『カンピオーネ! VIII 受難の魔王たち』(丈月城)

カンピオーネ! 8 受難の魔王たち (スーパーダッシュ文庫)

カンピオーネ! 8 受難の魔王たち (スーパーダッシュ文庫)

今回は短編集。
副題通り、ゴドー以外のカンピオーネエピソードもありつつ、恒例の英雄トークもしっかり。
むしろこの英雄トークこそこのシリーズの本質……とまで言うと、好みは人それぞれ、という話になりますが。
さて、ゴドーさんがいつものように女の子引っかけてるのは置いといて。
かっちり主人公属性を出しつつ、今後に深く絡みそうなエピソードとともに参戦したアレクが、やはり今回の見所か。
ちょっぴり奔放なヒロインに振り回されるのはゴドーさん同様ですが、いわゆる「一般人」ではないこともあり、カンピオーネ——王たる意識がある(といってもいろいろ若いわけですが、それこそまさに主人公属性)ので、ある意味安心感はあり。
二人が出会ったとき、どういうやりとりになるのかは楽しみなところ。
そして、アーサー王を何と絡めて使ってくるのか、その今後の展開もまた同じく。
このシリーズの英雄トークの面白いところは、古今東西のそれを重ね合わせて定義し直すことだと思っているので。

しかし、今回一番気になってしまったのが、あとがきでふれられたあの三編だったりして、また短編集でないかなあ、と思ってしまいました。
あと、段々おかしな路線に走っていく陸鷹化ものとか。
それはさすがにないか……