宇宙人は存在するか

後輩が、「自分は宇宙人はいないと思う」と言ってきたので、回答。

俺はいると考えている。むしろ、いないと考えるほうが困難だ。

Wikipediaの銀河系のページによると、我々が所属する天の川銀河には、約2000億から4000億個の恒星が含まれていると考えられているという。中間を取って3000億個あるとしよう。我々の太陽系には、恒星である太陽の回りを8個の惑星が周回している。これを参考にして、計算を簡単にするために一つの恒星につき5個の惑星があると考えると、1兆5千億の惑星があることになる。宇宙人の存在確率を悲観的に一億分の一と見積もっても、有人惑星が1万5千個はあってよい。

これは、天の川銀河に限った話である。銀河系はこの宇宙に一山いくらで転がっているようなありふれた集団であり、これらはいくつも集まって銀河群や銀河団を形成、これがさらに集まって超銀河団を構成している。

この想像の埒外となる、目もくらむような多くの惑星に加え、宇宙の誕生から137億年という膨大な時間がある。

これだけのスケールにおいて、知性体を生んだ惑星が地球だけだなどと考えることはできない。最初にかなり適当なパラメータを設定していい加減な計算をしてみたが、このパラメータを変動させたところで、ここまで大きなスケールになると結果に大差は与えない。存在確率一億分の一を一京分の一にしたから何だ?恒星一つあたりの惑星の数を3個にしたから何だ?それでも相当数の有人惑星があることになる。地球上で想像できるスケール感など、宇宙には通用しないのだ。

だから、宇宙人は、いる。いないと考えるほうが不自然だ。

ただし、まだ地球には来ていないだろう、と思っている。コンタクティーやアブダクティーが語る宇宙人像はあまりに不自然だ。何光年もの彼方からやってきた宇宙人が、地球の環境破壊を警告する?そんなもん教えてもらうまでもないわ。地球人からコソコソと隠れる意味も無いし、隠れているとしても、恒星間航行を果たした文明からの使者にしてはあまりにあっさり飛行を目撃されすぎている。それに、輪を作って呪文を唱えたって宇宙人の船が降りてくるわけがない。

俺が残念に思うのは、宇宙人をオカルトの1ジャンルと考える人が多い点だ。まぁオカルトかぶれの連中は実際に多いのでそういう偏見が根付いてしまうのかもしれないが、そもそも我々地球人だって宇宙人の一種であり、我々はオカルト領域の存在じゃない。宇宙人の存在・非存在は科学の領分である。ゲテモノ扱いせずに、もっとリアルに考えていいと思う。

俺は未来に期待している。気の遠くなるような先の話になるかもしれないが、いつか地球外知性体をふれあう機会が訪れるはずだと。できれば俺がくたばる前にその片鱗でもあればなぁ、と願ってやまない。

だって、理屈はともかく、いたほうが楽しいじゃないか。