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  □これまでの日記一覧

2013-04-30

[][] 「おはようおかえり」完結と「おんなのいえ」/鳥飼

本屋さんで見かけて買った第1巻が面白くて買い続けていた「おはようおかえり」が第5巻で完結しました。

おはようおかえり(5) <完> (モーニング KC)

おはようおかえり(5) <完> (モーニング KC)

2巻の感想id:ichinics:20110930:p1)で「京都観光MAPがついてて」と書いたりしていて、当初は「京都」漫画だなという印象が強かったんです。でも徐々に主人公と彼の姉2人のお話へとシフトしていった気がします。そして3人の恋愛模様を描きながらも、重心が「姉弟」にあるのが新鮮でした。

恋愛もので描かれる兄弟存在って、どうしても自分の外側にあるものなんだけど、「おはようおかえり」で描かれる兄弟人生の中にしっかりと絡んでいる感じは、自分にはとても身近に感じられるものでした。

おんなのいえ(1) (KCデラックス)

おんなのいえ(1) (KCデラックス)

そして新作「おんなのいえ」1巻を読んでその印象はより強くなりました。30目前で恋人と別れる、という設定はここ数年の流行りのような気もするけど(「ティファニーで朝食を」とか、「姉の結婚」とか)そこから、「次の恋を探す話」になってしまわず姉妹の関係や仕事探しなどの日常と恋を同列に描く感じがとても好みです。

なんていうか、「恋がうまくいく」ということがはじめからゴールに見えてる感じがないのがいいのかな。

続きも楽しみです。

[][] 「にこたま」完結と「ボーダー」/渡辺ペコ

読みながら凹むことの多かった「にこたま」ですが、それだけにとても印象に残った作品で1巻からずっと、新刊を楽しみにしてきた作品でもありました。

にこたま(5) <完> (モーニング KC)

にこたま(5) <完> (モーニング KC)

1巻が出た頃の自分生活と重ねていた部分とかを思い出したりして、そこから5巻分の今の自分とか、物語とは全然別の感慨を抱いたりもして、でも続けて漫画を読むことの楽しさって、そういうところにあるのだとも思う。

2巻の感想id:ichinics:20100926:p2)に、「続きがどうなるのか、読むのが怖い気もするけど、渡辺ペコさんならなんとなく、腑に落ちるところまで結末をもっていってくれるような気がしてる」と書いていたけど、ほんとにその通りの完結だったと思います。

個人的には、パフェ食べながらふられたらパフェトラウマになっちゃうっていって待ってもらうところですごくかなしくなった。

ボーダー 1 (ヤングジャンプコミックス)

ボーダー 1 (ヤングジャンプコミックス)

そして新作「ボーダー」。今回の主人公は、これから就職活動を始めようかという頃の大学生男の子。「にこたま」のコーヘーもだけど、渡辺ペコさんはこういう鈍感な男の子を描くのがすごくうまいなーと思いました。

そしてそういう話なのか…!と驚くところもあり、続きがとても楽しみです。

2013-04-29

[][] AURA

原作を読んだのはかなり前で、ほとんど何も覚えていなかったのでかなり新鮮に見ることができました。中2病を卒業して高校デビューをしようともくろんでいた主人公が、なぜ“最後の闘い”に出陣する羽目になったのか、というお話

映画を見終わっていろいろと思い出したのですが、それで思ったのはやっぱり原作映画はまた違う作品だなということでした。

小説版については「もしかしたら良子の信じる世界はほんとにほんとなのかもしれない」とギリギリまで信じたくなるところがあった気がするのだけど、アニメ版として動いて見えると、その境界線も顕になってしまう感じがしました。

アニメ版はどちらかというと2人の佐藤ボーイミーツガールものとして描くためにお話を絞ったのだと思えたのですが、ボーイミーツガールものにしてしまったら「でも良子はいないよね」というさみしさが残る物語になってしまうような気もします。

以前書いた感想にあった、主人公の「エアリーダー」っぷりが映画では割愛されてた気がするので、主人公は良子がいなくてもやっていけてたように見えてしまう。そこであえて物語に良子が登場するのであれば、向こう側を信じるラストでもよかったのではないかなとかなんとか。

こっち側」の良さにあまり説得力がないようにも思えました。

f:id:ichinics:20130430001930j:image:w200

あと原作覚えてなかったので、かなり長いこと小鳩さんが黒幕なのでは…とか思いながら見ていて申し訳ない気持ちになりました。

原作感想→ http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20080831/p1

2013-04-21

[][] 「重版出来!」/松田 奈緒子

重版出来! (1) (ビッグコミックス)

重版出来! (1) (ビッグコミックス)

出版社新入社員主人公に描かれる出版社お仕事漫画。面白かったです。

中盤までの「運」をためるお話とかはちょっと納得できなかったりもしたんですけど、1巻後半に収録されている、ある漫画をヒットさせるための戦略話がとにかく面白い

このお話は営業職にあまり意欲を感じていない「小泉」という社員目線で描かれています。好奇心旺盛に行動する主人公に感化され、小さな発見を積み重ねることで仕事へのモチベーションを高めていく過程と、プロジェクト成功リンクして描かれている。編集、営業、著者、書店、それぞれの行動原理は異なっていても、一つの目的のために力を合わせることで成し遂げる。その手応えを感じる瞬間のカタルシスがたまりませんでした。読み終えてまんまと「仕事頑張ろう!」って思ってしまいました(素直)。

編集王」「働きマン」に続く、わくわくする「出版社漫画」。でもちゃんと出版業界を取り巻く事情現代のものになってると思います。だからこそ、ネット上での口コミとかについて描かないのはなぜなのかちょっと気になったりもした。

1巻は主にコミックお話なのですが、2巻からはどうなるのか、楽しみです。

[] 春

桜はすっかり散ってしまったのに、風が吹くとまだ少し花びらが混ざっている。

夕暮れ時の駅前は、道いっぱいに広がって歩く若い人たちがいて、立ち止まって辺りを見回す人もいれば、きびすを返し戻ってくる人もいる。その多くの足取りはまだどこに向かうか決めていないような、ついて行く目印を探している足踏みのようにも見える。

よこみちよのすけの冒頭でpepeがうつったとき、あそこから西武線にのって大学に通っていた頃のことが、わっと甦ってくるような気持ちになった。

学食で外が暗くなるまで話したり、誰かの家を泊まり歩いたりするのは楽しかったけど、友人たちを探して学食のぞく瞬間はいつもどこか緊張していた。新しい顔、新しい言葉、まだ覚えていない道だらけでうまく歩けない感じは、面白いけど落ち着かなくて、だから西武新宿駅から埼玉まで、ガラガラ電車に延々とひとりで電車にのっている時間は、空白で、大事な時間だったのを思い出した。

今は歩きづらい夕暮れ時も、きっとそのうち目的地に急ぐ人の方が多い道に戻るのだと思う。ということを暖かかった先週に思った。

2013-04-11

[][][] シュガーラッシュ

ゲームセンター舞台にしたお話、と聞いた時から楽しみにしていたけど、ピクサー作品ディズニー名義でした…)の中でも特に好きな1本になった気がします。楽しかった!

f:id:ichinics:20130411222623j:image:w350

「シュガーラッシュ」はゲームの中の“悪役”が、自分ヒーローになってみんなの仲間に入りたいと願うお話

主人公ラルフは「ドンキーコング*1に似た、「フィックス・イット・フェリックス」というゲームの“悪役”。

ある日、ゲーム内のキャラクターが集うパーティにひとりだけ呼ばれなかったラルフは、グラフィック系のFPS*2に潜り込んで、“ヒーローの証”を手に入れようとする。そして、なんとか証を手に入れたものの、いろいろあってお菓子世界舞台にした「シュガーラッシュ」という「マリオカート」のようなゲーム世界に迷い込んでしまう。

物語はおもにその3つの、設定もキャラクターの等身も解像度も違うゲーム世界が入り乱れるお話になっていきます。異なるゲームキャラクター同士のテンションの違いがとにかく面白くて、ずっと笑ってた。何より、ゲームコンセントを通じて、キャラクターゲーム内を行き来できる世界っていう設定がいいよねえと思いました。(コンセントがセントラルステーション…!)

f:id:ichinics:20130411222352j:image:w350

ピクサー映画はとても好きなのだけど、たまに気になるのが悪役が救われないお話が多いということでした。「シュガーラッシュ」は、そういった、悪役のその後が気になってしまう…というプレイヤーの夢を描いたお話のようでもありました。

自分の「ゲーム世界」というコミュニティで仲間はずれにされてきたラルフと「シュガーラッシュ」のヴァネロペが、自分キャラクターを貫くことで自分の居場所を獲得していくという展開はたいへん熱かったです。

まあディズニー映画だけにちゃんと物語上の「悪役」が別にいるんですけど、それもあんまり憎めないタイプ*3なので今回は楽しい気持ちで見終えることができたと思います

それからゲームの外の世界で、これだけ年代のかけ離れたゲームたちが現役で遊ばれているってことにも(そういう設定とはいえ)なんだかぐっときてしまった。

楽しかった。DVD出たら欲しいな。

それから、同時上映の短編紙ひこうき」という短編アニメーションもとてもよかった。光の描き方が懐かしくて、風景外国なのに、なんだか日本お話みたいだと思いました。

[] 眠い

こめかみの辺りから1本の白い糸がでていてる。手で触れ、少し引いてみると、なんだか少しくすぐったいような、しびれるような感覚がある。蜘蛛の糸のように軽く、テグスのような強度がある。思い切ってどんどんたぐり寄せる。いくら引いても終わりが無いそれは足元にどんどんたまっていき、茹ですぎた素麺のように弾力のある塊となって私の体を固定していく。まだまだ終わらないので腰掛ける。足元があたたかくなってくる。いつからこうしていたのか、いつまでこうしているのか、境目の無いような心持ちで宙にもたれていると、次第に目は体からはなれ、白い糸に埋もれてすっかり熟睡している自分の姿が見える。眠い

*1キャラ的に「マリオブラザーズ」かな?

*2名前からして「コール・オブ・デューティ」が元ネタっぽかった

*3:どちらかというと笑っちゃう

2013-04-09

[][] 「三文未来の家庭訪問」/庄司創

三文未来の家庭訪問 (アフタヌーンKC)

三文未来の家庭訪問 (アフタヌーンKC)

とっても面白かった。庄司創さんの作品を読むのはこれが初めてなのですが、新しくすべての作品を追いかけたい漫画家さんに出会った気がしてとても嬉しいです。

この本には3本の作品が収録されているのですが、どれも短期連載くらいの分量があるので中編集という印象です。どれも私の大好きな近未来SFで、でもSF設定を描くのではなく物語必要ものとしてその場所が描かれている感じがする。

特に気に入ったのは表題作でもある「三文未来の家庭訪問」。様々な主義主張の集団生活団体がある近未来、そのうちの1つである遺伝子改造をした人々の団体「WOLVS」で育った“女性結婚すれば子どもを生むことができる男の子”が、普通小学校入学して…というお話。彼は小学校で、別のある団体「彼方」に所属する親のもとに育った“ルール違反を見逃せない女の子”と出会う。

こうやって説明するとややこしいんだけど、読んでいると難しいところはまったくないのがすごい。「団体」は宗教のようでもあるけれど、どちらかというと育ってきた環境や意見の違いというものをわかりやすく描くための装置なのだと思います。

2人が仲良くなっていく過程を通して、一見すると「団体」というものに支配されているようで、じつは折り合うところを探り合うことができる、人々の可能性のようなものがしっかりと描かれているのがいいなあと思いました。

つづく「パンサラッサ連れ行く」もテーマは近いお話のように思います。

どのお話も、でてくる登場人物がみんな好ましく、読んでいてとても気持ちが良かった。これから活躍がとっても楽しみです!

[][] 「ザ・マスター

PTA新作というわけで大変楽しみにしていたのですがやっと見に行ってきました。

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元水兵でアルコール中毒のフレディ(ホアキン・フェニックス)は、帰還後も酒が原因で様々なトラブル引き起こし自暴自棄生活を送っていた。そんな中、忍び込んだ客船の中で「ザ・コーズ」という新興宗教団体の教祖マスター)、ランカスター(フォリップシーモアホフマン)に出会う…というお話

この「ザ・コーズ」というのは、肉体的、精神的病の原因(cause)を、探って行くカウンセリングみたいなものを活動の中心にしていて、現実にある新興宗教モデルにしているそうです。宗教(ザ・コーズ自体は宗教団体ではないって言ってたけど)が医療行為を行うとなると、そりゃそうなるよね、って想像つくようなトラブルが多々起こるんだけど、それと同時に問題児のフレディを受け入れてしまマスターは一見、すごく人格者のようにも見えるし、原因という「理由」を求める人には魅力的な場なのかもしれないと思う。

しかしフレディの場合は、ランカスター言葉を信じるというよりも、ランカスター言葉を信じたいと思って彼の傍にいるように見えました。獄中でのランカスター言葉が頭に血が上った彼をなだめたように、フレディは自らをつなぎ止めるものが欲しかっただけなのではないかと思います。だから彼の修行も結局はランカスターのためであって、フレディ自身が「よくなる」ためではなかった。

しかしフレディとランカスターの関係が近くなっていくにつれ、彼らはほとんど同じ資質を持った人間なのではないかということが浮かび上がってくるように思いました。

やがてランカスター言葉を素直に受け入れることができなくなってしまったフレディは、やがて、ぎりぎりまで迷いつつも、ランカスターの元を離れる。自分が決めた目標に向かってバイクで全力疾走する「目標設定ゲーム(だったかな)」の途中のことで、その後の展開を思うと、もしかすると「目標」を長年実現できなかった、かつての恋人のもとへ帰ることとしたからなのかもしれないけど、ともかく彼は「ザ・コーズ」とお別れする。

一度見た限りではそう解釈するのが正解なのかどうか分からない映画だった。でも人生というのは、何が原因でそうなったかなんて分からないことだらけなんじゃないかなと思うし、フレディの抱える寄る辺無さは、結局彼自身が抱えるしかないのだということを思ったりしました。

そして、とにかくホアキン・フェニックスが強烈でした。腰の悪そうな姿勢、キレる寸前の目、おでこの皺。自分自身を持て余している1人の人物とこの映画はすごく似ているように思う。

それからなんといっても、ジョニーグリーンウッドの音楽がすばらしかったです。前作「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の時もすごくよかったけど、今回も冒頭からぞくぞくする音楽だった。

2013-04-03

[][] 「夏への扉」/ロバート・A・ハインライン

いつか夏休みに読もう、と思って先送りにして何年も経ってしまった本。それだけに自分の頭の中に「こんな話かな」というイメージがかなり出来上がっていたのですが、いざ読み出してみると私の想像していたものとは全く違い(当たり前)、想像の何倍も面白かったです。そもそも私のイメージしてたのは夏と猫(ハヤカワ文庫版の表紙に猫が描かれているので)を中心とした物語だったのですが、猫はともかく夏はほとんど全くといっていいほど関係がなかったので、わざわざ夏休みに読もうというもくろみ自体が的外れだったし、結果冬の終わりに読んだのですけどそれで良かったのだと思います。so it goesです。

夏への扉[新訳版]

夏への扉[新訳版]

名作として名前が挙げられることの多い作品なのも納得の面白さとわかりやすさで、読むのが遅い自分にしては珍しく、あっという間に読み終えてしまいました。ハラハラしながらページをめくっているのに、あちこちに立ち止まって眺めたくなるアイデアがあって、読み終えたあと、この小説が書かれたのが1956年だという事に本当に驚きました。だってそれほとんどiPadだよねっていうような新聞の描写とかあったよ。

物語タイムリープものなのだけど、2つの異なる道具を登場させることで生まれる時間の重さと軽さの対比(として描かれてるわけではないけど)も印象深かった。主観を伴わない時間って、振り返ることはあるのかなとか、そもそも毎日朝おきて、眠る前のことを思い出す時、私はそれをどのくらい前のこととして感じているのかなとか。

それから、私はタイムリープものの昔*1の作品を読んだのはたぶんこれが初めてなのですが、タイムパラドックスについての描写がとてもシンプルにとどめられているのが新鮮でもありました。あと、自分にとってタイムパラドックスを考える基準が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」なんだなということを改めて思い知ったりもした。

ラストの年の差云々はなんかちょっと、いいんですかね? みたいな気持ちにもなりましたがこれも21世紀ならではの感覚なのかもしれません。

ともかく、とても面白かった。もっと名作って言われるような作品を読んでみたいし本読むの早くなりたいな。

[] 夏への扉

春も秋も冬も、それぞれいいところはあるのだけど、天気のよい夏の日にかなうものではない。ナルニアへの扉のように、家の中のどこかに夏への扉を見つけることができたら、いつでも好きな時に、夏を訪れることができたら、どんなにか素敵だろうと思う。

今日のように大雨にふられてしょんぼりした気持ちで帰宅しても、家に帰れば冷えたビール夏への扉が待っている。虫の音を聞きながら夏の夜を散歩して、朝になったら泳ぎにいき、冷凍庫で氷を作り、そうめんを食べ、毎日夕焼けについての感想を述べる。暑くて寝苦しいとか文句をいいつつ、いつのまにか冬へ帰ることを忘れ、

もしも冬への扉があったら、ひんやりした空気の中で、あったかい飲み物とか飲んだりするのにな、なんて考えたりするのかもしれない。

*1:少なくとも70年代以前

2013-04-01

[][] 「横道世之介

シネマハスラーの「横道世之介」回を聞いて、これは見に行かなくてはと思い行ってきました。とっても楽しかった!

物語は、世之介が上京して大学入学した1987年の1年間を軸に、世之介とかかわった人々の15年後が挿入されていく構成になっています。世之介というキャラクターのもつ雰囲気のままに、のんびりたんたんと描かれる映画なんだけど、懐かしい人の話を聞いているような、自分の思い出の中を視点を変えて辿っているような気持ちで、160分もあったのに少しも退屈するところはありませんでした。登場人物がみんなとても愛らしくて、噛み合わなかったり、噛み合わない事に笑っ足りしている様子を見ているこちらも、映画を見ている間、ほとんど笑っていた気がします。一緒にみた友だちと映画のシーンあれこれあげて笑った帰り道も含めて、とても楽しい映画だった。

1987年美術もよかったな。冒頭の新宿で、なんか見たことあるポスターだなーと思ったのは斉藤由貴のAXIAのポスターだったみたい。どこだかわからなかったWデートの待ち合わせ場所は、下北沢の駅前だったとのことなのだけど、あんなにごちゃごちゃしてたんだな。北口なのか南口なのかもわかりませんでした。

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世之介を演じた高良さんはとても綺麗な俳優さんなのに、世之介役ではまったくかっこよく見えないのもよかった。世之介役が他のひとだったら、きっとまったく別の映画になっただろうし、この人だからこの愛らしい映画になったのだと思います。好きなシーンは銭湯で快諾するところ。

吉高さん演じるヒロイン祥子も激キュートでした。素っ頓狂なお嬢様で、世之介を気に入ってぐいぐいくるんだけど、肝心なところでちょう恥ずかしがりだったりとほんとーーにひたすらかわいい。こんな人は二次元しかいないでしょうと思うようなキャラクターが吉高さんによって具現化されてしまっているのがすごいと思いました。この役も、別の役者さんがやったら全然違う映画になったような気がします。好きなシーンはたくさんあるけどハンバーガーのとこで帽子が落ちてくるのはあれ偶然なのかな。自然ですごくよかった。あとサンバ見に来てるシーンとかアレルギーの話とか落書きとか全体的にかわいい。

先日最終回を迎えたドラマ最高の離婚」がたいへん面白かったんですけど、そこではちょっと苦手…と思っていたあやのごーさんもこの映画でたいへんいいなと思いました。最初からつれないのに、家にいりびたる世之介を完全に受け入れてるスイカからのシーンがとってもよかったです。

あんなこともあったしそんなこともあったねって思い返しながら、でもそこには絶対に戻れないんだよなー、という遠い視線の挟み方と、世之介というキャラクターの、主人公でありながら内面のいまひとつ掴めない感じは、やっぱり「思い出」に似ている。

映画を見ながら思い出した人が3人いたのだけど、浮かんだ理由には苦いところがあるにせよ、久しぶりにその顔を思い出すことができてよかったなとも思いました。