角の3等分線

こんにちは。こんにちは。
随分と久しぶりの更新です。
今日は「角の3等分線について」です!


角の3等分線は、定規とコンパスを普通に使うだけでは作図不可能なことが数学的に証明されています。
ですが、定規とコンパスを普通に無限回使うとかくことができます!
次の画像を見てください。



最初の4本の線のうち、中の2本が角の3等分線です。
そこから、次々と線が増えていきます。それらの線が上側の3等分線に近づいていくのが分かりますでしょうか。


かき方は簡単です。
最初の角の下側の辺を l_0, 上側の辺を l_1 とします。
まずは角の2等分線をかきます。これを l_2 とします。
次に、l_1l_2 で挟まれた角の2等分線をかきます。これを l_3 とします。
その次に、l_2l_3 で挟まれた角の2等分線をかきます。これを l_4 とします。
以下、同様です。
このようにやっていくと、角の2等分線が、どんどん、上側の3等分線に近づいていきます。
下側の3等分線についても同様のことをすればOK。


実はこの方法、中学生の頃の私が考え出したものです。
しかし、やはり中学生。この方法が正しいことの証明はできませんでした。
というわけで、大人になった今、証明してみせます!


【証明】
頂点を中心とした円弧を適当に書きます。その長さを 1 ということにします。
l_0 上から辺 l_n 上までの弧の長さを a_n で表します。
a_0=0 と定義します。また、a_1 = 1 です。
このとき、直線上の 2 点の中点の公式と同様に、a_{n+2} = \frac{a_{n+1}+a_n}{2} が成り立ちます。
よって、この数列 \{a_n\} の極限が \frac{2}{3} になることを証明できればよい、ということになりますねっ!
これは隣接3項間線形漸化式なので、解けます。
途中計算は省略します。
解いてみると、a_n = \frac{2}{3}-\frac{2}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n となります。
これは n \rightarrow \infty\frac{2}{3} に収束しますねっ。


おしまい。