手錠

深夜、外苑公園沿いを缶コーヒーをのみながら歩いていた
公園の海獣の柵の中ほどにうずくまっている女の子がいた
黒いふわふわの胸の大きく開いたセーターと
短いスカートで裸足だった

僕は近くまでいって腰を下ろした

なにしてるんだい?って聞いたときに視線が手首にいった
手錠で公園の柵につながれていた

彼女はこういった

私が何をしているか見透かして
あなたは私の眼球の奥の泣く女の子を感じることができる人だわ

そうだね、僕はできる
君の目の奥に入る事ができる 濡らせば

雨がゆっくりやってきた

このままここにいるのかい?かぜひくよ

あなたは私を好きにできるわ おもちゃにして 妊娠させる事もできるのよ 強引にされたいの

正直めんどうになっていた
僕の名前はセックスをするということと同じ意味の名前だ
だけど
セックスはもういっぱいなんだ
手錠はおもちゃだってみたときにわかってた
僕は缶コーヒーの残りと500円あげて

キスも触れも蹴飛ばしもしないで

家に帰った

おやすみなさい