チェルフィッチュ「三月の5日間」@Super Deluxe

六本木のSuper Deluxeでやっているチェルフィッチュ「三月の5日間」の公演を見に行ってきました。このお芝居について何をどう書いたらいいのか正直ものすごく悩んでいまして、「新潮」の2005年12月の載っている岡田利規さんの「三月の5日間」の小説を読み終わって自分なりに考えをまとめてから感想を書くことにします。ただひとつ言える事は、一見掴み所のないなんともいえない空間に最初はどうしようもない違和感とと迷いを感じていたのですけど、気が付いたらお芝居の世界に引きずりこまれていたということです。あの独特な空気というのはおそらく実際に見てみないと分からないものだと思います。比較的好き嫌いがはっきり分れそうな気がしますので万人にはおススメ出来ませんけど、まだ始まったばかりですので時間と興味のある方は実際に会場まで足を運んでみた方がいいです。

公演の感想について id:ike3:20060316

沢木耕太郎「地図を燃やす−路上の視野<3>」

「路上の視野」のシリーズの最終巻。この巻では「異国」と「自身」というテーマで、主に国内外での体験談や作品の裏話・後日談について語られています。エッセイによっては雑誌に掲載されていた他の作品と内容が重複しているものがあったりして、私にとっては内容的に少し新鮮さにかける部分もありましたけど、それでも「深夜特急」の後日談のエピソードなどもあって結構楽しく読めました。1巻の感想の所でも少し触れましたけど、この作品が書かれたのは1970年後半から80年代前半にかけてなのですけど、当時と比較して作者の沢木さんの作品や対象に対するスタンスや軸線は、深化することはあってもブレることはないです。そう考えると、沢木さんの作品に対する作法やスタイルといったものは、実はこのころに確立したものであり、この作品が書かれたのもノンフィクション作家としての自分を再確認するためというのも大きな動機のひとつだったのではないだろうか、と思いました。
ISBN:4167209071:DETAIL

1巻の感想 id:ike3:20060228
2巻の感想 id:ike3:20060303