やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

帯がありません

朝、メールチェックすると、「あいの結婚相談所」の担当さんからメールが届いていた。

あいの結婚相談所(3) (ビッグコミックス)

あいの結婚相談所(3) (ビッグコミックス)

『あいの結婚相談所』の紙の3巻が来月末に発売の予定で、表紙のラフができたので確認して欲しい、という内容だった。
そのメールの中に、十年以上にわたる作家人生で初めての、悲しい報告があった。
「帯を掛ける件、申請したのですが2巻の実売部数が非常に厳しく、残念ながらOKが取れませんでした」
つまり『あいの結婚相談所』の第2巻
あいの結婚相談所 2 (ビッグコミックス)

あいの結婚相談所 2 (ビッグコミックス)

が物凄く売れていない(通常なら続刊が出ないレベルらしい)ので、帯を掛けるコストを割けない、ということだ。
そこまで売れなかった状況で紙の3巻を出してもらえるなんて、自分はとても恵まれた作家だ。とポジティブに考えてみた。実際、本当にありがたいことである。
だがこの日、資料本を買うために紀伊國屋書店に行ったので、新刊コミックのコーナーを端から端まで見てみた。すると帯の巻かれていない本など一冊もなかった。自分達の単行本はかなりのレアものなのだ、と思い知り、軽く落ち込んだ。
帰宅後、同じメールを受け取った作画の加藤山羊に電話し、「帯が無かったら内容も分からないから、ただでさえ売れない自分達の本がますます売れない事態になりそうだ」と話す。作者として、売れないと分かっていて対策を取らないわけにはいかないので、出来る限り販促活動を頑張らなくては、と案を出し合った。
『あいの結婚相談所』は、作者が言うのもなんだが面白い作品だと思う。ただ、売れていないので話題にならないし、話題にならないので知ってもらえない。
どうにかして『あいの結婚相談所』という作品のことを世間に知らしめる方法はないものかと、現在知恵を絞っている。「こうすれば作品が広く認知される」という合法的な手段をご存じの方は、ぜひアドバイスください。