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  □これまでの日記一覧

2015-12-25

[] YELLOW DANCER/星野源

YELLOW DANCER (初回限定盤A)

YELLOW DANCER (初回限定盤A)

いろんな人がほめていたことや、カラオケで友だちが歌っていたのを聴いて気に入った曲が収録されていたこと、今ちょっと音楽を聴きこみたい気持ちだったことが重なって、発売されてわりとすぐにこのアルバムを買いました。

星野源のアルバムは以前友人が貸してくれたのをよく聴いていて、それもとても気に入っていたのだけど、今回のアルバムは、再生ボタンを押してすぐに、ああこれ最高のやつ!と思いその印象はアルバムの終わりまで途切れることなく、繰り返し聞きまくっている今もまだそう思う。

その最高さの理由のひとつが、聴いているとつい、歌ったり身体を動かしたりしてみたくなるということだと思う。まさにタイトルの通り。

それから、私の好きな音楽のジャンルに「映画のエンドロールにかかりそうな曲」というのがあって、個人的にエンドロールソングと読んでいるのだけど、私がこのアルバムをすごく気に入った理由のひとつに、そのエンドロールが満載であること、がある。

これは実際にエンドロールに使われている曲、という意味ではなく、あくまでも「エンドロールでかかりそうな曲」だ。

「YELLOW DANCER」を聴きながら、この曲にはこんな映画のエンドロールが似合いそうというのを考えていた。例えば「時よ」は青春映画のエンドロールで、ロボコンみたいなのに出場するシーンが流れながら終わるとか。「口づけ」は恋愛映画のエンドロールで、別れてお互いの人生を歩むエンドとか。「Friend Ship」は人情映画エンドロールで、主人公が修行にでるところで終わるとか。

歌詞がというよりは、単語とメロディーがそのような物語のスイッチを押していくようで、つまり、「それでも人生は続く」というようなイメージに溢れているアルバムだなと思ったのでした。

1枚のアルバムをこんなに繰り返し聞くのはとても久しぶりのことだ。でも、これまでに繰り返し聴いたいろんなアルバムを聴くことで思い返す風景があるように、このアルバムをいつか久しぶりに聴いたとき、どんなことを思い返すのか、楽しみでもある。

2013-06-30

[][][] 「AKB商法とは何だったのか

ニーツオルグ*1さやわかさんの本だから、というのはもちろんあるんだけど、それだけでなく、AKBを好きになってから自分の中にあったもやもやを、違う視点で見てみたいなと思って読みました。

この本はAKB商法を批判/肯定するための本ではないし、AKBに限った話でもありません。でも「AKB商法」という言葉にひっかかりを感じている人には、ぜひ読んでみて欲しい本だとも思います。面白かった。

AKB商法とは何だったのか

AKB商法とは何だったのか

この本は、音楽チャートの変遷を切り口に「CDが売れる」とはどういうことなのかということを各年代におけるアイドルの歴史とともに解説しています。

個人的な話になるけれど、私は学生時代から7年近く、都内にあるCD屋で働いていました。店内にはオリコンチャートビルボードチャートの棚を用意していたし、チャート更新されるたびにその棚を並び替える作業もしていました。

オリコンチャートの上位には宇多田ヒカルモーニング娘。がいた頃です。

当時の自分は元ネタ探しから始まって60年代後半に活躍したミュージシャン*2を漁りつつ、フジロックサマソニなどの音楽フェスにも行くようになって段々とリアルタイムのバンドへと好みが移行していた時期でもありました。

オリコンチャート上位にある音楽も、もちろん店でよくかけていたしカラオケに行けば好んで歌うこともあったのですが、当時の自分は、ヒットソングは街で聴くもの自分好きな音楽ライブ会場や自分の部屋やヘッドフォン聴くもの、と考えていた所があるように思います。CDを買う/買わないの基準はそこにあった。

からこの本の冒頭で紹介されている2012年の「異常な」音楽チャート(1位〜5位までがAKB48、そこから30位までジャニーズと48GとエクザイルMr.Childrenで占められている)を見て、まず私が感じたのは、自分が1位〜5位までのAKB48シングルCD自分も買っている、ということへの驚きというか、思えば遠くへきたもんだという感覚でした。

そして、自分CD屋に勤めていた頃や今現在も好きでいる音楽と、AKB48シングルとで、購入の動機は異なるのかどうか、と自問したときに、やはり「異なる」ということは認めなくてはいけないと思いました。どちらが正しいとか良いということじゃないんだけど、それが私のなかのもやもやの一端であることは確かでした。

その違いはどこにあるのかというと、まずこれまで聞いてきた音楽は、極端に言えば音楽を作っている人自体にはあまり興味をもたずに聞いてきたものでした。影響を受けた音楽云々というインタビュー記事は熟読しても、好きな食べ物は何かとかメンバーと仲が良いかとかそういうことは気にしていなかった。AKB48については逆で、単純にメンバーに興味があるからCDを買いはじめたのでした。もちろん曲も聴いてるけど、メンバーの名前や人となりを知ったり振り付きで歌っている姿を見たりすることがなければ興味を持たなかったとは思います。そもそもAKB48場合シングル曲MVyoutubeの公式チャンネル(https://www.youtube.com/user/AKB48)でほとんど見ることができるので、CDを買わなければ曲が聞けないということはほとんどないんですよね。

でもそういった「曲(だけ)が好きなわけではないファン」にもCDを買わせるための手段がアイドル界隈には多種多様に用意されている。例えば異なるMVの収録されたDVD握手会ミニライブなどのイベントなどのおまけをCDにつけること。

さらCDを買う動機にはファンの「応援したい」という気持ちも込められているのだと思います。AKB48シングル選抜総選挙などは(是非はともかく)そのいい例です。

この本のp65にでてくる「アニメ番組主題歌がいくらヒットしてもチャート番組でなきことのように扱われる、という被差別感がアニメファンのあいだにあって、で、2ちゃんねるで呼びかけて1位になれば放送せざるを得なくなるだろうと彼らは考えたんですね」という話がとてもわかりやすいんだけど、

もともと音楽チャートは、音楽的な優劣をつけるものではないのですが、でもその音楽チャート世間的な露出の手段として、利用することはできるものとしてある。

からいまや(特にアイドルのファンにとって)CDを買うという行為は応援する手段のひとつとして定着しつつあるんだと思います。

正直、応援する手段としての同じCD大量購入っていうのはどうにかならないかねーとは正直思ってる。でも多くのファンがそうしてしまうだけの魅力について、考えるのも結構楽しいんですよね。

というわけで、この『AKB商法とは何だったのか』は、好きになってしまってからではなかなか客観的に考えにくかった「AKB商法」という言葉について、丁寧に解きほぐすように解説されていて、読んでいてたくさんの発見もありとても楽しかったです。ラストの問いかけ、届いてほしいなと思う。

何よりぐっときたのはあとがきです。このあとがきがあるからこそ作者を信頼できると思ったし、読んでよかったなと思いました。

余談ですが、この本が出たのは、2013年選抜総選挙の少し前なんだけど*3おニャン子クラブ派生ユニットニャンギラス」についてのくだりとか、その直後の総選挙で1位をとった指原さんのことを彷彿とさせるところもあったりするのが面白い。「お互いに切磋琢磨する様子が魅力のAKBおニャン子クラブはまったく異なる」とあってそれは確かにその通りなんだけど、必ずしも王道の子けが人気を得るわけでもないというのはアイドル面白いところだと思う。みんなちがってみんないい。

関連

AKB48シングル選抜総選挙についてはこっちにも書きました

*1:大好きだった/とくに引っ越しのはなし/ああいう文章書けたらなあって今も思ってる

*2:69年発売のアルバムコレクションしてたな/もうあんまり聴いてない

*3投票券付きCDとして「さよならクロール」の名前は登場してるくらい

2013-03-24

[] Rufus Wainwright@渋谷公会堂 2013/03/19

ルーファス・ウェインライトのライブは3年ぶり。前回のTDCホールの時(id:ichinics:20101006:p1)には、席の都合上あまりよく見えなかったのだけど、渋谷公会堂はよく見えて、それでいて音もきれいで、拍手の音が会場を包む感触も親密で、いい会場だなと改めて思いました。

ルーファスの歌を聴くと、こんな風に歌えたらどんなに気持ちがいいだろうと思う。のびやかで安定した声は日向の小川みたい。しっとりとした草や土のにおい。ルーファスという人のイメージはどちらかというと都会的なのに、その音楽を聴いて思い起こされるのは、いつも懐かしい、視線の低い自然やあたたかな家のように思う。特に好きな1stから「Foolish Love」が聞けたのは嬉しかった。この曲聞くとなぜかいつもドヴォルザークの「ユーモレスク」みたいだなと思う。

以前の来日の際にも、ジェフ・バックリィの思い出から「Memphis Skyline」「Hallelujah」を続けて歌う流れがあったのだけど、もしかしたらこの曲のイメージで、川を思い出すのかもしれない。懐かしいのに遠い、でも眩しい光景。ジェフ・バックリィに対する気持ちとルーファスに対する気持ちは自分の中でとても近くて、だからルーファスがジェフに対する嫉妬、愛情、親近感について語っているのを聞くのは、とても不思議な気持ちになるし、すごく腑に落ちるところもある。

ギターを1本しか持ってきてない(?)から日本でギター買ったの、って見せてくれたギターがキティちゃん柄(私の席からは見えなかったけど合流した友人に教えてもらった)だったりとか、他のお買い物の話とか、家族の話。ルーファスのMCはとてもチャーミングで、でも歌い始めると瞬時に空気が変わる。ほんとに、一度でいいからこんな風に歌えたらなと思う。

ひとつ残念だったのは、せっかくの来日なのに空席(2階席はまるごと空いてたと思う)が目立ったこと。JCBのときも国際フォーラムの時も満員だったのに、今回の来日は知らなかった人も多かったみたいだし、ほんともったいない。また来てくれるといいな…。