宇宙は自らを守るために、日本人という存在を消し去るかも知れません。文明の大転換を大亀ガウディの叫び

日本には、近い将来巨大な大地震が再来するのは確実です。こうした確実な情勢も全く考慮せず、日本政府も原発会社も原発を再稼働しようと試みています。青森では、高濃度の放射性廃棄物が満杯となるので、最終処分のための再利用をがむしゃらに進めようとしています。こうやって日本の沈没が始まっていくのです。

この物語は30年も前に反原発のために書かれて、アジアの多くの国々で翻訳刊行されてきました。そして語られてきました。しかし・・・時代は「沈黙の珊瑚礁」の物語のように奈落のどん底へと進んでいます。

宇宙は自らの細胞を防御するために、日本人という人間存在を消し去るのかも知れません。


<大亀ガウディの海>http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E4%BA%80%E3%82%AC%E3%82%A6%E3%83%87%E3%82%A3%E3%81%AE%E6%B5%B7-%E7%94%B0%E5%B3%B6-%E4%BC%B8%E4%BA%8C/dp/499025810X



現代の海の環境の中を生きる自然の生き物たちを、一匹の海亀の生き方を通じて、人間社会のありかたを寓話的に描いています。この絵本の着想は、1954年3月、太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験で被ばくした第五福竜丸と自然の生き物の声を代弁しようと、30年前に執筆されてインドのラマチャンドラン氏によって絵本化された物語です。20年も前から始まっている原発の温排水によって、海に垂れ流しになっている放射能汚染にも触れています。

原子力の恐ろしさと大自然の嘆きの声を表現した絵本では、世界でも極めてまれな絵本ともいえますが、日本人の作家とインド人の著名な画家(A.ラマチャンドラン)との共同作品として、東京のディンディガルベルから刊行されています。また英語版はオックスフォード大学出版から1999年に刊行されており、アジアの国々では、インド、イラン、韓国、タイ、ベトナムをはじめ17カ国で翻訳刊行されており、日本ではこの物語の語りが、平家物語の語りで知られている古屋和子さんによって日本全国で行われています。

昨年の2月には気仙沼でも行われました。日本ではまだまだ知る人のみぞ知るといった絵本ですが、福島原発の悲惨な事故などによって、この物語を耳にする参加者の多くは海亀の凄絶な運命に涙しています。

2010年2月20日宮城県気仙沼で開かれた「大亀ガウディの海」の語りの会の感想です。語りに参加された気仙沼の方々は、3.11の大津波で多くの方々が被災されています。

はじめまして。今回「大亀ガウディの海」の古屋和子さんの語りを気仙沼で催させていただきました。以前 一ノ関で 聞く機会があり 大変感動いたしまして 是非 たくさんの人に聞いていただきたいと 思い企画しました。
これまで私は青森の六ヶ所の原子力発電所に反対する運動に関わったりしてきました。 見えない放射能で人間が人間を傷つけ 死に至らせるという そして それは 本当に無責任に 無自覚に 行わされていることに そして私自身も またその中の仕組みの一部分であると知ったとき ものすごく衝撃を受けました。
放射能を最たるものとして 人間が己れの利益のために 地球を汚し その他 多くの生き物を傷つけ 殺しているということは 知識として 知ってはいました。しかし 生き物たちの悲しみや苦しみまで これまで思い至ることはありませんでした。

今回の語りを聞いて 人間の責任を痛感しました。人間が起こしていることは 人間にしか 止めることができないのだと。ガウディは自分の身を犠牲にして大切なものを守りました。奪われては いけないもの奪ってはいけない大切なものを私もガウディのように守りたいと思いました。ガウディの叫びは 生き物全ての叫びだと感じています。生き物たちの声にはならぬ声を作者が聞き取ってガウディを通して語らせ そして古屋さんがガウディの思いを語りに乗せて 私たちに伝えてくださったのだと思います。
語りの会の当日 来てくださった方々は 小学生から大人まで様々でしたが 語りを食い入るように 皆 一生懸命 聞きいってました。ガウディの思いが伝わって涙している人もいました。とでも 拙い感想で申し訳ありません。でも 本当に 素晴らしかったのです。この感動がどうか伝わりますように! (2010年2月20日気仙沼


http://www.youtube.com/watch?v=M_kTklCcHHw


この絵本は、何世代にわたって読み継がれていく絵本と内外で高い評価を受けていますが、韓国では9刷りのベストセラーとなっています。

 
今の世界が求めるもの


しかもこれまでは汚染の有様を目や感覚で把握することが可能だったのに、今日では目には見えない遺伝子操作や染色体の移し変えという新しい環境問題も浮上してきているのです。こうした状況の中から生まれた「大亀ガウディの海」の物語は、恐らく追いつめられた海の生物から頼まれたものではないかと思ったぐらいです。そして、この物語の最初の本は、リアリティと想像性を駆使したイラストを描いた田島和子による英語版をもとに、アジアの国々では、16カ国の16言語に翻訳されて出版されていきました。



<刊行と書評について>


子どもから大人まですべての人々のための環境絵本。生きるとはなにか、大自然を破壊した人間に対する自然の叫びについて熱く語る本で、21世紀の必読書として世界で絶賛されており、物語はすでに17か国で翻訳出版されている。日本では古屋和子のよって語りが全国で行われている。「ヒマラヤのふえ」などで有名なラマチャンドラン氏は現代インド美術界の巨匠であり、氏はこの作品のために新しいスタイルを用いて表現し、他に例をみない感動的で魅力的な本となっている国際共同作品。 英語版はT.M.Hoffman翻訳  韓国語版はKnag Woo-Hyon翻訳

「人間は絶え間なく文明を発達させてきたが、その結果は道理なき自然破壊だった。人間は宇宙においてごく一部であるとの認識をこのように鮮明で単純な話として描くことが出来るのは驚くべきことだ。・・・・・・・・・・・・・・」(東亜日報(韓国))
全世界13言語に翻訳された実に感動的な物語だ。大都市水族館を脱出した大海亀のガウディは、夢みていた故郷の海に帰ることに成功するが、故郷の海は環境汚染で破壊された状態。ガウディの愛する大亀ロッテイも核実験の放射能汚染で病んでいる。ロッテイの病気を治そうと生命の木を捜そうとしたとき, 人間たちはその木近くで核実験をしよう試みている。.ガウディは命をかけてそれを阻もうとする。ガウディの運命はどうなるか。環境破壊で苦しんでいる動物たちが叫ぶ “自然をそのままに私たちに返してくれ!”(韓国日報」
「日本人の書いた寓話集がこれだけ広くアジアで翻訳され出版されることは珍しい。この寓話には現代を考えさせる多数のメッセージが含まれており、自由や幸福、そして深刻な環境問題を考えさせる。(朝日新聞
     
「英語版をもとに多数の言語に翻訳されたこの物語は、CDのアニメーションでも製作されているが、内容は子どもから大人まですべての年代の人々が楽しめるもので、海亀の目を通して、人間の貪欲で深刻な自然破壊の様子を想像力豊かに描きだしている。」(オックスフォード大学出版局)



<作者について>
田島伸二
約30年にわたりアジア・太平洋地域での識字教育や基礎教育で活躍。1997年にICLC国際識字文化センターを東京に設立。創作分野の著書に、「ビックリ星の伝説」、「雲の夢想録」、「さばくのきょうりゅう」、「ゆきやま」など。各国の画家との共著多数。主要な作品はオックスフォード大学出版局より英語版が出版されている他、アジア各国の27言語で翻訳出版されている。第1回ベルリン国際文学祭(2001)などに招請を受け、作品を朗読した。第20回講談社出版文化賞受賞など。東京在住



A.ラマチャンドラン
1966年より個展を開催し始め国家絵画賞を受賞。その後「ヤヤティ」や「蓮池」シリーズを発表し、現代インド美術界に大きなセンセーションをまきおこし、今日現代インド美術の重鎮として活躍している。日本では絵本作家として知られ、「おひさまをほしがったハヌマーン」、「ヒマラヤのふえ」(福音館書店、木城えほんの郷刊)、「黄金のまち」などが刊行された。2005年、インドの大統領より最高位の文化勲章を受章。この「大亀ガウディの海」は、A・ラマチャンドランが他の作家の書いた寓話に、イラストを描いた唯一の作品である。ニューデリー在住。



Gaudi's Ocean has been translated from the Japanese. It is a story about a turtle's efforts to save Nature from the greed of human beings. Gaudi, a sea turtle, escapes from his aquarium after forty years in captivity only to discover that his once beautiful home is now a fouled ocean. Instead of happy, healthy sea creatures, he meets hundreds of sick animals who have been maimed by underwater nuclear experiments. His inspiring efforts to save them form the substance of Gaudi's Ocean.