一昨年末の慰安婦合意は絶妙の一手だった

一昨年の末に政府は韓国との間で慰安婦問題について合意を纏め、これは不可逆的合意であると宣言した。そして昨年、合意に基づいて10億円を韓国に支払った。実を言うとこの支払は早過ぎると思った。韓国が慰安婦像を撤去したのを確認してから支払うべきではなかったかと、その時は考えていた。だが今は、実はこれが素晴らしい一手であったことに気が付いた。
一昨年末の慰安婦合意は、何を今更繰り返すのかと言う印象が強かったのだが、この合意は世界各国で認められ、それまでは本当のことを知らない国々は日本が悪いと言う印象を持っていたのが、これで解決のための合意が出来たと歓迎され、更に10億円の支払い完了で日本側は合意内容を誠実に履行していると印象付けたらしい。一方韓国はソウルの慰安婦像を撤去する所か、釜山に新たな像を設置し、政府は民間のしたことと逃げ回り、国際条約を守らない国、二国間の合意を破る国との印象を持たれてしまい、日韓の印象が完全に逆転したようだ。
ここまで持って来た安倍政権のお手並みは見事と言うべきで、それを10億円でやってのけたのだから、凄いコストパフォーマンスと思う。更に、日本企業の撤退、融資の回収、多額の借款の回収、そして、竹島の返還まで行く付けば万々歳なのだが、そこまで一気に行き着くのは無理だろうな。