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  □これまでの日記一覧

2013-02-27

[][] 最近読んだ漫画3作品

ヴォイニッチホテル」2巻/道満晴明

ヴォイニッチホテルの楽しさが何なのか自分でもよくわからないのですが、もしかすると自分の好きな(漫画よりも)小説とか映画雰囲気に近いのかな、と先日作者が、岸本佐知子さんが訳した恋愛小説集の中で映像化して欲しい作品は…、なんて話題をTwitterで書かれてるのを読んで思いました。あとちょっと安部公房小説っぽい雰囲気もあるような。読んでてすごく満足感があります。楽しい

ヴォイニッチホテル 2 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

ヴォイニッチホテル 2 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

ストロボスコープ」/ヤマシタトモコ

ヤマシタトモコさんの3年ぶりのBL単行本同人誌から再録ってかいてあるのでいつのものかわからないのだけど、この頃とは作風がはっきり変わったたんだなってわかる短編が入っていて、なるほどなと思いながら読みました。後半はエッセイ。「裸で外には出られない」のときも思ったけどエッセイはなんか舞台裏を見るような気持ちもあって、短編と合わせてでるとなんか気恥ずかしい感じもありますね…。

ベアゲルター」1巻/沙村広明

お元気そうでなにより…!というのがまっさきに浮かんだ感想です。作者の好きそうなものが詰まった、巻末にもあるようにピンキー・バイオレンス作品。方向性は異なりますが、とにかく好きなものを描いているときの絵の熱量が凄いなと思うところは森薫さんと共通するものを感じます。「女囚さそり」見たことないから見てみようかなと思いました。

ベアゲルター(1) (シリウスKC)

ベアゲルター(1) (シリウスKC)

[] 鈴の音

初詣で買った、目が飛び出るだるまのついた鈴かざりを自転車の鍵につけている。自転車の鍵に鈴をつけるのは小学生の頃以来で、自転車を走らせながら、かすかに鳴り続ける鈴の音に思い起こされることは多く、

例えば初めての自転車は裏に住むNさん家の男の子からお下がりであったとか、小学3年生の頃には仲のよかった3人お揃いで買った鈴をつけ、その鈴はタイムカプセルに入れて埋めたまま、工事で撤去されてしまったとか、その3人のうち1人とは未だに年賀状のやりとりをしているけれど、もう1人は元気だろうかとか、そこからずっと先にもどって、ついこの間もどこかで目が出るだるまをみたっけとか、チリチリとなる鈴の音に耳をすませていると、まるで柔らかな記憶ゼリーにゆっくり沈んでいくような心持ちになる。

日見た「フラッシュバックメモリーズ」という映画の中にあった、会話というのはほとんど記憶から成り立っている、ということについてまだ考えているのだけど、会話だけでなく、何を見ても何かを思い出す、という状態になることは時折あり、するとやがて、私の思いでという名前の物体に自分の納まる場所がないというか、ゼリー状のそれからはじき出されてしまったように感じる瞬間が訪れる。

表面から覗き込むその中身は、自分記憶から物語やら夢やらがごっちゃに漂っていて、

例えば、人ごみに埋もれる山車を遠くから眺めているような、懐かしいけれど遠く、自分はそこにいないのだなという光景を思い描くときに、かすかな鈴の音はとても良く似合うと思うのでした。

2013-02-26

[][] 脳男

監督:瀧本智行 原作:首藤瓜於

今日はドーン!みたいな映画ひとつ…という気分で見に行ったのですがちょうど良かったです。水曜日に見たので場内には制服女の子がたくさんいたのですが、見終わった後は口々に「グロかったね…」「うん…」という声が聞こえてくる感じだったので、そういうのが苦手な人は要注意だと思います。

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連続爆破事件の犯人として逮捕された主人公が、精神鑑定にかけられ、実は痛覚と感情がないということがわかる…というお話。設定にはいくつか疑問を感じるところもありましたが、メインの登場人物たちの演技がちょっと大げさなくらいなのがそのフィクション感としっくりきていたし、ダークヒーローものとして楽しんで見る事ができました。

主人公精神科医が、彼の反応は、後天的に教えこまれた反応である、ということに気づく(?)場面も面白かったし、メインのストーリーとは別に、ほんとは感情があったりして…というのが、映画ならではの物語の推進力になっているのもよかった。そのような物語の仕掛け上、主演の生田斗真さんは、その表情を注視される役柄だったと思うのですが、映画全編を通して、常に静かな水の底にいるような遠さがあるのも良かったです。

それから染谷将太さんと二階堂ふみさんのヒミズコンビもよかったなあ。染谷さんの裏表どっちもアリに見える紙一重さも、二階堂ふみさんの、あんなにデフォルメされたキャラクター重力を持たせている感じも、どちらもとてもこの映画にかかせないものだったと思います。「悪の教典」にも揃って出演していましたが、セットで起用したくなるのもよくわかる。いろんな役で見てみたくなる2人だと思います。

それから、この「脳男」は音の使い方がとても面白かった。伏線となる院内をめぐる「あれ」の移動する音、何かの予感を感じさせる効果音、爆破シーンもどれも音と映像のバランスがとても気持ちよかった。原作も読んでみたいです。

[][] 最近読んだ漫画4冊

「誰がそれを」/田中相

誰がそれを -田中相短篇集- (KCx)

誰がそれを -田中相短篇集- (KCx)

田中相さんの2冊目の短編集。やっぱり私は田中相さんの絵がすごく好きだなーいいなーと思いながら読みました。とくに1話めとその後日談がよかったです。私はどちらかというと長編漫画よりも短編を好んで読むのですが、田中相さんの場合は、もう少し長く読みたい、って思う作品が多いようなきがする。だからもっと連作を描いて欲しいなと思うし、りんごの子*1の続きも楽しみです。この本もカバー裏のおまけとか充実しててすごく嬉しかった。

「デストロ246」1巻/高橋慶太郎

デストロ246 1 (サンデーGXコミックス)

デストロ246 1 (サンデーGXコミックス)

オーディナリー± 」*2の続編(?)。女子高生暗殺者がたくさんでてきて作者も描いてて楽しそうなのがいいなと思いました。コンビものが好きなので、「オーディナリー± 」よりはこっちの2人を主人公で続けて欲しいなーと思ってます。続き楽しみだしアニメ化して欲しい。

「クシュラル」/えすとえむ

クシュラル (Feelコミックス オンブルー)

クシュラル (Feelコミックス オンブルー)

えすとえむさんのトルコ舞台にした短編集。たとえばオノナツメさんのイタリアものや、森薫さんのメイドものなど、好きなものに対する情熱が溢れてできあがったような、自分の中のシリーズをもってる作家さんって何人かいらっしゃると思いますが、えすとえむさんはケンタウロスなのかと思ってたのですがトルコというのもあるのかー、などと思いながら読みました。シリアスお話もとても魅力的に描かれる方だと思いますが、コメディタッチなのも楽しいのでまた書いて欲しいなあと思っています。

「花もて語れ」第6巻/片山ユキヲ

花もて語れ 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

花もて語れ 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

主人公ハナと、ハナによって朗読の魅力を知り、社会復帰をした満里子の間がギクシャクしはじめる第6巻。どっちが先に好きになったとか身を引くとか、なんか読んでてすごーくやきもきします。そういった要素もいれつつちゃんと本筋は朗読にあるのがほんとスポーツ漫画みたいだな。

2013-02-22

[][] 「フラッシュバックメモリーズ3D」

2009年、交通事故によって脳に損傷を受け、高次脳機能障害を発症したディジュリドゥ奏者、GOMAさんのドキュメンタリー映画。復帰後のライブ映像とともに、事故前と事故にあってからを描いている。説明的な部分はあまりないため、もっと知りたいという気持ちが残る映画ではあるものの、事故が起こってからの世界の描写などは、それまでを淡々と描いてきたからこそのインパクトがあって、見た後もずっと傍にあるような気がする感触として残りました。

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記憶がなくなったらどうなるだろう、と想像したことは誰でもあると思うけれど、この映画で描かれるGOMAさんの状況のように、家族のことはわかるけれど、自分と彼らをつなぐ情報が失われて行くというような状況を、映画とはいえ目の当たりにすると、その心細さにぞっとして、「自分だけ取り残されているような」という言葉と映像の意味が交差した瞬間には思わず息をのんだ。映画の中にでてきた日記の言葉に「会話というのはほとんど記憶でなりたっている」という言葉があったけれど、確かに会話や関係性というのは、その背景にある時間をもとに成り立つものなのかもしれない。相手が自分の背景に見る時間と、自分が相手の背景に見る時間。

そのような中で、音楽については、体が覚えていてまた演奏できたという話はすごく興味深かったし、心強いことのように思いました。

リベット博士の研究で「意志決定が意識されるまでにはタイムラグがある」という発見があった、という記事をいくつか読んだことがあるのですが(読んだことはないのですがこちらに書かれているそうです→「マインド・タイム 脳と意識の時間」)、そのことを思い出しました。意識って体より言葉に近くて、言葉にするのには思った以上の脳の労力がかかってるってことなのかもしれない。

映画の後にはGOMAさん自身のお話もきけて、復帰後はライブ中に目をつぶるようになったのはなぜですか、という問いに対し、脳に負担をかけないようインプットを絞って音に集中するためと答えていたのも印象的でした。過去の映像と見比べると、手の振りが特徴的になっていて、あの指揮者のような仕草も、音にとけ込んでいるからこそなのかもしれないと思ったり。

それからGOMAさんが事故の後に突然描きはじめたという絵もとても魅力的だった。それまではまったく絵を描いていなかったという人があんなにすごい絵を描けるって不思議だ。

映画館の3D眼鏡があわず3D映画を眼鏡かけずに見てしまったので3D効果についてはよくわからず残念。

このインタビューもよかったです。

オフビートランナーズ#02 GOMA 生きるために走る

http://onyourmark.jp/2012/8/offbeatrun02/33448

2013-02-18

[][] 「ムーンライズ・キングダム」

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面白かった。とても気に入りました。

ある島に暮らす、ボーイスカウトの男の子と、舞台でカラス役をやっていた女の子が出会って文通して駆け落ちする話。それぞれに事情があっていまいち歯切れが悪い大人たちに比べて、主役カップルのお互いに寄りかかることもなく優先事項がはっきりしている感じは、毒や危うさがあるものの見ていて気分がよく、様々なキャラクターの行動がかみ合ってドミノ倒し的にラストの大団円を迎えるという過程も、荒唐無稽ではあるけど心情的に疑うところはなく、気持ちがよかった。

サムがボーイスカウトの知識をちゃんと活かせているのもいい(中には実際にやってみるとそうでもない豆知識もあるけど)。子どもの頃って、よく秘密基地を作ったりするものだと思いますが、この映画のわくわくするところってちょっとそれに似てる。子どもの頃は、基地サイズの家さえ手に入れれば、世界は自分のものになるような気がしていたし、何日も先の猫の餌について不安に思うこともあまりなかった。…などと感傷を抱きつつも、主人公2人はかつての私のように暢気なわけではなく、それぞれに切実なのですが、そこで、この映画に登場する、歯切れの悪い大人たちのフットワークの重い決断に、ぐっときたりもして、つまり全体的にとても気に入りました。

主演の2人はもちろん、珍しくごく普通の人を演じたブルース・ウィリスのかわいさが際立つ映画だったな。スタイルの良さにアクションスター感を感じるものの、全体的に疲れてて気弱で濡れた犬みたいでした。だからこそのラストですよね。ブルース・ウィリスのこういう役見れてうれしかった。

2013-02-14

[][] 最近読んだ漫画

山はまだまだ1合目…

「ぼくらのへんたい」2巻/ふみふみこ

ぼくらのへんたい 2 (リュウコミックス)

ぼくらのへんたい 2 (リュウコミックス)

それぞれの理由があって女装を続ける3人の男の子が出会う1巻に続いて、第2巻では、主人公でもあるまりか(裕太)の幼馴染の女の子の視点がでてきたのがとてもよかった。

1巻の感想にも書いたけど、「放浪息子」では意図的に触れないようにしてると思われる、性行為の話にぐいぐい踏み込んでいくのが「ぼくらのへんたい」の緊張感につながっている。とくにまりかの「世界」が唐突に終わってしまうあのシーンとか、女の子の物語としては繰り返し描かれてきた場面転換だと思うんだけど、でもこのまりかの視点の二重三重に箱の中に入っている感じは、なんというか、穏やかに見えて薄氷の上を歩いているような危うさがあって、続きが気になります。

幾原邦彦監督で見たいな…。

1巻感想 http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20121014/p2

「なにかもちがってますか」3巻/鬼頭莫宏

なにかもちがってますか(3) (アフタヌーンKC)

なにかもちがってますか(3) (アフタヌーンKC)

物質切り取り能力(?)を持った主人公が、同級生とともに無差別世直し(という名の殺人)をはじめる物語。主人公に指示をあたえている同級生イッサ君の考えは正直よくわからないし、なんで主人公はそれについていくんだろうなって思うんだけど、その世直し隊がいつのまにか4人組になってしまってこれからどうなっちゃうの、という巻でした。なるほどと思うところがあるのか知りたくて続き読んでしまいそうな気がします。

1巻感想 http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20110430/p2

「夜の須田課長」/クマザワミキコ

夜の須田課長  (リュウコミックス)

夜の須田課長 (リュウコミックス)

性的な葛藤やフェティシズムをテーマにした短編集。どろどろしたところがなく、でもけしてきれいに見せようというのでもないバランスがとてもよかった。

外面のいい主人公課長が、完璧主義な妻との生活に対するストレスから下着で外を徘徊したり浮気をしたりしてしまい、ついには離婚の危機に陥るという表題作は特によかった。深刻な話として描くこともできるような内容なんだけど読み心地は愉快で、ほかの短編についても、作者の視線が優しく、どのキャラクターにも好感をもてる短編集でした。次の作品も楽しみです。

「失恋ショコラティエ」6巻/水城せとな

失恋ショコラティエ 6 (フラワーコミックスアルファ)

失恋ショコラティエ 6 (フラワーコミックスアルファ)

主人公のDON☆KANぶりにギリギリしながら読んだ6巻。読んでる読者はどうなるかだいたいわかっていて、でも主人公だけが知らない…っていうこの展開はまるでサスペンスを読んでいるみたいです。そして相変わらずチョコがめちゃくちゃおいしそう。この、主人公の作るチョコがおいしそうってことも、気持ちが動く動機付けになってるとこが面白いなーと思います。こわいよー!

[][] 2月の連休に見たもの

土曜日は妹と「ロックオペラ モーツァルト」という舞台を見に行った。モーツァルトの物語というと、子どもの頃、父親の部屋でこっそり読んでいたモーニングの「マドモアゼルモーツァルト」(福山庸治)を思い出す。あれは確かモーツァルトが女性で、サリエリがモーツァルトに恋してしまうというお話だったような気がするけど、それはともかく、モーツァルトとサリエリのライバル関係というのは、サリエリについて語られる場のほとんどがモーツァルトについて語られている場である…という現状を見るとさらに切なく、そういうおもむきが中川さん演じるサリエリにはにじみ出ていてとてもよかったと思います。ダブルキャストだったみたいなので逆パターンも見てみたかったな…。お目当てのコンスタンツェも大変かわいくて迫力があってよかった。 楽しかったです。

日曜日、愉快な友だちと飲みに行く前に、六本木で「ライフ・オブ・パイ」を見た。ライフオブパイは「思ってたのと違う映画だった」という感想をいくつかみたので、どんな話なんだろうー?と思っていたのですが、概ねトラと漂流した227日というサブタイトル通りの映画だったと思います。漂流してるだけでも困っているのに、トラがいることでさらに困る、かといってトラを殺すこともできない…というぎりぎりの攻防戦を続けて7か月以上…。でもトラが弱ってしまった場面では、トラいなかったらこの先一人で生き延びるのは気持ちがもたないよ…、とも思ってしまいやっぱりトラはこわいけどかわいかったです。自分だったら…とかつい想像しながら見ていたのですが、最初の嵐に巻き込まれた時点で海に投げ出されている気がするよね…。見終わったあとはマグロが食べたくなりました。

月曜日はAKB48のドキュメンタリーを見ました。映画の内容だけでなく、いろいろ思うところはあるんだけど、それはいまだにうまくまとまりません。

自分にとって、AKBの主人公は相変わらず佐江ちゃん(元AKB現SNH)なのですがなんで佐江ちゃんが自分のアイドルになったのかというと、それはもう単なるひらめきでしかなかったのだけど、好きになって数年間追いかけてくればそこに思い出という物語もできあがるわけで、それが成り立ってる場にうんざりした気持ちになっても、あの子を見ると元気がでるとかわくわくするとか、そういう気持ちはちゃんとある。だから身の程は弁えつつ、自分や人の好きという気持ちは大事にしていきたいなと思ったりしました。 *1

2013-02-08

[][] 「ted

監督セス・マクファーレン

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面白かった。日本でたとえると、道具は出さないドラえもんのび太が、共におっさんまで育ち、のび太には彼女もできました…というお話。かな? ドラえもんを夢に見たことがあるかつての子どもにとってはある程度なじみやすいお話なんじゃないかなと思います。たぶん。

予告でもわかるとおり大変下品だし悪口大好きだし朝っぱらから薬だしおっさんになったテッドとジョンはしょうもない子どもなんだけど、この人たち(人とぬいぐるみだけど)大丈夫なのかな…という不安感は、下ネタにも対応可能なしずかちゃんことロリーがいることでだいぶ中和されていました。ただ、彼女もそうそうすべてを許せるわけもなく、結果私とテッドどっちが大事なの?と詰め寄られることになるのも自業自得というか、むしろロリー様は寛大だとすら思えたな…。

というわけで若干ロリーに肩入れしつつ見ていたのですが、やがてテッドといたら大人になれない/でもそれは果たしてテッドのせいなのか? という問題に気づくところの大げんかは名場面だったし、やっぱ友達なんだなあ…と憧れてしまうところもありました。

彼らが育ってきた文化アメリカテレビ番組映画等)にはあんまり詳しくないのでよくわからないネタもあったけど、ちょっとした言い回しについては日本文化に置き換えた字幕になっていたりもして気が利いてるなと思いました。何よりも、ティディベアであるところのテッドが本当に良く動いてるのがよかった。動くししゃべるんだけど、そういうものだって思って見れました。

最後は、もしかしたら「魔女の宅急便」でいうところのジジみたいになっちゃうんじゃないのと思ってたのでそうならなくてよかったです。

ひどいなー!とかいいつつ大笑いもできる映画でよかった。あんまり解決してない問題もある気がするけど、テッドを中心にみればこのエンディングでよかったなと思います。

[][] 最近読んだ漫画

感想書こうと思って積んでる山が高くなってしまったので、しばらくまとめ書き。

「IPPO」1巻/オノナツメ

若い職人男の子お話。1巻は旅の仲間が集まっていくようなエピソードもありつつ、今後は彼の店を訪れたお客さんごとに1話完結のシリーズになるのかなと思います。オーダーメイドの靴を履いた人がみんな気持ちよさそうであこがれる。

IPPO 1 (ヤングジャンプコミックス)

IPPO 1 (ヤングジャンプコミックス)

「箱庭ヘブン」1巻/羽柴麻央

ある家に集う人を中心にした連作短編シリーズ

羽柴麻央さんの漫画は、『私日和*1の1巻がとっても気に入っていて、でも巻を追うごとに、登場人物を関係させなくちゃということが書きづらさになってるんじゃないかなあと思うところも少しありました。でもこの『箱庭ヘブン』は、同じく連作短編ながらずいぶんと視界がひらけた感じがあって、とても楽しく読めました。年齢層が幅広いのもあるのかな。登場人物がみんなやさしい雰囲気なのも好き。続きが楽しみです。

箱庭ヘブン(1) (BE LOVE KC)

箱庭ヘブン(1) (BE LOVE KC)

「君曜日 鉄道少女漫画2」/中村明日美子

鉄道少女漫画*2に収録されていた「木曜日のサバラン」の続編。主人公のアコちゃんと、彼女のことが好きでぐいぐいせまってくる同じ塾の男の子のやりとりがかわいい。ワンピースもってないの?っていわれてワンピースのしたにショーパンはいてっちゃう感じとかもかわいい。こんなお店があったらいいのにな。

君曜日―鉄道少女漫画 2

君曜日―鉄道少女漫画 2

2013-02-05

[][] 「LOOPER

監督ライアン・ジョンソン

未来から送られてくる標的を殺害する「LOOPER」として稼いでいる主人公のもとに、未来自分が送られてきて、その未来自分目的に巻き込まれるというお話

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タイムリープものだと思って見に行ったら、わりと前半後半でがらっと雰囲気がかわる映画で、たぶんそこがキモだったんだと思うけどまんまとウワーと思いながら見ることができ、なかなか面白かったです。○○に似てる、とか言いたくなる画があって楽しい

正直、タイムリープものとしては矛盾点が多く(あの指令は誰が伝えにきてるのか、なんで自分でやらなきゃいけないのか、というか日時指定して飛べるならもっと分岐できるんじゃないの云々)、しまいには未来主人公役のブルース・ウィリスに「タイムリープの話はしたくない…」と言わせてしまうという荒業にでるのですが、それはそれですがすがしいなと思いました。

ただブルース・ウィリス過去に行く動機の部分はもうちょっと説明しても良かった気がする。あの幸せイメージ映像みたいなのはいまいちぐっときませんでした。あとJGLは、ワル感のなかにやっぱりいい人っぽさが見えてしまうので、好演だったけど適役とはいえない気がしました。

などなど、あれこれ言いたくなる映画ではあるんだけど、見てる間はおもしろくて、細かいことはいいんだよと思いました。

この映画で一番印象にのこったのはポール・ダノさんです。「イースタン・プロミス」のヴァンサン・カッセルのような憎めないトラブルメーカー感。直前にみた「ルビー・スパークス」と全然イメージが違って、うまい役者さんなんだなーと思いました。

あと後半のあれの描き方もたいへんうまかった。ラストシーンシュタインズゲートにあてはめていろんな分岐パターンを考えてしまい考えてるうちにエンドロール終わってました。

[][] 「補助隊モズクス」1巻/高田

補助隊モズクス 1 (ビームコミックス)

補助隊モズクス 1 (ビームコミックス)

野ばら」(id:ichinics:20100819:p1)がとてもよかった高田築さん待望の新刊! 面白かったです。

宇宙人のような3匹と契約してしまい、人を乗っ取る「倫虫」と戦うことになるサラリーマンお話

倫虫を倒せるのはその3匹の「補助隊」だけで、補助隊は主人公の思った通りに動くことで戦う、というルールみたいです。倫虫はそこら中にいてあちこちで事件が起こっているのに、世の中があんまり混乱してないように見えるとことか、それぞれの補助隊の能力かいひとつ設定がはっきりしてないと思うとこもあるけど、アクションと会話のテンポがとてもよくて読んでいて楽しい。「細かいことはいいんだよ」感が、上に感想かいた「LOOPER」と通じるような気もしました。

野ばら」を読んだとき福山庸治さんを思い浮かべたりしたけど、倫虫の設定とかはちょっと「臥夢螺館」の影響を感じたりもした。

続きがたいへん楽しみです!

2013-02-04

[][] 「地上の記憶」/白山宣之

地上の記憶 (アクションコミックス)

地上の記憶 (アクションコミックス)

どこかで「漫画で読む小津映画」という評を読んで買ってみた本。とてもよかった。特に冒頭に収録されている「陽子のいる風景」と「ちひろ」は素晴らしかった。何度も読み返す作品になると思います。

どちらも、特に何が起こるということはなく、情景を観察しているかのような漫画なのだけど、そこに映されている風景の温度、祭りの夜に表通りから裏通りに入った瞬間に遠くなる音、暗闇の濃さ。そういったものが懐かしいもののように吹いてくることを感じる漫画だった。

こういった視線で描かれる漫画って今まで他に読んだことがあったかな。そこに描かれているお話より、その情景自体を見ているのが心地よい漫画でした。

後半の歴史物はまたちょっとおもむきがかわるのだけど、特に合戦を庶民の目から見た「picnic」とかとても新鮮だった。歴史ものを読んでいると、その世界にいる今の自分のような、ごく普通の庶民はどう過ごしてるのかな、と思うことが多いのだけど、ここに描かれるピクニックのような合戦見学は、今現在との共通点も感じられた。

この単行本で初めて名前を知った作家さんなのですが、とても残念なことに2012年に亡くなられたそうで、この本には交友のあった様々な漫画家の方々が追悼文を寄せています。

冒頭に書いた、小津映画に近いというのは山本おさむさんの文章にもでてきましたし、いくつかの追悼文で触れられているように、とても映画がお好きな方だったとのことで、ぜひ映画も漫画も好きだという人に、読んでみて欲しいなと思いました。読んでよかった。

[] 記憶の1月

今年の1月は長かった。お正月もあったし、大雪もふったし、友だちの家で鍋もした。風邪をひいたり、初詣に行ったり、映画も何本か見たし、一喜一憂することもあった。やっと2月か、1月は長かったな…と考えていて、そんな風に思い出すことが多いほど時間というのは振り返ったときに長く感じるものなのかもしれないなと思った。

楽しい時はあっという間という言葉もあるけれど、それは「時間に気づかないほど集中していた」とか「もっと長くそれを続けたかった」という名残惜しさからくるもので、しばらく時間が経ってみればその「あっという間な楽しい時」は退屈に過ごしている時間よりずっと、長く感じるのではないだろうか。もちろん、いいことだけでなく、長く感じたしんどい思い出だって時間が経ってもなお長かったなあと思い起こされたりするので、つまりフォルダ内に保存されているデータの量によって、時間の長さの感覚も決まるってことなんじゃないだろうか。

そう考えてみれば、見るものすべてが目新しい子どもの頃の1年がとても長かったことには納得がいく。素材がたくさんあるからネット上の地図を拡大するときみたいに、収納されている記憶に近づくほどに細かく、詳しく見えるようになる。

逆に似たような記憶をまとめて管理することで、データは軽くなり操作しやすくなったりするのかもしれなくて、だからどちらがいいということではないんだけど、今年の1月は長かったし、楽しかったです。