トキシン(Toxin)と名の付く化合物は毒である。
テトロドトキシン(TTX)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは今でも年数人は中毒症状を起すフグ毒です。神経のナトリウムとカリウムのバランスを乱すことで、呼吸困難などの症状を起す毒です。生魚の肝臓、卵巣などに多く含まれ、これらの部位が美味しいとの理由で「あえて」食べ、中毒を起すのですね。この毒は、海水中のバクテリアが生成したものを、フグが取り込み、生体防御機能を目的に保持するもののようです。
また、フグ毒をもつ生物は他にもかなりいて、カリフォルニアイモリ、ツムギハゼ、矢毒ガエル、ヒョウモンダコ、ボウシュウボラ(貝)、バイ(貝)、ヒトデ、スベスベマンジュウガニ、ヒラムシ、カブトガニなどに及びます。
特に、海の生き物たちの持つ毒のことを総称して「マリントキシン」(「マリン=海」)というようで、確かに海の生き物・・・魚介類・・・には、毒を持つものたちが多いようです。
(ここまでの記述は「フグはなぜ毒をもつのか:野口玉雄:NHKブックス」を参考にしました。)
そのうちで、もっとも強力なのはマイトトキシン。wikiでは
@マイトトキシン (maitotoxin) は、海産毒素の一種。タンパク質やペプチドなどの高分子を除き、構造式が判明している最大の天然有機化合物。組成式C164H256O68S2Na2、分子量は3422。海産毒素として最も毒性が強いと考えられている。他に分子量が大きく、毒性が強い毒素としてパリトキシン(分子量2681)がある。大阪大学大学院理学研究科の村田道雄らが1996年に構造を決定した。
化合物名は、物質発見の元となったサザナミハギの捕獲されたタヒチでの現地名「マイト」に由来する (maito+toxin)。
マイトトキシンは、TTXの200倍の強さであるとされます。
海を離れて、陸地においても、トキシンと名のつく化合物がいくつもあります。2つほど例をあげましょう。
アフラトキシン (aflatoxin , AFT) とは、カビ毒(マイコトキシン)の一種でB1、B2、G1、G2を始めとする10数種の関連物質の総称。熱帯から亜熱帯地域にかけて生息するアスペルギルス・フラブス (Aspergillus flavus) やアスペルギルス・パラシチクス などのカビにより生成され、紫外線の照射により強い蛍光を発する。
1960年にイギリスで七面鳥が大量死した際の分析中に発見された。その際は「ターキーX(七面鳥X病)」と呼ばれていた。人に対する急性中毒の例としては、1974年にインドで肝炎のために106名が死亡した事件やケニアでの急性中毒事件などがある。
名前は、最初に発見された生産菌のAspergillus flavus と 毒 toxin の合成語。ビスフラン環とクマリン化合物が結合した構造。
動物実験では15μg/kgのアフラトキシンB1を含む飼料で飼育されたラットが全て肝臓癌の発生を示すなど、非常に発ガン性が強いことが分かっている。調理では分解せず食品中に残る。経口摂取量の20%は尿中に排出される。大量に摂取した場合の急性症状は、黄疸、急性腹水症など。慢性症状は肝臓癌、免疫毒性。
ラットによる動物実験で、グレープフルーツ果汁の摂取によりアフラトキシンB1による肝臓の損傷が抑制されたとの報告がある。
中国産の落花生が広くアフラトキシンに汚染されていると言われますが・・・
@ボツリヌストキシン(wiki)
ボツリヌストキシン (Botulinum toxin) は分子量が15万ほどのタンパク質で、ボツリヌス菌が産生する毒素である。ボツリヌス毒素とも呼ばれる。
ボツリヌス菌食中毒の原因となり、極めて毒性が強い(致死量:ヒトに対しA型毒素を経口投与した場合、体重1kgあたりの致死量が1μgと推定されている。マウスに対する最小致死量 (MLD) は 0.0003 μg/kg。)。毒素としては、破傷風菌が産生するテタノスパスミンをも上回る毒性を持つと言われている。しかし、加熱するかアルカリで処理すると失活して毒性がなくなるため、十分加熱すれば安全である(ただし、ボツリヌス菌の芽胞は耐熱性を持つ)。ボツリヌストキシンは毒素の抗原性の違いによりA〜G型に分類されるが、サルへの経口投与によるデータではB型毒素への感受性が最も高い。
ボツリヌストキシンは神経筋接合部などでアセチルコリンの放出を妨げる働きをするが、作用は末梢性に限られ、筋弛緩・鎮痛作用などが確認されている。中毒症状としては、消化器症状(下痢・悪心・嘔吐など、ただし毒素の作用ではない)に続き、めまい・頭痛や視力低下・複視などを起こし、その後自律神経障害、四肢麻痺に至る。
今日のひと言:トキシンと名の付く毒物を列挙しましたが、トキシンと名は付かなくても、摂取すると命に関わる毒物は沢山あります。たとえばトリカブトに含まれるアコニチンなど。タバコのニコチンも、相当な毒です。
フグはなぜ毒をもつのか―海洋生物の不思議 (NHKブックス)
- 作者: 野口玉雄
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 1996/05
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
図解でよくわかる毒のきほん: 毒の科学から、猛毒生物、毒物劇物の取扱方法まで (すぐわかるすごくわかる!)
- 作者: 五十君靜信
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2015/08/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
TPPで激増する危ない食品! ―安心して「食べる」ための7カ条
- 作者: 石堂徹生
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2013/08/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (3件) を見る
今日の料理
@モロヘイヤの「かつおフレーク味付け」和え
私はモロヘイヤが好きですが、この栄養価の高い野菜にはシュウ酸が含まれるので、茹でたあと水で15分くらい晒して、味付けしますが、今回はカルシウムを沢山含み、シュウ酸をマスクできるかつおフレーク味付けで和えました。(マルハニチロの製品)なかなか美味です。
(2015.08.26)
@牛薄切り肉のロールキャベツ
弟作。牛薄切り肉とチーズ、コチュジャンを合わせ、キャベツの葉で包んで20分ほど茹でました。ただ、ゆで時間が足らず、肉もキャベツも硬かったです。発想を買います。キャベツでくるむものは何もひき肉だけではないのですね。次に作るときは、保温調理鍋で気長に煮たらいいかも。
(2015.08.27)
弟作。私が買ってきた沖縄の酸味料・シークヮーサーを美味しく食べるため、ブリを選んでみました。シークヮーサーの酸味が効果的でした。焼く前に塩麹で味付けしました。
(2015.08.28)
@鶏胸肉のソウメンまぶし焼き
弟作。ステーキ状に切った鶏胸肉に、小麦粉をまぶし、卵の液をまたまぶし、さいごに乾麺のソウメンを付けて、レンジでチン。
(2015.08.28)
今日の一句
苔(こけ)むした
桜の幹に
赤キノコ
緑と赤のコンストラストが面白かったです。
(2015.08.26)
今日の一首
小山から
霞立ちたり
白きかな
ここにもあるぞ
秋の夕暮れ
百人一首のなかでも有名な「秋の夕暮れ」の歌を意識しました。
(2015.08.26)
@@この花なあに?@@
近所で見つけたこの花の名前はなんでしょう?この植物の場合、トウダイグサ科のポインセチアと特徴が良く似ていますが、正確には解りません。解るひと、是非教えてください。なお、ポインセチアと類似の植物なら、赤い部分は葉であることになります。
(2015.08.30)