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2009-11-21

妻が語る「荒木飛呂彦」と『ジョジョ』――『荒木麻美のジョジョと奇妙な生活』レポ

今日は、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの作者・荒木飛呂彦先生の奥様・荒木麻美さん(チャミ様)によるトークライブ――『荒木麻美のジョジョと奇妙な生活』@駒場祭に行ってきたのですが、荒木先生や『ジョジョ』シリーズに関する面白い話が色々聞けたので、その(流石に↓の記事みたいなテンションでは書けないので普通の)レポを書いてみようと思います。


http://getnews.jp/archives/37225


f:id:ill_critique:20091025115158j:image



今まで食べてきたパンの枚数がわからないようにッ! いままで漫画『ジョジョの奇妙な冒険』から受けた衝撃の回数もわからないッ! そんな『ジョジョ』が好きで好きでたまらないジョジョラーだったとしても、まさかこんな日がやってくるとは思わなかったハズ!


ディ・モールト(すっごく)喜べッ! なんと『ジョジョ』の生みの親・荒木飛呂彦先生の奥さま、荒木麻美さんが東京大学講演会を開催することになったのだァーーッ! ブラボー! おぉ……ブラボー! えっ? 信じられないって? ノックしてもしもぉ〜し! これは本当だ! 本当に奥さまの荒木麻美さんが登場するのだッ! 安っぽい感情で動いてるんじゃあないッ! ジョジョラーだったらこの講演会に行かなくてはならないッ!


講演会の詳細>

題名: ジョジョと奇妙な生活

講師: 荒木麻美さん(荒木飛呂彦先生の奥さま)

日にち: 11月21日(土曜日)

時刻: 13:30〜15:30 (13:00開場)

会場: 東京大学駒場キャンパス 7号館761教室

入場料: 無料

備考: 整理券300枚を10:00から761教室前にて配布予定

主催: 東京大学ジョジョ研究会

ポスター画像提供: 寺井広樹さん(地上28センチの日々


かなりの人たちが殺到する可能性大ッ! よって、どうしても奥さまをディオの部下の吸血鬼のように崇めたいというのなら、10:00から配られる整理券をゲットせよ! 整理券こそ自分自身のディスク! 誰にも奪われることなくゲットするのだ! 定員になりしだいアリーヴェデルチ(さよなら)決定ッ!


早い時間に行けば行くほど入手の可能性が高まるかもしれない。時が加速することも考えられるゆえ、「朝早く家を出たはずなのに間に合わないッ!」なんてこともありえる。かなり余裕を持って会場に向かおう。「この朝、何度も経験しているッ!」という人は気のせいなので気にしないこと。


「二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めたとさ。一人は荒木麻美を見た。一人は道路を見た」なんていう詩もあるが、キミはどっちになるだろうか? 見れなかったとしても「おれは人間をやめるぞ!ジョジョーーーーッ!」というのはナシの方向で。


ちなみに講演会は映画館じゃあないんだから飲食は禁止だぞ。チェリーが大好きでも舌に乗せてレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロはナシだ。ん? 3個か!? 甘いの3個ほしいのか!? イヤしんぼめ!! 外でなら食ってよしッ! グラッツェ! グラッツェ!


座席数300の教室に450人以上が押し込まれたこの荒木麻美さん(以下、チャミ様)の講演会は、「『ジョジョ』は一回読んだことがあるかどうかくらいだそうです」という奇妙な紹介とともに登場したチャミ様への、「なぜこんな講演を引き受けてくださったんですか?」というこれまた奇妙な質問から開始されます。


確かに、漫画家自身ではなく、その妻が講演を行うという事態は、場合によってはいささか奇妙にも映りかねませんが、しかし、イベント告知の際の「※荒木飛呂彦先生は100%会場に来られません。」という注意書きを目にしていたわれわれは、これは逆に、漫画家自身の口からはもちろんのこと、ご本人を目の前には絶対に語れないようなエピソードが明かされてしまうのだろうという奇妙な期待を胸に待ち構えることになります。


何も、荒木飛呂彦先生(※公称50歳)に関する、「夜な夜な少女の生き血を云々」だとか、「実年齢はゆうに500歳を超えており、『モナ・リザ』のモデルは飛呂彦である云々」……

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といった超常レベルの暴露話までは流石に期待していなかったとはいえ(ただし途中、「ご夫婦そろって年齢よりずっとお若く見えますが、波紋の呼吸を習得していらっしゃるのでしょうか?」という質問が出ましたが、これに対しチャミ様は「波紋っていうのが何かわからない」という回答をされていらっしゃり、このことから、チャミ様が訓練によってではなく、生まれながらにして自然と波紋を操る選ばれし血族の者であることが明らかになりました)、もう少し下世話な話としては、ご結婚されて20年(※公称)になるお二人の出会いや、あわや初デートの秘話までもが開陳されはじめます。


当時、チャミ様のほうから先に、荒木先生に対して好意を寄せはじめたそうなのですが、はじめてのデートに誘う際に、


チャミ様「休日は何してるんですか?」


と尋ねたところ、


荒木先生「休日にはジムのプールで泳いでいます。ですから、あなたも水着をもってジムに来てください


との回答があり、あまりの衝撃発言にむしろ好奇心を刺激されジムに行ってみたところ、


荒木先生私は25mを何本かするので、その間あなたもプールで遊んでいてください


と語ったかと思うと、にわかに一人泳ぎ始めたというエピソードなど、もはや荒木先生の異常さよりも、それでもなお、出会って三か月で結婚に踏み切ったチャミ様の判断力にこそ恐怖を覚えることになるでしょうが、なにはともあれ、当時既に30歳前後(※公称)であった荒木先生との結婚生活は、確かに「まるで中学一年生と一緒に暮らしてるようでした」と形容されて然るべきもののようには見えます(もちろん、30歳の男性を中学一年生と評することの裏には、老化のスピードが人間族の三分の一程度の生物であることが意図されているのだ、と読むこともできるでしょう)。


そうはいっても、たとえ秘密にしてくれとは言われていなくとも、いくらなんでも、ここでチャミ様が語った「飛呂彦は本当に子供っぽい人(?)で、30歳(※公称)を過ぎてもよく喜々としてピンポンダッシュをやっていた」等の暴露話は、荒木先生の名誉のためにも伏せておくことにしますが、あるいは、『ジョジョ』シリーズといえば独特の擬音表現が有名ですが、擬音執筆時の荒木先生の筆先は、目の前の原稿を大きくはみ出してもなお踊り続け、時にはそのまま、文語化できない奇声をあげながら、目の前の何もない空間に対してまで擬音を書き殴りはじめるという程度のエピソードならば紹介しても差しさわりないでしょうか。


しかし、言われてみれば確かに、ぼく自身も以前、フランスのバンド・デシネ作家・メビウスが来日した際の、メビウスご本人を交えてのシンポジウムの席で、生の荒木先生を見たことがありますが、その時の如何にも人見知りが激しそうな言動の挙動不審ぶりからは、思わず「荒木先生レベルの高等生物にもなると、下等な人間界にうまく馴染めないのだろうか……」、「まだ日が出てる時間なので体が自由に動かないのだろうか……」などと心配にもなったことがありましたが、ここでチャミ様の話を聞くたびに、そこで語られるイメージとぼくがかつて見た像とが、奇妙な一致を見せ始めます。



他にも、チャミ様のお高説はまだまだ続き、例えば、ジョジョの作中キャラに関してでは、第四部の山岸由花子がチャミ様の影響で作られたという噂は以前から語られていましたが、今回はさらに、


・第五部のリゾットの縞々パンツ(≠縞パン)はチャミ様が着ていた部屋着がモデル


・さらに第七部の悪の親玉・大統領」はチャミ様がモデル


といった裏設定まで明らかにされたり、他にも企画としてはプレゼントコーナーの他にも、


・『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』で知られる「森田まさのり」先生からのヴィデオレターの上映


・さらに「荒木飛呂彦のお料理教室」と題された、15分程度はあったでしょうか、荒木先生が解説のようなものをぶつぶつと唱えながらひたすら「黒酢豚(イタリアン風)」と「帆立と海老のリングイネ」を作る様を撮った貴重な人外資料映像の上映


大阪からいらっしゃった「ジョジョ立ち」界のカリスマ・「鬼教官」さんと「カジポン」さんによる、チャミ様へのジョジョ立ち指導


等々、ぼくの見る限りでは、途中生贄等による死傷者も出すことなく、中学生からお年をめした方まで、遠くは青森から、はたまた「南海キャンディーズ」のしずちゃん本人までそろった(石仮面装着)、笑いと恐怖の詰まった濃密な1時間30分が展開されました。



10時の時点で500人は並んでいたという、会場を埋め尽くしたこの幅広い客層は、ひとえに、「漫画家になってなかったら何になってた?」という質問に、


「メークアップアーティスト……マネキン


と応えたという荒木先生の不気味な魅力の賜物でしょうが、もちろん、


チャミ様「マンガ描いてて楽しいでしょ」


と聞くと、笑顔で、


荒木先生「うん、楽しい」


という荒木先生のこの応えは、これからもわれわれを魅了し続けてくれることを十分に確信させてくれます。








■補記(23日夕方)

※2009年にルーブル美術館で開かれた「小さなデッサン展―漫画の世界でルーブルを」(原題:Le Louvre invite la bande dessinee)という、「ルーブル美術館をテーマにした作品」を自由に制作してもらうという企画展で、原題に含まれる「バンド・デシネ」という単語を颯爽と無視するかのごとく、日本人としてじめて漫画家荒木飛呂彦先生が選ばれ、作品を展示されたことはご存じの方も多いと思いますが、そこで発表されたフルカラーで121ページにも及ぶ、岸辺露伴 ルーブルへ行く』は、来年フランスで発売、またウルトラジャンプ誌上にモノクロで分載されたのち、日本でもフルカラーで書籍化販売される予定とのことでした。楽しみすぎます。


※また、書き忘れていましたが、第七部の「圧迫祭り」も、チャミ様が荒木先生を強襲した際の攻撃方法、および掛け声(「圧迫祭りだ、圧迫祭りだ」)をモデルに描かれているそうです。


※また、最後にプレゼントコーナーで配られたアイテムの一部を紹介します。もちろん資料的価値を目指したもので、よもやアフィリエイト目的ではありませんが、ただクリックしてここから購入してみると「グラッツェ!」と囁くやもしれません。

超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 8.モハメド・アヴドゥル

超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 8.モハメド・アヴドゥル

超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 6.花京院典明

超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 6.花京院典明

鷹揚鷹揚 2009/11/22 00:37 奥様wwwwww 
偉大な当の本人じゃなくその近親者を招くっていうの、応用がききそうですね。今後もいろんな人に関してやったら面白そう。

ill_critiqueill_critique 2009/11/22 10:46 ■鷹揚さん
コメントありがとうございます。

近親者による談話というのは、聞いているこちら側としては面白いのですが、ただ結局内容的にはゴシップ色が強いですからねぇ。アーティストの側としてはなかなかにきつい仕打ちとなるのかもしれません。もちろん、それでもなお奥さまの御出演を許可なさった荒木先生の人間賛歌に対しては、グラッツェ!としかいいようがありません。

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