過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

田んぼの土用干し

この一週間、田んぼは土用干しをしていた。土用干しというのは、梅雨が空けてカラカラの猛暑の時、川からの水を止めて干してしまうのだ。地割れを起こすくらいまで、土を乾かしてしまう。せっかく田んぼに暮らしていた水性の生物たちは干上がってしまって、かわいそうなんだけどね。

どうしてそんなことするのか。土用干することで、稲が根を張る力はたくましくなって、さらに生長する。台風に倒れないようにもなる。干した後で、田に水を入れたときに、稲が水をよく吸うようになる。穂をよく実らせる。地割れに寄って土に酸素を送り込んだり、微生物が肥料になるとか、いろいろ効用がいわれている。

けれども、実際の効果のほどは、よくわからない。なので、二つある田んぼのうち、ひとつ土用干し、もうひとつの田んぼはそのまま水を引き続けて観察することにした。いまのところ、土用干しした田んぼは、たしかに稲がたくましく育ったように感じられる。

ところで、テレビで、今年は水不足で……と、田んぼの地割した光景を映すことがある。けど、あれは水不足のためじゃなくて、土用干しの風景なんだけどな。ということなど、田んぼやっているとわかってきた。