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  □これまでの日記一覧

2013-07-28

[][] 「モンスターズ・ユニバーシティ」

自分の住んでいる街は誕生日月は何曜日でも1000円で映画が見れるという夢のようなサービスがあり、夏休み映画真っ盛りの7月に生まれてよかったなあとしみじみ思ったりするのですが、そのせいかここ数年、夏のディズニーピクサー映画ジブリ映画には、窓口で身分証を提出した際の「あ、おめでとうございます」の思い出がもれなくついてきています。このモンスターズ・ユニバーシティもそう。

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ピクサー映画正義と悪的なものを描く時に悪がそんなに悪に見えないのにけっこうばっさり切り捨てる傾向があって、そこが見ていててしんどい場合があるのですが、モンスターズ・ユニバーシティは基本「モンスターズ・インク」で一度描かれたキャラクターの背景の話であり、前作品でいいやつ代表のような形で出ていたキャラも必ずしも最初からいい奴っていうわけじゃない、ちょっと悪役よりだったやつにも、こういう事情があった、という奥行きをだしてくれたところがよかったなと思いました。

特に主役である2人、自分の才能にあぐらをかいている若き日のサリーと、まだ自分の才能を見つけきれていないマイクの描かれ方は、なるほどこういう経験を経てああいキャラクターになったんだなって腑に落ちるところがあってよかった。

大学生活でのある試練を経て、必ずしも成功するわけではないのに、かけがえのない相棒を手に入れる。ちょっと日見た「きっと、うまくいく」にも重なるところのある青春映画だったと思います。ただ、お話がほぼ大学内に限定されていたことでちょっと世界が狭いような気もしてしまいましたが、それはあえてなのかもしれない。

ともかく、新キャラも楽しかったし(特にアート)、場内のお子さんたちも大喜びだったしよかったなと思います。なによりサリーマイクが仲良くなってよかったよー!

[][] 「僕だけがいない街」/三部けい

いま続きを楽しみに待ってる漫画のひとつ

Twitterで友人が感想を書いているのを読んで買ったのですが、レジに持ってった段階で、話題になってた荒木飛呂彦さんの帯(「三部さん、JOJOの三部を手伝ってくれてありがとう。なつかしいね」)が目に入り、この漫画だったのかー!ってなりました。

でもどんな形ででも話題になれば大ヒットしそうな漫画だなと思いました。

漫画家を目指す主人公には、トラブルが起こる前に「状況」がループするという特殊能力(?)があって、やがてある事件を解決するためにタイプリープしてしまう…というお話なんだけど1巻も2巻も、ここしかないってタイミングで終わるんですよね。この構成力がまずすごいなーと思います。ここからどうなるのか全然からないけど、早く続きが読みたい。

シュタゲでいえば鈴羽ルートのような緊張感があるのでどうにか回避してほしい……と思いながら続きの巻を待っています

2013-07-24

[][] 「風立ちぬ

監督宮崎駿

宮崎駿監督5年ぶりの新作、かつジブリでは珍しい「大人向け」長編映画。「紅の豚」とかも大人向けって言われてたけどそれよりもずっと、はっきり大人に向けられた映画でした。

試写を見た人たちの大絶賛を見ていたのでかなり期待していたのですが、冒頭数分であっという間に予想を上回って、あとはひたすら新作作ってくれてありがとうございます…!という気持ちでした。

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天才」というのは一般的に、特別な才能のある人のことを指すと思うのだけど、この映画を見ていてその特別な才能とは、自分の中にある別の「世界」のことなのかもしれないなと思った。冒頭で描かれる幼少時代から二郎の中には飛行機世界がある。一見すると浮世離れした人のようにも見えるのだけど、彼にとっての「世界」はもしかしたら本来あちら側なのかもしれない。

映画は初めから最後まで主人公二郎の夢の中と現実を行き来する白昼夢のようで、特に説明するわけでもなく「そういうものだ」と、堀越二郎の「世界」を垣間見させてくれる。

物語の中で、二郎はある少女出会いやがて恋をするのだけど、その過程はとてもロマンチックに描かれているのにも関わらず彼はまったく、仕事彼女を天秤にかけようとはしないわけです。もちろん彼女を軽んじているわけではない。仕事と私とどっちが云々、という定型句がありますが、しか二郎場合仕事こそが彼の中にある「別の世界」であって、それと彼を切り離すことはできないんですよね。そして、天秤にかけられないのはそうやって作り上げた飛行機が何に使われるのか、ということも同様だったんじゃないかと思う。

婚約者喀血の知らせを聞いて、締切間際の仕事を抱えて電車に飛び乗る彼が定規の目盛をたぐりながら大粒の涙を落とす場面、その心中がどのようなものであるのかはわからないけれど、そうとしかあれない感じがとても切なくてよかった。

そして、そのような身勝手純真のバランスを描く嫌味のなさもすごい。わざとらしさがないというか、ほんとそういう人としか見えなくて、その嫌味のなさを描く上で庵野監督の声と、その前フリとしての少年時代の声(公式サイト名前がないので後日)が重要だったんじゃないかな。

「大人向け」という点では、恋愛シーンへの踏み込み方が印象的だけど、それだけでなく、二郎自分のチームに同期を入れようとしたりする、プライドに対する鈍感さの見せ方とかもさりげなくてよかった。あそこで気を使ってくれる上司はほんと気がきくな。

そして何より、登場する飛行機がどれも魅力的で、ああ宮崎駿は本当に飛行機が大好きなんだなーということを改めて思う映画でもありました。気持ち良かった。

まだまだ細かくみたいシーンがいろいろあったのでやってるうちにまた見に行くと思います。とっても面白かった!

2013-07-21

[][] プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

面白いとか好きとはまた違うんだけど、折に触れて思い出す映画というのがあって「ブルーバレンタイン」(id:ichinics:20110514:p1)はまさにそういう映画だった。まだ1回しか見てないけど、忘れっぽい自分にしてはめずらしく映画の流れをほぼ思い出せるし、ラストショットからエンドロールに入るあの瞬間の糸が切れたような号泣とか、帰り道のエスカレーターから見た夜景とか、帰宅してすぐさま繰り返し見た予告編とか今もよく覚えている。

そんな「ブルーバレンタイン」の主演ライアン・ゴズリングデレク・シアンフランス監督が再びタッグを組むときいて楽しみにしてたのに、なかなかタイミングがあわなかった「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」やっと見に行ってきました。

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冒頭、移動遊園地で全国を回っているバイク乗りのルークライアン・ゴズリング)が、かつてその地域出会った女性エヴァ・メンデス)と再会するまでの一連のシーンで一気に物語に引き込まれる。再会した彼女には子どもがいて、それは実はルークの子だった…というところから物語が動き出すのですが、そのことを知ったルークの行動は、純粋さと身勝手さが入り交じった絶妙なバランスの上にあって、ブルーバレンタインで同じくライアン・ゴズリングが演じた彼と印象がかぶる

単純なキャラクターではないのに、ゴズリングさんが演じると確かにこのような人物がいるような気がするし、すごく危ういんだけどすごく魅力的に見えるので、正直見ていて落ち着かなかった。なんていうか、押したらいけないボタンと一緒に部屋に閉じ込められてる気分ていうんですかね。

物語は大きく分けて3部構成のようになっていて、それぞれの部で視点になるキャラクターが異なるのだけど、ずっと中心にいるのは「ハンサムルーク」であり、時を経て輪が繋がるラストシーンは感慨深くもありつつ、しかし悲しくもあった。

そして輪が繋がるために必要だった第三部に登場する2人の「子ども」はどちらもその心情と身体が結びついている存在感があったと思います。特にエイヴリーの息子AJは見た目のくどい感じとかちょっと苦手だなと思いつつも、ラストの父親に向けたすがりつくような眼差しがたいへん切なくて、今後の彼に幸あれと思いました。

それからブルーバレンタイン」のダンスのシーンとかもそうだけど、この監督はそういうキーワードになる画を撮るのがすごくうまいなと思いました。今回もラストに出てくるあの写真で、その場のやりとりまで一気に蘇ってきてたまらなかった。

見たあとに、すごく充実した気持ちになる映画でした。よかった。

2013-07-15

[][] 「ひばりの朝」2巻(完結)/ヤマシタトモコ

ひばりの朝 2 (Feelコミックス)

ひばりの朝 2 (Feelコミックス)

「日波里」という名の中学2年生の女の子をめぐる、周囲の人々の視点から描いた連作短編集。

角度によっていい人に見えたり嫌な人に見えたり、読んでいるこちら側の「印象」の不確かさに光を当ててくれるところが、読んでいて気持ちよく感じられた1巻を経て、それでもなお物語の外側にあぐらをかいていたということに気づかされたような気持ちになる完結巻だった。

1巻で出揃ったカードが、2巻で順番に消えていく感じ。リミットがあるのを知らずに無駄遣いしている数々のチャンスに気づいたとき、でも彼らは/私は後悔するのかな。

これからも折に触れて読み返したいと思う作品でした。

印象の不確かさといえばこの2巻の美知花の回はとてもよくて、だからといって「いいやつ」に変わるわけじゃないんだけど、どこか嫌いになれないのは最後カラーページのカットにあるように彼女が常に背水の陣のような顔をしているからなのかなと思う。

そして、その印象も読む人によって異なるのだろうし、読み終わってから感想検索したら、肝心な部分の捉え方が私と真逆な感想もたくさんあったりして、だからいつか、監督解釈がはいる形での映像化を見てみたいなと思う作品でもありました。

それにしても完め…!(友だちと感想話し合ったときも第一声これだった)

1巻の感想

id:ichinics:20120906:p1

[] 雨と基地

雨が降るとたまに、子どもの頃につくった基地のことを思い出す。

幼稚園から小学校にかけては基地制作ブームで、その基地はたぶん2つめか3つめだったと思う。自分の家の庭にあったひとり乗りブランコが壊れて、その枠を利用して作った基地だった。

隣家との間にある生け垣の手前にそのブランコの枠をたてかけて(というか立てかけてあった)、それをビニールシートで覆った安普請。庭に転がっていたフタの開く踏み台のようなものを持ち込んで布をかけてテーブルにし、地面にはピクニックシートを敷いた。靴下とシート越しのひんやりとした土が気持ちいい。 ここに基地を作ったことはまだ秘密だったし、家と家の間だから誰かが通りかかる心配もない。

から持ち込んだクッションに座って本を読んだり、水筒お茶を飲んだりしてくつろいでいると、いつの間にか雨が降り出していた。屋根を見上げるとブランコの枠から錆が落ちてきそうで目を細める。ビニールシート越しの光は静かで今が何時かもわからない。5時の鐘は鳴ってないような気がするけど、そもそもここには届かないかもしれない。 頭の先からつま先まで雨音に包まれた基地の中は、世界から切り取られたバリアの中みたいだった。

このまま基地ごと流されて、気がついたらどこか知らない場所にたどり着いていたら面白いのにな。そんなことを妄想しつつ、浸水しはじめた基地からあわてて避難した。

雨の日は憂鬱しかないんだけど、傘越しの雨音に包まれているとなんだかわくわくするのは、あの基地のことを思い出すからなのかもしれない。

ちなみにその基地は翌日、濡れたビニールシートを乾かすために解体されてしまったのでした。

2013-07-08

[][] 華麗なるギャツビー

スコット・フィッツジェラルド原作の「グレート・ギャツビー」を読んだのは3回。読んだきっかけは村上春樹だったし、最も気に入っているのも村上春樹訳の「グレート・ギャツビー」です。村上春樹訳のギャツビーについては以前も感想を書いたけれど、今も印象は変わっていない。

http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20061211/p1

今回の映画化キャスティングを知ったときからとても楽しみにしていて、実際画面を見てもやはりこのキャスティングはとても心地よいと思いました。ニックに関してはもう少し腹に一物あるような人物を思い浮かべていたので、人の良さそうなトビーの表情はイメージとは異なるのだけど、しかトビーからこそあのお茶会の場面がたいへんキュートなものになったとも思うのでこれはこれで新たなニックだったと思う。

ディカプリオさんのギャツビーは、とにかくあの初登場シーンの華やかな笑顔お茶会シーンの余裕のひとかけらも無い表情、そして終盤の怒りに文字通り震えているシーンのコントラストが強烈だった。しかしこれは(原作もそうだった気はするけれど)デイジーと2人でいる場面があまり印象に残らなかったのは残念。「ロミオ+ジュリエット」のときのディカプリオさんならそっち側だった気がするので、ちょっとジャンゴ」のキャンディイメージが残ってるのかもしれない。

かわいいお茶会シーンの他には、ニックが久しぶりにデイジーに再会するカーテンの場面が印象的だった。あそこだけは、自分原作を読んで想像していたとおりだと思ったし、だからこそ私は初めて読んだ時、ニックはデイジーが好きなんだと勘違いしていたのを思い出したりしました。

女性陣の衣装もほんとかわいかったなー。

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しかし、予想外に気になってしまったのはパーティーシーンです。バズ・ラーマン監督という意味ではイメージ通りだったんだけど、やっぱりちょっと現実的というか、あんなに散らかして片付けてを毎週やるとか無理だろう…ということばっかり気になってしまいました。もうちょっと白昼夢っぽかったりしたらファンタジーとして見れたのかもしれないけど、ちゃんと片付ける人も描かれていたし、あの人手で足りるのかな?どこかに空いたグラスとか転がったままになっちゃわないかな!とか小市民的なことばかり考えてしまって落ち着かなくてね…。ギャツビーさんが使用人全員解雇した(キリッ)みたいなこと言ったとき、もうパーテォーできないねって思っちゃうくらいには本筋から頭が脱線してた。

そんな具合に楽しんで見たものの、「グレート・ギャツビー」の物語の肝心な部分(だと私が思っている)切なさや、糸が切れた凧のような終盤の展開があまり印象に残らなくて、この原作バズ・ラーマンはあわないんじゃないかなとも思いました。

2013-07-04

[][] 「攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain」

プロダクションIG制作なのは変わりないものの、メインキャストスタッフともに一新された公安9課設立前を描く攻殻機動隊シリーズ新作。脚本冲方丁、素子の声は坂本真綾、など自分好みの名前があるものの、キャラクターデザインの段階での素子の前髪が気になりすぎて(すごい短い)あんまり期待はしていませんでした。今思えば前髪でそこまで期待値が下がるというのも我ながらどうかと思うのですが、映画館に向かう段階では攻殻新作だし見ておくかーくらいの気持ちだった気がします。

でもこれが、予想以上に面白かった! スタッフ一新してもIG制作というのが肝心なのだと思いますが、「攻殻機動隊」新作であるという点が裏切られることはなかったのが嬉しかった。

とりあえず第一部となる「border:1」の公開は7月5日までとのことなので、迷ってるという方はぜひと思います。

物語公安9課設立前ということですが、まずはその「時間」をぱっと見でわからせてくれる美術がいいと思った。その場所にあることで見慣れたキャラクターが少しずつ若いということが自然と受け入れられたし、顔を見るだけで浮かぶくらいに結びついている声も全く違和感がなかった。そして個人的に最大のひっかかりであった素子の前髪も、動いてるところを見たら全くと言っていいほど気になりませんでした。S.A.Cシリーズでは大人の女性でしたが、まだ幼さが残っているということが義体からもわかるデザインになっていたと思います。

物語ミステリー色が強いですが、S.A.Cシリーズへ続く1話としても違和感のないものだったと思う。とりあえずパズがやたらかっこよかったです。

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それから、絶対タチコマ派!と思っていたのにいざみたらロジコマもたいへんかわいくてよかった。

冲方丁さんといえば自分はマルドゥックシリーズが大好きなんですが、この若い素子をバロットロジコマをウフコック、バトーかライゾーをボイルドだと思って見ると二度おいしいような気もします。

あと今回は音楽がコーネリアス担当になっているのも話題の1つだと思いますが、これも基本的には予想以上にあっていたと思います。アクションシーンなどはもっとテンポあげて盛り上げて欲しい気もしましたし、コーネリアスっぽい音だな…って気を取られてしまう場面もいくつかありましたが、OPなどの見せ方もかっこよかったし予想以上に良かったと思う。あとED曲は坂本慎太郎さんが作詞っていうのもびっくりでした。

第2部は11月公開!楽しみです!

公式HP http://www.kokaku-a.com/index.php