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私の時代は終わった。 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-03-21

50人と私

『男は一歩外に出ると7人の敵がいる』

らしい。

気持ち、多め。

友達だって7人もいねぇのに、多め。

たとえばFFファイナルファンタジー)とかやってて、
宿出た瞬間、敵とか7人出てきたら、結構へこむ。

もうね、できれば話し合いで解決したいし、
何なら出るとこ出てもいい。


世界を救おうという志しを持っていても、そんな感じなので、
日常の中では、もう、ほんと敵とか出会いたくない。

穏便に、をモットーにやっていきたい。


なのにだ。


こないだ、すげぇバトルに出会った。

とりあえず、7とかじゃない。


1 VS 50


敵の数が50とか、ほんと私の日常で考えらんない数値が出た。

携帯の登録人数すら超えそうな勢いの敵。

ちょっとした戦(いくさ)かな?ってくらいの敵。


その50人の敵は、馬ではなく、バスに乗ってやってきた。


「うきうきスノボバスツアー 出発23時」


友達4人で、このツアーに申し込んだ。
もちろんウッキウキで迎えたその日、23時。



痛恨の、寝坊。



ちょっと10秒寝てみよう。

って目を閉じたら、8あたりでタイムスリップしてた。


時計は23時、ちょい。


あれ?と。

23時て何だっけ?と。

23時といえば、あれじゃねぇ?

スノボの板持って、バスターミナルで友達と
「お菓子なに買ったー?」とか
「後ろのほうに座れるといいねー」とか

そういうこと、言い合ってなきゃいけない時間じゃね?


間違いなく、家にいる。
自分が信じられない。


とりあえず、スノボの板を抱えて、下ろして、もう一回抱えてみた。


バ、バッチリ・・!


何が・・?!


バッチリ、遅刻してるー!


ちょっとテンパってから、恐ろしいことを一通り考えて、
まー麦茶で喉を潤しつつ、

携帯を見てみた。


不在着信 25件


びびってねぇ・・びびってねぇ・・。


留守電を聞いてみる。


何件か入ってたその留守電は、
友達の声が
心配から怒りに、
怒りから諦めに、
変わる様子をオムニバスに伝えてくれた。


私は覚悟を決めて、友達にメールを送った。


「おす!
 川で溺れてた子供(5歳)を助けてたら、こんな時間に・・!

 で、どういう状況?」


すぐに返信が来た。


「今、50人で、出発があんた待ちの状態だよ!!!いまどこ?」


ビックリマーク多め。

50人が、名も知らぬ私のことを、じーっと待ってる様子を想像をして、胃がキューってなった。


「よくわかんないけど、ここは多分・・、
 多分ていうか、確信に近いんだけど、
 ・・・・家かな?」


少しでも和ませようと打ったメールに、
ちょっと間をおいて返信。


「いま、猛烈に、友達やめたい。」


気持ちは察する。

私だって、やめれるもんなら、こんな自分にグッバイしたい。


私は項垂れながら、スノボを諦めつつあった。


その時、携帯に電話がかかってきた。


バスの運転士からだった。


「す、すいません、すいません、今むかってるんですけど・・」


全然、むかえてないけど、緊張して、つい口走ると、
その運転士は思わぬ提案をした。


「今、どこ?そっちに行くから」

そっちってこっち?

「中野・・です」


「じゃあ、そこで待ってて」


電話が切れた。


えっと、来てくれるらしい。

50人の大型バスが、家までお迎え。

すげー。

赤の他人が、
ほんとだったら、今頃ゲレンデに向かって出発してた50人が、
今から、地元 中野まで、来てくれるのかー。

すげー。

すげー。



すげー・・・イヤ・・・・。


嫌ぁ・・・怖い怖い怖い・・。


友達からも絶縁宣言を受けたっきり、めっきりメールこねぇし・・

6:4でばっくれたいけど、50人で中野に向かわれてる今となっては、
逃げも隠れもできない。


私はとりあえず板を抱えて、外に出た。


運転士から電話が来た。


「もうすぐ着くので、通りにいてください。ひろいます。」


心拍数が異常。

心臓がエロって口から出・そ・う。

とりあえず、50人にお菓子でも配ろうと、コンビニで手土産を2袋くらい買い込んでみた。

そこで電話。


「着きました。このあたりなはずなんだけど、どこにいますか?」

「あ、今、コンビニで・・」

「コンビニ?あんたねぇ、あんたのために皆さんが迷惑してる時なんですよ!」

「す、すいません、すぐ出ます!」


このあたりで、運転士と私の間にも暗雲が立ちこめてくる。


通りに慌てて出るも、バス一つ通っていない。


私たちはお互い、勘違いしていて、ひとつずれた通りにいた。


「ここなはずなんだけどなー!おたく動いてません?!」

「動いてませんよ!なら、少し探してみますよ!」

「めんどくさいから、動くなって言ってんだろ!」

「だから動いてません!」

「おかしいなー!ここなはずなんだけどなー!」


焦りから、徐々にケンカ越し。


その荒げてる声のバックに50人がいると思うと、こえー。


らちの明かない私に運転手が電話の後ろで何か言ってる。


「絶対、ここらへんにいるはずなんだけどなぁ。
 ちょっと、あんたたち、窓から彼女の名前叫んでみてくれる?」


だーかーらー、
バスの一つどころか、車一つ通ってねぇっつーの。

どこの窓から、人の名前、叫んじゃう気だっつーの。



冗談かと思ってた。

まさか、ほんとに叫ばせてると思わなかった。


携帯の奥から

友達の抜け殻になったような


「せーの・・・ハイネーーーー!」


って声を聞くまでは。


運転手「もう一回叫んで!」

友達 「せーの・・ハイネーーー!」


もーやめたげてー!

全然聞こえてこないしー!

どこの窓で叫んじゃってんのー!


結局30分の右往左往を経て、
通りに一台の大型バスが現れた時、

まるでドラマのエンディングかのように、感激しました。

50人、ひとりひとりとハイタッチして抱き合いたいくらいの気持ちで乗り込みました。



50人一様に、死んだ魚の目をしていました。


無言でした。


友達すら、目を逸らしてました。


私ひとり 浮き浮きスノボバスツアー。

5時間浮きっぱなし。


ケアルガを100回くらい唱えましたが、
関係は修復されませんでした。


(修復済み)