日本卓球の新時代の始まり

卓球男子シングルは14歳の張本が優勝し、女子は17歳の伊藤美誠が三冠を達成した。水谷隼石川佳純らは前陣速攻タイプであるのに対し、張本も伊藤も台上攻撃タイプで、プレイのタイミングが滅茶苦茶早い。このタイミングの速さに水谷も石川も対抗出来なかったのが敗因で、卓球の時代が変わった。水谷がもう何回やっても勝てないだろうと言ったのは、この卓球の質の違いを痛感したことから出た率直な感想だろう。同じタイプの相手なら、来年は雪辱すると言うだろうが、昨日の彼の言葉は、両者の卓球の質の違いは、自分のプレイを根本から作り直さない限り克服できるものではないことを知るからこそ出たものと思う。女子は伊藤のほか更に平野美宇早田ひなと17歳が犇めき、多士済々である。
かって荻村らの時代は中陣・後陣で強打を打ち合う、或は強打をカットで返すと言う試合だったのが、台に付いたまま打ち合う前陣速攻タイプで中国が世界を制覇した。そして今度は台上攻撃型へとよりテンポの速い卓球へと移ろうとそている。このようなプレイ・タイプの変化の前に用具の革命が起きている。昔の卓球用具はラケットの直にラバーを張り付けたもので、しかもラバーは今で言う表ソフトだけだったと記憶する。そのような時代が永く続いた後、ラバーの下にスポンジを貼ったり、ラバーの裏側を表に使ったりたりと、卓球界に衝撃が奔った。それをやったのは確か日本だったと思う。その頃活躍したのは藤井選手と記憶する。振り返れば卓球は大きな変革が続いたものだ。