2009-06-20
『けいおん!』における反復の美学――学園祭ライブにおける唯のパンツ表現に関して
第12話「軽音!」をもって、一応の最終回を迎えた京都アニメーション制作による2009年春期の大人気アニメ『けいおん!』。
今回はその『けいおん!』第12話において現れていた「反復」という主題に関して確認していこうと思います。
『けいおん!』第12話は、ひたすら何かを反復します。
とりあえず、ここでは「反復」が「差異」を描き出している点については言及しません。ただ、反復に関してのみ、説明することが憚られるほど明らかなシーンから語らせていただけるならば、まずは例えば、家に忘れてきたギー太を取りに唯が駆けまわる場面。
部屋に戻り、ギー太を担いでは再び学校へ急ぐ唯は、第1話冒頭を反復しては、リビングで足を滑らせ、
・第12話
・第1話
いきおいよく玄関を飛び出したかと思うと、
第1話と同じ道を同じように走り抜ける。
途中、第1話の寄り道シーンが文字通り反復して挿入されもすれば、
その疾走は踏切によって再び阻まれもするでしょう。
ここに、第1話におけるカスタネットの音楽が、同じく幼稚園時代の回想シーンにおいて反復されていたことを付け加えてもいいのですが、
当然、そうした反復は、何も第1話からのものに限るわけではありません。
この第12話とは学園祭でのライブ回であるわけですから、それはもちろん、第6話における学園祭ライブの反復でもあるわけですし、
よもや、そこで演奏される曲が「ふわふわ時間」である点までもが、律儀に反復されていた。
このように反復され続ける「反復」という主題に襲われていたわれわれですが、何たることか、ようやくその「ふわふわ時間」の反復が終わったかと思いきや、次の瞬間には、作中において唯による実際の音声としてまで、
「もういっかーい!」という「反復」の雄叫びがあげられ、再び「ふわふわ時間」が反復されたわけですから、この第12話における反復の徹底ぶりには唖然とさせられもします。
そもそも、『けいおん!』という作品自体が、過去の京都アニメーション作品の反復、つまり、一つには、「4人の女の子」をメインとした学園日常モノという意味でこれは『らき☆すた』の反復でもあるわけですし、あるいは同じく、学園祭における体育館でのステージパフォーマンスをラストに持ってくる構成も再び『らき☆すた』の反復であり、
そしてもちろん、「学園祭でのバンド演奏」という主題系も『涼宮ハルヒの憂鬱』時系列第12話「ライブアライブ」の反復であったはずです。
その意味でも、何を血迷ったのか、舞台用コスプレ衣装選別の際に、澪がバニーガール姿にだけは興味を示したことも、
まるでハルヒがバニーガール姿でライブを敢行したことと通底しているようにすら見えたわけですが、さて、そんな徹底して反復が演じられた『けいおん!』第12話ライブ回において、まさか『けいおん!』第6話ライブにおける最重要シーンが反復されないわけがありませんよね。
そう、舞台上でのパンチラです。
第6話では、澪による舞台上でのパンチラが描かれたことは記憶に新しいですが、
もちろん、今回の第12話においても、第6話における澪同様、観衆の前で四つん這いになっては、大胆にもその尻を突き出しまでするという痴態を反復していたキャラが存在していましたよね。
そう、「唯」です。
そして、このシーンにおいては、まるで前回のライブシーンにおけるパンチラの反復を期待して群がっているかのような満員の客席からは、どう考えても、唯のおパンツが覗き見されているとしか思えない。
そもそも、ここまで執拗に過去の反復を描き続けてきた『けいおん!』第12話のことですから、ここでも第6話の澪に倣って、唯のおパンツの開陳までが成されたのだと考えたほうが自然でしょうし、とするならば、ここで最も問われなければならないのは、「いったい唯はどのようなおパンツをはいていたのか」という命題であるはずでしょう。
そしてもちろん、その回答が既に作中において暗示されていたことに気付かれている方も少なくないのではないでしょうか。
どういうことか。
まず簡単な確認をしておけば、わざわざここで、改めて第6話における澪のパンツ表現に関して復習するまでもなく、
■『けいおん!』第6話における澪のパンツ表現に関する所感――「パンツ表現論4」への助走として
つまり、一見すると『あずまんが大王』や『ひだまりスケッチ×365』の焼き直しにしか見えないこの『けいおん!』第6話における澪のパンツ表現においては、実はパンツを如何に魅せるかという工夫を凝らすのではなく、どうせパンツを描写することなど出来ないならばと、第1話から周到に、パンツを連想させるイメージと、そしてそのイメージたちと澪との関連性を殊更強調することによって、まるで安易な驚きとは対極にある予定調和が織りなす美を形作っているかのように見えてしまうというわけです。
その他、演奏後に澪がステージ上で転ぶことを事前に予告するかのように、演奏前にはぼくの唯がステージ上で転びそうになっているシーンを挿入するほど、イメージの繰り返しと関連性を強調する『けいおん!』にあっては、当然、例の(まるでパンツのような)「縞々」のアップが、実は「ご飯」の茶碗であったことが明らかになるという、まるで澪のパンツを性的に期待していた視聴者に対して、この縞々を「おかず」に食べてみろと言わんばかりの挑発的なカットにおいても、
もちろん、これはただの主食繋がりによって「パン(ツ)がなければご飯を食べればいいじゃない」というしょうもないユーモアを入れたかっただけではなく、文化祭のお化け屋敷入口において律とぼくの唯によって連呼されていた「ごっつあんです」と掛け声=音声が、「ご飯です」という映像の伏線として機能していたのだということも見逃せ(聞き逃せ)ません。
そもそも、そうでなければ、縞々茶碗に盛られたご飯が、まるで関取用であるかのような大盛りとして描写されている理由がわからないですからね。
『けいおん!』においては、「茶碗」や「ご飯」が性的な隠喩として機能していることをわれわれは既に知っていたわけですから、
■結局『けいおん!』では誰が最強の萌えキャラなのか――『けいおん!』と『CLANNAD』と『らき☆すた』をめぐって
>あのときの澪様のパンツは熱気でしっとりホカホカになっていたということで あ え て 湯 気 の 立 ち ご 飯 を 出してきたのかと納得してしまいます。
なるほど、あのホカホカ感は、確かに衆目に晒されることによって澪が絶頂を迎えたことの隠喩になっていましたね。
もはやわれわれには、
「 茶 碗 」 の中の 「 お こ め 」 がホカホカとは、
「 縞 々 」 の中の 「 お め こ 」 がホカホカ
を意味しているとしか思えない。
この第12話においては、その冒頭からして、ただならぬ性的な気配を感じ取らざるを得ないカットを目撃しましたよね。
このピンクの水玉茶碗に盛られたホカホカご飯。
つまり、このお茶碗のデザインが示す「ピンクの水玉模様」こそが、唯のはいていたおパンツの柄であったというわけです。
……いえ、何もこれだけを根拠に、こんないかがわしい放言をしようとしているわけではありません。ご安心ください、この第12話の作中においては、他にも、唯とピンクの水玉の関連性を示すための様々な演出が溢れています。
例えば、澪のパンツ表現が、「サブタイトル画面の背景・アイキャッチ・提供バック」と関連していることは以前の記事で既に述べましたが、それがこの第12話では、
このように「ピンクの水玉模様」になっていた。そして、この第12話は、珍しく唯が中心として描かれたこの回でもあったわけですから、ならば、ここでこのピンクの水玉模様が選択されたことには、唯に関連した何らかの必然性があったと考えて然るべきでしょう。つまり、そのピンクの水玉模様は、唯のパンツ表現の一環として現れてきているのだと。
もちろん他にも、このピンクの水玉模様とは、OP時に描かれている澪の背景ともなっているわけですから、
その点でも、この第12話において澪のパンチラを意識させる選択だったわけですが、またあるいは、冒頭の茶碗やご飯が描かれた卑猥な淫夢から覚めた直後に映された唯の部屋……そこで殊更強い存在感をはなっていた「ゴミ箱」までもが、「ピンクの水玉模様」で描かれていた点はよもや見逃した方はおられますまい。
というのも、ここでは熱にうなされる唯の紅潮した顔が描かれるわけですが、
そこで、「この唯の粘液を包み込んだティッシュは、いったいいくら積めば手に入れることが出来るのだろうか」と考えるわれわれは、必ずやそのティッシュの行方を注視することになるわけですから、おのずと、丸まったティッシュという性的意匠が山積みにされた「ピンクの水玉模様が描かれたゴミ箱」へと視線が誘導されてしまっていた。
あるいはここらで決定的な証拠を挙げるならば、さわちゃん先生が用意した膨大なステージ衣装……その中から、唯が「これかわいいよー」と絶賛して選び出したコスプレのデザインが、「ピンクの水玉模様」であった。
それはつまり、ここでは、唯がピンクの水玉を好んで着用する女の子であること示されてたということなわけですから、ならばその唯のファッションセンスは、下着選びの際にも発揮されるはずだと言わざるを得ないでしょう。
・追記
服装と言えば、以下のワイプ調のイメージカットにおいてまでも、唯の衣装は「ピンクの水玉模様」となっていましたね。
さて、いかがだったでしょう。
むろん他にも、当のライブシーンにおいても、演奏中のメンバーは、その尻を客席に突き出しては振り続けるというセックスアピールを行ってまで、性的なものの気配を匂わせていたわけですから、
もはやここでは、パンツが黙説法的に語られていたと考えないほうがむしろ不自然としか思えません。
つまり、まるで互いに競うように、キャラクターソングが同日発売された唯と澪ですが、二人はその作中においても、学園祭のライブという同じイベントで、今度はパンチラで対決していたというわけです。
それにしても、このように第12話における唯のパンツ表現が明らかになった今、改めて冒頭のシーンを思い返してみると、
もはや、ただ「茶碗」と「オメコお米」を描写するだけでは飽き足らず、そのご飯に、なんと視覚的に黄色いシミのようなものまで付着させ、また嗅覚的にも発酵ブツの独特の匂いを漂わせてまでいるわけですから、ここではいくら淫夢の中といえ、いささかやり過ぎなくらい大胆な性表現が成されていたのだということがよくわかりますね。
本日はこの辺りで、もう時間切れです。
ありがとうございました。
※余談ですが、どうしても気になった点として、当ブログで繰り返し言及してきた『けいおん!』=『鶏音!』におけるニワトリ表現に関して、唯の部屋に鎮座するニワトリ=インコちゃんが、
今回、何たることか、澪と唯のパンツの色違いを反復するかのように、その体を変色してしまっていたという事件に関してだけは、この場を借りて問題提起させていただきたく思います。
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