波動説

 有名人の人気は、経済の波に似ている、と常々思っている。
 バラエティーでもてはやされて、週刊誌やワイドショーでも美談ばかりが取り上げられる。ゴールデンのCMはどのチャンネルもその人ばかり。 本来その人が持つ価値を遠く逸脱して尊がられ、一挙手一投足をメディアが報道する。なにを喰った、なにを着た、なにが好き、なにが嫌い・・・・。
 全然関係のない催しに呼ばれだすのも特徴。ベストジーニスト賞とか。
 もうこれは完全な「バブル」だ。


 しかしバブルはいつか終わる。スポーツマンだと成績が振るわなくなったり、大会で負けたりがきっかけになることが多い。
 芸能人だと、離婚や親類縁者、本人の犯罪や事故とか。
 そうなると「暴落」だ。 逆に「これ以上の悪人はいない」ぐらいの勢いで、醜聞が連発し人格攻撃が始まる。

 一回きりのブームとバーストで終わる人物は面白くないが、何度も波があり、特に落差が激しい人物は、本当に経済の波動のようで面白い。

 松田聖子なんか特徴的だ。 悪い時は、整形や交際関係、仕事に対する姿勢や普段の性格の悪さ、娘との関係など、これでもかというぐらいネタにされる。 バブル時は、「年取ってもカワイイ!」とか「恋を忘れなくて素敵」とか、なんだか理想の自立女性のような取り扱いだ。

 亀田一家とかも、これに当たる。今は結構不況期だな。

 これらの原因は、ひとえにメディアの自作自演が原因(スターに祭り上げて視聴率上げる→良い頃合でスキャンダルを報道、ここでも視聴率かせぐ)なのだが、「あー、そろそろ弾けるかなー」などと冷静にウォッチしていると、けっこう興味深い。

 テレビを見ながら、「『芸能人株』なんてあったら、ぜったいここで空売りするのになー」とかいつも思う。