ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

MANLY COFFEE.

ご近所さんでもあるコーヒーショップ「MANLY COFFEE」さんの
ロゴタイプ・シンボルマーク制作のお手伝いをさせて頂きました。
(お店はコチラ↓)
http://manlycoffee.shop-pro.jp/


今回のお仕事は「新しくロゴ制作する」というよりは
オーナーさんご自身が大切に大切に使われていた
パソコンでの自作ロゴマークを、精査・アドバイスする作業に近かったと思います。




シンボルマークは、
オーナーさんのお店に対する「思い」「目標」を
もう一度自分の中で確認してもらいながら
手書きで何十パターンも描いていただき、その中から一緒にセレクト。
微調整を重ね、データ化・ブラッシュアップを行い
世界に2つとない、オーナーさんだけのマークの完成です。




ロゴタイプに関しましては女性オーナーということで、
「可愛い小文字もアリなのでは?」という提案もしてみたのですが、
どっしりとした大文字に落ち着きました。
ヘルベチカ、カスロン、トレイジャン、ガラモン、ギルサンズ、アンデールモノ、タイムズ・ニューローマンなどなど....
海外でも活躍されるマンリーさんのロゴは、あえて極端な加工などはせず、
伝統ある大文字書体をありのまま使っていこうということにしました。
(海外のお店はいわゆる「ロゴ」っぽい加工よりも、書体の良さをそのままを活かしてあるところが多いのです)
オーナーさんの好き嫌いはもちろん、お店のイメージ・経営理念に一番近い書体はどれか?
様々な角度から見て耐久性があるものは・・・? 話し合いを重ねました。
勉強家のオーナーさんは、書体の歴史や背景を「ほうほう」と面白そうに聞いてくださり、
このような御方と少しずつ、少しずつ、一緒に作り上げていく過程が、とてもたまらない作業です。


そして最終的に人間味あるサンセリフ書体・「ギルサンズ」に決定。
1928年、エリック・ギルによって生まれた書体で、
堂々としたサンセリフですが、ローマの碑文などのプロポーションを多く取り入れており、
公共のサインからの影響もある、とても見やすい文字設計の書体です。
書体は文字間を変えるだけで様々な表情を見せてくれます。
「MANLY COFFEE」を表現するバランスはどこなのか?一番時間を費やした作業でした。





そして本日届いた刷り上がったばかりの名刺とショップカード。
オーナーさんの喜ばれた顔に、こちらも思わず頬が緩んでしまいます。


さてさて、そのオーナーさんといえば、来週、コーヒーの世界大会に出場。
海の向こうで名刺片手にご挨拶される光景がちょっぴり楽しみでもあるのです。(←ちゃっかり便乗)


帰国後、落ち着いてきましたら、
スタンプカード、簡易メニューなどのデザインを進めていこうと思っております。





ちなみにロゴの納品は、マニュアルを付けて完了となります。