イチニクス遊覧日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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  □これまでの日記一覧

2013-03-31

[][] 世界にひとつのプレイブック

この映画主人公2人のように、真面目すぎたり繊細すぎたりして壁にぶち当たるようなことって誰にでも起こりうることなんだと思う。頑張ってみてもどこか世界テンポが合わないときの、途方に暮れる感じ。でもどうにかしたくて、ぶつかったり支え合ったりしながら、ある方向を見つけていく手応えに大変ぐっときました。

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ブラッドリー・クーパーさんというと、個人的に印象に残っているのは、フェイス*1なんですけど、全然同じ人に思えなかったな。あのジョギングスタイルを見て、そういや高校のときに、まさにあのスタイルで登校してたこがいたなあって思い出したりもしたんだけど、当時はそれを特に疑問にも思ってなかったし、みんな普通に愉快な子だなーと思ってた気がする。

もうひとりの主人公ジェニファー・ローレンスさんの出演作を見るのは初めてだったのですが、特に目がとても素敵な女優さんでしたね。攻撃してるとき安心してるときの、目の表情の違いがとってもかわいくて、これは好きになってしまうわーと思いました。

予告を見る限りでは特にピンと来ていなかったんだけど、いざ見てみれば「頑張った人が報われる」という自分のとても好きなタイプのお話で、クライマックスシーンの、出来過ぎじゃない感じもとてもよかった。

彼女ダンスにこだわる理由を、初対面のところとかであともう一押し欲しいなーとも思ったのですが、まあそれはおいておいても、とても好きな映画でした。見るか迷ってたところに背中おしてくれた友人に感謝

2013-03-24

[][] ならずものがやってくる

タイトルがいいなと思ったのと、いつだったか美容院で渡された雑誌に載っていた書評を読んで気になって買った本。タイトルからついヤァ!ヤァ!ヤァ! とならず者が群れをなしてやってくる感じの話を想像していたのですが全然違いました。

ならずものがやってくる

ならずものがやってくる

1枚のレコードのように曲目を全て通して聞いて初めて、アルバムの全体像が見える…という構成になっている。1つ1つの短編が重なり合い、記憶が様々な時間軸にマッピングされていく感覚は、本の厚み以上の長い、その間にある「時間」を思わせるものでした。1話ごとに文体も違い、だからレコードを聴く時のように、お気に入りの曲といまいちピンとこない曲があったりもする。でも読み返したらまた印象が変わるだろう、と思える本でした。

最も気に入ったのはB面2曲目の「将軍を売り込む」。この本の中では一番中心から外れた話かもしれない。ビートルズだったらオブラディオブラダみたいな、差し色みたいな曲なんじゃないかと思う。あと自分ドラッグ絡みの話は好きじゃないんだなーと思ったりもした。

文体で最も印象に残ったのは、やはり最後から2つ目のパワーポイントで描かれた話。こんな形で小説が描かれるというのはもちろん初めて見たし、それでいてまったく読みにくいということがないのが不思議だった。この短編については著者HPでも読めるみたいです→http://jenniferegan.com/

個人的に惜しいと思うのは、名前だけでは覚えきれない部分もあったせいか、読みながらあちこち読み返したりもしていて、読むテンポが悪くなってしまったこと。最初は気にせず一気に読んでしまえばよかったなと思いました。

[] Rufus Wainwright渋谷公会堂 2013/03/19

ルーファス・ウェインライトライブは3年ぶり。前回のTDCホールの時(id:ichinics:20101006:p1)には、席の都合上あまりよく見えなかったのだけど、渋谷公会堂はよく見えて、それでいて音もきれいで、拍手の音が会場を包む感触も親密で、いい会場だなと改めて思いました。

ルーファスの歌を聴くと、こんな風に歌えたらどんなに気持ちがいいだろうと思う。のびやかで安定した声は日向小川みたい。しっとりとした草や土のにおい。ルーファスという人のイメージはどちらかというと都会的なのに、その音楽を聴いて思い起こされるのは、いつも懐かしい、視線の低い自然やあたたかな家のように思う。特に好きな1stから「Foolish Love」が聞けたのは嬉しかった。この曲聞くとなぜかいつもドヴォルザークの「ユーモレスク」みたいだなと思う。

以前の来日の際にも、ジェフ・バックリィの思い出から「Memphis Skyline」「Hallelujah」を続けて歌う流れがあったのだけど、もしかしたらこの曲のイメージで、川を思い出すのかもしれない。懐かしいのに遠い、でも眩しい光景ジェフ・バックリィに対する気持ちとルーファスに対する気持ちは自分の中でとても近くて、だからルーファスジェフに対する嫉妬愛情、親近感について語っているのを聞くのは、とても不思議な気持ちになるし、すごく腑に落ちるところもある。

ギターを1本しか持ってきてない(?)から日本ギター買ったの、って見せてくれたギターキティちゃん柄(私の席からは見えなかったけど合流した友人に教えてもらった)だったりとか、他のお買い物の話とか、家族の話。ルーファスMCはとてもチャーミングで、でも歌い始めると瞬時に空気が変わる。ほんとに、一度でいいからこんな風に歌えたらなと思う。

ひとつ残念だったのは、せっかくの来日なのに空席(2階席はまるごと空いてたと思う)が目立ったこと。JCBのときも国際フォーラムの時も満員だったのに、今回の来日は知らなかった人も多かったみたいだし、ほんともったいない。また来てくれるといいな…。

2013-03-10

[][] 「ジャンゴ

監督クエンティン・タランティーノ

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黒人奴隷として売られた主人公ジャンゴジェイミー・フォックス)が、賞金稼ぎの元歯科医シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)と出会い、彼とタッグを組んでジャンゴの妻を救いに行くことになるお話

タランティーノ新作ということでとても楽しみにしていたものの、西部劇映画はまるで見たことがないけどいいのかな…とうっすら腰が引けた気持ちもありつつ見に行きました。でもいざ見てみたら、これがねー、たいへん面白かったです! 笑ったりびっくりしたり、何度かついガッツポーズしたいシーンもあった。

世の中の価値観を鑑みた判断をまるで感じさせないところというか、自分自分の好きなものに嬉々として誠実であるところは、やっぱりタランティーノ作品最大の魅力だと思う。後者については例えば、「特撮博物館」で見たベテラン特撮技師たちのメイキング*1沙村広明さんの漫画にも通じるところがあるのではないでしょうか。映画を見ることで、監督面白いと信じてるものの一端を見せてもらってるような気分になるし、だからこそそこに描かれているキャラクター監督は裏切らないと信じることができる。

などということをしみじみ考えたりもしました。あと銃撃戦のあれが忘れられない。

ジャンゴ」で特によかったのは、やっぱり「イングロリアス・バスターズ」でも最高だったクリストフ・ヴァルツさんです。彼のジャンゴに対する態度には湿ったところはまるでなく、それでいて確かな絆を感じるというのが熱かった。

そしてディカプリオ演じるカルヴィン・キャンディも良かった。タランティーノ映画名物の長い会話シーンって、実はある作品では寝落ちしてしまったこともあるんですけど、今回のそれはディカプリオさんがいいテンポを作ってたと思うし、展開にガッツリ噛み合ってるので長いとあまり感じなかった。

でも1番印象に残るのはサミュエルLジャクソン演じるスティーブンかもしれません。彼がどのようにしてキャンディにつかえることになったのか、なぜ忠誠を誓っているのか、という番外編も見てみたくなりました。

主役のジャンゴについては最後のたてがみを掴んで走る乗馬シーンが最高に格好よかったと思います。

[][] 「式の前日

式の前日 (フラワーコミックス)

式の前日 (フラワーコミックス)

ちょっと前にtwitterで評判になっていると聞いて気になって読んだ短編集。

個人的には、亡くなった人を題材にしたお話が多いのが少々気になりました。物語定番モチーフではありますし、ちょっと嫌な言い方になりますが「いい話」を描きやすい題材だとも思うんです。でも短編集で立て続けに読むのはちょっと重い。

表題作の「式の前日」はとてもよかったです。読者の視点映画を見ている観客のような場におかれ、2人の関係を推察しながら読み進めていく、という語り口もとてもよかった。

話題になっている、ということを事前に知ったうえで読んだので、感じ方に影響してしまう部分もあるとは思うのですが、口コミでここまでのヒットになるというのは、なんだか希望のある話だなとも思います。もちろん、ヒットをかなえたのはこの短編集に普遍的な魅力があるということでもあるとは思うのですが。