虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

中国人は陰陽五行論すら忘れている!

iirei2007-06-11

 *中国人は陰陽五行論すら忘れている!

「緑化」→

  中国の小役人が
  雲南省
  禿山にペイントして
  緑化と称した  
この「緑」は緑ではない

http://obaco.seesaa.net/article/34289814.html


 今年の2月ごろ話題になったのが、中華人民共和国雲南省で、林野を担当する役人たちが、禿山に緑のペンキを塗って「緑化」したと称したというニュースです。
 中国人が発見した陰陽五行論とかそれから派生した風水というものは、そんなペンキを塗るという行為とは無縁のものです。
 やれ家の東には「青」あるいは「緑」のグッズを置けとかいう提案で一世を風靡した日本のDr.コパと同レベルの認識です。
 本来の陰陽五行論では、たとえば東、春、青、木などは同一のイメージを持ちますが、色の中にも色があり、たとえば青の中に白を見るという多面的な発想をします。さらに言えば、五行とは「ものの名ではなく」「働き、機能のこと」を意味するというのが、私が陰陽五行論を学んで得たことです。単純な見た目の色ではなく、そこに含まれた機能をこそ見るのです。ここに中国文明の華、陰陽五行論の醍醐味があるのです。
 件の役人たちは、私がここに書いた意味が理解できるどころか、植物の緑の意味さえ忘れているのでしょう。私にはこの禿山を塗ったペンキは「白い」=「死の色」と見えます。ならびに生き物に対する残虐さをも感じます。なにしろ「白い」人たちですから。「白」という色は「作物を収穫する際の刃物」「殺伐」というイメージを持ち、季節は秋、動物は白虎(びゃっこ)です。(詩人の北原白秋ペンネームはここから来ています。)ただ原初的なイメージを持つのが「白」とは言え、他の色がそのような「殺伐」たる性質を持つことも、あまり意外ではないのです。それが陰陽五行論です。

  ああ、地に堕ちたり、中国文明
四書五経のひとつ「書経」には「ダム建設の不可」が書いてあるのに長江に巨大ダムを建てたり、陰陽五行論の意味さえ分からぬとも見える。



今日のひと言:中国全土で「老子」の意味が分かるひとがどれだけいるのでしょう?陰陽五行論よりもっと難しいからねえ。ちかくにある中国茶の女店長に聞いたら、「老子は難しい」と言っていました。


老子 (中公文庫)

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