7月参院選の1票の格差は違憲状態との判決に思うこと

1票の格差だけで違憲かどうかと延々と論じているが、知恵が無さ過ぎるのではないか。民主主義実現のため1票の格差を極力無くすのは確かに重要なことだが、視点をもっと広げるべきだろう。
米国では上院議員と下院議員と大統領の選び方が、全部異なる。下院は我が国の選挙法と同じで、人口比例で選ぶ。上院は州毎に2名の議員を選ぶ。大統領選は少々複雑で、各州に人口に比例した数の選挙人を置き、州毎に支持候補を決め、その候補者がその州の選挙人を総て獲得する。そして獲得した選挙人が多い候補者が選ばれる。
この制度の意味する所は、下院は有権者の発言力が均等、上院は各州の発言力が同じ、大統領選は各州の発言力は州の人口に比例することになる。つまり大きい州の意向が強く小さい州のそれは弱い。
参院選1票の格差を無くそうとしても、現在の議員数と選挙区の数の下で実現するのは困難で、実現のためには議員数を増やすか選挙区の数を減らすことが必要であろう。それよりも米国のように衆参両院の議員の選び方を変えてはどうだろうか。衆議院は議員数を各選挙区の人口比例とし、参議院は各都道府県ごとに2名の議員を選ぶようにしてはどうか。つまり、衆議院有権者の発言力を均一とし、参議院は各都道府県の発言力を同一とするのである。
このような考え方に切り換えることも検討して見てはどうだろうか。