお話をよく読む気がするのははやってるからなのか、私の好みで手に取りやすいのかわからないけど、

それはたぶん自己肯定感を得る過程物語として描きやすい設定なのだと思う。3人の子どもがそれを他者に求めるパターンで終わってしまうのは若干残念ではあるのですが、そういったテーマの部分はさておき

14歳と59歳の恋を描くのに、主人公の設定をちゃんと生かしているのがいいなと思いました。

次回作も楽しみです。

2012-12-18

[] 夢の夢のまた夢の

今朝見た夢は、知人宛の郵便物を誤って開封してしまうという夢だった。なぜその郵便物が私の家に届いていたのか、夢なので説明を求められる訳も無いのだけれど、適当な開封をしてしまったので未開封を装うこともできず、どうやって謝るか、誤って私の家に届いたということを説明すれば許してもらえるのではないか、などと考えながらマンションの1階におりて目の前にあるスタバ(実際はそんなところに住んでない)に入り、ソファ席に座ってとりあえずため息をつくという、なんのオチもない夢を見た。普段私が見る夢はそんな風に、現実にありそうな、エンタテインメント要素に欠けるものが多いのだけど、起こった状況に対して、その場であれこれ考えて喋ったり行動していたりするのは確かで、それは現実の私と何が違うのだろうか。

例えばこの間は、3人でご飯を食べに行って(味のれん、という熊本のあれと同じ名前の店だったけど駅前の小さなビルの上の方にあった)ここはもんじゃメインだけどラーメンがおいしいんだよ、と教えてもらって、ラーメンの中からしかも他の2人が頼んだものじゃないものを選ぼうとしていた。これは夢の中の話だけど、たぶん現実でもおなじように、3人でご飯を食べに行って、ここはラーメンがおいしいと聞けば、私は同じような思考回路でメニューを選ぼうとするだろう。

夢の中では相手の言葉は予想できず、私は相手の言葉を受けて初めて考えている。起きているときに「もし相手がこういったら、こう答えよう」とイメージするのとは違う。それって現実と何が違うのかねとも思うんですけど、もしかしたらいまこうやって日記を書いているのも、なんのオチも無い、エンタテインメント要素に欠けた夢なのかも知れません。

ちなみに夢の中で私は豆もやしラーメンを頼もうとしていました。それなのに店員のおばちゃんは2人がすでにラーメンを頼んでるのに、3人めもラーメンだなんて安易すぎる、考え直せ、といって奥に引っ込んでしまったので、私たちは笑いながら、再度メニューを検討し豆もやしもんじゃでいこうかという話になったのでした。目が覚めてみて改めて思うと、何でそんなに豆もやしが食べたかったのかはよくわからない。そういうところは夢っぽいなと思います。夢の話って自分しか楽しくないと思うんだけど、夢の話するのがわりと好きです。

[][] 「坂道のアポロンボーナストラック小玉ユキ

坂道のアポロン BONUS TRACK (フラワーコミックスアルファ)

坂道のアポロン BONUS TRACK (フラワーコミックスアルファ)

先日9巻*1で完結した「坂道のアポロン」の番外編を集めた短編集です。「エマ」の8巻以降の短編もそうだけど、好きな長編の番外短編集ってとっても嬉しいものだなと思います。

特に好きなのは千太郎の弟、康太が主人公お話。まあほんと、自分は報われない主人公お話が大好きなんだな…。

それからこの本の一番最後に収録されてるボーナストラックで、りっちゃんのお父さんがちゃんと仲間にいることになんか泣けてしまったりもしました。何回かかいてるけど、アポロンではりっちゃんのお父さんが一番好きなんですよね…。

本当に「坂道のアポロン」は中だるみすることなく、すっきりとまとまった、潔い長編漫画だったように思います。それは登場人物たちの姿にも似てる。

小玉ユキさんの次回作が楽しみです。

2012-12-17

[][] 「おもいでだま」1巻/荒井ママ

おもいでだま 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

おもいでだま 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

記憶キャンディの型で取り出し、それを舐めるとまた記憶を取り戻すことができる…という技術を中心にしたお話。取り出したキャンディ自分以外の人が舐めても記憶を見ることができるっていう設定が新鮮でした。

これは、忘れたい記憶でも、見方を変えると発見がある、という物語を描くのにはすごくうまい設定だなと思います。その「記憶を失う→取り戻そうとする」だけのパターンでもサトラレ式にしばらく繰り返せそうなのに、毎回新しいパターンの「客」を描き、その背景でこの技術を扱う側の中心人物として描かれている女性物語が進行している…という所は構成がうまいなと思いました。

特によかったのは、亡くなる前に記憶を取り出し、そのキャンディ遺言として仲違いした息子たちに(舐めさせて)見せる…というお話。これはあったらいいな、と思う遺言方法でもあるのですが、その反面で、他人の記憶を見るって、なんだか自分自分でなくなってしまいそうな気持ちもします。

ひとつもったいないなと思うのは、物語中でその「キャンディ」のことがタイトルでもある「おもいでだま」と呼ばれているわけではないところ。そこは統一してもよかったんじゃないかなと思います。

記憶テーマにしたお話の中でも特に映画「ワンダフルライフ」や「エターナルサンシャイン」に近いところを感じた作品でした。

続きがとても楽しみです。

[][] 「喰う寝るふたり住むふたり」1巻/日暮キノコ

喰う寝るふたり 住むふたり  1(ゼノンコミックス)

喰う寝るふたり 住むふたり 1(ゼノンコミックス)

同棲カップル日常を、男性側、女性側それぞれから描くという連作シリーズ

これ、連載では女性視点男性視点セットで掲載されているそうで、それはすごく描くのが大変そう…って思うんですが、この形だからこそとても面白い作品になっていると思う。

連載のなかで数回、番外編的に他者視点が入ったりする作品は多いと思うんだけど、こうやって同じ出来事を二人の視点から見れるって、すごく贅沢。

特に1巻最後の、お互いのプレゼントを選ぶ話は面白かったな。作者のコメントに「ゲーム「街」を思い出しながら描いた」ってあったのもなるほどって思いました。

ちなみに作者の日暮キノコさんは古谷実さんのアシスタントをされていた方だそうです。

この作品しか読んだことないけど、古谷実さんぽさは全然なくて、しいていえば後味のいい「モテキ」(別にモテキが後味悪いという意味ではないんだけど…)のような雰囲気かなと思います。2巻が楽しみ。

2012-12-14

[] 頭の中のハサミ

あんまり考えたくないことが思い浮かんだときは指でハサミを作るのが子どもの頃からの癖だ。むかし「ゆかいな床屋さん」っておもちゃがあったけど、あんな風に頭から伸びてきた考えたくないこと線をハサミで頭から切り離すようなイメージ。いつからやりはじめたのかはよく覚えていないけど、でもこれがわりとうまくいく。指でさっくりと切り取って、その断面を見るようなイメージについて考えていると、だいたいバームクーヘンとかスイートポテトとかプリンのことに頭の中が切りかわる。たまに切りにくいアップルパイなどがでてくる場合もあるが、そういうときはきちんとナイフを出してくればいいだけのことだ。

考えたくないことというのは、例えばこわいことだ。1匹みつけたら○匹系の話とか、鏡が妙に気になるとか、口に出すのもためらうようなやつ。それから腹が立つこと。これは、ちゃんと考えた方がいいときもあるけど、通勤電車での一時的な腹立ちなどを引きずりたくないときに、ハサミはわりと役に立つ。

ただこのハサミは、恥ずかしいことにはなかなかきかない。もう十年以上前の告白シーンとか、若気の至り的なチャレンジ精神溢れる服装とか、勢いで知ったかぶりしてしまったとか、布団の上をゴロゴロ転がりたくなるような恥ずかしさは時を経てもなかなか「そんなこともあったね…」箱におさまってはくれず、自分自分で恥ずかしい、というこの感覚の強さはなんなのだろうとしみじみ思う凪を乗り越えてなお第二波に飲まれながら、やっとのことで取り出したハサミを鎌首に突き刺し、息絶えたそれを丁寧に解体し、切り分け、串にさしてたき火で炙り、満点の星空のしたで舌鼓をうつ

[][] 「きのう何食べた?」7巻/よしながふみ

きのう何食べた?(7) (モーニング KC)

きのう何食べた?(7) (モーニング KC)

近頃はほとんどレシピ本を買うような気分で買い続けていたこのシリーズですか今回の1話からの2話にはちょっと不意打ちをくらって涙ぐんでしまいました。お母さんの気が晴れる理由とか、いろいろ語弊もあるんではと思ったりもしたけど、全方向に気を使うのではなくてこの2人のお話なんだからあいいじゃないと思いました。よかった、って思った。

人にはいろいろ事情があるし、事情を詮索したがる人もいるし、生活するってすごいめんどくさいけどそれぞれにあった形を続けていければわりと幸せ、という当たり障りのないことを考えたりもしました。

自分はシロさんみたいにしっかりしてないんだけどシロさんが快適とする状態はわりと自分の好みに近いみたいで、このシリーズは読んでて落ち着きます。

[][] 「いつかティファニーで朝食を」1巻/マキヒロチ

いつかティファニーで朝食を 1 (BUNCH COMICS)

いつかティファニーで朝食を 1 (BUNCH COMICS)

朝食観の違いがきっかけで同棲していた恋人と別れ、一人暮らしをはじめた主人公の、朝食をテーマにした連作短編集。

いつも朝はばたばたしてしまい、まともな朝食を食べているとはいいにくい自分には少々耳のいたいところもありますが、実際早起きしてゆっくり朝食を食べられた日というのはそれだけで充実感があるし、この本にでてくる朝食はどれもおいしそうで、いいなあと思いながら読みました。

同級生の友人たちの視点になるお話もあるんだけど、まあ自分身の回りと環境の近いキャラクターが多くて、あるある…と思うところも多々ありました。

ただ、せっかく朝食用のテーブルと椅子買ったりしてるのに、出てくる朝食はほとんど外食中心、っていうのはなんかもったいない気もする。あと会社の定時が早い自分には真似できないので、いいなあと思って読むしかないんだけど、食べ物漫画に多い実用的な側面よりも、人間模様に重心がある漫画なので、真似できない自分が読んでも十分楽しかったです。

続きも楽しみ。

2012-12-12

[][] 遠くの町の灯/「シティライツ大橋裕之

夜に見下ろす町の灯りは、海の底に沈む宝物のように遠くはかない…というような場面を、詩か小説かなにかで読んだことがあるのだけど、町の灯りとはそのように遠くから眺めたときにはじめて、特別に思えるものなのかもしれない。そんなことを、寒空のしたベンチに腰掛けているときのようなしみじみした気持ちで考えているのは「シティライツ」が完結してしまったからなのですが、私はこの漫画がとても好きでした。過去形なのは、既に好きでしたという意味です。

面白い!とか、うまい!とか、さけびたくなる感じとはちょっと違うんだけど、例えば、ずっと昔の恥ずかしい失敗を思い出して、こっそり笑いつつ、でもあれは失敗ではなかったかもしれないと考える時のような、愛しさと切なさと情けなさと眩しさが入り交じった漫画で、そういうところが特に好きでした。

この最終巻では特に最後の2作品がよかった。

ハンカチーフ」は、最後の大ゴマトーン遣いにどきどきしました。人生の名場面はこうでなくちゃ! と思った。それから最終話「光」

カバー裏に作者のあとがきのようなメッセージがあって、これがまたすごくいいので買ったらぜひカバーを外してみて欲しいのですが、そこにこんな言葉がありました。

表通りも裏通りも先人たちが焼け野原にしやがったんで。まあまだ誰にも見つかってない森や雑木林みたいな場所は確実にあって、もちろん探しますけど、実は見つかってないんじゃなくて、そういう場所は見つかる必要がなかったのかなとも思います。それでも知りたいことがあるのでまだ続けていきます

うん……、って思うんだけど、でも「シティライツ」を通して、見つかってない場所の一部を見つけたのは確かだと思うし、それが私にとっては、海の底に沈む宝物のように感じる瞬間がありました。最後の話を読み終えたときとかね。

もっと続いて欲しかった気もするけど、巻数重ねると途中から買い出す人って少ない気もするので、タイトルをかえてまたこういったシリーズを描いて欲しいです。そしてヒットして、シティライツは全巻分合本になった特装版とか出ればいいしそしたらまた買います

誰にでもおすすめ! というわけではないですけど、この最終巻まで読んだ読後感のことを、私は忘れないと思う。

シティライツ(3) <完> (モーニング KC)

シティライツ(3) <完> (モーニング KC)

1巻の感想

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20111026/p1

[][] 「007 スカイフォール

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007シリーズショーン・コネリー時代のものを幾つかテレビで見たことがある程度で、ほとんど知らないのですが、じゃあなぜ今回見に行ったかといえば「ドラゴン・タトゥーの女*1ダニエル・クレイグかっこいいなと思ってしまったからです。

なのでダニエル・クレイグが映っていない場面がほとんどないこのスカイフォールはたいへんかっこよかったので楽しかったです。詳しくなくても知ってる007シリーズ往年の名曲がかかりまくるのもよかった。

ドラゴンタトゥーの女」では冷蔵庫の上から落ちかけたものを拾うシーンと、町中の新聞社かなにかを調べにいった際の眼鏡半掛け、猫のなで方などがたいへんぐっときたのですが、スカイフォールはとにかく007をかっこよくとることにかけては気合いが入りまくっていて、笑えてくるほどでした。

特に上海カジノ的な場所に乗り込むときの舟の上に立ってるシーンとかね。すごいかっこいいけど長いよね…! あと立つ必要ないよね! 何より予告でも流れたあの爆風を背後にスーツをなおすシーン…最高ですよね!

あと今回の敵役でもあるハビエル・バルデムさんもたいへんよかったです。軍艦島でやつと対峙してやつが膝すりすりしてるあたりで、前に座ってたかっこいいイギリス人ぽい男の子たちが大はしゃぎしていたのが印象的でした。あと、後半の見せ場であるあのスピーカーガンガン音楽かけながらやってくるところは熱かった。ああいうの大事

というわけでダニエル・クレイグ主演のシリーズだけでもさかのぼってみて、またスカイフォールも見返したいと思います

2012-12-11

[][] 「あなたのことはそれほど」1巻/いくえみ綾

いくえみ綾さんのマンガは、個人的に『潔く柔く』をはじめとする「すごく好み」な作品と「あんまりそそられない」作品の差が大きいのだけど、この『あなたのことはそれほど』はちょっと久しぶりの「すごく好み」側の作品でした。

もちろんそれがいくえみ綾さんのファンの多くに支持される傾向なのかはわからないんだけど、私の「すごく好み」ないくえみ綾作品というのは、たぶん登場人物の表裏を描いていて、複数視点短編連作なんだと思います。

あなたのことはそれほど 1 (Feelコミックス)

あなたのことはそれほど 1 (Feelコミックス)

浮気をする妻とその夫、浮気される夫とその妻の視点を、キャラクターそれぞれの人となりを描くのに必要な切り込み方で描いていて、改めてうまい漫画家さんだなと思いました。また、「浮気」が間にあるという条件は同じでも、夫婦AとBの間にある空気の違いにもはっとする。でもだからといって「冷めた夫婦である」とかそういうひとことでまとめられない、動いている時間を感じさせるのが、いくえみ綾さんの、複数視点のうまさだと思うんです。

それはキャラクターの描き方についても言えることで、例えば「嫌なやつだなー」と思ってる人がどこか別のところでは「いいやつ」だったりする。そういうことって現実にはたくさんあるけど、そういう余白を漫画で描くのって実は結構難しいことだと思うんですよね。

漫画での人物造形ってある程度「ヒロインの顔」「脇役の顔」「悪役の顔」「善人の顔」って決まってしまってるところがある。あまり意識はしていないかもしれないけれど、読みながら、キャラクター容姿である程度重要人物であるかどうかを推し量ってるんだと思います。それを逆手にとった意外性を描く漫画ってのはけっこうあるけど、そうじゃなくて、ただ「どういう人かぱっと見よくわからない」顔って、実は漫画にするのは難しいんだと思います。

でもいくえみ綾さんのある種類の作品群は、かなりそこに踏み込んで描こうとしているんじゃないでしょうか。

潔く柔く』は、この人苦手だなー、などと思いつつ、あとになって「苦手とか思って申し訳ない」とか反省しながら読むのも楽しかった。

この『あなたのことはそれほど』も、そういう読み方できたらいいな、と思いながら読みました。続きに期待しています。

関連

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20101001/p1

[] つくしとたんぽぽ

起きたら春になっていたらいいのになと思う。

春の土のやわらかさ、日向のにおい、しっとりした花びらの重さ。幼稚園のころ、帰り新津も通る川沿いの土手にはたくさんつくしが生えていた。つくしは春の代名詞のようによくもてはやされているけれど、たくさん生えているのはちょっと気持ち悪かった。気持ち悪いといえばたんぽぽのくきからでてくる白い液体で、子どものころはあれが黄色と赤の入れ物に入った、あのボンドの元になると思っていた。母親がそういっていたのだ。

たぶん適当にあしらうためにいったことなのだと思うけれど、そういった適当な嘘をなぜか信じ込んでしまうということはあって、自分もいくつか適当な嘘をついたことはあるし、どこかで誰かがそれを信じているかもしれないなと思う。

本気で信じるということは、真実とすごく近い。ということは起きたら春だということをあっさり信じることができたら、明日は春ということもあるんじゃないだろうか。そして生白いつくしを摘みながら「つくしってたくさん生えているとちょっと気持ち悪い」と思ったりするのだ。

2012-12-07

[][] 「赤パン先生!」1、2巻/安永知澄

赤パン先生! 1 (ビームコミックス)

赤パン先生! 1 (ビームコミックス)

臨時教員として小学校水泳を教えている“赤パン先生”を間に、彼に水泳を教わる小学四年生の妹きら、彼女の姉である中学校教師の庸子の視点を交互に描く物語

きらが感受性豊かな少女であることもあって、きら視点お話で描かれる生々しさとみずみずしさはちょっとこわいくらいの迫力がある。友だちに好きなものを否定されたとき絶望感とか、楽しいことと後ろめたいことの狭間にある感じとか、ほんとそのまんまの感情で出てきて、こわれものみたいな感じがする。

対する庸子の、何か思い悩んでいる様子は何なのだろう、と読みすすめていくと、2巻になって彼女の子ども時代の話が描かれ、庸子は「そのまんまの感情」を出すのが苦手な子なのだとわかる。たくさんの我慢をしてたくさんの意地をはって、やっと得た場所。そこにきらが現れた時のお話はまだ描かれていないけれど、庸子から見た物語は、長女と次女の影と光でもあるのかもしれない、。

読者の視点からみれば、それは影でも光でもないのだけど、年の離れた2人の姉妹をここからどう描いていくのか、どきどきしながら読みました。早く続きが読みたい。

赤パン先生! 2 (ビームコミックス)

赤パン先生! 2 (ビームコミックス)

安永知澄さんの作品だと、これまで「あのころ、白く溶けてく」((http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060104/p2

))が一番好きだったのですが、この「赤パン先生!」は安永知澄作品の魅力を総動員したような名作になる予感がします。

[] しみわたる

のどが乾いているときに、飲み物を飲むのはすごく気持ちがいいことだと思う。熱くもなく、冷たすぎもせず、さっぱりとした味の飲みやすい飲み物であるほどよい。飲んだ帰り道、たまにすごく喉がかわいて、歩きながらカルピスウォーターなんかを一気飲みすることがあるけれど、飲んだあとに喉がかわくというのは、アルコールが揮発性だからなのかどうなのか。

ともかく、その喉が渇いたところのカルピスウォーター、くらい気持ちいい入浴っていうのがたまにあるような気がする。水につかった瞬間に、五臓六腑に染み渡るというか、こけ玉を水につける感覚というか、ともかく大変気持ちがいい。その気持ちよい入浴が起こる法則は、未だ謎のままなのだけど、来年こそは解き明かしたいと思う。

しかしたら前世シーモンキーだったのかもしれない。

2012-12-06

[][] 「長女だからって」/かわかみじゅんこ

長女だからって。

長女だからって。

かわかみじゅんこさんの子ども時代を描いたエッセイ漫画。とっても面白かったです。雑誌ダ・ヴィンチ」の別冊付録に連載されていたエッセイ漫画を単行本化した作品とのこと。

タイトルに「長女」と入っていますが、上にお兄さん、下に妹さんがいるとのことで、前書きにもあるように長女的なエピソードが多いというわけではないと思います。昭和子ども時代を過ごした人には特に楽しく読めるんではないでしょうか。私は大変楽しかったです。

子ども時代視線の低さ、植物との近さ、細かいこだわりと、大人から見るとひやひやするような大雑把さなどなど「あったあった」と「何で子どもってそんなことするんだろうな」が入り混じる中、今まで思い出すこと少なかったことをあれこれ思い出せたのがとても面白かった。

特に「あったあった」だったのが、子どもの頃よく読んでいた本として、赤毛のアン料理本のはなしがでてきたこと。私が読んでいたのと同じかはわかりませんが、私も小学生の頃、赤毛のアン料理本読んで、無謀にも難易度の高いお菓子にチャレンジしては失敗していたものです…。人参ケーキも作ったなあ。

あと、子どもの頃の靴下のゴムが伸びきってる感じとか、これはお話じゃなくてさりげなく書き込まれてるだけのとこなんですが、あったあった…ってなりました。などと挙げているときりがないのですが、

おすすめです…!

余談ですが、ちょうどいま岸本佐知子さんの「なんらかの事情」をちびちびと読みすすめていて(すごい面白いのでゆっくり読んでる)、この「長女だからって」と重なるとこも多いように思いました。こちらもおすすめです。

[] 豚汁

駅前で売っている年賀はがき、山積みのみかん、年々気合いの入る駅前イルミネーションと気の早いクリスマスソング。帰り道には空も真っ暗で、ついこの間まで夏だったはずなのに、気づいたらあたりは真冬のにおいになっていた。

大人になると感受性が鈍くなる…というのは年を重ねるごとに、経験値によって「もう知ってる」に振り分けられることが多くなるからで、でも実際は「もう知ってる」ことなんてないのに勝手に簡略化してるんだよなあということをぼんやり考える。ただそれは知ってるに振り分けることでダメージを回避する方法を覚えたということでもあるので、楽してる分、ふとした不意打ちにずいぶん弱くなっていたりもするので注意が必要だ。

寒いのはもともと苦手だけど、今年はとりわけ寒く感じる。すでに手袋、マフラー。コートをフル装備してしまい、手持ちのカードはもう重ね着かあたたかいものを食べ続けるしかない。特にあたたかいもの効果は絶大であることを近年学んだので、それなら、今日晩ご飯は豚汁にしようかな、と思ったところで家に着いた。

2012-12-02

[][] 「ウォリスとエドワード

監督マドンナ

予告を見た段階ではあまりそそられなかったのですが、「ガールズムービーだよ」という話を聞いて見に行ってきました。行ってよかったです。

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アメリカ人女性ウォリスと、彼女結婚するために、王位から退位することを決断したエドワード8世の物語と、2人の恋に興味を持っている現代ニューヨークに暮らす女性ウォリーの物語を交互に描いていく物語

時間軸が行き来する描き方は、正直ちょっとぎこちないなとも思うし、ウォリーがなぜ2人に興味を持ったのかとか、もっと最初で描くべきじゃないかとか、突っ込みどころもいくつかある映画だとは思うんです。

でも、ウォリスという女性が自らの武器として挙げた「着こなし」と、男性のあしらい方、立ち居振る舞いの描き方を見ていて、マドンナはとにかくウォリスを描きたくてこの映画をとったんだろうなーと思いました。「世紀の恋」などともてはやされたものの、その実際は夢のようなものではないのだ、という主張の後に描かれるウォリスとエドワードラストシーンはぐっとこざるを得ない。

それからウォリーパートの、はじめてお茶するシーンもよかった。

ウォーリーがエフゲニに「その時計いいわね」っていった後、

W「from?」E「my wife」W「are you married?」E「was

っていう会話が、英語もそういう単語(?)だけの会話するんだなと思って新鮮だった。

それからエフゲニが横断歩道を渡っていくウォリーを見てるとこはよかったなー。あんな風に誰かの背中をみるとかなかなか出来る事ではないので、見送る背中のある人は今のうちにたくさん見送っておくべきだと思いますよ!

[][] 「危険なメソッド

監督デビッド・クローネンバーグ

連れ立って見に行ってきました。楽しかった。

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映画ユング患者であったザビーナという女性が、研究者として1人立ちするまでを描いたお話。少し違うかもしれないけど大筋はそこかなと思います。

私が初めてクローネンバーグ映画を見たのは「クラッシュ」で、当時はまだ映画を選んで見るようになった(雑誌映画評読んで見るとか監督レンタルするとか)くらいだったので正直ものすごく困惑したんですけど、この「危険なメソッド」を見ると、人間性癖や嗜好を分析するような視点に近いものがあって、いろいろと腑に落ちるようなところもありました。

役者たちの演技もとても緊張感とインパクトがあって、よかったです。前半のクライマックスでもある、キーラ・ナイトレイがある告白をする場面(ユングが聞き返すとこ)で、場内のひとがいっせいに身じろぎしてざわっとなったのが面白かった。私も、どんな話かよくわかっていなかったので、あそこは「……まじで?」ってなりました。

あと、自分twitterによく見た夢について書くんですけども、この映画でのフロイトユングの会話を見ていて、もしフロイトがTLにいたら全部性的衝動と結びつけられてしまうのかな…と思ったりしました。

と、なんとなくぼんやりした感想しか書けないのは、最後最後ちょっとうとうとしてしまって、肝心なラストシーン台詞を聞き逃してしまったからです…。けしてつまらなかった訳じゃないんですがつい意識を失ってしまってました。もったいない…。