過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

世界の少数民族や日本の歴史ある祭を訪ねては撮影

観光化されておらず、その集落だけで数百年、千年以上にもわたって継承されている祭がある。

山田武弘さん(79歳、浜松市中区)さんは、そうした世界の少数民族や日本の歴史ある祭を訪ねては撮影してきた。

これまで訪ねたのは、北インドの標高3千もあるレーやラダック、西インドの孤島、サハラ砂漠や中国奥地の少数民族の集落。

また、民俗芸能の宝庫と言われる三遠南信三河遠州南信州)の天竜川水系、全国各地の祭や神事など。

その整理の仕方がすごい。祭の起源や歴史、式次第などをまとめて冊子(100ページ余)としている。

これまで10冊以上にもになる。「長野下伊那・新野の雪まつり」「奥三河と北遠の花の舞」「秋田・チャグチャグ馬子」「宮崎・銀鏡神楽(しろみかぐら)」「秋田・大日堂舞楽」「山形・黒川能、山口・岩国行波の神舞(いわくにゆかばのかんまい)」「浜松市・西浦田楽(にしうれでんがく)」など。

こんなにきちんとまとめられているなら、広くみんなに見てもらうといいですね、と言うと、「いやぁ、自分自身のまとめ、研究として作っているだけなんだ」という。毎年、改訂しては研鑽を深めている。

祭というと、酒を飲んで大騒ぎしたり、観光化されて見世物的になっていくものも多い。けれども自分たちの集落、集団だけで、神への祈りとして、感謝として捧げる祭があるのだ。そうした祭に出会うと、心打たれるものがある。

浜松市天竜区水窪町の「西浦田楽」などは1300年余の歴史がある。奥深い山里、しかも真冬の夜に行われる仮面劇だ。月が出てから始まり夜明けまで行われる。能や狂言の起源とされる。

ただ、日本各地のこうした貴重な祭は、過疎高齢化によって継承が困難になってきているのも事実だ。

ぼくはいま「西浦田楽」の冊子作りをはじめているので、そのために山田さんをお訪ねしたのだった。写真と資料がほしいというと、「好きに使っていいよ」と気前よく貸してくださった。

また、インドの写真が3千枚くらいあるというので、来年、インドのスライドとトークイベントをやりましょう、ということになった。



熟した梅の実

ランの散歩コースは、気田川の河原。そこに大量の熟した梅が落ちていたので、拾ってきた。20キロくらいあるかな。

まずは冷凍しておく。暇な時、砂糖とともに炊飯器にいれておけば、甘露煮ができあがる。梅ジャムもかんたん。

山里には、あちこち梅の実が放置されている。わがやの敷地にもたくさん。枇杷も熟している。そろそろ杏も熟してくる頃だ。今年は、せめてこうした自然の収穫だけでも、やってみよう。